犬の無駄吠えがピタリと解消する8つのしつけ

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おうちのわんちゃんが吠えてしまって困っている、無駄吠えをしてご近所迷惑になっているということはないですか?

犬は吠えて当然なのですが、やはりずっとわんちゃんが吠えているとイライラしたり、怒ってしまったりと飼い主さん、わんちゃんの両方にとてもストレスフルな状況となります。

でも、無駄吠えは、ちゃんとしつけを行うことで解消できるんです。

今回は、無駄吠えに悩む飼い主さんの多くが実践されている、無駄吠え解消の方法、わんちゃんが無駄吠えをする理由、しつけグッズなどをご紹介します。

わんちゃんがなぜ吠えるのか、理由を知り、的確にしつけをすれば無駄吠えを解消でき、飼い主さんとわんちゃんの信頼関係も増して、もっと楽しくすごすことができます。

目次

1.犬が無駄吠えする8つの理由
1.1.かまってほしいなどの『欲求不満・要求』
1.2.留守番や放し飼いによる『分離不安』
1.3.来客や呼び鈴などの『恐怖』
1.4.誰かが来たなどの『縄張り意識』
1.5.病気や怪我などの『痛み』
1.6.糖質コルチロイドなどの『投薬の影響』
1.7.老化などに伴う『認知症』
1.8.他の犬につられるなどの『社会的促進』

2.最近になって無駄吠えが増えたと思った場合は?

3.無駄吠えをしつけ治す2つの基本方針
3.1.してほしい行動を「喜び」だと思わせる
3.2.してほしくない行動を「不快」だと思わせる

4.理由別、無駄吠えのしつけ方・対処法8つ
4.1.『欲求不満・要求』による無駄吠えのしつけ方
4.2.『分離不安』による無駄吠えのしつけ方
4.3.『恐怖』による無駄吠えのしつけ方
4.4.『縄張り意識』による無駄吠えのしつけ方
4.5.『痛み』による無駄吠えのしつけ方
4.6.『投薬の影響』による無駄吠えのしつけ方
4.7.『認知症』による無駄吠えの対処法
4.8.『社会的促進』による無駄吠えのしつけ方

5.大前提として犬のストレスを改善してあげる

6.音に反応して無駄吠えする場合とその対処法

7.無駄吠えのしつけをサポートしてくれる対策アプリ
7.1.自動で犬の嫌いな音を出してくれる『吠えないワン』(iphone対応)
7.2.『ドッグトレーナーサウンドセット』(iPhone対応)

8.無駄吠えの防止に役立つ3つのグッズ
8.1.カスタネットで気を紛らわす
8.2.超音波グッズで犬に聞こえる音で対策
8.3.お酢を薄めて吹きかける

9.使ってはいけない無駄吠え防止グッズ
9.1.工夫された首輪を使う
9.2.アヒルなどの口輪を使う

10.ドッグトレーナーなどのしつけ教室でしつけてもらう

11.まとめ

1.犬が無駄吠えする8つの理由

あまり知られていないことですが、そもそも犬に無駄吠えはありません。吠えているとき、犬はなにかしらの意思表示をしています。
あくまでも飼い主がなぜ吠えているか分からないから無駄だと感じてしまうだけなのです。

無駄吠えと思われている吠えには、以下の8つの理由があると考えられています。

  • かまってほしいなどの『欲求不満・要求』
  • 留守番や放し飼いによる『分離不安』
  • 来客や呼び鈴などの『恐怖』
  • 誰かが来たなどの『縄張り意識』
  • 病気や怪我などの『痛み』
  • 糖質コルチロイドなどの『投薬の影響』
  • 老化などに伴う『認知症』
  • 他の犬につられるなどの『社会的促進』

このように犬の吠える理由はさまざまですが、なぜ犬が吠えているのかを理解する事が一番大事なことといえるでしょう。

こちらでは犬の吠える理由について詳しくご紹介します。

1.1.かまってほしいなどの『欲求不満・要求』

無駄吠えと言われている吠えの多くはこの欲求不満・要求が理由と言われています。

要求には、飼い主さんに関心を持ってもらいたいという気持ちから

  • 構ってほしい
  • 散歩に連れてってほしい
  • 遊びたい

というような精神的な欲求の場合や

  • 食事やお水
  • ケージやわんちゃんのベッドの清潔さ、大きさ
  • 生活環境の温度

などの生活環境、衛生面についての欲求の場合があるといわれています。

そこで、まず初めにこのような状況がないかを見直してみましょう。

もし、わんちゃんが「吠えればなんでもしてもらえる」という思考になっている場合、これは子犬の時に甘やかされていた事や、反応してはいけないところで飼い主が反応してしまったことが要因となっているので、きちんと対処してあげるようにしてください。

1.2.留守番や放し飼いによる『分離不安』

分離不安による無駄吠えは、いつも一緒にいる飼い主さん・家族がお仕事や外出などで一時不在の時に、飼い主さんがそばにいないという寂しさ、そして、大きな不安から吠えてしまうというものです。

軽度の場合もありますがパニックになったり、深刻になると「分離不安症」と呼ばれ、心の病気になってしまうわんちゃんもいます。

犬は吠え続けると脈拍が速くなる、ストレスを抱える、胃腸や代謝が悪くなるなどの症状もでてくるので、わんちゃんの体への負担も大きくなってきます。

わんちゃんが飼い主さんの留守中にずっと吠え続けていることは、飼い主さんにとっても非常に大きな問題ですが、わんちゃんのほうもストレスとなりますので、ひとりでお留守番ができない問題児と思うのではなく、心の病気を持ったわんちゃんとして、時間をかけてお留守番になれてもらうことが必要となってくるでしょう。

わんちゃんによって違いますが、室内でケージを利用せずに放し飼いのわんちゃんは、広いスペースがストレス、興奮状態を促進することがあり、これが不安の原因となる場合があります。ケージやサークルの利用を検討されることもひとつの対処法となります。

もちろんケージやサークルのせいで逆に不安を感じるわんちゃんもいます。
どちらが自分のわんちゃんにとってより良い環境なのか知ることも、不安を取り除く上で重要です。

1.3.来客や呼び鈴などの『恐怖』

恐怖から無駄吠えをしてしまうわんちゃんもいます。その恐怖の対象は、呼び鈴(玄関チャイム)の音、知らない人、車の音、おうち以外から聞こえてくる音、カミナリなど様々です。

主に家に来る知らない人(来客)を恐怖に感じて吠えてしまうことが多いです。これは犬本来の行動ではありますが、社会性を身につけることで緩和できます。

1.4.誰かが来たなどの『縄張り意識』

縄張り意識は犬の祖先オオカミから引き継がれているもので、この縄張り意識が強い犬ほど、誰か知らない人(来客)が来ると縄張り(家)に侵入者が来たと認識し、威嚇するために吠えます。

そして、吠えることでだれか知らない人(侵入者)を追い出そうとして、もし、その誰か知らない人(侵入者)が怖がったり、帰っていくと、犬は自分がいい仕事をしたと思います。

縄張り意識によって吠えてしまうことは犬にとって自然な行為なのですが、あまりにも吠え続けてしまうと近所迷惑になってしまいますので配慮が必要です。

1.5.病気や怪我などの『痛み』

もし、わんちゃんの無駄吠えが病気、怪我などによる痛みからくるものであれば、それは緊急事態の可能性が高いと考えられます。犬は、本来の能力から痛みに強く、弱っている姿をほとんど見せません。

そのため、痛みからくる吠えをすることがあります。その違いに十分に注意し、普段と違う吠えの場合は、早急に獣医さんにみてもらいましょう。

1.6.糖質コルチロイドなどの『投薬の影響』

2016年、ニュージーランド・リンカーン大学のロレーラ・ナトーリ氏の調査によると、糖質コルチコイド薬の投薬によって無駄吠えが増えたという報告がありました。

参照:L.Notari(2016)「Exogenous Corticosteroids and Dog Behaviour」

この調査は糖質コルチコイド投薬治療を受けたことのある31頭の犬の飼い主さんを対象とし、投薬中と投薬後の犬の行動の変化についての回答をしてもらい、11頭に無駄吠えや驚きやすくなった、怒りっぽくなったという変化があったということです。

少なからず、糖質コルチコイド薬の投薬はわんちゃんへの何らかの影響がある可能性があるようです。

1.7.老化などに伴う『認知症』

人間と同様に犬にも認知症の症状が現れる場合があります。この認知症の症状の中に無駄吠えや夜泣きがあります。

老化が始まる時期は犬種により異なりますが、以下が大体の目安となりますので、もし、この時期から無駄吠えが増えたと思い当たる場合には、認知症の可能性も考えられます。

  • 小型犬;9~13歳
  • 中型犬:9~11歳
  • 大型犬:7~10歳
  • 超大型犬:6~9歳

1.8.他の犬につられるなどの『社会的促進』

多頭飼いをしている場合、1匹のわんちゃんに吠えの癖があり、その犬が吠えだすと他のわんちゃんも一緒になって吠え始めることがあります。これが社会的促進です。

また、散歩中にすれ違うわんちゃんやご近所さんでわんちゃんを飼ってらっしゃって、そのわんちゃんが吠え始めるとご自身のわんちゃんも吠え始めるケースも同様に社会的促進です。

いつもそんなに吠えないのに、他のワンちゃんがいると吠えてしまう場合は、社会的促進の可能性も考えられるでしょう。

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2.最近になって無駄吠えが増えたと思った場合は?

以前は無駄吠えをあまりしなかったのに最近になって無駄吠えが増えたという場合は、早めにその原因を見つけ出すことが大事です。

無駄吠えが増える原因は「犬が無駄吠えする8つの理由」の中にもある 病気や怪我などの痛み、投薬の影響、老化などに伴う認知症などの可能性が考えられますので、まず、獣医師に相談することをお薦めします。

その他にはストレスが原因となっていることもあり、適切な食事や散歩、運動ができているか、生活環境はどうか(暑さ、寒さなど)、犬にとって不快なものはないか(騒音、雑音や周囲の明るさなど)、飼い主さんとのスキンシップが十分にあるかなどから、何がストレスの原因となっているのかを探し出すことが不可欠となるでしょう。

3.無駄吠えをしつけ治す2つの基本方針

わんちゃんの無駄吠えをしつけ治すには、飼い主さんの方もしつけの基本となる方針を念頭に置くことが重要になるのではないでしょうか。

この基本方針は2つあり、犬の無駄吠えには、この両方が効果的といわれています。

無駄吠えの理由により、しつけ直しの方法は少しずつ異なりますが、基本方針は同じです。

こちらでは、2つの基本となる方針をご紹介します。

3.1.してほしい行動を「喜び」だと思わせる

飼い主さんがわんちゃんにしてほしい行動(正)を、喜びによって強化することを正の強化といいます。

これは、わんちゃんがおやつなどのご褒美(=喜び)を与えられることによって、その行動が強化されることです。

このようにちゃんとできたら褒めてあげる(ご褒美=喜び)ことを繰り返し行うことにより、わんちゃんもこうすれば褒めてもらえる、飼い主さんも嬉しいんだと理解します。

3.2.してほしくない行動を「不快」だと思わせる

飼い主さんがわんちゃんにしてほしくない行動(正)を弱化することを正の弱化といいます。

これは、行動を消極的にする要因(=不快なこと)をわんちゃんが与えられることによって、その行動をしたくなくなる、ということです。

こちらも無駄吠えをしたら、叱られてしまう(不快なこと)と認識させていくと無駄吠えも減っていくようになります。この場合も、無駄吠えをしなかったらちゃんと褒めてあげる(ご褒美=喜び)ことをしてください。

ただし、不快なことの与え方を間違えてしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。

体罰はもちろんですが、不必要に怒鳴りつけたり、怯えさせるようなことはしないようにしましょう。
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4.理由別、無駄吠えのしつけ方・対処法8つ

犬が無駄吠えをする理由についてはご紹介しましたが、それぞれの理由によってしつけ方や対処の方法が異なります。

こちらでは、8つの理由ごとにしつけ方、対処方法をご紹介します。

4.1.『欲求不満・要求』による無駄吠えのしつけ方

欲求不満・要求による無駄吠えの場合はいくつかの対処方法があります。

欲求不満を解消してあげる

わんちゃんが何について欲求不満を感じているかを確認し、改善、欲求を満たしてあげるだけで無駄吠えをしなくなったり、減ったりする場合があります。

欲求不満の原因には、お散歩や飼い主さんとのコミュニケーション、食事や生活環境(ケージやベッドの衛生面、大きさ、温度など)によるものがありますので、十分に運動、お散歩ができているか、飼い主さんと遊べているか、食事の量や質、快適な環境かなど思い当たることがないかを確認してみることをお勧めします。

フォーマットトレーニングを利用してみる

これは、犬の状態を初期化(フォーマット)するという意味の基本となるトレーニングで、初期化(フォーマット)は、おすわり、まて、おいで、の3つの基本動作です。

わんちゃんが無駄吠えを始めたらおすわりと指示を出すと、無駄吠えをやめることができる可能性があります。

吠えている間は無視をする

わんちゃんが吠えたときに要求を通してしまうと、犬は吠えると思うとおりになると学習してしまい、無駄吠えはさらにエスカレートしますので、わんちゃんが吠えている間、飼い主さんは、わんちゃんを無視をしてみましょう。

一定の時間わんちゃんがいないもの、まるで空気のように扱うと、わんちゃんは飼い主さんの関心(ご褒美)がなくなるので、わんちゃんは罰を受けている感覚になります。

そして吠えていない時は、ご飯やおやつをあげたり、遊んだり、お散歩へ行くなどのわんちゃんにとってのご褒美(飼い主さんの関心)をあげるとメリハリもでき、だんだんとわんちゃんも学習していきます。

ただ、わんちゃんの無駄吠えの間にもし、飼い主さんが根負けや妥協をしてしまい、1回でもわんちゃんに関心(ご褒美)を向けると無駄吠えをよりエスカレートさせてしまうことになりますので、お気をつけください。

4.2.『分離不安』による無駄吠えのしつけ方

わんちゃんを一人でいることに慣れさせることが重要なポイントになります。

いつも飼い主さんや家族と一緒にいると、一人でいることがとても特別なことのように感じるので、「一人でいること=特別ではない」と認識させることで分離不安による無駄吠えを抑えることができます。

対処法として、飼い主さん、家族と一緒にいるときに時々一人にし、お留守番体験をさせてみるというのがあります。

最初はわんちゃんが一人でいる時間を10分程度から始め、これを繰り返し行い徐々に時間を長くし、お留守番に慣れさせます。

また、外出の前にお散歩や運動でわんちゃんを適度に疲れさせるのもいいでしょう。
わんちゃんが落ち着いてお留守番ができるので有効な手段です。

他にも、広いスペースがストレス、興奮状態となる場合もあるので、外出時にはケージやサークルを利用し、わんちゃんがケージやサークルが落ち着ける、安心できる場所として認識できれば、無駄吠えが減るということがあります。

わんちゃんの好きなおもちゃを置いておく事も有効です。

4.3.『恐怖』による無駄吠えのしつけ方

もし、わんちゃんが何かに恐怖心を持っている事が原因で吠えてしまう場合、その「恐怖心を持っている何か」を取り除いてあげると無駄吠えがなくなることもあります。

犬が恐怖に感じてしまうものは、主に音に関する事や知らない人ですが、恐怖の対象は犬によって様々ですので、わんちゃんをよく観察し、恐怖の原因を探す、そして、その恐怖の原因を排除してあげましょう。

他には、犬が恐怖に感じている事にだんだんと慣れさせて、恐怖に感じていた事が段階を追って嬉しいことや喜びに変化(転換)させていく拮抗条件付け(きっこうじょうけんづけ)という方法がありますので以下を参考にしてみてください。

拮抗条件付け(きっこうじょうけんづけ)

わんちゃんが吠える状況(例:来客;少しだけ顔や手を見せる。いきなり全身は見せない)

わんちゃんが吠える

わんちゃんが吠えなくなるのを待つ

吠えなくなった瞬間にご褒美(来客の方は一旦外へ出る)
※大好きなおやつや飼い主さんが褒めてあげる

繰り返す
(徐々に来客が見せる範囲を増やす。顔や手だけ→足だけ→上半身…など)

わんちゃんが吠えなかったら、ご褒美がもらえると学習する

4.4.『縄張り意識』による無駄吠えのしつけ方

縄張り意識の強い犬は多くの場合、社会性が身についていないと考えられます。社会性が身につくと、自信につながり吠えることが少なくなります。

そのため、積極的に他のわんちゃんや人間と交流させ、社会に慣れさせるようにしましょう。

社会性が身につくと自分の縄張りを荒らさない犬や人間もいると認識し始め、無駄吠えも減っていくでしょう。

また、飼い主さんを自分より弱いと認識しているわんちゃんの場合には、自分の縄張りに侵入者(見慣れない人や犬)が入ると、飼い主さんを守らなければいけないと思い、威嚇し、吠えることがあります。

侵入者(見慣れない人や犬)が見えないように室内犬ならお部屋のカーテンを閉める、屋外犬なら犬小屋を玄関から離す、向きを変えるなどをし、わんちゃんが見える風景、視界に制限をするだけで無駄吠えが減る可能性もあります。

4.5.『痛み』による無駄吠えのしつけ方

犬は、痛みに強い動物ですが、もし、その我慢強い犬が痛みによって吠えている場合は、緊急を要する可能性をお考え下さい。

特にうずくまっていたり、トイレの時に以下のような鳴き方をしていたら大きな病気の兆候も考えられるので、すぐに動物病院へ行ってあげましょう。

  • 弱々しい鼻声
  • 高い鳴き声
  • 悲鳴

4.6.『投薬の影響』による無駄吠えのしつけ方

もし、投薬中の薬による影響で、無駄吠えをするようでしたら、担当の獣医師さんに他に同様の薬はないか、または、お薬の量を減らせないかなどを相談されることをお薦めします。

4.7.『認知症』による無駄吠えの対処法

犬の認知症は、人間と同じく脳の抑制力がなくなりますので、気持ちや行動が子供に戻ってしまいます。

そのため、子犬のように吠えてみたり、また、さみしさから吠えてしまうこともありますので、わんちゃんの要求をわかってあげられるよう、観察することも大事でしょう。

寂しさからの無駄吠えの場合、できるだけ飼い主さんがわんちゃんのそばにいてあげるようにすると改善される場合もあるそうです。

認知症は治すことが難しい病気といわれていますので、動物介護について調べておく事や飼い主さんの留守中は老犬ホームなどにお願いするなどを検討されるのも方法の一つです。

4.8.『社会的促進』による無駄吠えのしつけ方

多頭飼い場合に連鎖反応で起こる無駄吠えは、まず、無駄吠え癖をもつわんちゃんを探り出して、そのわんちゃんへしつけを行うと、ほかのわんちゃんも無駄吠えをしなくなる可能性があります。

また、散歩中に出会うわんちゃんやご近所のわんちゃんが吠え始めるとご自身のわんちゃんも吠え始めるケースもありますが、いずれの場合も前述の正の強化、正の弱化を利用して、しつけを行うといいでしょう。

5.大前提として犬のストレスを改善してあげる

犬のストレスの要因は以下のような精神的、環境的、病気などからくることが考えられます。

わんちゃんのストレスの改善には、ストレスの原因を見つけ、それぞれにあった対処をしてあげることが重要になるでしょう。

精神的なストレス

• 恐怖心、緊張感
→ わんちゃんの恐怖や緊張の対象を取り除いてあげる

• 社会性の欠如
→社会性を身につける訓練をする

• 悲しい、不安、寂しい
→飼い主さんとのスキンシップを増やす

• 欲求不満
→何が欲求不満かを確認し改善、欲求を満たしてあげる

環境的なストレス

• 運動不足、運動過多
→わんちゃんにあった適度な散歩、運動をする
• 温度(寒さ、暑さ)
→適温に調節してあげる
• 不衛生さ
→ケージや犬小屋をいつも清潔にしておく

病気などによるストレス

• 栄養不足、栄養過多
→栄養失調や肥満などの症状も考えられるので適度な量で栄養を考えた食事を与える
• 痒み(かゆみ)
→アレルギーや虫刺されなども考えられるので獣医師さんへ相談する
• 病気、痛み、薬物の影響
→獣医師さんへ相談する

犬用のガムやおもちゃ遊び、散歩など犬が楽しめること、好きなことをたくさんさせることによってストレス発散できる場合もあります。
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6.音に反応して無駄吠えする場合とその対処法

わんちゃんの嫌いなもののひとつに「音」があります。もし、わんちゃんが玄関チャイムなどの音に反応して吠えてしまう場合、わんちゃんがその玄関チャイムの音に恐怖心をもっていると考えられます。

そこで、系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)という、犬が恐怖に感じている事に慣れさせる方法で改善することができます。

これは、最初は弱い音(刺激)から、そして徐々に音(刺激)を強くしていくもので、以下をご参考にしてみてください。

系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)

例:玄関チャイムの場合
①玄関チャイムの音をスマホなどに録音しボリューム調節ができるようにしておく

②わんちゃんが吠えない程度のボリュームを確認、スマホで設定し音を出す

③録音した玄関チャイムの音に、わんちゃんが反応しなければご褒美をあげる
※もし、吠えてしまったらボリュームを調整する

④わんちゃんが一定のボリュームに慣れたらボリュームをだんだんと大きくする

⑤わんちゃんの反応を観察し、吠えなければご褒美をあげる

⑥わんちゃんが慣れてきたら、本物の玄関チャイムを鳴らしてみる

⑦吠えなければご褒美をあげ、もし吠えたら、④の段階にもどる

7.無駄吠えのしつけをサポートしてくれる対策アプリ

無駄吠えのしつけには、便利なスマホアプリも登場しています。手軽に利用できるので、試しにつかってみるのもいいでしょう。

こちらでは2点ご紹介します。

7.1.自動で犬の嫌いな音を出してくれる『吠えないワン』(iphone対応)

これは、わんちゃんが吠えると犬の嫌いな缶、掃除機の音が出て、無駄吠えを防止するというアプリです。音量、音の長さが設定でき、履歴も残るようになっています。

わんちゃんにもよりますが、「無駄吠えがおさまった」という飼い主さんもいらっしゃれば、「まったく効果がない」というわんちゃんもいます。

こちらからダウンロードできます

使い方は、スマホでこのアプリを起動してから、犬に近ずき、わんちゃんの嫌いな音を出すタイプなので、少々時間がかかり面倒な面もあるようですが、ダウンロードするだけでとても手軽に試すことができます。

7.2.『ドッグトレーナーサウンドセット』(iPhone対応)

こちらは、プロのトレーナーさんが犬のしつけ時に使用する以下の3種類の音を1つにまとめたアプリです。

出典 |Apple Store  

1. 超音波 = 無駄吠え、いたずらの時
2. クリック音 = クリックトレーニングに使用
3. 犬笛 = 本物の犬笛の音(クリック音よりも遥かに遠くまで聞こえる)

やはり、わんちゃんにもよるので、「最大音量でも吠えまくる」「反応なし」「犬笛を忘れた時にバックアップとして使えるいいアプリ」というご意見があります。

プロのトレーナーさんが使用する音なので、少し訓練を受けたわんちゃんには効果があるかもしれません。

こちらからダウンロードできます

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8.無駄吠えの防止に役立つ3つのグッズ

こちらでは、無駄吠え防止に役立つグッズ3つをご紹介します。

わんちゃんが吠えるのをやめたときには、ちゃんと「よく出来たね」と褒めてあげてくださいね。

8.1.カスタネットで気を紛らわす

皆さん、ご存知のカスタネットです。

使い方は、非常に簡単。
わんちゃんが吠え始めたら、カスタネットを1回叩く。

カスタネットの音が気になり、わんちゃんの意識が音の方へいく。

吠えるのをやめる

これだけです。

ただ、わんちゃんの耳はとても敏感で、カスタネットを何度も叩いてしまうと、逆効果となり、わんちゃんがカスタネットに向かって吠えてしまうこともあります。

カスタネットを叩くのは1〜2回がいいでしょう。

8.2.超音波グッズで犬に聞こえる音で対策

わんちゃんが無駄吠えすると、感知し超音波を発信するグッズがあり、無駄吠えを感知する感度の調節や人間には聞こえない超音波と聞こえる超音波を切り替えられるものもあります。

メリットとしては、ニオイがなく、人間には聞こえない超音波の場合は日常生活に支障もありません。

効果は様々で、吠えなくなったわんちゃんもいれば、超音波に反応して吠えてしまうわんちゃんもいます。

8.3.お酢を薄めて吹きかける

お酢のニオイが嫌いなわんちゃんは多いそうですので、その嫌いなニオイを利用して無駄吠えを防止する方法です。

お酢を水で薄めて霧吹きに入れ、犬が無駄吠えをしたときに鼻先にシュッとひと吹き。 これだけで、吠えなくなります。

ただ、わんちゃんによっては、お酢に慣れてお酢が好きになったり、飼い主さんがお酢をかけたという事がわかると犬の防衛本能から、飼い主さんに攻撃的になる可能性もあります。

そのため、継続的に使用することは避け、一時的な処置としての使用がいいでしょう。

9.使ってはいけない無駄吠え防止グッズ

こちらでは絶対につかってほしくないグッズをご紹介します。

効果があるとされているものも多いですが、ほぼ虐待ともいえるものになっていて、わんちゃんとのステキな関係を壊してしまう恐れすらあります。

使用するのは控えましょう。

9.1.工夫された首輪を使う

首輪型のむだ吠え防止装置で、微電流を流すタイプとわんちゃんの嫌いなニオイを出すタイプがあります。

電流タイプ

わんちゃんが吠えたら喉の振動、声帯を感知、微電流を流す首輪です。

外出の際にも使用でき、お散歩時に他人や他の犬に吠えてしまうわんちゃんに有効とされていますが、わんちゃんにとてつもないストレスを与えます。

ストレスだけでなく、わんちゃんの身体が損傷してしまうことも多いです。

それに、電流による恐怖支配はその場しのぎでしかありません。

仮に使ったとしても首輪を外せばいつも通り、なんてことになります。

微弱とはいえ電流です。自分の身に置き換えて考えれば、どれほど恐ろしいことか分かるはずです。

臭いを出すタイプ

わんちゃんが吠え始めたら内蔵されているセンサーが作動、わんちゃんの嫌がるニオイを噴射しします。

これも自分の身に置き換えて考えれば、正しい方法ではないとわかるでしょう。

9.2.アヒルなどの口輪を使う

口輪は犬の口にセットし口が開かないようにするもので、口を覆ってしまうため、無駄吠え、噛み付き、拾い食いなどは一切できなくなります。しなくなるのではなく、できなくなるのです。

口輪を使っているせいで、本当に吠えなければならないときに口が動かせなかったら、回避できたはずの危険が回避できなくなってしまいます。

さらに、口が開かないので、わんちゃんは体温調節ができなくなってしまいます。

夏に使ったら命に係わりますし、夏でなくても体調を崩す原因になりかねません。

何度もお伝えしていますが、自分の身に置き換えて考えて下さい。

口を自由に開けなくするなんて、ただの拷問です。しつけではありません。
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10.ドッグトレーナーなどのしつけ教室でしつけてもらう

もし、飼い主さんの手に負えない、どうにもできないときには、プロのドッグトレーナーに相談、お任せすることが解決策の一つとなるでしょう。

トレーナーさんはしつけのプロですし、しつけ教室のグループレッスンではさまざまな種類や大きさのわんちゃんと一緒に学べるので、わんちゃん自身が社会性を勉強できます。

また、しつけ教室は犬だけでなく、飼い主さんも一緒に犬との接し方やしつけ方を学ぶことができます。

しつけ教室は以下の点を重要ポイントとして選んでみてはいかがでしょうか

①見学、問い合わせに親切に対応してくれる
②学ぶ目的をはっきりとさせ、目的に合った教室を選ぶ
例)基本となるしつけを徹底したい、問題行動を直す、高度な訓練を受けたい。
③適正な価格設定

また、トレーナーさんが持っている資格についても聞いてみるといいでしょう。その資格を与えた団体によりどのような指導方針なのかがわかり、その指導方針がわんちゃんに合っているか、飼い主さんが求めているものかを事前に確認しましょう。

以下、よいトレーナーさんについていくつか挙げていますのでご参考にしてみてください。

  • 問題行動を理解、性格に合った柔軟なしつけをしてくれる
  • わんちゃんに対して誠実
  • 飼い主さんの悩み、心配を取り除き、適切なアドバイスをくれる
  • 安全で安心な環境でトレーニングしてくれる
  • わかりやすく、飼い主さんや家族も続けて出来るしつけ方法を教えてくれる
  • 愛情をもって向かい合ってくれる

しつけはトレーナーさんまかせではなく、おうちでも飼い主さん、家族が協力して継続することが重要となります。

11.まとめ

吠えるというのは、話すことができないわんちゃんの自然な行為です。わんちゃんは、吠えることで何かを伝えようとしています。

そして、吠えることや他の問題行動といわれることにも理由がありますので、むやみやたらに怒ったりしないでくださいね。

縁あって一緒に住むことになったわんちゃんですので、是非とも愛情をもって、吠える理由を考えてあげてください。

「お腹がすいた」とか、「もっと遊んで」「もっとなでて」のように、すごく簡単なことを伝えたいだけかもしれません。コミュニケーション、スキンシップをいつも以上にとってあげてください。
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