犬に噛まれた時の処置がわかる!腫れる場合の処置と病院での治療

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犬に噛まれると痛いですよね。しかし、ちょっとの怪我なら大丈夫、と甘く見ていませんか?

犬に噛まれると、怪我にも種類があり処置が分かれますが、同時に感染症の疑いも出てくるため、小さな怪我といえども看過してはいけないものなのです。感染症は狂犬病だけではありません。

ここでは、犬に噛まれた場合、一般的に行われる怪我に対して取るべき行動や、治療に際しての保険について、噛みつきの報告義務などをご説明します。

飼い主にも、他人の犬の噛まれた場合にも、必要な知識をまとめてあります。万が一のためにも、最後まで読んで、適切な対処ができるように心がけておいてください。

目次

1.犬に噛まれた時に考えられる3つのケガ
1.1.内出血
1.2.裂傷
1.3.腫れ

2.犬に噛まれることでかかる可能性がある3つの感染症
2.1.破傷風
2.2.パスツレラ症
2.3.狂犬病

3.犬に噛まれた時の対処法
3.1.まずはすぐに洗浄と消毒を
3.2.病院は何科に行けばいい?保険は適用される?
3.3.他人の犬に噛まれた時はどうすればいい?警察に被害届を出すべき?

4.まとめ

1.犬に噛まれた時に考えられる3つのケガ

犬が人を噛んでしまった場合、犬が人を噛んだ場合、一般的に大きく分けて3つの怪我に至ります。

特に問題となるのは怪我をさせてしまった時です。飼い主や家族に限らず、第三者に怪我をさせてしまったら大変です。

赤ちゃんが噛まれる事件や、ストレスで飼い主を噛んだ事件などが聞かれるようになってきました。どんな犬でも油断は禁物です。絶対に大丈夫ということはありません。

まずは、噛まれた時にできる怪我について知っておきましょう。

1.1.内出血

犬に軽く噛まれた場合、傷にはならなくても噛まれた部位が赤紫色に腫れることがあります。これは内出血で、皮下組織や、体腔内に血液が溜まってしまった状態を指します。

打撲と同じように痛みがあります。初期段階では炎症が起きているので、症状の悪化を防ぐためにすぐに冷やします。

腫れが引いてきたら、今度は血行を促進させるために温めると、治りを早くすることができます。完治した後に、あざの痕が残ってしまう場合があります。

衝撃を受けた時に、体の防御機能としてメラニン色素を多く作り出してしまうためで、日本人は比較的にあざの痕が残りやすいといわれ、特に老化後は残りやすいといわれます。

内出血のみの場合は、時間の経過とともに自然治癒しますが、皮下組織にダメージを受けている場合は治癒が遅くなることがあります。

また、内出血とはいえ、皮膚に多少でもダメージを受けていると、何らかの菌が侵入して感染症を引き起こす恐れもありますので、安心はできません。

治りがあまりにも遅い場合や、赤く腫れてきた、熱を持ってきたなどが見られたら、早めに病院で診察を受けましょう。

1.2.裂傷

強く噛まれると深い傷を負い、かなりの出血を伴うこともあります。皮膚や粘膜など、表面が避けた状態の傷を裂傷といいます。傷が大きいと縫合が必要なことがあります。

また、感染症に気を付けなくてはいけません。傷の部分(創部)から雑菌が入り、皮下組織内で細菌が繁殖し、化膿してしまう恐れがあるのです。

化膿すると傷の回復が遅くなり、最悪の場合は傷周辺が壊死してしまう場合もあります。

また、2項で説明する感染症にかかると、最悪は死に至ることもあります。

表面の傷よりも怖いのが、牙が皮膚を貫通した時です。牙についた雑菌が体内の奥へ入ってしまう可能性があるからです。

牙だけが貫通してそのまま抜けただけの場合、表面から見た傷は小さく見えますので、痛いながらも放置しやすいのですが、体内に雑菌が入ったかもしれず油断はできません。病院で治療を受けるようにしましょう。

本気で噛まれたり、腕を引くなどして牙や歯で引き裂かれたようになると、傷が深く出血も多くなり危険です。

裂傷は切り傷などと違い、傷の表面が不規則にギザギザした状態になります。このため治癒も比較的遅く、傷痕が残りやすくなります。

1.3.腫れ

傷口から雑菌が入って皮下組織内で繁殖してしまった状態を化膿といいます。この場合、傷口周辺がひどく腫れ、痛みも増してきます。

この状態は放置してはいけません。腫れや痛み、赤くなる、傷口や周辺に熱を持つといった症状がでます。少しでも症状が見られたと感じたら、早急に病院で治療を受けましょう。

特に、出血が無かった場合、傷口が小さかった場合は自然に治ると思い、油断していることが多いでしょう。

少しの間は傷口の様子に注意し、おかしいと思ったらすぐに受診してください。
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2.犬に噛まれることでかかる可能性がある3つの感染症

犬に噛まれて気を付けなくてはいけないのは、怪我だけではありません。傷口から入った雑菌による感染症には、十分に注意と警戒が必要です。

最悪は死に至る危険もあります。

犬に噛まれることで、一般的に3つの感染症が心配されます。

症状や予防、対処についてご説明します。

2.1.破傷風

破傷風は、土壌中に広く分布する破傷風菌に感染することで発症します。最悪は死に至ることがある感染症です。

破傷風は主に傷口から感染することが多く、発症すると口元の麻痺や顔面筋のけいれんが起こった後、数日で全身の筋肉硬直や強直性けいれん発作、進行すると全身麻痺や筋肉弛緩などが起こり、最悪は死に至ります。破傷風は潜伏期間がありますので、3日~数週間は注意が必要です。

日本では破傷風の予防接種が義務付けられていますが、効果は10年ほどといわれています。

ですから、子供の時に予防接種を受けていても、大人になった時や免疫力が低下した時、高齢者などは注意が必要。

破傷風はあらかじめ予防接種をしておくと感染予防ができます。

また、犬に噛まれた際には、破傷風トキソイドを接種するなど、発症予防の処置を受けることもできます。

2.2.パスツレラ症

犬では約75%、猫では100%が常に口内に保有していると言われるパスツレラ属菌に感染することで発症します。噛まれるだけでなく、ひっかき傷からも発症します。

口移しなどの過剰な接触でも感染する恐れがあります。一般には傷が腫れ、化膿する症状が出ます。

しかし最近では、呼吸器疾患や骨髄炎など、重症化するケースや死亡するケースも出ています。

高齢者、糖尿病患者や抵抗力が弱い人などが特に感染しやすいといわれます。

治療については抗生物質が有効ですので、犬に噛まれた際は医師に相談し、早めに対処する方が無難です。

2.3.狂犬病

狂犬病ウィルスを保有している犬に噛まれたときに感染する疾患です。

狂犬病を発症すると、発熱、食欲不振、傷の痛みや知覚異常が現れます。進んでくると水が飲めない恐水症やけいれん発作、麻痺などが起こり、さらには呼吸困難や血圧低下を起こして死に至るケースもあります。狂犬病は今でも治療法が確立されていません。

犬に噛まれるとすぐに思い浮かぶのが狂犬病ですが、実は日本では50年以上狂犬病の発症が報告されていないため、発症する可能性はほぼないと言われます。

しかし、海外では毎年死者を出しており、海外へ渡航する人が多いことや、輸入ペットがいることも考えると油断はできません。

もし海外で犬に噛まれた場合は、早急に傷口を流水で10分以上洗い、一刻も早く病院へ行って予防接種を受けましょう。

さて日本では、念のために噛んだ犬が狂犬病の予防接種をきちんと受けているか確認します。

不明な場合や、狂犬病感染の疑いがある犬である場合はすぐに病院へ行き、医師に相談しましょう。

3.犬に噛まれた時の対処法

犬に噛まれた場合、傷口の大きさも問題ですが、同時に細菌感染に注意する必要があります。

犬の口内には様々な細菌が潜んでいます。傷が小さいからと油断をしてはいけないものなのです。

犬に噛まれたらまずは傷口の洗浄、出血していたら止血が必要です。傷がたいしたことがないからと放置することもしばしばあるでしょう。

しかし、後で悪くなってからでは治癒にも時間がかかりますし、何より重症化したら大変です。念のために病院で治療を受けることがベストです。

3.1.まずはすぐに洗浄と消毒を

犬に噛まれて怪我をしたら、まずは流水で傷口をよく洗います。

溜めた水ですと、流れ落ちた細菌が水の中に溜まり、また傷口に戻る可能性がありますから、流水が適切です。

良く洗い流した後に消毒液で傷口の消毒をします。消毒薬として、最近は傷口を塞ぐ効果がある物がありますが、これは避けます。

感染の可能性を残したまま傷口を塞いでしまうと、細菌を体内に閉じ込めてしまうからです。

傷口がひどく出血がある場合は、傷口にガーゼやタオルをあてて強く圧迫する、直接圧迫止血法で止血します。

この際、傷口は心臓より高い位置にしておくようにすると早く止血します。

自分での対処が済んだら、病院へ行って治療を受けましょう。傷口の具合によっては縫合が必要な時もあります。

また、細菌感染には十分に対処しておく必要があるため、傷が小さい、出血が止まったからなどと侮らないようにしましょう。

止血できないほどの傷や、あまりに出血がひどい傷は、とにかく病院へ急ぐか、最悪は救急車を呼んだ方が良いこともあります。傷の具合を見て、迷う場合は「念のため」に大げさな方を選択することも必要です。

3.2.病院は何科に行けばいい?保険は適用される?

犬に噛まれた時は、皮膚科や外科を標榜している病院やクリニックへ行きます。傷が出血している場合は傷の処置が必要になるため、外科へ行く方が望ましいです。

どちらにしても、皮膚科や外科であれば、噛みつきの傷に対する初期的な処置は行えます。傷の深さや重症度によって整形外科や形成外科での処置が必要となります。

どちらか悩んでしまう場合や知っている医療機関が無い場合は、とりあえず外科に行き、そこで対処ができない場合は紹介してもらうなどの対処をした方が早いでしょう。

受診する際、問題になるのが健康保険の適用が可能かどうかです。

病院側の手続きが煩雑になるためか、健康保険は適用されないと説明する病院も少なくないようです。

自分の飼い犬に噛まれた時は、自分の所有物で怪我をしたという扱いになるため、通常通り健康保険で受診できます。

他人の犬に噛まれた場合は事情が変わります。まずは、噛まれた時に通勤中や仕事中であったかどうかの確認をします。

通勤中や仕事中の場合は、労災保険適用の対象となるため、最初に会社に連絡を取り、指示を仰ぐことになります。会社から労働基準監督署に連絡が入れられます。

通勤や仕事中ではない場合は、民法上の第三者行為にあたるため、治療費は飼い主が全て、つまり10割を負担します。

できれば一緒に病院に行き、飼い主に治療費を払ってもらうことが、最も手続きが簡単です。

もし一時的に健康保険で治療を受ける場合は、注意することがあります。

自己負担額(例えば3割)を自分で払っておくか飼い主が都度払うかは交渉次第ですが、保険証を発行している保険組合や協会などに届け出が必要になります。

届け出の書類は保険組合によって異なりますので確認してください。

後日、保険組合等から飼い主へ、立て替えた医療費(例えばこの場合は7割)の請求がなされます。保険組合に連絡をする前に飼い主と示談をしてはいけません。

示談内容によって、保険組合が飼い主に立て替え分を請求できなくなると、噛まれた人が代わりに負担しなくてはいけなくなります。

やはり病院によって、健康保険の適用ができないと簡単に説明するところもありますが、使えないわけではありません。

実際は立て替えという形で健康保険での受診はできますので、手続きをきちんと行うのであれば、健康保険での治療を希望してください。

あるいは、飼い主が個人賠償責任保険に加入している場合や、犬に損害保険をかけている場合があります。

この時もまた病院側の手続きが変わるので、あらかじめ飼い主に確認をとり、病院側に伝えましょう。

3.3.他人の犬に噛まれた時はどうすればいい?警察に被害届を出すべき?

他の人の飼い犬に噛まれた時は、まずは相手の連絡先を必ず聞きます。

後でひどくなる場合もありますし、感染症がでたら困りますので、怪我の大小にかかわらず聞いておきましょう。

後で何か発生してからでは受け付けてもらえないなどのトラブルになることもあるので、噛まれたら一度病院に行く方が本来は適切です。

噛みつき事故が発生した場合、飼い主に刑法上の過失が認められます。過失傷害罪は親告罪ですから、被害者が届を出さないと何も起きません。出血を伴う場合や怪我が大きい場合は被害届を出しましょう。

告訴をする意思がなくても、被害届を出すことには問題がありませんし、出さなければいけないというものでもありません。被害届を出したからといって必ず警察が動くわけでもありません。

しかし、被害届を出しておくことにより、もし同一の犬に対して複数人から被害届が出た場合は、これ以上の被害を防止するため、捜査に動くことがあります。

大げさなことにしたくない心情もあるかと思いますが、被害届は申告ですから、出しておいた方がよいでしょう。

相手の不注意があまりにひどい、よくトラブルになっている、態度が悪いなどの場合は出したほうが良いでしょう。

もし、相手が犬をけしかけたり何か故意的な行為を取っていた場合は、過失ではなく傷害罪になりますから、この場合は必ず被害届を出しましょう。

ただし、警察に被害届を出したからといって、相手の連絡先を教えてくれるとは限りません。昨今は個人情報の取り扱い等で開示しないことも多いようです。

警察は民事不介入ですから、連絡先はどちらにしても必ず自分で聞いておきましょう。

警察とは別に、犬に噛まれた場合は保健所への報告の義務があります。

各地の条例によって多少の違いはありますが、基本的には飼い主の他、噛まれた人、治療にあたった医師の3者からの報告が必要とされています。

役所や保健所に報告書の書式や内容を問い合わせて、必要な報告をしてください。
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4.まとめ

犬に噛まれた場合はなんらかの怪我が発生します。

また怪我だけでなく、感染症にも気を付けなければいけません。

噛まれたら傷の対処はまずどうしたらよいのか、かかる病院は何科がよいのか、他人の飼い犬に噛まれた時の対処など、噛まれて気が動転している時に、考えなければいけないこと、やらなければいけないことがたくさんあります。

あらかじめ、知識を持っていると慌てなくて済みますので、この際によく覚えておいていただくとよいでしょう。

しかし最も大切なことは、噛みつき事故の予防です。飼い主は犬に人を噛ませないしつけをする、絶対大丈夫ということはないという意識を常に持つことです。

逆に周囲は犬を挑発しないように、お互い幸せに共存できる関係でいられるようにしたいものです。
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