ヒバ油って聞いたことありますか?
犬は皮膚がデリケートなため体調の変化や環境の変化などですぐに皮膚炎などの症状を引き起こしてしまいます。
実はその皮膚炎、細菌やカビなどの増殖を抑える働きのあるヒバ油で改善できるかもしれません。
そこで今回は、犬の皮膚の悪化などに効果が期待できるヒバ油について、どんな油なのか、どんな効果があるのか、使い方など詳しくご紹介します。
治らない皮膚炎はヒバ油で改善するかもしれません。犬の皮膚病で悩んでいる方はぜひ試してほしいものです。
目次
1.そもそもヒバ油ってなに?
1.1.ヒバ油とは
1.2.ヒバ油の効果
2.ヒバ油は犬にも効果的
2.1.外耳炎に
2.2.膿皮症に
2.3.涙やけに
2.4.犬用のベッドやおもちゃなどに
2.5.薬用シャンプーと併用してみる
3.ヒバ油の使い方
3.1.ヒバ油の使い方
3.2.ヒバ水の作り方
3.3.ヒバ水の注意点
3.4.犬には危険?ヒバ油の犬への影響や危険性とは
3.5.犬への使用方法は?
3.6.ヒバ油を使用する上での注意点
1.そもそもヒバ油ってなに?
ヒバ油という言葉を聞いたことはありますか?最近では犬にヒバ油を使った事で皮膚炎などの症状が改善したなんて話もあり、だんだん人気が出てきているものです。しかし、まだ知名度は低く知らない人も多いのではないでしょうか。
そこでここではヒバ油についてお話したいと思います。
1.1.ヒバ油とは
ヒバ油とは、「青森ひば」の樹木のおが粉を使用して水蒸気蒸留法で生成した油の事です。ヒバの木はヒノキやサワラの別名でヒノキ科の樹木も事です。青森ひばは日本三大美林のひとつで、古くから良質な木材として使用されていて、非常に腐りにくいために重宝されています。
ヒバ油はストレス軽減や集中力向上などの効果があり、精神的、肉体的にも健康的な状態にしてくれます。ヒバ油には天然の「ヒノキチオール」が含まれています。ヒノキチオールは日本のヒノキ全ての樹木に含まれているわけではなく、青森ひばの樹木に含まれている貴重な油です。
低濃度でも多くの雑菌やカビなどの繁殖を抑える抗菌作用があります。かなりの少量で効果が期待できますが、人間や動物に対しての毒性はありません。化粧品や食品添加物などにも使用されています。
しかし、催奇性があるとの記事もあり、100%安全だとは言えないのかもしれません。ヒバ油の安全性についてはまた後ほどお話します。
ヒノキチオールには抗菌効果、癒し効果、消臭脱臭効果、防虫効果など様々な効果があります。
1.2.ヒバ油の効果
ヒバ油は防虫効果や消臭抗菌効果があり、虫除けやカビ対策、臭い消しなどにも使われています。
ヒバ油の防虫効果は蚊、コバエ、シロアリ、ダニ、ゴキブリなどの虫も防ぐ効果があります。網戸や窓、玄関などの虫が侵入してくる場所にスプレーすると侵入を防ぐことができます。他にも台所や排水溝、エアコンの排水口にもかけておくと虫を予防できるためお勧めです。植物などにもふきかけておくと虫を防ぎます。
しかし、雨が降るとヒバ油が流れてしまうので定期的にふきかける必要があります。その他にも部屋の様々な個所に使用できるため、虫が発生しやすい場所などにふきかけることができます。自宅の気になる場所にスプレーしておくといいでしょう。
ヒバ油の消臭抗菌効果は玄関の下駄箱などの気になる匂いなどを取り除く効果があります。トイレやカーテン、カーペットなどにも使用することができる他にも加齢臭や動物の匂いにも効果的なので、寝室の枕の気になる匂いやペットの布団やおもちゃなどにも使用できます。さらにペットに直接スプレーすることもできます。
お散歩の後に犬の体に吹きかけタオルでふくだけでも犬特有の匂いを防ぎ、散歩中についたノミやダニを取り除くことができます。犬用のベッドにまんべんなくスプレーしておくとさらに効果的です。
ヒバ油は毛艶や養毛効果があります。ヒバ油を頭皮にかけて、しっかり浸透するようにマッサージをします。ヒバ油が頭皮の乾燥を防ぎ、髪に艶を出します。他にも発毛効果があるため薄毛予防もあります。
ヒバ油はどこにでも使用できるため、部屋、身体、家具などに吹きかけ、さらにリラックス効果のある匂いがあるのでリフレッシュにもなります。枕に吹きかけリラックスしてよく眠れるということもあるようなので、寝つきが悪い人にはお勧めです。
ヒバ油は様々な効果が期待できます。湿気で生乾きの臭いが気になる梅雨時期などにも大活躍です。
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2.ヒバ油は犬にも効果的
ヒバ油は日常生活に大活躍できる様々な効果があります。人間への効果だけでなく、犬にも使用でき、さらに効果的です。ここでは犬にとってどんな効果があるのかご紹介します。
ヒバ油には消臭や防虫以外にどんな効果があるのでしょうか。
2.1.外耳炎に
犬は立ち耳とたれ耳の犬種がいて、外耳炎になりやすい犬種がいます。外耳炎にかかりやすい犬種としてトイプードル、ミニチュアダックスフント、ゴールデンレトリバーなどの犬種です。特にたれ耳の中は人間と違いL字型に曲がっており湿気が溜まりやすく細菌が繁殖しやすいため外耳炎にかかりやすい傾向があります。
犬が頻繁に耳や口などを掻いている場合は外耳炎の可能性があります。外耳炎は耳の中の赤みや痒み以外にも耳垢が溜まっていたり、顔をよく振るなどの症状が現れます。耳掃除は1ヶ月に2,3回程度行えば清潔を保てますが、外耳炎までいくとしっかり治療を行わないといけません。外耳炎の原因は細菌が繁殖や耳ダニの感染などです。
外耳炎はそのままにしておくと、引っかきたため耳介の毛細血管が切れ、血などが溜まり耳血腫を引き起こしたり、耳掃除を異常に嫌がり、麻酔などをして眠らせてから耳掃除をしなければいけなくなりますので、外耳炎は早く見つけ、早く治療を行うようにしましょう。
外耳炎は治療を早く開始しても完治には時間と手間がかかります。動物病院で治療を行うと1週間に1度程度の診療を行い、毎日耳掃除や抗生物質などの自宅で治療を行うことになり治療費もどんどんかさんでいきます。
そこでヒバ油を使用することで耳の中の細菌の増殖を抑え、さらに抗菌効果も発揮します。愛犬の外耳炎がなかなか治らない場合、ヒバ油を水で薄めた「ヒバ水」で拭くことで痒みが収まり、症状が改善するとネットで話題になっています。
使用方法はヒバ水をコットンなどに湿らせて耳を拭きます。この時直接スプレーしてしまうと耳の中に水が入ってしまうため、やめましょう。
外耳炎が長期化すると耳の中の細菌が服用している抗生物質にも耐性菌を持ってしまいます。そこまでいくと高い抗生物質などを使用し治療を行う必要があり、費用もどんどんかかります。なかなか治らないと治療していくのも辛くなります。
長続きしてしまう外耳炎にはヒバ水を試してみてもいいかもしれません。
2.2.膿皮症に
犬は人間より皮膚が薄いため皮膚が弱い動物です。そのため環境の変化や身体の不調、ストレスなどにより皮膚のバリア機能が低下し、膿皮症などの皮膚症にかかりやすくなってしまいます。犬は人間と違い「これ以上ひっかくと出血してしまうよ」なんて伝えても分かるはずも我慢もできません。
皮膚炎などは犬自身が掻き毟ることでさらに悪化してしまうこともあります。そのため、痒くなる前に予防する必要があります。生活環境を清潔に保つ、こまめに健康診断を行い病気の早期発見に繋げる工夫や、ストレスが溜まらないよう散歩を多めに行うなどの配慮以外にもヒバ油を使うことで抑えることができます。
特に梅雨の時期のジメジメしている季節などに皮膚の病気が多くなる傾向にありますので、いつものケアに加えてヒバ油を効率よく使用しましょう。
ヒバ油は細菌が原因で起こる細菌性膿皮症や身体の脂が漏れ出るため起こる脂漏性の皮膚炎などに効果があるようです。皮膚炎は完全に治るまで少し時間がかかる病気です。なかなか治らないと悩んでしまう飼い主さんもいるでしょう。そんな時は一度「ヒバ油」を使用しケアしてみるのもいいかもしれません。
使用方法は皮膚炎のある部位に1日に2.3回程度ヒバ水をふきかけます。コットンなどに閉められてふき取るの方法もありますが、とても簡単です。
全身気になる場合は、ヒバ油を水で薄めて作った「ヒバ水」を使います。ヒバ水を身体にスプレーなどで吹きかけてタオルで拭き浸透させる方法と、タオルにヒバ水で湿らせてから身体全体を拭く方法があります。お散歩の前などに皮膚炎対策以外にも防虫対策に全身に吹きかけてもいいかもしれませんね。
しかし、お腹や脇などは湿らせたままの状態だと冷えてしまったり逆に犬が気にして舐めてしまうなんて事もありますので注意しましょう。
2.3.涙やけに
「涙やけ」とは眼頭から涙が常に出ているために目周りの皮膚被毛が偏食していることをいいます。涙やけは小型犬に多く見られます。涙やけの原因は涙の量が多い、もしくは眼の涙の循環不良です。
眼は涙腺、涙管、鼻という流れで涙を循環して適切な涙量を調節しています。しかし何らかの原因により涙の量が増加したり、涙管が詰まってしまうなどの循環不良で涙量が増加してしまいます。涙量が増加する原因として目に毛などのゴミが入った場合、花粉などのアレルギー症状、角膜に傷がついたなどの眼科疾患などです。犬が涙やけを引き起こしている場合は動物病院を受診して、原因を突き止める必要があります。
「涙やけ」は原因を突き止めて治療を開始し涙の量が減っていても一度茶色になってしまった被毛はなかなか元の被毛の色に戻すのは難しいことです。
そんな時に活躍するのが「ヒバ水」です。涙やけしてしまっている被毛にヒバ水をつけたコットンを使用し拭いてみましょう。ヒバ水に含まれる抗菌効果により涙やけが改善するという報告もありますので、なかなか涙やけが治らないと悩んでいる飼い主さんにお勧めです。
2.4.犬用のベッドやおもちゃなどに
犬に使用すると防虫効果や細菌繁殖を抑えるなどの様々な効果が期待できるヒバ油ですが、犬用のベッドやおもちゃなどにも効果的に使用することができます。
犬用のベッドを外に干す時などにヒバ水をスプレーシ吹きかけてから干したり、おもちゃを定期的にヒバ水で洗うなどすると犬も衛生的で快適に過ごすことができます。犬の病気は不衛生な環境で過ごすことで皮膚炎などの病気を引き起こす他にもストレスがかかります。
犬の身体だけでなく、生活面でもヒバ油を利用し、犬の健康につなげるようにしましょう。
2.5.薬用シャンプーと併用してみる
ヒバ水を皮膚炎で薬用シャンプーと併用して使用している飼い主さんもいるようです。ヒバ油を数滴入れたぬるま湯をはった浴槽にお風呂に入れてあげると全身への殺菌効果や保湿効果などが期待できます。
脂漏性皮膚炎などでは1週間に1度程度身体の脂をシャンプーで流すために薬用シャンプーを使用しますが、シャンプーは不要な油だけでなく皮膚のバリア機能を保つために必要な油までも取り除いてしまうこともあり、そのため乾燥し逆に皮膚炎を引き起こしてしまいます。ヒバ油を使用し全身浴を行うことでしっかり保湿できます。薬用シャンプーとヒバ油シャンプーを併用して治療を行うことで皮膚炎を効果的に治療することに繋がります。
指間の炎症などにも足湯のようにヒバ水を使用することもできますので、皮膚が弱い犬にはいろんな使い方ができます。
3.ヒバ油の使い方
犬にとって様々な効果があるヒバ油ですが、犬へ使用する時はヒバ水を用いて使用しているケースが多いです。ここではそんなヒバ油の使い方やヒバ水の作り方、注意点などをご紹介します。またヒバ油は「犬に使用するのは危険だ」という意見もあるようです。ヒバ油の危険性についてもお話したいと思います。
3.1.ヒバ油の使い方
ヒバ油の犬への使い方は基本的に水で薄めて使用します。ヒバ油は比較的高価なもので年々値上がりをしているため、ヒバ水でも販売していますが、原液で購入し、自宅でヒバ水を作った方が安く済みます。
ヒバ油は天然成分100%ヒバでできている「青森ヒバ油100%」は100ml約3000円程度で購入できます。直射日光をさけて保存し、洋服に直接しみこませないよう注意しましょう。
ヒバ油の使用方法はコットンにしみこませて部屋や車内に置いておく、お風呂に数滴入れる、床下にまきシロアリなどの害虫を防ぐことができます。
自宅で犬小屋などを作る時に木材にヒバ油を使用すると屋外に置いていても虫を防ぐことができます。
3.2.ヒバ水の作り方
犬の耳や皮膚、涙やけなど、犬に使用する際はヒバ水を使用しましょう。ヒバ水の作り方は簡単です。
準備するものはヒバ油と水のみです。スプレーボトルなどを100円ショップで購入しましょう。
水道水100mlにヒバ油を3~4滴程度加えてよく振ります。これで完成です。油と水は分離してしまう成分なので使用前に必ずよく振ってからにしましょう。
中には、ヒバ油を無水エタノールに加えてから水と混ぜると油水分離がおきない作り方としてもありますが、犬の皮膚炎などに使用する際はエタノールが皮膚にしみてしまう恐れがありますので、エタノールは使用せず、水と油の未使用するようにしましょう。
室内やカーテン、ベッドなどにはエタノールでヒバ水をとかし、さらに水を加えて作るヒバ水を使用してもいいかもしれませんね。注意点として、犬がいない場所で使用しましょう。
100円ショップなどで100mlのボトルやスプレーボトルなどを販売しているので、それを使用すると簡単に作れますので、気になる人はぜひ作ってみてください。基本的にヒバ油を購入し、自宅で作った方が安価です。
3.3.ヒバ水の注意点
ヒバ油は洋服に付着すると落としにくく、白い布は黄色くなるなどの注意点/があります。
犬に対してのヒバ水の注意点は犬の耳の中に入れないように注意しましょう。他には身体にヒバ水を拭きかけすぎると逆に皮膚炎になる可能性があるので、しっかりふき取るようにしましょう。
3.4.犬には危険?ヒバ油の犬への影響や危険性とは
ヒバ油は「天然添加物ヒノキチールの催奇性」の論文があり、奇形が出る恐れがあると記載されています。体重50kgの人間にヒノキチールを9.5kg投与した時に奇形が現れる可能性があるとされています。
しかし、9・5kgのヒノキチオールを投与するのはなかなか難しく、人間や愛犬の肌や皮膚などに使用する程度であれば問題ないようです。ヒバ油に含まれるヒノキチールは約2%のため、安全性はかなり高いと言えます。
そのため人間の食品添加物にも認められており、食品防腐剤だけでなく人間の肌につける化粧品などのスキンケア商品にも使われています。他にも火傷や切り傷などの薬の中にも使われているため、安全ですね。
3.5.犬への使用方法は?
ヒバ油の犬への使用方法は、スプレーなどで身体にふきかけて使用する以外にも、全身浴、足湯などの方法もあります。
犬の皮膚炎の状況によりスプレーだけでなく様々な方法を試してみるのもいいでしょう。
犬の散歩の前にヒバ水で身体をくまなくふき、飼い主自身もヒバ水を足などに吹きかけて散歩に行くと防虫効果を発揮します。
3.6.ヒバ油を使用する上での注意点
ヒバ油が犬に与える影響や外耳炎、皮膚炎などにも効果がありますが、やはり犬により個体差があります。そのため、何度使用しても効果がないこともあります。使用方法によっては皮膚炎がなかなか治らないということもあります。
ヒバ油の使用方法はしっかり守り、ヒバ水の作り方なども愛犬によって1滴増やしたり、少し減らしてみたりなど調節しながら作ってみましょう。
室内や犬用のベッドなどに使用する場合はあまりふきかけすぐると香りが強くなってしまうので、嗅覚が優れている犬にとってはつらいこともあります。犬の反応を見てから使用するようにしましょう。
また、ヒバ油に対してアレルギー反応を引き起こすこともあります。はじめて使用する場合は少量から始め、犬の体調をしっかり観察しましょう。下痢や嘔吐、食欲が落ちたり、元気がなくなるようであれば使用を中止し、様子を見てみましょう。
他にも身体に直接使用する時は皮膚の状態をよく観察しましょう。皮膚炎が悪化したり、痒みや赤みなどの症状が広がることがあればヒバ油の使用はやめた方がいいでしょう。
どんなにいい効果があってもヒバ油を使用する時は愛犬の体調を見極め、飼い主さんが判断するようにしましょう。
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4.まとめ
今回はヒバ油についてお話しました。
ヒバ油はヒノキなどの樹木から抽出できる貴重な油で、その油には様々な効果があるということが分かりました。心地よく、和を感じる香りで精神的なリラックス効果や防虫効果、抗菌効果などもあるため、散歩の時などにも活用できる虫よけ、カビ対策にも使用することができます。
ヒバ油は人間だけでなく犬にも使用することができます。皮膚を始め外耳炎や膿皮症、涙やけなどにも効果があるようです。ヒバ油を水で薄め、皮膚に塗り込んだり、コットンなどにつけて服などの様々な使用方法もあります。
ヒバ油の使い方は原液で使用せずに、水で薄め「ヒバ水」を作り犬に使用します。しかし、ヒバ油にはいくつか注意点もあり、犬に使うのは危険だと言う意見もあります。
いろいろな意見もありますので、情報をしっかり精査し、犬の健康状態を考慮したうえで飼い主さんの判断で使用したほうがよさそうです。犬の健康状態によっては使用することで何らかの症状が現れる危険性もあり得ますので、使用する時は犬が健康な時にしましょう。
インターネットでヒバ油と調べると使用している飼い主さんの様々な口コミがたくさんあがっているので、参考にしてみましょう。
ヒバ油の使用については賛否両論あります。しかし、皮膚にとってはいい効果が期待できますので、一度は試してみてもいいもかもしれませんね。
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