愛犬の気持ちを理解したいというのは、飼い主なら誰しもが思うことですよね。
大切な愛犬の嫌がることをしたい飼い主はいないでしょう。
しかし、私たちと犬では物事の感じ方も表現の仕方も異なる為、意図せず犬にとって嫌なこと・嬉しくないことをしてしまっている場合もあります。
犬同士は全身を使い、ボディランゲージを主体として互いにコミュニケーションを取っており、私たちに対してもボディランゲージで様々なことを伝えてくれているのです。
そこで今回は見逃されがちな犬の「やめてね」と云うサインについて取り上げます。
この記事を読んで、愛犬との日常生活に活かしてみてください。
目次
1.犬は「やめてね」と伝えている
1.1.噛みつくのは最終手段
1.2.見逃しがちな「やめて」のサイン
1.3.人間同士も変わらない
1.犬は「やめてね」と伝えている
犬が噛みついたりするのにはいくつもの原因がありますが、いずれの場合も唸ったり噛みつくなどして犬が伝えているのは「それ以上はやめて」と云うこと。
しかし、こうした行動の前にはもっと控えめな方法で「やめてね」と伝えていることがほとんどです。
犬がいきなり「噛みついた!」と感じてしまうのは、その前から犬が伝えている「やめてね」のサインに気付けていないせいかもしれません。
ですから、どうか、ただ一言で攻撃的な犬であるとか、攻撃行動だとまとめてしまわないようにしてください。
どうして犬が唸ったり噛んだりするのか。そしてその事前に発せられているサインについて説明していきます。
1.1.噛みつくのは最終手段
まず真っ先にお伝えしたいのは、犬が噛んだりすると云うのは“犬の置かれている状況が極限まで追い詰められてしまった結果”であるということです。
多くの場合、そのときの噛みつき行動には恐怖や恐怖が怒りに変わった等が犬の心理として考えられます。
そうなる前にはボディランゲージで「やめて」「不安です」等を私たちに優しく伝えてくれているのですが、
そのサインに気付いてもらえなかったり伝わらなかったり、状況が良い方向に変化するどころか悪化した結果に犬は最終手段として「もうやめて!!」と噛みつくしかなくなってしまうのです。
また、噛みつく前には鼻先に皺を寄せたり、唸ると云う方法で警告を発します。
1.2.見逃しがちな「やめて」のサイン
犬は不安や不快感を感じた時には、いくつかのボディランゲージを用いて私たちにそれを伝えてくれています。
そのサインは私たちにとっては些細であると感じられるほど小さなものかもしれませんが、犬は平和的にその場をやり過ごそうと発信してくれているものなので、出来るだけ早くそのサインに気付いて対処してあげることが望まれます。
そうすれば、犬も人も互いが不快な思いをせずに済むのですから!
“「やめて欲しいな」を伝えている犬のサイン例”
- 目を細めてそらす
- そっぽを向く
- 体を固くして動きを止める
- 耳を後ろに倒す
- 背中を丸める
- 白目が見えている
- ペロリと舌を出す
犬のボディランゲージはいくつもありますが、例えば犬に対して何かをしようとしたときに、犬が上記のようなサインが出ていると気付いたら、そのときしようとしていることを一旦中止にしましょう。
犬に不快感を与えてまで急いで絶対にその場でやらねばならぬことなど、そう多くはないはずですから。
一旦中止にして、一呼吸置いた後で、さっきよりも優しくそっと接すると受け入れてくれたりするものです。
1.3.人間同士も変わらない
犬がボディランゲージで私たちにサインを送ってくることは、まるで特別なことのように感じるかもしれませんが、実は私たち人間も同じようなことをしているのです。
もしあなたが、して欲しくないことをされそうになったら、最初はやんわりとそれが嫌であることを伝えますよね。それでもやめてくれなかったら、もう少し強く「やめて」と伝えるでしょう。それでもやめてくれなかったら・・・!?
それが何度も続けば、段階を飛び越えて、嫌なことをされそうな気配を感じただけで「やめて!!」と大きな声を出すようになるかもしれません。
更には、あなたにとって嫌なことを強いる相手を、あなたは信用し続けることが困難となるはずです。
犬と人は主流とするコミュニケーション方法が少し異なるだけなのです。
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2.犬を思いやる大切さ
私たちが愛犬にするべきことは、犬に対して思いやりの気持ちを持つことです。
私たちにも「これはちょっとやめて欲しいな」「今はそっとしておいて欲しいな」と思うことがあるように、犬にもあるのです。
例えば、自分が今すぐ愛犬を抱きしめたいからといって、寝ているのを邪魔してしまえば犬が不快感を感じるのは当然のことと言えるでしょう。
愛犬の寝顔は愛しく可愛らしいものですが、気持ちよく眠っているのを邪魔されるのは私たちでも嫌なものです。
犬だからいいよね!なんてことは、絶対にありえません。
他にも、犬の驚く姿がかわいいからと言ってわざと驚かすようなこともやるべきではありません。
そうしたことを繰り返されれば、いつどこで何が起きるのかと犬の気持ちは休まることがなくなってしまうでしょう。
また、お手入れや病院での診察等も私たちにとっては必要と感じることですが、犬にとってはそうではありません。
自分が受けている行為がいったい何なのかがわからず、無理やり押さえつけられ強要されれば恐怖心を抱くのも当然と言えるでしょう。
犬を、私たちの好きな時に好きなように扱ってよいなどということは決してありません。
相手の嫌がる様子を無視して強要したり押し付けたりする行為は、イジメと同じです。
もちろん、イジメているつもりなどありませんよね。
むしろ愛情表現のつもりでおこなっている行為もたくさんあるはずです。
ですが、それらが必ずしも犬にとって嬉しいこととは限らないということを知っておいてください。
一方通行の想いや行動が問題を引き起こすことは少なくないのです。
様々なことに於いて、無理強いすることなく犬に思いやりを持って接しましょう。
「やめて欲しいな」のボディランゲージに気付いたら、直ちに、そのときしようとしていることを中止してください。犬が発するサインを無視しないでください。
伝えているのに理解してもらえないと感じた犬は、次第に予告なく(唸り等なく)ガブリと噛みつく可能性が高くなります。
意図せず、私たちが無意識に「言っても無駄だからやるしかない」状態まで犬を追い込んでしまうことは少なくありません。
3.まとめ
今回は、犬の「やめてね」と云う気持ちに気付きましょうというお話をさせていただきました。
気持ちを無視され続けると、犬はあなたへの信頼を失ってしまいます。自分に嫌なことばかりする人を信頼できるでしょうか。失った信頼は、取り戻すのも大変です。
そうならない為にも、日頃から愛犬に思いやりの気持ちを持って、犬の嫌がることを無理強いしないように接してみてください。
噛みつくと云う行動は、お互いの心も痛いものなのです。
信頼できる相手であれば、ちょっと嫌だなと感じることでも受け入れてくれたりするものです。私たちもそうですよね。
押し付けや無理強いは、家族や恋人、友人など大好きな人達を遠ざけてしまいますし喧嘩にもなるでしょう。それはとても寂しいことです。
あなたの大切な人達にするように、犬にも思いやりと敬意をもって接するようにしてあげてくださいね。
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