チベタンマスティフという犬を知っていますか?テレビで見たことならあるかもしれません。超大型犬です。
中国でアフリアライオンとして動物園に展示されていたのが、実は犬だったという、ニュースを覚えている人もいるのではないでしょうか?
そのライオンと見間違うようなタテガミがある、超大型犬がチベタンマスティフなのです。
歴史は古いチベットの犬で、日本ではあまりお目にかかることはありません。
大型犬が好きな人にとっては憧れの、大きくて強い犬種ですが、「普通の家でも、飼えるの」「どうやって飼うの?」「性格は?」といろいろ興味が沸きますね。
ここでは、超大型犬チベタンマスティフについて詳しく紹介していきます。日本でも飼っている方がいますよ。これから飼いたい場合はどうするのかも紹介します。
中国で2億円の値がつくほど高額になったチベタンマスティフもいて、ニュースになりましたよ。どうしてそんな高額になったのかも知りたいですよね。
チベタンマスティフの魅力や、さまざまな特徴も紹介します。
目次
1.巨大な犬「チベタンマスティフ」は、どんな犬?
チベタンマスティフは、「チベット犬」とも言われていて、中国では「東方神犬」という異名もあるほど、希少種で大切にされています。その存在感には圧倒されますよね。
日本でポピュラーな大型犬、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなどが小さく見えるほどの超大型犬です。
本来の純血種は希少で、世界でも200頭ほどしかいないと言われている犬です。これでは日本で見る機会は少ないですね。保護が必要なほど数が少ないのです。
でも、ヨーロッパやアメリカなどでは人気の犬種で、ファンは多いのです。
性格は本来、攻撃的な犬種のようですが、最近は人間との暮らしの中で、穏やかな性格に改良されています。
飼い主さんへの忠誠心も強い犬種で、番犬や猟犬でも活躍します。
由緒ある「チベタンマスティフ」
チベタンマスティフは、ヒマラヤ山脈のふもとチベット高原を原産とする犬です。チベタンマスティフは古代から続く犬と伝えられ、遊牧民と暮らしてきた歴史があります。
ネパール、チベット、中国、モンゴルなどの中央アジアに多くいました。遊牧民とともにガーディアンドッグとして働いてきた歴史があります。人間との歴史も古い犬です。
番犬としてピッタリの犬ですので、牧畜犬として家畜を守り、村や修道院、宮殿を守る犬として、活躍してきました。
また、巨大な体格から軍用犬として、闘犬として使われたこともある犬種です。モンゴル帝国のチンギス・ハーンは、3万匹のチベタンマスティフ軍団を引き連れて遠征し勝利に貢献したそうですよ。
来歴は謎が多いのですが、マルコポーロの「東方見聞録」に、チベタンマスティフの大きさに驚いた記述があるそうで、世界中のすべての大型犬の祖先であるといわれるほどです。
19世紀になるとヨーロッパへの輸出が頻繁になり、1847年にはインドの総督がヴィクトリア女王へ献上するなど、さまざまな記述が残されています。
20世紀に入り、ヨーロッパで戦争が始まると、イギリス国内のチベタンマスティフの数は減少し、絶滅状態になるほど少なくなります。
中国がチベットに併合したおりも、「全てのチベタンマスティフを殺せ」という命令が下り、チベタンマスティフは激減しました。チベタンマスティフにとって、つらい歴史です。
その後、アメリカ、ヨーロッパ各地に輸出されていたチベタンマスティフの血統を基に、繁殖計画が立ち上がり、少しずつ頭数を回復して、絶滅は回避することができました。
現在、チベタンマスティフは、中国で「国家第二類保護動物」に指定されています。
チベタンマスティフには、「マスティフ」という言葉が入っています。マスティフは、主に番犬、闘犬などをする大きな犬、犬群に名づけられています。
チベタンマスティフは、チベット高原原産のマスティフということです。世界各国で闘犬が行われ、それぞれ品種改良されてきました。
一番ポピュラーなマスティフは、イングリッシュマスティフです。アルガンマスティフは、アフガニスタン原産の闘犬というようになっています。
ジャパニーズマスティフと言われている犬もいるのですが、わかりますか?土佐闘犬のことです。高知県の土佐闘犬は有名ですね。チベタンマスティフにも顔が似ていますね。
猛獣をも思わせる立派な体格!
チベタンマスティフはなんといっても、超がつく大型犬、その体格が目を引きます。
ライオンのように首の周りが厚い毛に覆われているのも特徴です。どっしりとして骨太の体は、「犬なの?」と聞きたくなるほどですね。
頭蓋骨が大きいのも特徴です。大きくなる個体では、体重100㎏近くまでなります。平均的なチベタンマスティフの体高は、オスもメスも61㎝~72㎝、体重は64㎏~82㎏ほどになります。体重は成人男性なみの重さですね。
被毛は暑いダブルコートになっていて、寒さには強いです。オーバーコートは長めで、まっすぐ伸びます。アンダーコートはフワフワと密生しています。色はブラック、ブラックタン、レッド系、グレイ、ホワイトなどがあります。
首周りの被毛に特徴があり、この被毛が「獅子型」「虎型」という2つのタイプに分かれます。首周りにシワが多いものもいます。
「獅子型」は、ライオンのタテガミのような、豊かな被毛で覆われています。チベタンマスティフは、大きいほど良く、毛が豊かなほどグレードが高い犬と評されます。
被毛が豊かだとさらに、頭が大きく見えますね。「獅子型」の中でも、毛の長いチベタンマスティフは、「大獅子頭型」と呼ばれています。中国では特に「大獅子頭型」に人気があります。「虎型」は首の周りの被毛が少ないタイプです。すっきりとした感じです。
しっぽの毛も長く、巻いているのが特徴です。中国では、このしっぽの部分を「菊の花」に例えています。
被毛は年に2回、春と秋に大量に抜けかわりします。体に対して、小さめで優しい目が印象的ですね。年に1度しか発情期がないというのも大きな特徴です。
平均寿命は大型犬では長い方で、約10年~12年です。子犬が成犬になるまではメスで2~3年、オスは4年ほどかかります。子犬のころは、フワフワの毛に包まれ、やさしい垂れ目が印象的です。大型犬の特徴で、成長は比較的ゆるやかですが、老化が早くきます。
世界の超大型犬には、マスティフ、グレート・デーン、アイリッシュ・ウルフハウンドなどがいます。いずれも大きくなると体重100㎏以上となる犬種です。
チベタンマスティフは、犬の中でベスト5に入る大きな犬です。個体差もありますが、イングリッシュマスティフの方がさらに大きくなるようです。
強さもさることながら、チベタンマスティフが世界一と言われるのは、値段です。世界一高額の犬になったことがあるのは、チベタンマスティフです。
忠誠心が強く番犬にピッタリ!
チベタンマスティフは、原産国であるヒマラヤ周辺国にいる原種に近い個体は、凶暴で攻撃的です。
輸出されたヨーロッパやアメリカでの個体は、改良されて比較的穏やかです。近年はさらに穏やかな性格に改良されています。
チベタンマスティフは番犬として活躍している犬ですから、縄張り意識が強いです。警戒心も強いです。飼い主さんへの忠誠心も強く、何事にも動じない強い犬で、家族を外敵から守ろうとします。
賢い犬種で、人間ともほかの犬ともコミュニケーションがうまくとれます。飼い主さんをリーダーと認めると、とてもよく言うことをきく犬です。
とはいえ、飼い主さんと家族以外に慣れることはあまりありません。家庭犬にしたいと思ったら、かなりしっかりとした、しつけが必要になります。
他の人が接触する場合は、やはり注意が必要な犬です。飼い主さんがしっかりとリードして指導しないと、目を離すことはできませんね。
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2.日本でチベタンマスティフは購入できるの?
日本でも「チベタンマスティフが飼いたい」、と思ったら購入できるのでしょうか?
ほかの犬のように、ペットショップに行っても、チベタンマスティフの子犬がいるということはありません。
国内のブリーダーを探して購入する、海外から輸入する方法があります。本場中国でも、保護動物に指定されるほど希少種です。
2億円もする犬ってほんと?
チベタンマスティフの値段はかなり高額です。販売価格は100万円~2億円と言われています。「2億円なんてウソでしょ?」と思いますよね。
でも、2億円の犬が出て話題になったことがありますよ。「高級車、何台分?」という値段ですよね。
中国の富裕層にはチベタンマスティフは、富の象徴になっています。このために、富裕層の間で値が上がっていったのです。
チベタンマスティフは、「獅子型」、「虎型」があります。タテガミがライオンのような「獅子型」の方が高額です。
さらに体が大きく、首周りのタテガミのような被毛が長くて、豊かなほどグレードがよいとされていて、「大獅子頭型」になると、1億円以上の値がつくのです。
どうしてそんなに高いの?
なぜ、こんなに高額になるかというと、チベタンマスティフは、年に1度しか発情期がないので、純血種の頭数が圧倒的に少ないからです。
元々の数が少ないということもあります。体重は成犬で60㎏以上になるため、飼育するための餌代なども高額ですので、一般的に誰もが飼える犬種ではありません。
歴史的にも、チベット地方の僧侶や農奴主という支配階級、お金持ちしかチベタンマスティフは飼うことができない犬でした。
中国では昔、犬を飼うのは野蛮な風習として、飼い犬を殺していた時代もあったそうです。犬が少なかった時代があったのかもしれませんね。
チベタンマスティフは、その純血種が求められるため、「メイド・イン・チベット」「メイド・イン・チャイナ」という、特殊な系統に生まれたチベタンマスティフしか認めないというブランド志向が強まったこともあります。厳選されたチベタンマスティフがさらに、高額になったのですね。
中国の経済が急成長した2000年以降、都市部でも「チベタンマスティフを飼いたい」という富裕層が増えて、チベタンマスティフブームになりました。
そのために希少価値がさらにあがり、競争が激化していきました。
中国の富裕層もどんどん増え、チベタンマスティフは、以前の数十倍以上の価格に値が上がり、4000万元(8億円)という記録も残っているそうです。もう、考えられない数字ですね。
そのころ、チベタンマスティフを量産して、「お金を稼ごう」という商売が出てきます。中国各地の都市部周辺に養犬場が作られるようになりました。首都の北京郊外にも多くできました。
チベタンマスティフは、チベット高原に暮らしてきた犬種です。寒冷地に強い、厚い被毛が特徴です。都市部は海岸部が多く、気候もさまざまです。
衛生管理の問題もあり、厚い被毛に寄生虫がついて、皮膚病になるチベタンマスティフが急増してしまいます。
チベット高原以外での飼育は難しいと言われている犬種なので、ほかの地方でチベタンマスティフを繁殖していくのは難しいことです。
超大型犬なので、飼うためにも、散歩させるためにも、広いスペースが求められます。狭い場所に押し込めての飼育では、犬のストレスも溜まります。
遼寧省で3歳半の少女がチベタンマスティフに噛まれて死亡する事件が起こります。このほかにチベタンマスティフの大ケガなどが多発。
これらの報道から人気は降下していきます。「吠えてうるさい」ということもあり、人気の下降とともに、価格も下がっていきました。
チベタンマスティフを飼いたい
日本でチベタンマスティフを飼いたいと思っても、チベタンマスティフのブリーダーがほとんどいません。探してみるしかなさそうです。
インターネットで探すのが便利ですが、ブリーダーにいつも子犬がいつもいるとは限りません。問い合わせをしてみましょう。
国内でチベタンマスティフを購入すると、おおよそ100万円ほどかかります。ほかの犬と比べると破格に高く感じますね。
日本で、いわゆる原産国で良いとされている純血種を飼うのはなかなか難しいです。日本にいるチベタンマスティフは、正式な純血種ではないものが多く、体も小さめで、タテガミがない個体が多いです。
中国のグレードからすると、タテガミが無かったり、体格が立派ではなかったりするという点で、グレードが低い個体ということです。
原種に近いほど、グレードは高いです。日本で購入できるチベタンマスティフは、純血種ではないので、性格も穏やかです。でも、大人しいとはいえ、超大型犬で縄張り意識が強いので、しっかりと、しつけをしなくてはいけません。
海外から輸入する手もあります。海外のブリーダーを通じて購入し、輸入するという方法です。チベタンマスティフを現地で手配してもらい、検疫所で保留、輸送してもらいます。
チベタンマスティフが中国でブームになっていたころは、輸入額は数千万円に上ることもありました。すごいですね。
手続きにも時間がかかるので、1年ぐらいはかかる場合もあります。子犬だったチベタンマスティフが、成犬になってしまうこともあります。輸入代行業者もあります。
現在は注文してから半年ほどかかります。
超大型犬を飼ってみたい場合は、まず、国内から探してみるのがよいですね。
チベタンマスティフは品種改良されて、穏やかな性格の犬になっていると紹介しました。
では、わが家に迎えたいと思っても、一般家庭で家庭犬として飼育するのはかなり難しいです。大型犬が好きで、飼育経験がある人でも、上手に飼うことが難しい犬種です。
国内では、チベタンマスティフに関して詳しいプロのトレーナーも少なく、訓練方法も詳しいことがわからないということもあります。
訓練の方法は、直接、購入したブリーダーに聞くか、海外のブリーダーなどにアドバイスを求めるなどの方法が必要です。
そして、トレーナーをつけて、しっかり訓練をして飼うことが望まれます。
中国ではチベタンマスティフの死亡事故があると紹介しました。このほかの事件や事故もいろいろあるようです。
いずれも飼い主さんがチベタンマスティフをコントロールできないことで起こっているもので、中には飼い主さんや子どもをかみ殺したという恐ろしい事件もあります。
中国の映画の撮影現場で、ある女優が連れてきた愛犬チベタンマスティフに、若手女優が噛まれて31針を縫う大ケガをしています。イギリスでも4歳の少女が飼い犬のフレンチマスティフに襲われて死亡しています。
チベタンマスティフに限らず、超大型犬は力が強いので、ちょっとしたことでも大ケガにつながってしまいます。
日本で飼うための注意点
こんな怖い事件を知ったら、ちょっとひるんでしまいますが、日本でチベタンマスティフを飼うことはできますよ。飼うには、注意する点がいくつかあります。
日本で飼育しようと思ったら、地域によってさまざまな犬に関する条例があることを覚えておきましょう。事前に条例や、届け出の必要性を調べておきます。
特に超大型犬ですので、ペット保険の加入も考えておきましょう。チベタンマスティフが病気にかかった場合の医療費は、かなりかかります。
個人賠償責任保険も用意する方が、いいのではないでしょうか。もしも、第三者に噛みついたりしたら大変です。高額な賠償請求が発生するかもしれません。
しつけをしっかりとしている犬でも、びっくりして飛びついただけでも、事故につながることがあります。飼い主さんの責任は大きいです。
ペット保険会社もいろいろありますので、比較して商品を選びましょう。
チベタンマスティフがかかりやすい病気もあります。チベタンマスティフは、股関節形成不全になりやすいので、注意が必要です。
遺伝もありますが、栄養過多や過度な運動でも発症します。歩いている時に、腰がフラフラする、ウサギの用に後ろ足を上げて飛ぶように走るというような症状がでます。
食事と散歩
体格もよく骨が太くがっしりしていますから、その分食事にも気を付けます。成長にともない心臓への負担も考えてあげる必要があります。
肥満をおさえるために、高たんぱく、低脂肪の食事を心がけます。ドッグフードには、グルコサミン、コンドロイチンなどを補えるものがよいです。
住環境も広い場所がないと育てられません。狭いところに閉じ込めておいては、ストレスになります。十分な運動、散歩も必要です。
散歩も超大型犬ですので、場所を選びます。狭い道などでトラブルがあったら、大ケガにつながります。
しっかりと犬をコントロールできる人がリードを持ち、散歩の時間も考慮することが求められます。興味を持った子どもが近づいてきてトラブルになっては大変です。
飼い主さんがリードして、たっぷり散歩をさせるようにします。
犬の寿命は食事や運動によって長くすることが可能です。少しでも健康で長生きさせるためには、食事に気を付け、適度な運動が必要です。
超大型犬ですから、住環境にも気を使い、ストレスのない環境で暮らすことが望まれます。
お手入れ法
チベタンマスティフは、大きいのでブラッシング、爪切りなどのお手入れは2人がかりで行うことがいいかもしれません。
厚い被毛はブラッシングが大切で、毎日2回は、全身をくまなくブラッシングして被毛を美しい状態にしておきたいですね。
チベタンマスティフの耳は垂れ耳ですので、週に1度は耳掃除をしてあげ、散歩から帰ったら、耳のチェックをしてあげましょう。
目やにを放置すると、眼病のもとになります。目の周りや口の周りの毛は汚れやすいです。目の周り、口の周りも毎日お手入れしてあげましょう。
被毛に目やにが付いている場合は、蒸らしたタオルなどでふやかしてから取ります。ゴシゴシこすっては目を傷つけてしまいます。
シャンプーもドライヤーも普通のワンちゃんたちと同じですが、濡らすのも、タオルドライも、ドライヤーもとても時間がかかります。
その間、ワンちゃんも疲れますので、ヒーターや送風機などを使って、なるべく短時間で乾かしてあげるようにしていきましょう。
サロンなどに頼む場合も、トリミングテーブルに乗せることができるか、から問題となります。大きさは個体差にもよりますので、問い合わせてみることをおすすめします。
チベタンマスティフを迎えても、幸せにしてあげられるのかを考えることも大切です。超大型犬を飼育するには、広い環境があること、飼育し続ける経済力も大切です。
食事代はもちろん、リードなどの関連用品もすべて超特大サイズですから、価格も高いです。ケガや病気になった場合の医療費もかかります。
日本にチベタンマスティフのような超大型犬が少ないのは、スペースが狭い、そして飼育し続けるのが高額ということもあります。
面倒をみる時間がたっぷりあることなど、さまざまな条件がそろわないと、しあわせにしてあげることは難しい犬種です。
3.チベタンマスティフの現状
中国で2億円のチベタンマスティフが出たことを紹介しました。
チベタンマスティフは中国の富裕層の間で、投資の対象となっていました。
ブームの時は一頭、数百万円~数億円で取引されるという、超人気のチベタンマスティフでしたが、ペットブームは終わり、値段は暴落しています。
ステータスシンボルから今や食肉用に
チベタンマスティフの投資ブームも去り、値段が暴落したチベタンマスティフの末路は悲しいものです。
もともと体が大きく一般家庭で飼うのは難しい犬種です。食費もかかって、性格も獰猛なため、値段が安くなったからといって、一般に普及するのは難しいですよね。
値段は数万円まで下がったそうです。「ただであげる」といっても引き取り手がない犬もいます。
投資目的の客ばかりでは、犬の人気は戻りません。高く売れないと分かった業者が、そのまま捨てる、肉食用に転売しているという事件が報道されました。
生態系に大きな影響も…
チベタンマスティフの中には、そのまま飼いきれなくなって放たれたり、捨てられたりする犬が出ています。これが浮浪犬になり、生態系にも影響が出ています。
捨てられて野犬となったチベタンマスティフは群れをつくり、生きていくために、野生動物を襲っています。家畜を襲ったり、キツネなどの野生動物を捕食したりする様子が目撃されました。
宗教的な理由から、養犬場では売れない犬の殺生はしないので、浮浪犬はさらに増加しています。
人間の都合で増やされて、いらなくなったら捨てられているのです。超大型犬が生きていくために食べていかなくてはいけない量は、相当の量ですよね。
生態系にも大きな影響がでるほどの事態になっているのです。
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4.まとめ
犬の中でも2億円という高額になったチベタンマスティフを紹介しました。
犬には、本当に多くの種類がいます。チベタンマスティフの雄姿から、犬の多様性を教えてもらえますね。
チベタンマスティフは大きくて魅力的な犬です。チベタンマスティフのブリーダーは国内にもいますから、日本でも飼うことができます。
チベタンマスティフを飼うには、十分な住環境と経済力も必要です。
チベタンマスティフは、しつけをしっかりすれば、飼い主さんをリーダーに、家族を守る頼れる犬です。でも、普通の家ではちょっと飼えそうもありません。
チベタンマスティフの純血種を見たい場合は、本場、中国に行ってみるのもおすすめです。
チベタンマスティフは人気があるゆえに、人間に翻弄されてきました。命ある犬を投資の道具にするということに、さまざまな意見があると思います。
ペットブームの果てに、食肉にされたり、野良犬にされてしまったりと悲しい犬でもあります。保護がさらに進みしあわせになってくれるといいですね。
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