老犬の悩みはこれで解決!食べない、夜泣き、震えの理由と老犬介護

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老犬を介護するときには、不安なことがたくさんありますよね。今まであんなに元気だったのに、あんなに運動が好きだったのに、年を取って変わっていく愛犬。その姿をみて困惑したり悲しくなったりするのは、飼い主さんとして当然のことです。

しかし愛犬自身も年を取ってしまったことに戸惑い、いろいろなことができなくなって不安に思っているのです。そして少しでも飼い主さんと今までと同じように喜びや幸せを感じたいと思っているのです。

この記事を読んで、大切な愛犬の老後を少しでも幸せに楽しく過ごさせてあげましょう。そうすることで飼い主さん自身も、愛犬との幸せな暮らしを改めて実感できますよ。

目次

1.老犬が食べない理由とは
1.1.老犬の食欲不振には気をつけて!
1.2.寿命を迎える直前の症状かも?

2.「夜鳴き」は老化現象のひとつ
2.1.飼い主が疲れないためにできることはあるの?

3.老犬が「吐く」時に気をつけたいポイント
3.1.咳が出る原因とは
3.2.老犬の下痢が続く時は要注意!
3.3.老犬の血尿も注意して!
3.4.老犬の散歩で気をつけたいポイント
3.5.老犬の散歩に便利なグッズ

4.老犬は心臓や脳に異常がある時に痙攣する!
4.1.痙攣発作とは?
4.2.痙攣が起きた時の症状は?

5.老犬介護をするときに大切な3つのこと
5.1.愛犬を責めない
5.2.一人で抱え込まない
5.3.しっかりと設備を整える

6.まとめ

1.老犬が食べない理由とは

老犬になるとご飯を食べなくなることがあります。老犬がご飯を食べない理由に「病気の兆候」があることを頭にいれておきましょう。

老犬に食欲不振やご飯を食べない、ということはよくあることなので、どうしても「年をとったから食が細くなったんだ」と思いがちです。

もちろん加齢が原因であることは多いのですが、病気の可能性もあるということも知っておきましょう。
老犬がご飯を食べない場合、それが病気ではないケースと病気であるケースがあるのです。

1.1.老犬の食欲不振には気をつけて!

老犬の食欲不振は理由をきちんと探し出し、対策をする必要があります。年齢が原因である以外は、命に関わることにつながります。

食欲がない、ご飯が進まないということ以外に「下痢や便秘がないか」「水分はとれているか」「ミルクは飲むか」などのチェックのほか、「痩せてきていないか」「元気がなくなっていないか」などをよく観察しておきましょう。時々体重を測って記録しておくことも大切です。

考えられる病気としては、ガン、心臓・腎臓の機能低下、甲状腺ホルモン機能低下などが挙げられます。
他にも歯周病など歯の病気の可能性もあります。お口のなかのチェックも定期的にやっておきましょう。歯や歯茎にトラブルがあると、うまく噛めず食べられなくなります。

また、上の歯が衰えてしまうと、真上の鼻の機能に影響したりすることがあります。鼻の機能が低下すると嗅覚もマヒしてしまい、食欲が落ちてしまうのです。

口の中に腫瘍ができていて食べ物が触れると痛いということもあります。

他にも飼い主さんが気づかないうちに異物を飲み込み、それがのどに刺さって違和感があって食欲が落ちるという可能性があります。

このようにさまざまな理由が考えられますので老犬の食欲が落ちたときは、体のチェックを行い必ず動物病院を受診しましょう。

1.2.寿命を迎える直前の症状かも?

残念ながら、老犬の食欲不振が寿命を迎える直前の症状であることもあります。亡くなる直前は、食欲もなくご飯は食べないことが多いようです。またお水も飲まなくなることが多くなります。

必ずしも「食欲が落ちる=命の危機」というわけではありませんが、あまりにも食べない場合は獣医さんに診てもらいましょう。

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2.「夜鳴き」は老化現象のひとつ

「夜鳴き」は老化現象の1つであり、多くの飼い主さんが悩まされることでもあります。

ただすべての夜鳴きが老化現象とは言いきれません。まずはその夜鳴きが何かの要求ではないかということを確認しましょう。例えば「お腹がすいた」「体に痛い場所がある」「体を動かしたいのに動けない」などです。

お腹がすいている場合は、消化の良いものを少し与えて様子をみます。その後は普段のご飯の量を調節してみましょう。

身体のどこかに痛みがあるような場合は、早めに受診するようにします。
うまく体を動かせない子は向きを変えて様子をみてみましょう。床ずれができかけているかもしれません。

また愛犬の耳が遠くなっていたり、目が見えにくかったりという衰えから、飼い主さんどこにいるかわからない、または自分の居場所がわからないという不安感から鳴き続けることがあります。

こういった場合は不安感を取ってあげるために、身体を優しく撫でてそばにいることを教えてあげましょう。この時はいきなりなでずに声をかけて気づいた様子が見えてからにすると、愛犬をびっくりさせずにすみます。

また、飼い主さんの匂いがしっかりついたタオルなどを寝床においてあげると安心します。飼い主さんが近くで寝ると落ち着く場合は、愛犬の近くで寝てあげるといいですね。

こういったことをやっても、ひたすら鳴き続ける場合は「認知症」である可能性が高くなります。

認知症の夜鳴きの場合は、ほぼノンストップで吠え続けます。鳴き声も若い元気なころの声とは異なり、低く唸るような声になっていることもあります。こういった夜鳴きの場合は、犬に静かにしなさいと言って止まるものではありません。
夜中に吠え続ける分、昼間はぐっすり眠り「昼夜逆転」の生活となってしまいます。

2.1.飼い主が疲れないためにできることはあるの?

こんな夜鳴きが毎日のように続くと飼い主さんやご家族が眠れなくなるだけではなく、ストレスがたまり体調を崩す原因となります。

さらには近所迷惑になって苦情を言われる可能性もでてきます。ひどい場合は近所の方と口論になったり、犬がうるさいなど手紙を入れられたりなどご近所トラブルに発展することもあります。

こういったトラブルを避け、かわいい愛犬のためにも、そして飼い主さん自身のためにも対策をしっかり立てることが大切です。飼い主さんがストレスや寝不足で体調を崩すと、愛犬の面倒をみることができなくなってしまいます。

対策

昼夜逆転を解消させる

朝から昼はなるべく日光に当たらせます。散歩に行ける子は朝の散歩は必ず行ってあげましょう。

歩けない子はハーネスを利用したり犬用のバギーを利用したりして、外になるべく連れ出してあげましょう。外の匂いをかぐ、目が見えなくても風を感じる、ということは刺激になります。また小型犬なら抱っこして散歩に連れ出すことができますね。

散歩に行かない時間は、窓辺で過ごすなどして日の光を多く浴び、明るい空間で過ごすよう心がけます。夏はもちろん熱中症に注意してあげてくださいね。

家の中では意識して声をかけるようにし、体を撫でて刺激を与えましょう。マッサージも効果的ですよ。

おやつをあげるときも、そのままあげるのではなくちょっとした遊びを取り入れてあげましょう。例えばおやつを手のなかに握り「どっちの手に入っているか」などのゲームにする、おやつを入れられるおもちゃを使って、遊びながらあげるなどがおすすめです。
愛犬に合った楽しい遊びを取り入れて、たくさん刺激を与えましょう。

身体を動かす

朝や昼間、老犬の負担にならない程度で好きなおもちゃなどを使って遊び、身体を動かすことを心がけます。歩ける子は散歩に連れていきましょう。
あまり動けなくなってしまった子もマッサージをしてあげるだけでも違います。また、足を持ってあげて屈伸運動をさせてあげましょう。

サプリメントを摂る

DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は老化に効果があるといわれています。
DHAやEPAは犬用のサプリが販売されているので、試してみるのもいいでしょう。またDHAやEPAが多く入っているフードを食べさせるのもおすすめです。

人間用サプリは人間の体重などを考えて作られているので、犬にとって量が適切にならない可能性があります。しっかりしたメーカーの、犬用のサプリを選んであげましょう。
そのほか、コエンザイムやビタミンCやビタミンEなど抗酸化物質のサプリやこれらが入った療法食もいいでしょう。

それでもうまくいかない時は
動物病院に、相談してまずは原因を調べてもらいます。認知症とわかったら、睡眠薬などお薬を処方されることもあります。愛犬にお薬を飲ませることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、飼い主さんが寝不足やストレスで倒れては愛犬の介護もできなくなります。
獣医さんとよく相談してみましょう。お薬の力を借りることも大切なことです。

3.老犬が「吐く」時に気をつけたいポイント

老犬が吐いたとき、本当に胃の中のものを吐いたのか、咳なのか見極める必要があります。

吐いたと思ったら実は「咳だった」というケースが多くあるのです。胃の中のものを吐く「嘔吐」にしても「咳」にしても、原因を探り対策や治療をする必要があります。

吐いたときには以下の点についてチェックしましょう。獣医師に嘔吐物を見てもらうと確実です。今はスマートフォンなどで手軽に写真が撮れます。記録しておき受診の際に確認してもらいましょう。

吐いたときに下痢をしていないか。

下痢を伴う時は胃腸炎の可能性があります。食べすぎや誤飲誤食、アレルギーなどの可能性があります。腐ったものを食べてしまった、玉ネギを食べてしまった、キョウチクトウなどの毒性のある植物を食べてしまった、など飼い主さんの気づかないうちに口にしてしまうこともあります。

また小さなおもちゃやコインなどを飲み込んでしまうことも嘔吐の原因となります。
アレルギーの場合は、アレルゲンとなるものを食べないようにしなくてはいけません。フードがあっていない場合もあります。アレルギーの可能性がある場合、動物病院で血液検査を受け、調べてもらう必要があります。

その他「犬伝染性肝炎」「コロナウィルス感染症」「ジステンパー」など感染症でも嘔吐と下痢の症状がでます。特に予防注射をしていなかった場合は、急いで受診してください。

吐いたものの色は?茶色いか、白い泡を吐いたのか。

茶色いものは血液が混ざっている可能性があります。また明らかに血液が混ざっていることもあります。背中を丸めていたり、お腹を触ると痛がったりするかもチェックしてください。胃潰瘍の可能性もあるのでこの時も早めに受診しましょう。

白い泡は胃液です。お腹がすきすぎていると胃液を吐くことがあります。食事を食事の時間が空きすぎていないかチェックしてみてください。
吐いた後ぐったりしている、白い泡のなかに血液や未消化の食べ物、異物がある場合は急いで動物病院に連れていきましょう。

吐いた後にご飯を食べるか。

吐いたあと、ケロッとしてご飯を食べていれば様子を見ておきます。しかし元気でも繰り返し吐くときは、必ず受診してくださいね。

吐いた時や吐いた後に震えていないか

吐いた後の震えは感染症の可能性もあります。熱がないか、他に下痢の症状はないかもチェックします。

感染症の可能性

下痢のところでも書きましたが、嘔吐は「犬伝染性肝炎」「コロナウィルス感染症」「ジステンパー」「犬パルボウィルス」などいろいろな感染症があるので、急いで受診しましょう。

中毒の可能性

吐いた時に震えることがあります。これは中毒の可能性もあります。犬は何でも口にしてしまうので誤飲誤食が多くなります。誤飲や誤食が疑われるときも、できるだけ早く受診します。

胃拡張や胃捻転の可能性

胃の中にガスがたまり、胃拡張になると嘔吐のほか、苦しがったり震えがでたりします。胃拡張から胃捻転になることもあり、胃捻転になると吐こうとしても吐けないなどの症状もみられます。
お腹が膨れるなどの症状もみられたらすみやかに病院に連れていきます。

膵臓や腎臓の異常

嘔吐、震えが必ずしも胃の病気だけとは限りません。
膵臓や腎臓の異常でも嘔吐や震え、下痢が生じます。元気がない、お腹を痛がる、水ばかり飲みたがるなどいつもと違う症状があったら必ず受診してくださいね。

吐いた後倒れるということがないか。

吐いた後倒れる場合もいくつかの病気の可能性があります。胃や腸の病気のだけでなく、脳の病気や感染症にかかっている場合があります。また熱中症でも吐いて倒れることがあります。

吐いた後倒れてけいれんしている場合は「てんかん」の場合があります。吐いて倒れた時、飼い主さんも動揺しているとは思いますが、どのような状況だったか記録しておきましょう。

ジステンパーなど感染症にかかっている場合も嘔吐して倒れることがあります。他に風邪のような症状が見られることがあります。

尿毒症でも吐いて倒れることがあります。体温が低下していて昏睡状態になることがあり、この時は急いで受診する必要があります。腎臓の病気は症状が出たときは進行していることが多いので、日頃から健康チェックなどをしておくようにしましょう。

メスで避妊手術をしていないときは「子宮蓄膿症」にかかっていることがあります。老犬にはよく見られる病気なので、避妊手術をしていない愛犬は注意しておきましょう。

犬が吐くのは、よく見られる症状で吐いた後もケロッとしていることが多いものです。とはいえ老犬になって吐くのは身体の負担にもなり、栄養がいきわたらなかったり脱水の原因になったりします。
吐いたあとは必ず受診して、なにか病気がないか確認することが大切です。

3.1.咳が出る原因とは

老犬が咳をしている場合の原因として考えられるのは「部屋の乾燥」「軽い風邪」などが挙げられます。しかし深刻な病気にかかっていることもあり、咳が続くと心臓に負担がかかり倒れてしまう恐れがあります。体力も消耗するので、愛犬の咳が続くときは原因を突き止めましょう。

室内がエアコンなどで乾燥し、老犬が咳をしているときは加湿をします。鼻水が出ているなど他に風邪の症状が見られるときは受診します。軽そうに思えても老犬は免疫力も体力も低下しているので、注意が必要です。

咳の症状が出る病気で考えられるものとして以下の病気や原因があります。

アレルギー

花粉などのアレルギー、タバコの煙を吸ったことによるアレルギーがあります。

フィラリア症

フィラリア症で咳がでることがあります。フィラリア予防をしていない場合は検査をしてもらいましょう。室内にも蚊は侵入してきますし、散歩でも蚊に刺されることがあります。

気管虚脱

遺伝的な原因もありますが、老齢のために気管が押しつぶされ扁平(へんぺい)となって呼吸が困難になる病気です。小型犬や短頭種に生じやすく初夏や夏の暑い夜に発症することが多いようです。

ケンネルコフ

ウィルスや細菌感染による気管支炎です。免疫力の落ちている老犬は気を付ける必要があります。原因となるものに、「マイコプラズマ」や「パラインフルエンザウィルス」などがあります。肺炎に移行しないように早めに受診する必要があります。

気管支炎

気管支に炎症が起きることで、咳をします。ウィルスや細菌に感染したことが原因となります。乾いた咳が続き、吐くような姿勢をとるので吐き気があるものと間違えることがありますし、実際嘔吐することがあります。喉の周辺を触るとその刺激で咳がでたり、触られるのを嫌がったりします。

咽頭炎

喉に、口内炎や鼻炎が広がることで生じたり、全身的な病気が原因で生じたりする病気です。その他有毒な薬品を吸い込む、食べ物で喉を傷つけるなど直接的なものが原因となることがあります。
のどの痛みで食欲が低下したり、のど周辺を触られるのを嫌がったりします。

肺炎

肺炎は重い呼吸器病です。気管支炎、咽頭炎よりも症状は重く、発熱や呼吸困難が起こることもあります。興奮させないようにして早めに動物病院を受診しましょう。

そのほか心不全や心筋症でも咳が出ることがあります。咳だから風邪やのどの病気だと思い込まず、老犬が咳をする場合は必ず受診して全身を診てもらうことが重要です。

咳が続く場合は、どのようなお薬が処方されるのでしょう。
原因となる疾患が細菌感染症の場合は抗生物質が良く使われます。また炎症がある場合は、抗炎症剤のステロイド薬が処方されることがあります。

そのほか気管支を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬や、咳中枢に働いて咳を静めるお薬が処方されます。肺に水が溜まって咳が出る場合は利尿薬が処方されることがあります。

お薬が処方されたときは獣医さんの説明をしっかり聞いて、お薬を飲ませましょう。うまく飲ませることができないときは、コツを教えてもらうといいですよ。

3.2.老犬の下痢が続く時は要注意!

老犬の下痢が続くと体力の消耗や脱水を招いてしまいます。下痢をしたときは早めに原因を見つけ治療することが重要です。
老犬は消化機能そのものが加齢によって低下しています。若い犬よりも回復に時間がかかりますので、注意してあげましょう。

下痢の原因としてまず疑うのは「食べ過ぎていないか」ということです。愛犬が食べるからといって、若い時と同じフードを同じ量だけあげていると胃腸の負担になることがあります。老犬用フードに少しずつ切り替え、様子をみてみましょう。フードもふやかすなど食べやすくしてみてください。

またガムなどのおやつも胃腸の負担になることがあります。老犬用の消化の良いおやつに切り替えてあげましょう。

嘔吐を伴う場合は、胃腸炎になっていることが考えられます。脱水に注意して受診する必要があります。下痢に血便が出る場合もあります。黒っぽい血便は胃や小腸での出血が考えられます。
また、鼻血を飲み込んでいる場合も便が黒っぽくなることがあります。

下痢で肛門がただれて出血することもあります。また寄生虫や、感染症でも血便がでることがあります。下痢に伴って、血便が見られた場合は早めに受診することが必要です。

脚が弱って排泄がうまくできないときは、下痢になってしまうと大変です。寝床に大き目のペットシーツを敷き、オムツをしておきましょう。お尻周辺が便でかぶれることもあります。下痢をしたらすぐにオムツを取りのぞき、お尻周辺をきれいにふき取ってあげましょう。オムツを取り換える飼い主さんも大変なので、早めに獣医さんに診てもらうことをおすすめします。

免疫力や消化力の落ちた老犬は腸内環境を整えてあげるといいでしょう。人間の赤ちゃんも飲めるビオフェルミンはおすすめですが、乳製品アレルギーのある犬は飲むことができません。
犬の体重によっても与える量が変わるので、自己判断せずに獣医さんに相談してから与えるようにしましょう。

3.3.老犬の血尿も注意して!

老犬になると血尿が見られることもあります。おしっこに血が混ざっているのをみるとびっくりしますが、慌てないようにしましょう。

外に出たときにおしっこをする子だと、血尿があっても気づかない場合があります。老犬になると外でおしっこをするのも大変になります。家でできるようにしておくことをおすすめします。ペットシーツにおしっこをすると、色で異変にすぐ気づくことができますよ。

元気も食欲もあるのに血尿がでたときは、ストレスによる場合があります。愛犬が1匹で過ごす時間が長くないか、など愛犬を取り巻く環境を見直してみましょう。

そのほかに腎臓や膀胱、オスだと前立腺の病気でも血尿がでることがあります。
排尿の最後の方に血が混じるときは膀胱の疾患である場合が多く、最初から血が混ざる場合は、腎臓に異常があることが多くなります。

尿路結石

おしっこの姿勢をとるのになかなかでない、そして血尿がでるという時は尿路結石の可能性があります。尿道に石ができてしまい、石が尿道を傷つけることで血尿がでます。

前立腺炎

オスの老犬に多くみられます。前立腺が細菌感染することにより炎症を起こす病気です。痛みが激しく、うずくまってしまうことがあります。急性の場合は嘔吐、発熱などの症状を伴うことがあります。

前立腺肥大

老犬になると前立腺肥大が多くみられます。近くの尿道や直腸を圧迫してしまいます。血尿のほか便秘を伴うこともあります。

これらのほかにも玉ネギを食べたことにより血尿がでることがあります。
血尿のほかにも、おしっこがなかなかでない、おしっこの際に痛がる、という症状もある場合はなにか疾患がある可能性があります。早めに受診することが必要です。

3.4.老犬の散歩で気をつけたいポイント

老犬が散歩に行きたがらない、歩きたがらない時は何らかの原因があります。まず考えられるのは脚や腰の関節の痛みです。また体力が低下して、出かけること自体がおっくうになっていることがあります。

そんな時は無理をせず途中で休憩をしたり、ゆっくり歩いたり老犬のペースに合わせてあげましょう。冬に「寒い」ということでも外を歩きたがらない子もいます。寒がりの子には服を着させて、散歩にいきましょう。

また視力が低下していて歩きたがらないこともあります。目が濁っていないか、家のなかで家具にぶつかっていないかなど注意してみてください。

散歩中に倒れた場合は、心臓疾患がある可能性が高くなります。僧帽弁閉鎖不全症という病気で、老犬に多くなります。
僧帽弁(左房室弁)が完全に閉じなくなる病気で、心臓に大きな負担がかかります。咳をしたり元気がなかったりという様子が見られることもあります。散歩中に倒れた場合は、早めの受診が必要です。

散歩は老犬にとって、認知症予防や脚力低下予防に欠かせないものです。とはいえ無理強いは犬にとってストレスになるので、犬のペースに合わせてあげることを優先しましょう。

3.5.老犬の散歩に便利なグッズ

グッズを使うことで老犬も飼い主さんも、散歩がぐっと楽しく楽になることがあります。
歩きたがらなくなる原因として、脚に力が入らない、痛みがあるということが考えられます。そんな子のためには犬用のカートや補助用のハーネスを使うことをおすすめします。

全く歩けなくなってしまった子にはカートがおすすめです。急な雨でも濡れないようなカバーがついているものもあり、安心して散歩に連れ出せます。

公園ではカートからおろして、土の匂いをかがせてあげると気分転換になりますよ。

補助用ハーネスは、脚が弱ってしまったけれど少しは歩ける子におすすめです。自分の足で歩かせることは筋力維持にも大切です。腰につけるハーネスや、ベストタイプのハーネスがあります。愛犬のサイズにあっていて、飼い主さんの使いやすいものを選んであげましょう。

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4.老犬は心臓や脳に異常がある時に痙攣する!

老犬が痙攣を起こすときは、心臓や脳に異常がある可能性が高くなります。

加齢により心臓の機能が低下すると、痙攣を起こして失神することがあります。また口から泡を吹くこともあります。
特に激しい運動をしたあとや興奮したあとに起こりやすいのですが、痙攣そのものは1分程度で収まります。痙攣のあとは、すぐにいつもの状態に戻っています。

脳に異常がある場合は脳腫瘍が考えられます。腫瘍は良性でも悪性でも、痙攣を起こすことがあります。心臓が原因のものに比べて、痙攣時間が長いのが特徴です。

4.1.痙攣発作とは?

痙攣発作とは、「筋肉が勝手に激しく収縮することで起きる発作」のことを指します。意識がない場合も意識が残っている場合もあります。
身体をのけぞらせて意識を失う痙攣や、意識は残っていて前足がぴくぴくとする痙攣などがあります。

4.2.痙攣が起きた時の症状は?

脳の原因で起こる痙攣は数日前から、徘徊する、よだれがでるなどの症状があります。また心臓が原因の痙攣に比べて、痙攣時間が長い特徴があります。痙攣中は泡を吹く、意識がない、よだれを流す、などの症状がみられます。

痙攣を見ると誰でも驚きます。しかし犬を揺さぶったり抱きしめたりしないようにします。かえって悪化する恐れがあります。

また刺激になって悪化させることもあるので、慌てて大声で呼ぶのも控えましょう。
痙攣が治まるのを待ち、治まったらすみやかに、できるだけ早く病院に連れていきます。

5.老犬介護をするときに大切な3つのこと

老犬介護には大切な3つのポイントがあります。3つのことをいつも頭に入れてストレスがたまらないようにすることが、老犬介護を乗り越えるポイントです。老犬介護は飼い主さんにとって、思ったより負担となり、身体を壊してしまうこともあるのです。

しかし、それは飼い主さんにとっても愛犬にとっても不幸なことですよね。3つの大切なことをおさえ、飼い主さんも愛犬も幸せに過ごせる老犬介護をしましょう。

5.1.愛犬を責めない

まず、愛犬を責めないようにしましょう。変わっていく愛犬の姿に困惑し、叱りたくなることがあるのは当然のことです。
しかし愛犬自身も今までできていたことができず、もどかしく思っています。聴力が衰え、視力も衰えて、不安に寂しく思っているのです。

反抗しているように見えて叱りたくなるかもしれませんが、実は飼い主さんの声が聞こえず、姿もちゃんと見えなくなっていることもあるんです。それを不安に思っているということをわかってあげましょう。

わざと飼い主さんを困らせようとしているのではないのです。愛犬自身も、元気な姿を飼い主さんに見せて一緒に遊びたいと思っています。

もうできなくなったことを嘆くより、まだできるね、やれるねということを探してあげましょう。

5.2.一人で抱え込まない

自分が飼い主だから、がんばってこの子を看てあげないと思ってしまいがちです。しかし頑張りすぎると心身ともに参ってしまいます。

家族に協力を求め、みんなでできることやりましょう。ご近所にも犬が年老いて迷惑をかけるかもしれないことを伝えるだけでも、トラブルを避けることができます。意外と自分も老犬介護をしたことがある、などアドバイスをもらうことができるかもしれません。

また動物病院のスタッフに遠慮せず相談してみましょう。今は老犬介護の施設もあります。プロに頼むことが、愛犬にとっても飼い主さんにとっても幸せなこともあります。
飼い主さんが無理せず元気でいることが、愛犬の幸せにつながるということを覚えておいてくださいね。

5.3.しっかりと設備を整える

老犬介護のためにしっかり用意をしておきましょう。それだけでも老犬介護は楽になります。

老犬介護のために準備しておきたいこと

  • 滑りにくいマットを床にしきます。ペット用のマットでつなげたりカットできるものがあります。またお風呂用のマットをいくつか用意しておいてもいいでしょう。

  • 寝床を柔らかく整えてあげましょう。老犬は身体を動かしづらくなるため、床ずれができやすくなります。骨の出ているところに、ドーナツまくらを用意するといいですよ。
    粗相をしてもいいように、犬用マットの上にペットシーツを敷き詰めその上にタオルをしくと、後始末も楽です。

  • ペットシーツやオムツ、おしりふきなど消耗品は多めに用意しておきます。
    すぐに取り出せるようにかごなどにまとめて入れておきましょう。

  • プチプチと呼ばれる気泡シートがあると、カットして寝床に敷いたり、枕づくり使ったりといろいろと役立ちます。多めに用意しておくと便利です。

  • 尻尾は排泄物で汚れやすくなります。あらかじめ柔らかい伸縮包帯で尻尾を巻いておくと、汚れた時包帯だけとればいいので楽です。ふさふさ尻尾の子におすすめです。

  • 掃除をしたり、敷物にしたりするのに古いTシャツやバスタオルがたくさんあると便利です。

  • そのほか手を消毒できるようにアルコールティッシュを置いておくといいでしょう。

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6.まとめ

犬の老化のスピードは速く、愛犬が年老いていく姿をみるのは誰でもつらいものです。だからこそ、大切な愛犬が最後まで幸せに過ごすことができるようにしてあげたいですよね。

それには老犬特有の病気や症状などを知っておき、対策をすることで必要以上に不安がらず慌てずに対応できるようになります。

老犬介護もグッズを使ったり、家族で協力したり、プロに頼ったりして1人で頑張りすぎないことが大切です。飼い主さん自身が元気でいることが愛犬の幸せに通じることを忘れないように、老犬介護をしていきましょう。

そして愛犬も飼い主さんも、一緒にいられて「楽しかった」「幸せだった」と思える日々を過ごしていきましょう。

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