犬の前庭疾患に気づいたらすぐ病院!その症状と治療法、後遺症とは

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ご家庭の愛犬の体がふらついたり、よろよろと足元がおぼつかなかったり、首をかしげるような姿勢のままであったりすることはありませんか?

もしこのような症状が見られるのであれば、もしかしたら『前庭疾患』にかかっているかもしれません。そこで今回は、犬の前庭疾患の症状や原因をご紹介していくとともに、愛犬が前提生涯を患った際の飼い主の介護の仕方などご紹介していきたいと思います。

目次

1.犬の体のバランスを保つ役割は耳の奥にある
1.1.前庭疾患の原因とは
1.2.前庭疾患の症状とは
1.3.前庭疾患は予防できるの?

2.前庭疾患の治療法
2.1.ステロイドの副作用はあるの?
2.2.犬に前庭疾患の後遺症は残る?

3.犬の前庭疾患は徐々に回復していく
3.1.『入院治療』と『在宅治療』による治療のメリットとデメリット
3.2.在宅での看護の仕方と注意点
3.3.寝たきりになってしまったときの看護
3.4.前庭疾患に効果がある薬やサプリ
3.5.前庭疾患はマッサージで改善!

4.まとめ

1.犬の体のバランスを保つ役割は耳の奥にある

私たち人間が三半規管によって体の正確な位置情報を伝えてバランスをとっているように、犬もまた三半規管に寄って体や頭の正しい位置情報を脳に伝達して常に体の平衡感覚を保っています。

犬の耳の奥(内耳)には、人間と同じように『蝸牛』と『三半規管』があり、うちプレッツェルのような形状の『半規管』、卵のような形の『卵形嚢(らんけいのう)』、球状の形をした『球形嚢(球形嚢)』の3つを『前庭』とよび、『前庭神経』を通じて頭部や胴体など犬の体の位置がどこにあるのか正しい情報を脳に送り、平衡感覚を保つのです。

しかし、病気やケガ、加齢などの原因によって、前庭になんらかの異常が起きた場合、体の正しい位置情報を脳に伝達しづらくなり、よろめきやめまい、首をかしげるような姿勢や目がぐるぐると回るといった症状が起こります。この前庭の異常で平衡感覚を失ってしまう病気を『前庭疾患』と呼びます。

1.1.前庭疾患の原因とは

前庭疾患の原因は、内耳炎や耳の中にできた腫瘍、内耳になんらかの強い毒性を持った薬物を投与したり、前庭が外傷を負ったり内耳になんらかの異常が起こるケースのほか、脳腫瘍や脳炎、脳こうそく、脳幹の病気や脳が外傷を負うなどの脳の病気やケガによるもの、老化による甲状腺機能の低下やメトロニダゾール中毒など多岐にわたります。

特に、シニア犬は特発性前庭疾患を起こしやすいため、常に状態を観察する必要があります。

このように、前庭疾患の原因は素人では判断が付きにくいため、動物病院にて検査を受け、病気やケガなど原因を突き止め、それらの治療と並行して前庭疾患の治療を行う必要があります。

1.2.前庭疾患の症状とは

前庭疾患の主な症状は、平衡感覚を損なうことで起こるめまいやふらつき、まっすぐに歩けなくなる、嘔吐や捻転斜頸(首の筋力低下によって起こる頸の傾き)、眼振(眼球がグルグル回る)などの症状が起こります。

また、突然抱えられて宙に浮くことでパニック状態に陥ったり、暗所や寝起きなどに症状が悪化することもあります。また、両側の耳が前庭疾患になると、捻転斜頸や眼振といった症状はあまりみられませんが、いつもと違う変わった歩き方をしたり、特徴的な首の動かし方をしたり、脚をあげたりジャンプするといった動作をするときに体のバランスを失ってふらついたりする症状が多くみられます。

いずれにしろ、これらの症状が一過性ではなく長く続くようであれば動物病院に受診する必要があります。

ひどいふらつきやめまい、捻転斜頸や眼振、嘔吐、パニック症状といった激しい症状が現れるため、飼い主の方もパニックに陥ることも少なくないと思いますが、前庭疾患自体が犬の命にかかわることはほとんどなく、特に特発性前庭疾患の場合は症状のピークは24時間以内に起こり、眼振などの症状は発症後4日経過すれば徐々に治まっていき、よろめきなどの運動失調は3~6週間ほど続くものの、徐々に改善していきます。

そのため、慌てず、動物病院に受診し、適切な検査を受けて治療してもらうようにしましょう。

1.3.前庭疾患は予防できるの?

前庭疾患は脳や耳のケガや病気といった原因から突発的に起こる原因不明のものまで多岐にわたる要因があり、特に健康上何の問題がなくても、ある日突然前庭疾患に陥ることもあるため、予防は非常に難しいです。そのため、症状が起きてから動物病院で検査してもらい、治療する流れが前庭疾患の主な治療法となります。

前庭疾患の診断基準としては、病歴と神経学的検査を重視し、CTスキャンやMRIといった装置を使った脳の検査や、尿や血液の検査、使用した薬物や病歴の確認、内耳に腫瘍や外傷、内耳炎といった病気がないか徹底的に調べます。

特に特発性前庭疾患の場合、脳や耳の疾患、甲状腺機能低下症や外傷などによる神経症状が見られず、これらの病気やケガなどが除外でき、かつ前庭疾患とみられる症状と経過であれば特発性前庭疾患であると診断されます。

特発性前庭疾患であると判断される基準(一例)

  • 神経機能を検査し、前庭疾患の症状以外の神経症状が見られないか確認する
  • 急性内耳炎と似た症状が現れるので、耳鏡やレントゲンなどで急性内耳炎ではないかどうか検査し、その疑いがないか確認する
  • 血液や尿の検査を行い、なんらかの疾患や炎症を患っていないか確認する
  • 頭の外傷や、毒性の強い薬物を投与したことによる中毒といった原因も考えられるため、病歴を調べ、それらを除外する
  • 内耳に腫瘍やポリープ、外傷などが見られないかどうか検査する
  • CTやMRI検査を行い、脳腫瘍や脳こうそく、脳幹の病気が見られないかどうか検査する

また、前庭疾患は遺伝的な要因もあり、その犬の血族に前庭疾患が見られる場合は遺伝的に引き継いでいることもあります。もし、愛犬の家系に前庭疾患を患っている個体がいる場合は、常に観察をし、症状が現れていないか確認しましょう。

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2.前庭疾患の治療法

前庭疾患の主な治療方法は、主に対症療法を中心に行い、炎症や捻転斜頸の症状を抑えるために抗生物質やステロイド剤を投与したり、食欲がなく栄養が十分にとれない場合は点滴をしたり、甲状腺機能低下症を患っている場合は甲状腺ホルモンを投与したり、脳や耳に疾患や外傷などが見られる場合はそれらの治療を優先します。

特に、加齢などが原因で起こる特発性前庭疾患は、急激な眩暈やふらつき、よろめきといった運動失調や眼振、捻転斜頸が見られますが、病歴や神経学的検査で前庭疾患以外の問題が見られなければ、経過観察と対症療法を行い、症状が改善するまで安静と治療をお来なっていきます。

症状は発症から4日目以降徐々に回復していき、数週間で回復することが多いです。

もし、検査によって内耳炎や腫瘍、外傷による前庭の障害や脳腫瘍、脳炎、脳こうそくや脳幹の病気、脳の外傷など脳に何らかの障害があったり、毒性の強い薬物を投与したことで起こる中毒が原因の場合は、これらの手術や治療を優先します。

そのため、前庭疾患に見舞われた愛犬になんらかの持病や病歴がないか把握しておくのも飼い主の責任です。必ず獣医師に愛犬の持病や病歴、使用している薬物などを正確に伝え、適切な治療が行えるようにしましょう。

2.1.ステロイドの副作用はあるの?

ステロイド剤は主に捻転斜頸や炎症の治療に用いられ、効果も絶大ですが、その分副作用などの問題も少なくありません。特に長期にわたる治療の場合、副作用のリスクも高いため、獣医師と相談して投与する必要があります。

ステロイド剤の投与によって起こる主な副作用

短期間の投与

食欲が異常に増す、異常な量の水を飲みたがる、尿の量が増える、嘔吐、下痢、感染症にかかりやすくなる

長期間の投与

肥満、糖尿、筋肉量の減少、胃・十二指腸に潰瘍ができやすくなる、肝臓の障害、副腎の機能低下(医原性クッシング症候群)

医原性クッシング症候群は犬に比較的多くみられる病気で、主な症状としては食欲の異常な促進や水を異常に飲みたがり、過剰に水を飲むほか、左右対称に体毛が薄くなったり、ポットベリーというお腹が膨れる症状や筋力の低下による脱力、倦怠感、無気力といった症状が見られます。

この病気は自然発生することもあるため、もし疑いがあれば獣医師に相談し、場合によってはステロイド剤の処方を調整してもらいましょう。

また、ステロイド剤は副作用が起こるからといきなり投与するのをやめるのも厳禁です。ステロイド剤を投与することをいきなりやめると、『アジソン病』を発症し、最悪の場合命を落とす危険もあります。そのため、ステロイド剤の投与をやめる際は、獣医師の診断と指示に必ず従い、徐々に量を減らすようにしましょう。

2.2.犬に前庭疾患の後遺症は残る?

基本的に、シニア犬がかかりやすい特発性前庭疾患などでは後遺症が起こることはまれですが、症状の重さや年齢、個体差によっては後遺症が残ることもあります。主に、捻転斜頸をこじらせることで軽い斜頸が残り、犬によっては一生涯にわたり斜頸を患うこともあります。

また、前庭疾患は再発することも少なくないため、もし症状が残ったり再発した時に適切な処置や治療を施せるように常に愛犬の状態を確認し、獣医師と連携して治療にあたりましょう。

3.犬の前庭疾患は徐々に回復していく

犬の前庭疾患は、4日間ほど酷いめまいやふらつき、体が傾いたりバランスがうまく取れない運動失調や、首を傾げたような状態になる捻転斜頸や目がぐるぐる回る眼振などの症状が続き、それ以降は徐々に回復していきます。前庭疾患を治療している最中は、症状が落ち着くまでできるだけ犬を安静させる必要があります。

基本的に、動物病院に入院して安静させ、治療を行う『入院治療』と、自宅で飼い主による犬の治療や介護といった『在宅治療』があり、犬によっては入院治療ではなく在宅治療のみ行うこともあります。

3.1.『入院治療』と『在宅治療』による治療のメリットとデメリット

入院治療のメリットは、獣医師による適切な処置と治療が行われ、また安静な状態を入院期間中保つことができ、飼い主の負担が軽減される点です。ですが、繊細な性格であったり、人見知りである犬などは安心できる自宅と異なり、不特定多数の人間や犬と一緒に入院することになりますので、かえってストレスがたまることも少なくありません。

在宅治療は、基本的に4日間ほど入院治療をした後で、退院後、前庭疾患の症状の経過観察をしつつ飼い主が看護する形で行うのですが、犬によっては飼い主から少しでも離れることで不安を感じたり、パニックを起こしてかえって症状が悪化することも少なくありません。そのため、犬によっては入院治療を行わず、最初から在宅治療を行うことになります。

在宅治療の最大のメリットとしては、犬にとって一番落ち着く自宅や飼い主の傍にいられるという点です。見知らぬ人間や動物がいる動物病院よりも精神的に安らぎ、ストレスも溜まりにくいため症状も改善しやすくなります。

ただ、動物病院とは異なり、自宅には犬の好奇心や遊び心をくすぐるものが多いため、犬によっては安静にさせるのが難しいというデメリットもあります。動物病院に入院させて治療を行うか、最初から在宅治療を行うかは愛犬の性格や体質、持病や年齢などを考慮し、獣医師と相談して決めるようにしましょう。

3.2.在宅での看護の仕方と注意点

前庭疾患は症状が出てから回復に至るまでの期間が長いため、発症から4日間は例外を除いて動物病院で入院治療を行いますが、それ以降は自宅での在宅治療がメインとなっていきます。そのため、前庭疾患を患う犬に適切な看護を行えるよう、飼い主もある程度知識を持たなければなりません。

よろめいて転んでしまう場合は、倒れたときにテーブルやタンスなどの角にぶつかり、けがを負うことも少なくないため、家具の角はスポンジやエアパッキンなどのクッション性の高い素材でカバーし、万が一ぶつかったときにけがをしないようにしましょう。また、なるべく犬のために広いスペースを確保するようなるべく不要なものは床に置かず、家具も最低限必要なものだけ置くようにしましょう。

室内飼いで小型犬を飼っている際、気を付けたいのが家具の間にできた狭い空間に入りこむことで、出られなくなってしまうという事故。健康な状態であれば自力で脱出することは可能ですが、前庭疾患を患っている場合、うまく脱出するのは難しいため、最初から犬が隙間などに入りこまないよう家具と家具の間の隙間は塞いでしまいましょう。

また、前庭疾患がまだ完全に良くなっていない場合、床がフローリングなどの滑りやすい素材であると歩きにくく、足腰に負担がかかりやすくなり、ふらつきやよろめきで転びやすいため、カーペットなどを敷いて滑りにくくし、犬の足腰の負担を和らげましょう。

もし、犬が自分の脚で移動する意思を見せているのであれば、なるべく犬の意思を尊重し、かつ体の負担が軽減するよう飼い主が持ち手を持って補助できる歩行補助のハーネスを犬に装着させてじっくり焦らずトレーニングを行いましょう。歩行トレーニングを行う際は、必ず獣医師と相談し、無理のない内容を行いましょう。

これは人間も同じですが、動けなくなり外からの刺激を受けなくなると痴呆になる可能性も少なくありません。特に外からの刺激は脳を活性化させる点でも重要であるため、よほど重傷で動かすと危険である場合でなければなるべく犬が散歩をしやすいようにサポートしてあげましょう。歩けず寝たきりの犬も、犬用介護用ペットカートを用いると負担が軽減し、散歩やおでかけ、通院なども楽に移動することができます。

3.3.寝たきりになってしまったときの看護

持病があったり、高齢のシニア犬の場合、前庭疾患から筋力と体力が低下して寝たきりになってしまうことも少なくありません。愛犬が寝たきりの状態になった場合特に気を付けたいのが『床ずれ』です。

床ずれは、寝たきりの状態で寝返りを打つこともままならず、肩や腰、足首、頬骨、かかとなど皮膚が薄く骨が飛び出している部位に体重がかかることで起こり、筋肉や皮下組織の血行不良を招き、ひどくなると皮膚が破れて壊死を起こしてしまうこともあり、しかも一度できてしまうと治りにくいため床ずれを起こさないよう徹底的に予防する必要があります。

床ずれの予防方法としては、定期的に体の位置や向きなどを変えてあげ、寝返りのサポートをしてあげます。このとき、愛犬の体に床ずれができていないかチェックし、ノートなどにその状態を記しておくと、後で獣医師の診察を受ける際に正確な情報を伝えることができるので、なるべく詳細な記録を残すようにしましょう。

また、寝具も床ずれができにくい素材のものを用い、犬が嫌がらない程度に結構マッサージを施してあげましょう。床ずれは皮膚が薄く骨が出ている部位に体重がかかることで血行不良になることで起こることが多いので、血行を良くするマッサージは床ずれの予防につながります。また、寝たきりで動けなくなった犬の脚の関節などが固まってしまわないよう、関節をほぐす役割もあります。

床ずれの初期症状と、もし床ずれになってしまったときの治療法は?

床ずれの初期症状として、体重がかかって圧迫されている部位の体毛が擦り切れたり抜け落ちることで薄くなったり、抜け毛が多くなるなど見た目でもわかりやすい症状が現れます。毛が薄くなった部分が赤くはれ、痛がる様子を見せるため、床ずれの初期症状は割と発見しやすく対処しやすいのですが、放っておけば悪化していきます。

床ずれは初期症状のうちに動物病院へ行き、獣医師に処置してもらえば改善しますが、そのまま自然に治るだろうと放置しておくと、どんどん悪化していきます。毛が薄くなって赤く腫れている部位が白くぶよぶよとした水ぶくれ状のものに変化し、破れると体液が出てただれ、さらに進行すれば壊死を起こしてしまいます。床ずれはひどくなると完治が難しくなるため、なるべく初期症状のうちに動物病院へ行きましょう。

もし床ずれになってしまったら、犬の体を常に清潔に保つことを心掛け、排泄物をすぐに取り除いて優しく体についたものをふき取ります。また、犬の皮膚に負担がかかりすぎないよう犬の体を引きずったり、強くこすったりしないようにしましょう。また、同じ位置に同じ体位でいる状態がずっと続くのは床ずれを悪化させるため、寝返りのサポートをしてあげましょう。

大体2時間を目安に、皮膚の状態によって間隔をあける時間を調節し体の向きを変えてあげるようにしましょう。床ずれが起きやすい脚の関節などにはタオルを巻いて他の部位の骨が当たらないようにします。皮膚の状態によって、床ずれの治療にかかる時間と必要な処置が変わっていきますので、自分だけで治そうとはせず、必ず獣医師に相談して適切な治療を施してもらうようにしましょう。

3.4.前庭疾患に効果がある薬やサプリ

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中~高年期の犬の健康補助サプリメントである『転ばぬ杖』は、イチョウ葉エキスや霊芝など、主に漢方薬に使われる成分が含まれ、愛犬の膝・腰関節の健康維持や免疫の強化、頭や体をはっきりとさせるなどといった効果が期待できます。液体タイプなので、餌に混ぜたり、そのまま適量を飲ませることも可能で、与えやすいのも魅力の一つです。

ただし、あくまで健康維持や補助的な役割をするためのサプリメントであり、前庭疾患の治療薬ではありませんので、必ず動物病院に受診し、獣医師の適切な処置を受けるようにしましょう。

3.5.前庭疾患はマッサージで改善!

マッサージをすることで、よろめきや斜頸などの症状が幾分改善することもあるほか、寝たきりの場合は床ずれや脚の間接の硬直を防ぐ効果もあるため、犬が嫌がらない限りはリハビリも兼ねてマッサージを行うようにしましょう。

ただし、適当にマッサージをするとかえって症状が悪化したり、嫌がる犬に対して無理やり行うとストレスになってしまうので、愛犬にマッサージをする場合は素人判断で行わず、治療を受けている獣医師と相談し、マッサージの指導を受けて行うようにしましょう。

自宅でもできるマッサージのやり方

施設や病院などの本格的な設備を用いず、自宅でも簡単に愛犬のマッサージを行う方法もあります。まず、40℃くらいのぬるま湯を洗面器などに用意し、ハンドタオルなどを漬けて絞り、犬の首の上にタオルを置き、首の筋肉をほぐしてあげます。タオルが冷めたら再びぬるま湯につけて絞り、今度は体にもタオルを当て、温めて血行をよくして体をほぐします。

足の裏の肉球も、1個ずつ指圧をするようにマッサージしてあげるとより効果的です。もし、犬が嫌がっているようであれば、無理やりマッサージするとストレスになってしまうため、嫌がる様子を見せる場合はマッサージしないようにしましょう。また、空腹及び食後1時間以内はマッサージはしないよう気を付けましょう。

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4.まとめ

今回は、犬の前庭疾患についてご説明していきましたが、いかがでしたでしょうか?特にシニア犬に多い特発性前庭疾患は、症状も激しく、原因不明であることが多いため飼い主の方もパニックになり、慌ててしまうことも少なくないと思います。

ですが、前庭疾患自体は命にかかわる病気ではなく、犬を安静にし、適切な処置を施して時間をかけて根気強く治療すれば、後遺症になることもなく症状も改善していく病気です。もし、愛犬が前庭疾患を起こした場合は、決して慌てず、かかりつけの動物病院に連絡し、症状や状態を詳細に説明したのち、受診して獣医師から適切な処置を施してもらうよう心掛けましょう。

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