ホクホクとした食感に、素朴な甘みがたまらないさつまいもは、私たち人間だけでなく、犬にとってもおいしい食べ物として好まれています。
最近では、ペットショップやホームセンターなどでもさつまいもを用いたクッキーなどの犬用おやつが売られ、ドッグフードの原料としても用いられるほど、犬にとってさつまいもは優良な炭水化物補給源といえます。
そこで今回は、犬にさつまいもを与えるメリットや注意点だけでなく、愛犬にぜひ与えたいさつまいもを使った犬用おやつのレシピをいくつかご紹介していきたいと思います。
目次
1.基本的には犬にさつまいもをあげても大丈夫!
1.1.犬にさつまいもをあげすぎるとどうなるの?
1.2.さつまいもアレルギーには気をつけて!
1.3.じゃがいもも与えても大丈夫?
1.4.干し芋を与えても大丈夫?
3.犬の肝臓の機能が低下した時こそ「さつまいも」が効果的!
3.1.犬の肝機能が低下する原因とは?
3.2.エネルギー代謝に必要なビタミンB6をさつまいもで補う
3.3.肝機能の低下の兆候が見られたら、必ず動物病院へ
4.簡単!手作りさつまいもごはん・お菓子・おやつで犬もハッピーに
4.1.誕生日のお祝いに!犬用さつまいもケーキのレシピ
4.2.おやつに最適!犬用さつまいもクッキーのレシピ
4.3.優しい風味と食感がたまらない、犬用さつまいもボーロのレシピ
4.4.香ばしい風味が病みつきに!犬用さつまいもジャーキーのレシピ
4.5. レンジで簡単にできる!犬用さつまいも練り切りのレシピ
1.基本的には犬にさつまいもをあげても大丈夫!
基本的に、さつまいもをはじめとする芋類は、犬に与えても大丈夫です。
というのも、さつまいもは炭水化物(糖質)だけでなく、食物繊維やビタミンC、B6、マグネシウム、鉄分といったミネラルが豊富で、ペットショップやホームセンター、ドッグカフェなどでさつまいもを用いた犬用おやつやメニューがあるほど、犬にとって優良な食物なのです。
【さつまいもの主な栄養素(100gあたり)】
熱量(カロリー) | 132lcal |
脂質(g) | 0.2g |
カリウム(mg) | 470mg |
ナトリウム(mg) | 4mg |
炭水化物(g) | 32g |
たんぱく質(g) | 1.2g |
ビタミンC(mg) | 29mg |
カルシウム(mg) | 40mg |
鉄(mg) | 0.7mg |
ビタミンB6(mg) | 0.3mg |
マグネシウム(mg) | 25mg |
このほか、さつまいも特有のヤラピンやビタミンEなどの栄養素がさつまいもには含まれています。
さつまいもを犬に与えるメリットとして、
- 便秘や下痢の解消
- ビタミンC、Eによる老化防止
- ビタミンB6による活性化
- 少量でも充分なカロリー源に
などがあります。
さつまいもにはご存知の通り、食物繊維が豊富に含まれていますが、その中でも不溶性食物繊維の一種である“ヤラピン”はさつまいも特有の成分で、でんぷんの分解を助ける働きがあるほか、胃の粘膜の保護や腸のぜん動運動を活発にしする効果があるため、消化不良による下痢や腸の働きの低下による便秘などといった症状を改善します。
特に、皮の部分にヤラピンは多く含まれていますので、消化器の弱い犬でなければ皮ごと与えるとより効果的です。
また、さつまいもは水溶性食物繊維も豊富で、便秘改善やコレステロール値を下げるほか、ナトリウムを吸着して犬の体内に吸収される塩分を調整し、更にさつまいも内のカリウムは筋肉の動きを助ける働きのほかにも、ナトリウムを腎臓から排出する利尿作用があり、水溶性食物繊維と合わせて接種することで、血圧を下げ、血栓ができるのを予防し、腎臓の機能改善にも役立ってくれます。
さつまいもをはじめとする芋類は、ビタミンC、E、B6といった毎日摂取する必要のあるビタミン類を豊富に含んでいます。
犬は私たち人間と異なり、体内でビタミンCを生成できますが、特にストレス過多の犬や持病を持つ犬は大量にビタミンCを消費するため、食物で毎日摂取する必要があります。
そのため、レモンの約1/2個分のビタミンCを含むさつまいもは犬にとって最適なビタミン摂取源といえます。
更に、ビタミンCと並んで抗酸化作用のあるビタミンEもさつまいも内に豊富に含まれているため、ビタミンCと合わせて摂取することで愛犬の老化防止にもつながります。
また、ビタミンB6は、補酵素として酵素に結びつき、活性化することでたんぱく質がエネルギーに変わる際の代謝を助けるため、肉や魚、乳製品といった良質なたんぱく質を必要とする犬にとって重要なビタミンです。
特に、お肉を中心に与えている場合はさつまいもを適量添えて与えるとより効果的に体作りをすることができます。
また、さつまいものカロリーは100gで132kcalと高めで、特に食が細くドッグフードをあまり食べたがらない犬にとって貴重なカロリー源となります。
ただし、与えすぎると肥満の元となるため必ず適量を与えるようにしましょう。
1.1.犬にさつまいもをあげすぎるとどうなるの?
このように、犬にとってメリットが沢山あるさつまいもですが、犬にとってもおいしい食べ物であるためついつい食べ過ぎになりがちです。
さつまいもは、100gでおよそ132kcalとカロリーが高めで、また炭水化物(糖質)も全体の約1/3と非常に多く適量を超えた量を与えすぎてしまうと肥満や生活習慣病の元になってしまいます。
また、さつまいもは満腹感を与えてくれるため、適量を与えればダイエットにも効果的なのですが、お腹もちの良さが災いしてドッグフードなどの主食を食べたがらなくなるといった欠点もあります。
そのため、与えすぎず、もし犬がさつまいもを欲しがっても毅然とした態度で「今日はおしまい!」と決しておかわりを与えないようにしましょう。
また、さつまいもには食物繊維が豊富に含まれていますが、犬の腸は人間のものより短いため、あげすぎるとさつまいも内の食物繊維を消化しきれず、かえって消化不良を起こしてしまい、下痢の症状が悪化してしまいます。
そのため、特に消化器の弱い犬にさつまいもを与える量は十分注意しましょう。
利尿作用があり、体内の塩分排出に役立つカリウムですが、与えすぎると高カリウム血症という病気の原因になります。
高カリウム血症とは、犬の血液内のカリウムの数値が以上に上がることで、四肢のしびれや筋力の低下、吐き気などのほか、心臓の機能が悪化して不整脈や動悸を起こし、最悪の場合死につながる恐ろしい病気です。
そのため、さつまいもだけでなくカリウムを多く含む食べ物を愛犬に与える際は、決して与えすぎないようにしましょう。
では、1日に与える犬のさつまいもの適量はどのくらいなのでしょうか。
獣医師によると、犬にさつまいもを与える際の適量は、おおよそ犬の全体の食事量のおよそ10%以下とされています。
これは、さつまいもだけでなくじゃがいもなどのほかのイモ類やキャベツ、ニンジンといったお野菜も同様です。
人や犬に限らず、体にいい成分を多く含む食べ物は、適量を守ってこそ効果があるということをしっかり理解しておきましょう。
1.2.さつまいもアレルギーには気をつけて!
栄養価も高く、犬のおやつや食事にぜひ与えたいさつまいもですが、犬によってはまれにアレルギーとなる場合もあるため注意が必要です。
犬のサツマイモアレルギーの主な症状としては、
- 嘔吐
- 下痢
- 皮膚の湿疹
などがあります。
さつまいもを愛犬に始めて与える場合は、まずは少量ずつ食べさせ、耳や目の周り、背中などに湿疹などはできていないか、吐き気を催したり、もどしたりしていないか、排泄物の状態はいつも通りか必ず確認し、少しずつ与える量を増やして毎回症状を確認するよう心掛けましょう。
もし、愛犬にさつまいもアレルギーの症状が出たら、すぐにかかりつけの動物病院に行き、食べさせたさつまいもの量やフンや吐しゃ物の状態などを詳しく獣医師に説明しましょう。
1.3.じゃがいもも与えても大丈夫?
さつまいもと同じく、じゃがいもも犬に与えても大丈夫な食物です。炭水化物をはじめ、食物繊維やビタミンC、B6といった各種ビタミンやカリウムなどのミネラルも豊富です。
【じゃがいもの主な栄養素(100gあたり)】
熱量(カロリー) | 100kcal |
脂質(g) | 0.1g |
カリウム(mg) | 410mg |
ナトリウム(mg) | 1mg |
炭水化物(g) | 18g |
たんぱく質(g) | 1.6g |
ビタミンC(mg) | 35mg |
カルシウム(mg) | 3mg |
鉄(mg) | 0.4mg |
ビタミンB6(mg) | 0.2mg |
マグネシウム(mg) | 20mg |
じゃがいもを犬に与えるメリットは抗酸化作用による老化防止とたんぱく質のエネルギー代謝を助ける働きと、さつまいもとほぼ同じです。
特にビタミンCは加熱してもじゃがいものでんぷんが糊化することで膜となって保護されるため、ほとんど失われることがありません。
また、ビタミンCの量はさつまいもより多いため、ビタミンCを摂取するという面ではじゃがいもの方に軍配が上がります。
ただし、ビタミンB6はさつまいもの方が多いため、じゃがいもとさつまいもの両方を合わせて犬の食事に添えるのがベストです。
じゃがいものデメリットとしては、やはりさつまいもと同じく芋類であるため100gあたりのカロリーが100kcalと高めで、与えすぎると肥満や生活習慣病の原因につながります。
また、さつまいもと同じくカリウムも豊富なため、上げすぎると高カリウム血症を引き起こしてしまうため、接種する適量を超えないように注意しましょう。
また、じゃがいもには芽の部分に“ソラニン”というアルカロイド系の毒が含まれていて、誤って摂取すると吐き気や嘔吐、下痢、食欲不振といった食中毒を引き起こし、場合によっては命に関わることもあります。
そのため、私たち人間がじゃがいもを食べるときと同じように、必ずじゃがいもの芽の部分をしっかり取り除いてから犬に与えるようにしましょう。
また、ごくまれにではありますが、じゃがいもも犬によってはアレルギーを引き起こすことがあります。主な症状としては、
- 体中の痒み、湿疹
- じんましん
- 嘔吐
- 下痢
- くしゃみ、鼻水、目やにが異常に出る
- 倦怠感
などがあります。
そのため、初めてじゃがいもを与える際には、必ずごく少量を食べさせるようにし、湿疹や痒み、じんましんといった症状やくしゃみや鼻水、目やになどが異常に出ていないか、吐いたり、下痢をしていないか、なんだか元気がなさそうに見えないか確認してから徐々に与える量を増やしていき、その都度症状を確認していきましょう。
もし、じゃがいもアレルギーを発症したら、すぐに動物病院へ行き、与えたじゃがいもの量や諸症状などを詳しく獣医師に説明し、適切な処置をしてもらいましょう。
1.4.干し芋を与えても大丈夫?
基本的に、原材料はさつまいもだけですので、犬に与えても問題ありません。
さつまいもを天日に干して水分を抜いた干し芋は、水溶性であるビタミンCを除けば、生の状態のさつまいもよりもぐっと風味も栄養価も高くなっています。
特に、カリウムやマグネシウムは2倍近く栄養価が高くなっているため、より塩分や毒素の排出効果が高まります。
そのため、基本的には犬に与えても大丈夫ですが、与えすぎには要注意です。
特に、炭水化物(糖質)やカロリーは水分が抜けた結果、干していない状態のさつまいもよりもずっと数値が高くなり、カロリーに至っては100gで303kcalと通常の3倍近く上がっています。
干し芋は消化吸収がゆっくりであるため太りにくいといわれていますが、それでも与えすぎは肥満や生活習慣病の元になりますので注意が必要です。
また、カリウムの量もかなり上がっていますので、上げすぎると利尿作用が過剰に働いておもらししやすくなったり、場合によっては高カリウム血症を引き起こしてしまいます。
そのため、通常のさつまいもよりも少なめの量を与えるようにしましょう。
犬に干し芋を与えるときは、人間用の干し芋は大きめに作られていますので、ほんの一枚でも犬にとっての適量を軽くオーバーしてしまいます。
なるべく犬用の、スティック状に加工された干し芋を与えるようにしましょう。
【干し芋の主な栄養素(100gあたり)】
熱量(カロリー) | 303kcal |
脂質(g) | 0.6g |
カリウム(mg) | 980mg |
ナトリウム(mg) | 18mg |
炭水化物(g) | 72g |
たんぱく質(g) | 3.1g |
ビタミンC(mg) | 9mg |
カルシウム(mg) | 53mg |
鉄(mg) | 2.1mg |
ビタミンB6(mg) | 0.4mg |
マグネシウム(mg) | 45mg |
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2.さつまいもを与える時に注意すべき3つのポイント
愛犬にさつまいもを与えるときに注意したいのが、
- 消化をよくするために加熱する(茹でる)
- 細かく刻んで与える(噛まずに飲み込むのを防ぐため)
- 基本的に皮の部分を与えても大丈夫(お腹が弱い犬には取り除いた方がよりよい)
の3点です。
さつまいもはじゃがいもと異なり、生で与えても大丈夫ですが消化器が弱い犬やシニア犬、子犬などは消化不良を起こして下痢や嘔吐などといった症状を引き起こすことがあるため、なるべく蒸かしたりゆでたり、焼いたりして加熱したものを与えましょう。
かねつすることで消化・吸収が良くなるだけでなく、甘みが増して風味もよくなるため、生の状態を与えるよりずっと犬も喜んで食べてくれます。
また、加熱調理したさつまいもは、必ず粗熱をとって冷ましてから愛犬に与えましょう。
「でも、さつまいもを加熱したらせっかくのビタミンCが台無しにならない?」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
確かに、ビタミンCは熱に弱く、加熱すると壊れてしまうため「さつまいもを蒸かして与えたら、ビタミンCの量が減るのではないだろうか」と心配の方も少なくないと思われます。
ですが、実はさつまいもはじゃがいもなどのほかの芋類と同様に、加熱することででんぷん質が糊化し、膜をつくってビタミンCを保護するため、さつまいも内のビタミンCはほとんど壊れないのです。
そのため、さつまいもを加熱調理してもビタミンCが激減する心配はありません。
風味が良く、加熱することで甘みが増すさつまいもは、犬にとってもおいしい食べ物であるため、どうしても噛まずに丸呑みしてしまいがちです。
加熱して柔らかくなっているから、そのまま与えても大丈夫だろうと細かくせずに与えてしまうと、さつまいもがのどに詰まって窒息する可能性もあります。
そのため、愛犬にさつまいもを与えるときは必ず包丁などで1cm角に刻むか、フォークなどで細かくほぐしてから与えましょう。
また、子犬やシニア犬、胃腸の弱い犬に与える場合は、消化をよくするよう練って与えるようにしましょう。
さつまいもの栄養は皮の部分に多く含まれていて、特に胃の粘膜を保護し、腸のぜん動運動を活発にしたり、でんぷんの分解を助ける効果があるヤラピンはさつまいもの皮に近い部分に多く含まれているため、なるべく皮ごと与えるのがベターです。
基本的に、犬にさつまいもを与える際に皮ごと与えても大丈夫なのですが、胃腸の弱い犬や子犬、シニア犬に与えるときはかえって消化不良を引き起こしてしまうのでなるべく皮をむいてから与えたほうが良いでしょう。
3.犬の肝臓の機能が低下した時こそ「さつまいも」が効果的!
犬の肝機能を改善するには、良質なたんぱく質を毎日摂取する必要があるとされています。
特に、肉や魚、乳製品といった動物性たんぱく質の摂取は健康な犬にとっても重要です。とはいえ、ただたんぱく質をとるだけでなく、たんぱく質の代謝を助けビタミンB群の摂取も必要です。
そのため、ビタミンB6を豊富に含むさつまいもを肉や魚などの動物性たんぱく質と一緒に与えることで、不足しがちなビタミンB群を補うことができるのです。
3.1.犬の肝機能が低下する原因とは?
犬の肝機能が低下する原因は、有害物質が多い粗悪な原料を使ったドッグフードやノミ・ダニ駆除薬といった薬品などを摂取したり、犬の肝臓の栄養代謝が滞ってしまうような良質なたんぱく質やビタミンといった犬の体作りに必要な栄養素が不足しがちな偏った食生活や糖質の過剰摂取を招く過食、もしくはカロリー不足や栄養失調を招く少なすぎる食事量や運動不足、基礎代謝の低下など様々な要因が絡んでいます。
3.1.1.カロリー不足による肝機能の低下
肥満や生活習慣病を考えると、犬に与えるカロリーはなるべく控えめにしたいものですが、極端にカロリーを抑えると肝機能の低下を招くことがあります。肝臓は解毒作用だけでなく、食事によって摂取したたんぱく質や炭水化物、脂質などを代謝によってエネルギーに変換します。
ですが、カロリー不足が続き、エネルギー代謝に必要な栄養が足らなくなると、犬の体内の脂肪だけでなく筋肉からもエネルギーを獲得しようとします。
犬の筋肉を分解して体たんぱくへ変換し、肝臓に運ばれエネルギーに変えるのは食事から摂取したたんぱく質をエネルギーに変換するのとは真逆になってしまうため、その結果肝臓に大きな負担がかかって肝機能の低下を招くのです。
また、食事の摂取量を減らすことでカロリーを抑えるのは、糖質や脂質を減らすだけでなく、犬の体に必要な良質なたんぱく質やエネルギー代謝に必要なビタミンB群、その他ビタミンCやE、カルシウムやマグネシウムといったミネラル不足につながり、低栄養状態が続くことでさらに犬の肝臓の機能を低下させてしまうのです。
そのため、極端なダイエットは犬の健康を考えるとあまりよい方法とはいえません。
3.1.2.肉や魚、乳製品など良質なたんぱく質が不足している
犬にとって体作りに必要な良質な動物性たんぱく質の不足は、肝臓の機能低下を招いてしまいます。
たんぱく質はエネルギー源としてだけでなく、細胞の新陳代謝や再生に必要な物質で、肝臓が常に健康な状態でいられるためにも必要な栄養素です。
故に、肝細胞の正常な新陳代謝や再生に必要な材料が不足してしまうと肝臓の機能が低下してしまうのです。
特に、安すぎる粗悪なドッグフードは原料に用いているたんぱく質もあまりよいものとはいえず、肉や魚などの動物性たんぱく質よりトウモロコシやお米、小麦といった植物性たんぱく質を多めに用いているためエネルギー源としてしか利用されず、結果的に肝臓の機能低下を招いてしまいます。
また、肉や魚、乳製品などの良質なたんぱく質を用いたドッグフードを与えていたとしても、少量しか食べさせていなければ肝細胞の新陳代謝や細胞に必要な量に達しないため、やはり肝機能の低下を招いてしまうのです。
そのため、必ず適量を与えるようにしましょう。
3.1.3.栄養の代謝を行うビタミンB群の不足
野菜や果物、芋類などに多く含まれるビタミンは、たんぱく質や脂質、炭水化物(糖質)の代謝に深く関わっています。
特に、ビタミンB群は補酵素として関与するため、毎日食事で摂取する必要があります。
栄養の代謝は酵素と補酵素が結びつくことではじめて活性化し、エネルギーへと変換されますので、補酵素の役割を果たすビタミンB群が不足すると活性化されず、結果的にエネルギーの代謝が上手くいかなくなります。
その結果、肝機能の低下を招いてしまうわけです。
3.1.4.過食による糖質の過剰摂取や基礎代謝の低下、運動不足など
栄養不足によって犬の肝機能は低下しますが、過食による糖質の過剰摂取や基礎代謝の低下、運動不足なども肝機能の低下を招きます。
特に、過食によって糖質をとりすぎてしまうと肝臓に脂肪がついて脂肪肝となり、肝機能の低下を招いてしまいます。
また、運動不足は筋力を衰えさせ、基礎代謝の低下を招くため、フードの量を減らしても太るという悪循環を招いてしまいます。
その結果、肝機能の低下のみならずその他生活習慣病を招いてしまいます。
3.1.5.有害物質や薬剤による肝機能の低下
人間の場合、主にアルコールの過剰摂取や抗がん剤などの複数の薬品を服用することで慢性的な肝機能低下を招きますが、犬の場合、粗悪な原料を用いたドッグフードに含まれる有害物質やノミ・ダニ駆除薬、抗真菌薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗てんかん薬、抗けいれん薬、抗生物質やコルチコステロイド、利尿薬などの長期にわたる服用や過剰摂取が原因となります。
肝臓はご存知の通り、体内の毒素を浄化する解毒作用を持っているため、こうした有害物質や薬剤を長期にわたり摂取し続けたり、過剰摂取すると肝臓が解毒するために働き続けなければならなくなります。
その結果、肝臓の機能低下を招いてしまうのです。
3.2.エネルギー代謝に必要なビタミンB6をさつまいもで補う
犬の肝機能の低下を招くのは、良質な動物性たんぱく質不足とそのたんぱく質をエネルギーに変換するためのビタミンB群の不足が原因であるため、肉や魚などの動物性たんぱく質と一緒に、ビタミンB6を豊富に含むさつまいもを与えるようにするとよいでしょう。
市販のドッグフードを与えている場合は、なるべくAAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準を満たすものを選び、さつまいも由来の炭水化物を用いているもの、もしくはドライタイプのさつまいもをドッグフードに添えて与えるようにしましょう。
もし手作りの餌を愛犬に与えている場合は、たんぱく質と炭水化物、脂質のバランスを考え、補酵素として働くビタミンB6を豊富に含むさつまいもも加えるとより効果的です。
3.3.肝機能の低下の兆候が見られたら、必ず動物病院へ
肝機能の低下は、放っておくと肝臓病や肝不全を招き、愛犬の命に関わります。
そのため、まずは動物病院で獣医師に診てもらい、必ず肝臓の数値の検査など適切な処置をしてもらうようにしましょう。
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4.簡単!手作りさつまいもごはん・お菓子・おやつで犬もハッピーに
さつまいも本来の味を活かした蒸かし芋や焼き芋などを愛犬に与えてもよいですが、ごはんやお菓子、おやつなどにおいしく調理することでより一層栄養価も上がり、愛犬も喜んで食べてくれます。
そこでこの項目では、愛犬が喜ぶさつまいもを使ったごはんやお菓子、おやつのレシピをご紹介したいと思います。
4.1.誕生日のお祝いに!犬用さつまいもケーキのレシピ
【犬用お芋ケーキ】
≪材料≫
- さつまいも:100g
- 鶏むね肉(ひき肉):150g
- じゃがいも:100g
- 犬用ミルク:大さじ2
≪作り方≫
(1)さつまいもとじゃがいもはあらかじめよく洗ってから皮を剥き、水を入れたお鍋で茹でて串がすっと刺さるくらいの柔らかさになるまで火を通します。
(2)鶏むねひき肉150gを2等分にして小判の形に成形したら、170度のオーブンでじっくり火を通します。
(3)茹でたじゃがいもとさつまいもは別々の容器に入れ、それぞれ犬用ミルクを大さじ1杯ずつ加えてフォークなどでつぶしてペースト状になるまで混ぜ合わせます。
(4)(2)に(3)のペーストを挟み、表面を塗ったら残りのペーストを使って好みにデコレーションをして完成です。
犬の大好物の鶏むね肉のハンバーグとさつまいもとじゃがいものペーストで作った犬用ケーキは、愛犬のお誕生日のお祝いなどにピッタリですね。
犬用ミルクの代わりに豆乳などを用いてもおいしく作れそうです。
参考:https://cookpad.com/recipe/4361760
4.2.おやつに最適!犬用さつまいもクッキーのレシピ
【犬用さつまいもクッキー】
≪材料≫
- さつまいも:1本
- 桜エビ:大3~5
- 薄力粉:100g
- 豆乳またはヤギミルク:100g
- 砂糖(お好みで):10g
≪作り方≫
(1)水洗いしたさつまいもを包丁で一口大に切り、耐熱容器に入れて600Wのレンジで4分加熱し、柔らかくしたらフォークなどを用い、ある程度つぶしたら桜エビを加えてなじませるように混ぜ合わせます。
(2)(1)に薄力粉、豆乳(またはヤギミルク)、お好みで砂糖を加えて全体にまんべんなくなじむように混ぜ合わせ、丸めて生地をまとめ、伸ばします。
(3)包丁などで生地を小さく切り分け、お好みの形に成形していきます。あらかじめ予熱しておいた170度のオーブンで25分ほど焼き上げたら出来上がりです。
さつまいもの他に桜エビと豆乳(またはヤギミルク)を加えることで、よりカルシウムたっぷりのさつまいもクッキーに仕上がります。
お砂糖の量も調節すれば、お子様のおやつにもピッタリですね。出来立ては熱いので、必ず粗熱を冷ましてから犬に与えるようにしましょう。
参考:https://cookpad.com/recipe/3107964
4.3.優しい風味と食感がたまらない、犬用さつまいもボーロのレシピ
【犬用さつまいもボーロ】
≪材料≫
- さつまいも:150g
- にんじん:1/3本
- 小麦粉または米粉:大さじ2
- 犬用ミルク(なければ水で代用):大さじ1
≪作り方≫
(1)さつまいもは皮をむいて茹で、柔らかくなるまで火が通ったらフォークなどですりつぶし、にんじんは大根おろしなどですりおろしておきます。
(2)(1)に小麦粉(または米粉)、犬用ミルク(または水)を少しずつ加えて耳たぶくらいの柔らかさになるまで混ぜ合わせたら、犬が食べやすい大きさに丸めて220度のオーブンで様子を見つつ15~20分ほど焼いて出来上がりです。
コロコロとした見た目に優しい風味と食感がたまらないさつまいもボーロは、犬にもうれしいおやつです。
にんじんを加えることで、栄養面でも抜群のおやつに仕上がりました。材料も入手しやすく混ぜてオーブンで焼くだけなので、お料理初心者の方にもオススメのレシピです。
参考:https://cookpad.com/recipe/4144266
4.4.香ばしい風味が病みつきに!犬用さつまいもジャーキーのレシピ
【犬用さつまいもジャーキー】
≪材料≫
- さつまいも:100g
- 薄力粉:30g
- カッテージチーズ:30g
- スキムミルク:大さじ1
- 卵:1/2個
≪作り方≫
(1)あらかじめさつまいもの皮をむいて細かく切ったら水にさらしておき、耐熱容器に入れてラップをかけてから電子レンジで2~3分加熱して柔らかくし、フォークなどで細かくつぶします。
(2)(1)に卵、カッテージチーズを加え、へらなどを使ってよく混ぜ合わせたら、薄力粉、スキムミルクを加えて耳たぶくらいの方さになるまで混ぜ合わせたら、ひとかたまりにまとめます。
(3)生地を16等分に分けたら細い棒状に成形し、包丁で5mm間隔に切りこみを入れたら、あらかじめ180度に予熱しておいたオーブンでおよそ20分ほど焼き上げて出来上がりです。粗熱をとってから犬に与えましょう。
サクサクした食感とさつまいもの優しい甘さとチーズの香ばしさが合わさったさつまいもジャーキーは、犬にとってはもちろん、私たち人間もおいしく味わえるおやつです。
スキムミルクの変わりに豆乳を用いたり、電子レンジで加熱したさつまいもに少量のバターを加えてるとより一層味にコクが出ますよ。
参考:https://www.iris-pet.com/wan/recipe/32/01.html
4.5. レンジで簡単にできる!犬用さつまいも練り切りのレシピ
【犬用さつまいもの練り切り】
≪材料≫
- さつまいも:50g
- レンコン粉末:小さじ2
- 粉豆乳:小さじ1
- 水:大さじ1と1/2
- クランベリー(あれば):1粒
≪作り方≫
(1)耐熱ボウルにレンコン粉末と粉豆乳を入れ、水を少しずつ加えながら混ぜ合わせます。あらかじめレンジなどで加熱し、柔らかくしてつぶしておいたさつまいもを加え、全体にまんべんなくなじむように混ぜ合わせます。
(2)(1)にラップを軽くふわっとかけ、600Wの電子レンジで30秒ほど加熱したら一度電子レンジから取り出して混ぜ合わせ、再びラップを軽くかけて30秒ほど加熱して混ぜ合わせる工程を水分が飛んで生地をまとめやすくなるまで繰り返します。
(3)(2)をラップに直径3cmくらいの球体ができる分量をとり、茶巾のような形になるようラップをねじったら器に盛りつけ、あれば小さくちぎったクランベリーを乗せて出来上がりです。
材料を混ぜ合わせてレンジでチンするだけで簡単に作れるさつまいもの練り切りは、レンコン粉末や粉豆乳を用いることで、より栄養たっぷりのおやつに仕上がりました。
お砂糖を加えることで、人間用の練り切りにもなりますので、愛犬と一緒においしく味わってみてはいかがでしょうか?
参考:https://cookpad.com/recipe/4214094
5.まとめ
今回は犬にぜひ食べさせたいさつまいもの栄養価やメリットとデメリットから、愛犬に与えたいおいしいさつまいものおやつレシピまでご紹介していきましたがいかがでしたでしょうか?
さつまいもの栄養は体作りや肝機能の改善、老化防止など確かに犬にとってメリットが多いのですが、カロリーや糖質も高いため、食べ過ぎには十分注意すべきです。
愛犬におやつや餌としてさつまいもを与える際は、適量を必ず守って食べさせるようにしましょう。
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