吠えない犬にするしつけ方がわかる!犬が吠える理由と吠えない犬種

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「よく吠える犬」と「あまり吠えない犬」の大きな違いはなんでしょうか?

犬種によって吠えにくい犬、吠えやすい犬がいますが、生活環境やしつけによっては、吠えない犬種といわれる犬がいつも吠える犬になってしまうこともあれば、吠えやすいといわれている犬種なのにいつも落ち着いているということもあります。

犬が吠える原因は「本能行動」の1つです。犬は吠えることで「危険回避」「危険周知」「感情表現」など、吠えることには多くの役割があります。

ここでは、犬がなんのために吠える役割をもっているのか?

吠えている原因やタイミングなどを知って、無駄吠えをやめさせるしつけのコツを学んでいきましょう。

目次

1.犬が吠える4つの理由
1.1.興奮による吠え
1.2.恐怖や不安による吠え
1.3.警戒心による吠え
1.4.甘えによる吠え

2.無駄に吠えない犬にする為にしたい3つのこと
2.1.犬が吠える理由を知ろう
2.2.原因を除去しよう(原因を知って正しい対応をしよう)
2.3.犬が安心できる、ストレスフリーな生活を犬は飼い主が思うよりも「退屈」していることをご存知でしょうか?

3.吠えない犬種っているの?
3.1.小型犬
3.2.中型犬
3.3.大型犬
3.4.吠えない犬種として有名、バセンジーって?

4.無駄吠えをやめさせるしつけのやり方
4.1.いつでもどこでも落ち着いていられるしつけ方
4.2.無駄吠えをやめさせるには基本しつけの見直しから犬に対して「やめてほしい」ことをコントロールするには、基本的なしつけが出来ていることが絶対条件です。
4.3.叱らずに無駄吠えをやめさせる方法

5.まとめ

1.犬が吠える4つの理由

犬が吠えるのはなぜなのか?

犬はさまざまなコミュニケーション方法を使って、意思表示をしています。その一つが「吠える」という行動です。

犬だから吠えるは当たり前だと思っている方は多いと思いますが、理由もなく犬が吠えることはありません。

どんな時にどんな気持ちで吠えているのか、犬の気持ちを知りましょう。

1.1.興奮による吠え

興奮状態になっている時「ワン!ワン!」と嬉しそうに吠えている犬の姿はよく見られます。

嬉しそうなのは見て分かりますが、いったい犬はどんな気持ちなのでしょうか?

☆飼い主が帰宅した時
犬の気持ち:「待っていたよ!」「会えて嬉しいよ!」「見て!見て!こんなにあなたが好きなんです!」。

長い時間留守にしたわけじゃなくても、帰宅した時留守番させていたのが申し訳なくなるくらい喜んで吠えます。

大好きな飼い主の帰りを心待ちにしていて「嬉しい!」という感情の表れを表しています。

吠えて知らせているのは、自分を見てほしい!ちゃんと良い子にしていたから褒めてほしい!というアピールの意味もありますし、人間でいうと「鼻歌」や「スキップ」に近い行動です。

嬉しい時や、「やったー!」と心が弾むような気持で吠えています。

飼い主が帰宅すると、いつもの「お散歩」「ご飯」「触れ合い」があることを心待ちにしている「期待吠え」でもあります。

☆お友達に会った時

犬の気持ち:「今日はなにして遊ぼうか!?」「楽しみにしていたんだよ!」「遊ぼう!遊ぼう!」。

ドッグランやお散歩の途中で、仲良しのお友達に会った時に嬉しいそうにはしゃいで吠えるのは、「催促吠え」と「喜び吠え」です。

いつも仲良く遊んでいるお友達の場合には、吠えることで相手の気持ちも高ぶらせて遊びに誘っています。

☆遊んでいる時

犬の気持ち:「楽しんでる!?」「ねえ!もっと遊ぼうよ!」「ほら!楽しんで!?」。

飼い主さんと楽しく遊んでいる時に、どんどん興奮が高まってこちらを見て吠え始める時があります。

もうそろそろ遊びを終わりにしようかな?興奮が高まってきたから落ち着かせようかな?という飼い主の気持ちを感じとって、もっともっと楽しもうよ!という「誘い吠え」です。

1.2.恐怖や不安による吠え

怖い時や不安を感じている時に吠える場合には、体をすくめるようにして低い声で吠えます。

体を震わせながら吠えている時は、大きなストレスとなっています。

不安が強い時には「クーンクーン」とか細い声で鳴きはじめ、徐々に吠えに変わって行きます。

☆病院に入院

病気や怪我で病院に入院している犬が、長時間吠え続けていることがよくあります。

飼い主さんと離れた不安、知らない所で一人になってしまった恐怖感から遠吠えをすることもあります。

恐怖感や不安を感じる体験は、記憶に残りやすくストレスが強い時にはトラウマになってしまうことが多いので注意が必要です。

1.3.警戒心による吠え

縄張り意識が強く、警戒心が強い犬は日常生活のちょっとしたことでも吠えやすくなります。

  • 来客時
  • 他の犬の気配や声
  • 近所からの物音
  • チャイム
  • お散歩中に出逢った犬
  • 車、バイク、自転車 など

警戒心、威嚇による吠えは「過去の経験」が大きく影響していることが考えられます。

音や存在にビックリした体験が強く記憶に残っている時には、まわりに危険を知らせ回避しようと強く大きな声で吠えます。

また、近所にいる犬の威嚇吠えを聞いて反射的に「身の危険」を感じとり、吠えてしまいます。

1.4.甘えによる吠え

要求が満たされていない、触れ合いの時間が少ない生活環境の犬は甘え吠えが多くなります。

とくに日中一人きりでケージの中でお留守番をしている犬は、留守中も吠える傾向があります。

また、吠えて飼い主の注意をひいてかまってもらえた「成功体験」があると、吠えることで自分の要求を通そうとしてしつこく吠えるようになります。
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2.無駄に吠えない犬にする為にしたい3つのこと

「無駄吠え」と一言で問題行動と捉えてしまう飼い主さんがとても多いのですが、犬にとって「無駄に吠える」ということはありません。

人間がなんの理由もなく突然「怒り」「怒鳴る」ことがないのと同じです。

「吠える」という行動には必ず理由があります。

しかし、犬にとって必要な「吠え」であっても、飼い主にとっては「やめてほしい」行動でもあります。

飼い主が原因を知って正しい対応を身につけて「しつけ」をしてあげましょう。

2.1.犬が吠える理由を知ろう

まず、犬は吠える動物です。人間社会で他に迷惑をかけないように共存して行くために「吠える行動」を飼い主がコントロールしていくということを知っておきましょう。

人間が創り出した「犬」という動物は、古い歴史をさかのぼってみるとそれぞれに役割があり人間のためになる仕事を与えられていました。

その多くは「番犬」「牧羊犬」「狩猟犬」です。

2.1.1. 番犬として吠える役割

番犬は「家」「人」「財産」などを守るために飼われていました。家の敷地内に入ってくる動物や不審者から家を守るのが仕事です。

そのため、「警戒心」が強く周囲を見張りいつでも危険を知らせるために吠える準備ができています。

人間がオオカミと最初の契約を結んだといわれる経緯も「見張り」をさせるためだったと考えられています。

人間はオオカミに餌を与え、狩りをやめ人間を守るという生態系へと変化した一部のオオカミが現在の犬の始まりだと考えられます。

古いなごりは基本的にどの犬にも「本能」として備わっていると考えられ、「警戒」「威嚇」「危険を知らせる」ために吠えるという行動につながります。

2.1.2. 牧羊犬として吠える役割

牧羊犬は人間の財産である家畜を安全に放牧させるために創られ「見張り番」「家畜のコントロール」をするのが仕事です。

人間の合図で、自由自在に羊などの群れを決められた場所へ導くことができます。

「吠える」ことで家畜たちの進行方向を変えさせたり、止まらせたりします。

また、遠くに離れた飼い主への合図としても大きく、遠くまで通る声で吠えることができます。

他の動物が家畜を襲いに近づいてきた時などは、激しく吠え家畜を守り移動させながら人間に危険を知らせるとても重要な役割を担っています。

現在でも活躍している牧羊犬は多く、その様子をみると「守る」「知らせる」「コントロールする」ために吠えている犬の行動を知ることができます。

2.1.3. 狩猟犬として吠える役割

狩りにいく人間のパートナーとして「獲物を見つける」「人間を守る」「捕獲する」ことが仕事です。

臭いや音で獲物を探しだし、吠えて人間に知らせます。犬の声や動きに驚き飛び出してきた獲物をかまえ撃ちます。捉えた獲物を捕ってきたり、場所を知らせたりします。

また、狩りの道中「危険」がないか犬が先回りをして安全を確認して知らせます。

2.1.4. 犬が持つ本能行動と「無駄吠え」

今、私たちが目にする犬は人間によって作り出された動物です。

「番犬」「牧羊犬」「狩猟犬」の犬たちは、人間が与える仕事をより効率よくこなせるよう優れた身体能力を引き出すための交配を繰り返しつくられてきました。

この他にも、荷車をひく力強い犬、泳ぎが得意な犬、土穴に潜るのが得意な犬など、人間のために作られ素晴らしい特徴をもつ犬がたくさんいます。

それぞれの「犬種」に特徴や、能力の差があるのは犬種によって望まれる役割が異なるためです。

現在は一般家庭で狩猟犬や作業犬を飼っていても、犬のもっている素晴らしい能力を活かせる仕事はなく「愛玩動物」です。

古く人間のために作られた犬たちを「愛玩動物」「ペット」として一般家庭でも飼育できるようにさらに小型化されたり、気性や性格の矯正をされたりして現在私たちの「愛犬」となっています。

犬が持たされた「吠える」という行動は「無駄吠え」ではなく、そもそもは私たち人間のための仕事に必要不可欠な行動であったことが分かります。

  • 人間に何かを知らせる手段として「吠える」。
  • 守るために「吠える」。
  • コントロールするために「吠える」。

これらの本能行動と「無駄吠え」を照らし合わせて見ると、犬の吠えている理由には必ず「意味」があることが分かります。

2.2.原因を除去しよう(原因を知って正しい対応をしよう)

犬に吠えさせないしつけをするためには「原因」を特定することが大切です。

むやみに叱りつけたり、口を押えて吠えさせないようにしたりしても犬がまったく理解できなければやめさせることはできません。

1.どんな時に吠えるのか?

  • 来客時
  • インターホンが鳴った時
  • 他の犬の声が聞こえた時
  • 家族の帰宅の時
  • 散歩の時

など、いつも決まって吠えてしまう時、吠えるのをやめさせたい時を把握します。

2.何に向かって吠えているのか?

  • 他人
  • 他犬
  • 飼い主
  • 掃除機

犬が吠えている時、どこを向いて吠えているのかを把握しましょう。

3.犬が吠える時の飼い主の行動パターン

  • 慌てている
  • 喜んでいる
  • 怯えている
  • 大きな声を出している

犬が吠える原因は飼い主の「行動」が原因の場合もありますので、いつもどのようにしているのかを振り返ってみましょう。

2.2.1.飼い主の行動を変えてみよう

「無駄吠えをやめてくれない」と悩む飼い主さんの多くが、犬をよけいに吠えさせる行動をしています。

来客時、宅配便、インターホンに対して「玄関」と「飼い主」を交互に見ながら吠えている時に、犬を抱きかかえたり、体を撫でたり、慌てて玄関に向かって行ったりしていませんか?

犬にとって「異変」を知らせ吠えている時に、飼い主が慌てた様子を見せたり、興奮状態の犬を抱きかかえたりするとさらに興奮を高め強く吠えます。

落ち着かせようと身体を撫でるのも、犬にとっては「警戒心」を高まらせプレッシャーを感じてしまいます。

大きな声を出さず、呼び戻して犬が落ちつかせてから対応するように行動を変えてみましょう。

※呼び戻しとは
名前を呼んでただ傍にくるだけではありません。飼い主に名前を呼ばれたら今の全ての行動を止めて、飼い主の目の前に座り「注目する」というしつけです。

〇インターホンに吠えてしまうチワワのしつけ例
インターホンが鳴ったら先に「少し待ってください」と伝え、静かに座って犬を呼び戻します。

興奮がおさまり、吠えるのをやめたところでおやつを与え褒めます。

「声をかけず」「体にもさわらず」なんの合図もせず静かに玄関へ向かい来客や宅配便へ対応します。

姿が見えなくなりドアを閉めると吠えてしまう場合には、リードをつけて一緒に玄関先まで連れていき「危険」がないことを教えます。

この時に来客者には犬を無視してもらうように伝えましょう。

他人に対して威嚇吠えをする犬は、室内で落ち着かせておやつをあげたら「待て」と指示し待たせるようにしましょう。

※待てとは
同じ場所、同じ姿勢で「よし」「OK」の指示が出るまで静かに待たせるしつけです。

飼い主が慌てる様子や、大きな声を出すことで犬は「異変」「危険」を感じて、さらに吠えてしまいます。

吠えさせないしつけの最初は「吠えてもすぐにやめさせる」練習から始めていきましょう。

2.2.2.吠えるタイミングが分かったら吠える前に指示を出す

いつも同じタイミングで、同じ原因でほえる時には同じタイミングを外してあげることも効果的です。

散歩のとき、遠くに犬の姿が見えたら立ち止まり声をかけます。

「待て」
犬とアイコンタクトを取りながら、「良い子ね」「大丈夫」と飼い主は落ち着いた姿を見せ犬を飼い主に集中させます。

吠えてしまう対象を静かにやり過ごしたら「よし」と指示を出しておやつをあげたり「良い子」とほめて散歩を続けます。

掃除機に向かって吠える犬が多いのですが、掃除機をかける前に「待て」と指示を出してからスイッチを入れます。掃除が終わったらおやつをあげて「よし」と指示を出します。

吠えることが分かっている時には「吠えさせない」ための指示を出してあげましょう。吠えさせてからやめさせるよりも効果的です。

2.3.犬が安心できる、ストレスフリーな生活を犬は飼い主が思うよりも「退屈」していることをご存知でしょうか?

一人で過ごしている時間やケージなどに入っておとなしくしていなければならない時間に大きなストレスを感じています。

また、繋がれたまま飼育されている犬は行動の自由が制限され、とくに大きなストレスを感じています。

逆に常にかまわれすぎて、一人で過ごす時間がなく疲れてしまっている犬もいます。

犬にとって大切なのは「溺愛しすぎない」「放置しすぎない」ことです。

順能力の高い犬は家庭環境に合わせて、どんな生活パターンであっても忍耐強く対応することができます。

一日中お昼寝をしていて、夜もぐっすり眠っている犬がストレスなく幸せかというとそうでもありません。なにもすることがなく、しかたなく寝ているだけかもしれません。

外出時や帰宅時にしつこく吠える様子があれば、一人で過ごす時間に飽きてストレスを感じていることも考えられます。

本能的な「吠え」いがいに、ストレスによって精神バランスを崩していることが「無駄吠え」に繋がっていることも多くあります。

ストレスがたまり、不満がたまっていると、精神的に落ち着くことができず物音や些細なことに過敏になってしまいます。

適度な運動は、リードをつけたお散歩だけでなく自由に走り回れる時間も必要です。

お散歩コースも何パターンか変化があると気分転換にもなります。

犬は飼い主とともに何かをすることが「大きな喜び」になりますので、遊びかたや玩具にも変化があるとより充実して、安定した精神状態で健康的です。

日頃からお留守番の時間が長く、運動不足になっている犬には適度な運動を増やしてあげることとマッサージなどで安心感を与えスキンシップを増やしてあげましょう。

3.吠えない犬種っているの?

心身ともに健康な犬であればまったく吠えない犬はいません。犬種によって吠えやすい、吠えにくいという差はありますが、犬は「吠える動物」です。

ここでは、比較的に吠えない、吠えることがすくないといわれる犬たちをご紹介します。

※生活環境やしつけ方で吠えないといわれている犬でも吠えるようになります。

3.1.小型犬

  • フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリア

「鼻ペチャ犬」として人気が高い犬種です。温厚ですが陽気で観察力が高いのが特徴です。いつもウキウキして飼い主に従順ですが、「警戒」や「威嚇」という行動は少なくどちらかというとジッと状況をみて判断することが多い犬種です。

他犬や人とも愛嬌たっぷりに友好的な個体が多いようです。

しつけも入りやすく、とにかく落ち着いているので「無駄吠え」は少ないようです。

  • トイプードル

小型犬のなかでもとても人気の犬種です。たいへん賢く、好奇心旺盛で活発な犬種です。落ち着いて生活をさせていれば、しつけは入りやすく無駄吠えは少ない犬種です。

ですが、神経質な面をもった個体も多いので甘やかし過ぎると「要求吠え」、社会経験が少なすぎると威嚇吠え」をしてしまいます。

  • ヨークシャテリア

体は小さいけれど、頑固で気が強い一面があります。比較的なにごとにも堂々としていて物応じしないので無駄吠えは少ないといわれています。

陽気で表情豊かで可愛らしい犬種です。

社会経験が少ない子は気の強さが目だってしまい「警戒吠え」をすることもあります。

3.2.中型犬

  • 柴犬

忠実な犬としてファンも多い中型犬です。しつけと環境で「吠え」の行動は大きく変わります。

本質的には「無駄に吠える」犬ではありません。

飼い主に忠実で、しつけも入りやすい犬ですが警戒心、防衛本能が強いので飼い主次第で育ち方が大きく変わる犬種です。

  • シェットランド・シープ・ドッグ

たいへん賢い犬種です。落ち着いた性格で飼い主に対してとても忠実です。陽気なので遊び好きで他犬や人とも友好的な性格です。

無駄吠えは少なく、忍耐強さがあります。

  • ウィペット

陽気な性格で懐きやすく活発です。吠えることが少なく「警戒」「威嚇」の行動もたいへん少ない犬種です。観察力が鋭く、判断力も優れているので「吠える」というよりは状況を的確にとらえられる性質の犬種です。

3.3.大型犬

  • 秋田犬

力が強く体も大きい秋田犬ですが、穏やかで優しい気質です。堂々としていて誰にでも懐くわけではありませんが、忍耐強く心が安定した犬種です。

飼い主にはゆるぎない忠誠心で、家族を守ろうとしますが攻撃的ではありません。

  • バーニーズ・マウンテン・ドッグ

穏やかで優しく、とても忠実な犬種です。飼い主にベッタリで多くの時間を人間と過ごすことが一番の喜びです。攻撃性はなく忍耐強い犬種です。

しつけも入りやすく、無駄吠えはありません。

人や犬にとても友好的ですが、飼い主が一番で「犬」というより「パートナー」とよぶのが相応しい犬種です。

  • ラブラドール・レトリーバー

忍耐強く、献身的な犬種です。盲導犬にも選ばれる気質をもった犬でしつけは入りやすく温厚です。遊び好きで陽気な性格ですがとても落ち着いています。

寂しがりやで、人との触れ合いがとても重要な犬種ですがさまざまな環境に適応する能力が高い犬です。無駄吠えはほとんどありません。

3.4.吠えない犬種として有名、バセンジーって?

「声を聞いたことがない」といわれるまで、めったなことがなければ吠えない犬として有名なバセンジーとご存知でしょうか?

同じ犬なのにバセンジーはどうしてそこまで「吠えないのか?」

バセンジーは、どんな特徴をもった犬種なのか?

ここでは、吠えない犬バセンジーの魅力をご紹介します。

3.4.1.バセンジーとは

体高:雄40cm~43cm 雌38cm~40cm
体重:雄10kg~12kg  雌8kg~10kg

毛色:

  • ピュアブラック&ホワイト
  • レッド&ホワイト
  • ブラック&タン&ホワイトにメロン・ピップとタンのマーキングがマズルや頬にある
  • ブラック、タン&ホワイト、ブリンドル(レッドの地色にブラックの明瞭な縞(しま))
  • 足、胸、尾の先端はホワイト

立ち耳でクルリとカールした尻尾が特徴的です。

体はしなやかに引き締まり、足が長くウエストが引き締まっています。絹糸のように柔らかく短い被毛です。

身体能力が高く、跳躍力は抜群に優れています。

発情期は年に1度。

綺麗好きで毛づくろいを欠かさないので、体臭が少なく排泄は寝床の近くではしません。

寒さには大変弱く、完全室内飼育が向いている犬です。

狩猟本能が高く、動くものに反応し、鳥にも強い反応を見せる時があります。

瞬発力が高いため、突然のリードの引きに対応できないと危険です。飼い主は散歩のときなど常に周囲の状況の判断が必要です。

ハーネスでの歩行は不向きで、チョークチェーンや首輪で突発的な動きをおさえる練習が必要です。

3.4.2. バセンジーの性格とは

たいへん賢く、注意深く、警戒心が高い犬種です。見知らぬ人や犬とは一定の距離を保ち警戒心を緩めることはありません。

ですが、家族には忠実で愛情深く甘えん坊です。

幼齢期には、活発で興奮して遊びますが成犬になると常に落ち着いて生活をします。

独立心、自立心が高く忍耐強い気質ですが、マイペースで好奇心旺盛なので、厳しい躾やトレーニングはあまり効果がありません。

自ら考え行動することを決める、思考能力が高い犬なので遊びや触れ合いを通して褒めながら、ゲームのようにしつけていくのが向いています。

3.4.3. バセンジーの歴史

たくさんの犬種の中でも原始的な犬種の1つで、数千年にわたり純血が保たれてきました。

紀元前以前から人間と暮らしていた記録が残されていて、古代エジプトの遺跡から出土する美術品や壁画にはバセンジーが描かれています。

紀元前2500年ころからエジプトとピグミー族の交流が深まり、ピグミー族がバセンジーをファラオに献上した記録が残っています。

中央アフリカのコンゴでピグミー族が狩猟犬として飼っていたバセンジーは狩猟犬としてたいへん優れた性質を持っています。

視覚、嗅覚が大変優れ、両方の能力を同時に猟に活かすことができるため、とても重宝し大切に飼われていました。

1868年、動物研究者によってコンゴのピグミー族と生きるバセンジーが発見されました。別名「コンゴ・ドッグ」とも呼ばれています。

バセンジーは中央アフリカからイギリスへと持ち込まれ、繁殖させようと試みますが何度も病気で死んでしまいなかなか成功させることができませんでした。

その後、ようやく繁殖に成功すると、イギリスのドッグショーにも出されるようになり、人気が高まり他国へと輸出されるようになりました。

1943年にACK(アメリカンケンネルクラブ)に公認犬種として登録され、映画などに使われたことがきっかけで人気が高まりさらにブリーディングが進んでいきました。

しかし、1980年代アメリカでの近親交配が原因で溶血性貧血という遺伝性疾患をもつようになり頭数は大きく減少してしまいます。

この危機をアメリカのブリーダーらが、コンゴへ出向きバセンジーを譲り受け連れ帰ることに成功し、研究を重ね交配繁殖させたことで遺伝性疾患を減らすことができたといわれています。

3.4.4. なぜバセンジーは吠えないの?

バセンジーは吠えないのではなく、「ワンワン」と言わない犬なのです。

ほとんど声を発することはありませんが、とても嬉しい時には高い声で笑っているような、ヨーデルのような特別な声を出します。

おねだりしたり甘えたりする時には高い声で「ヒーヒー」と短く鳴いたり、リラックスしている時には「ブッフー」と鳴いたりします。寝言をいうこともあるそうですが「ワンワン」とは鳴きません。口は開かずに喉を震わせて音を出しているような鳴き方です。

また、嫌なことや怖いことに対しては「ガウガウ」「グウグルウ」などととても強い声を出します。まったく声を出さない、吠えないわけではありませんが、声を聞くことは本当にまれなことです。

バセンジーが吠えない理由は明確には分かっていませんが、声帯の使い方の違いが大きな理由の1つとも考えられています。
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4.無駄吠えをやめさせるしつけのやり方

産まれた時から「無駄吠え」をする犬はいません。多くは生活環境としつけの仕方で「吠える」癖がついてしまいます。

犬の癖になってしまった行動を改善させるには、飼い主の行動をかけることが最も重要です。

4.1.いつでもどこでも落ち着いていられるしつけ方

家庭犬として日頃から、家の中で過ごすことが多くなってしまう犬は「警戒心」「縄張り意識」が高まる傾向にあります。

そとの世界を知らない。聞きなれない音が多い。飼い主への安心感不足が原因です。

どんな場所にいっても、どこにいても飼い主が一緒にいれば安心して「吠える必要がない」ことを学習するには多くの体験が必要です。

また、縄張り意識を過剰に刺激させないためには家の中で安心して過ごせる自分だけの場所が必要です。

吠えるからといって、お留守番のときに無理にケージに閉じ込めておくのは逆効果になります。

おとなしく吠えずに、いたずらをしないでお留守番をさせるには、落ち着いて過ごせる場所を用意して、日頃からその場所で静かにしていることを褒めてあげましょう。

他人や他犬に対して、「吠え」が出てしまっている場合には少しずつ触れ合いや経験を重ねていく必要があります。

犬や人が集まる場所に出向き、最初は遠くからその様子を見せたり、他の犬の声を聞かせたり、匂いをかがせることを繰り返していきましょう。

※攻撃的に吠えかかる犬に突然、犬や人との交流をさせようとするのはとても危険です。

4.2.無駄吠えをやめさせるには基本しつけの見直しから犬に対して「やめてほしい」ことをコントロールするには、基本的なしつけが出来ていることが絶対条件です。

飼い主との正しいコンタクトがとれない状態では、問題行動の改善は難しくなります。

【重要な基本しつけ】

☆呼び戻し
先にもご紹介しましたが、呼び戻しとは飼い主が名前を呼びリードや玩具おやつがなくても飼い主の元へ戻ってくることを教えます。

この時に大切なのは、戻ってきた犬は飼い主の正面にむかい座り顔を見て指示を待てる状態になるということです。

犬がどんなに楽しく遊んでいても、どんなに興奮していても飼い主に名前を呼ばれたらすべての行動をやめて飼い主の元へ戻り、飼い主に注目し指示を待てるようにします。

☆待て、よし
「待て」の指示では、同じ場所で同じ姿勢で「よし」の指示が出るまで静かに待たせることを教えます。

吠えてしまうタイミングを把握できたら「待て」で待たせて吠えさせないという練習が効果的です。「待て」を覚えさせる時は、はじめは飼い主に注目したまま待たせて、少しずつ姿が見えなくなっても待っていられるように練習していきましょう。

☆ノー、やめて、ダメ、ストップ
言葉だけで乱用してしまう飼い主さんが多いのですが、この指示をしっかりと守らせれば無駄吠えもやめさせることができます。

「ダメダメ!」と大きな声で叫びながら行動を止めたり、「やめて!」と感情的に怒鳴ったりしても効果はありません。

してほしくないことを覚えさせるには、メリハリをつけてこの指示を覚えさせる必要があります。

4.3.叱らずに無駄吠えをやめさせる方法

体罰を与えても、大きな声で怒鳴っても、強く叱っても無駄吠えをやめさせるきっかけにはならず、飼い主との信頼感関係に溝を作ってしまったり、よけいに無駄吠えをさせてしまったりします。

興奮して吠え続けている時には

  • 静かに違う部屋行く
  • 声をかけない
  • からだに触らない

少し落ち着いたところで「待て」や「ストップ」など指示を出して、できれば伏せさせる。

※伏せている状態では、吠えづらいため効果的

吠えるのをやめて飼い主の方を見た瞬間にほめる。

飼い主の方を向くという行動は、「どうしたら良い?」と指示をあおいだり飼い主の様子を伺ったりしているので、その瞬間にほめてあげることがポイントです。

5.まとめ

吠えている犬にも言い分はありますが、できることなら「無駄吠え」と感じるほど大きな声で吠え続けるのはやめてほしい行動です。

犬が吠えるのには理由があって、それは「本能行動」と結びつけると原因と対応方法が分かります。

ほとんどの犬の場合「無駄吠え」をやめさせることができます。

習慣になってしまった無駄吠えをやめさせるのは、飼い主さんの行動改善と諦めずに教え続けることが必要です。

ですが「無駄吠え」をやめさせるというのは、まったく吠えさせないということではありません。

本当に危険が迫っている時や、知らせる時など犬は吠えますし、嬉しい時、楽しい時にも吠えます。一言も吠えられるのが「嫌」だと思っている方は犬との生活には向いていません。

盲導犬ですら、ハーネスを外し仕事から解放され、心から嬉しいとはしゃいで遊ぶ時には「遊ぼうよ!」と誘って少しくらい吠えることもあります。

「無駄吠えをさせない」ことは飼い主として、他へ迷惑をかけないためにとても大切なしつけですが「吠えてもすぐにやめさせる」ことからはじめてみてはいかがでしょうか?
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