散歩で拾ったものを口にくわえたまま離さない、「離せ」といっても言うことを聞かない、といった愛犬に困っていませんか?
散歩に出れば、石でもなんでも口に入れちゃう、あわてて取ろうとして引っ張り合いになる、なかには「ちょうだい」と言って、おやつを見せたのに、口の中のものを急いで飲みこんで、おやつも欲しがるなんて困ったワンちゃんもいます。
家の中でも安心はできません。犬が洗剤の入った袋や、ゴミをくわえて、ヒヤッとしたという経験がある飼い主さんもいるでしょう。
愛犬はわが家にやってきた大切な家族ですから、命と健康を守っていかなくてはいけません。犬が異物をくわえたら、離せ(出せ)の一言で、素直に出してくれれば安心です。
離せ(出せ)を教えることは愛犬の命を守ることにつながります。毒物を加えてしまうような不測の場合にも、それを飲み込ませないためのしつけです。
ここでは、離せ(出せ)のしつけについて詳しく紹介します。
おもちゃやボールを使ってできるしつけで、愛犬と遊び感覚で進められます。簡単にできるので、愛犬との絆も深まるでしょう。
離せ(出せ)ができるようになると、拾い食いなどが心配な犬との散歩も、さらに安全で楽しくなります。活発な犬でしたら、ボールを使ったしつけの延長に、ボール遊び、フリスビーなどができるようになるかもしれません。
アウトドアでの犬との遊び方も広がり、犬たちが喜んで遊ぶかわいい姿が見られるでしょう。
目次
1.犬に離せ(出せ)を覚えさせる意味とその大切さ
離せ(出せ)は、愛犬の健康、場合によっては命に係わることもある大切なしつけです。愛犬を事故から守るために覚えさせて下さい。
一番考えられることは拾い食いの場合です。散歩に出れば、タバコや金属、ビンなどさまざまな危険な物が落ちています。散歩中、毒物をくわえてしまった場合など、それを飲み込まず、すぐに出させるためにも必要なしつけです。
飼い主さんが命令する時に、「離せ」にするのか「出せ」にするのか、言葉を統一させておくことが大切です。家族で決めておかないと、犬は迷ってなかなか覚えません。「離せ」や「出せ」というのが一般的に使われています。
離せ(出せ)という言葉ではなく、「ダメ」「やめなさい」でもいいと思われるかもしれませんが、これらの言葉は、しつけのさまざまな場面で犬の行動を止める時に使われています。
犬に「くわえたものを口から出す」という行動を覚えさせるために、離せ(出せ)を使って教えます。
大型犬は成犬になれば力も強く、離せ(出せ)ができなければ、くわえたものを出させるのは大変です。女性の力では対応できない場合もあります。くわえた物が壊れてしまう確率も高いです。
小さな室内犬も、いろいろなものを口に入れないように、常に物を置く場所に気を付けていなくてはなりません。離せ(出せ)はどの犬種にも必要なしつけで、子犬から始めることが望ましいです。
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2.子犬に離せ(出せ)のしつけはいつからやるべき?
覚えがはやい子犬のうちに、離せ(出せ)も教えていきましょう。
基本のしつけの「マテ」「スワレ」などができれば、その次の指示ものみこみが早いです。飼い主さんと愛犬が、しっかりと良い関係をつくっていくことが一番大切で、すべては子犬の時から始まります。
子犬は臭いを嗅ぎ、興味があるものを口に入れてしまうことがあります。歯が生え変わりにある犬は、石などもくわえてしまいます。家の中でも犬がくわえると危険なもの、ケガをしそうなものがたくさんあります。
また、来客があって、その方の靴やカバン、洋服などに嚙みついてしまったら大変です。
離せ(出せ)のしつけは生後2ケ月から
犬は子犬のころからしっかりとしつけをしていくことが大切で、飼い主さんの言うことを聞きやすい、生後2カ月ころから始めるのが良いタイミングです。
早く始めれば成犬になってからの行動にも大きな違いが出ます。「まだ、小さいからかわいそう」と思ってしまうかもしれませんが、犬は人間の10倍のスピードで年齢を重ねていく計算です。
離せ(出せ)も早いうちから教え、子犬が誤って電気コードなどを噛んでしまう、異物を飲み込んでしまうなどの事故がないようにします。離せ(出せ)のしつけが、子犬の健康と周囲とのトラブルを防ぐことにもつながります。
室内犬の場合、洋服を脱いで置いておいたら、いつの間にか子犬が噛んでいたなんてこともあります。慌てて引っ張って取ろうとしても、子犬は引っ張られるのが遊びだと思ってなかなか離しません。そのまま服ごと引きずられてもしっぽを振っています。
穴があいて着られなくなってしまっても怒るにおこれないですね。「離せ(出せ)」と短く強い口調でいけないことを教えます。
子犬は噛んでその物を認識し、覚えていきます。置いておいた新聞がビリビリになったということはありせんか?
ストレス発散もかねて、噛んでもいいおもちゃなどを与えて、甘噛みをさせてあげることも必要です。
散歩の途中でも、さまざまな物を口にすることがあります。子犬は葉っぱでもなんでも、匂いを嗅いでは口に入れます。食べられない物を覚えるために、そういう場合は少しだけ多目に見ることも大切です。
大切なのは信頼関係を築くこと
しつけには飼い主さんがリーダーであるという主従関係があることが前提となります。よいリーダーになって信頼関係を築きましょう。
「飼い主さんと遊ぶと楽しい、次に何をするのかな」と子犬が飼い主さんに注目するようにしていきます。遊ぶこと、構ってあげることから関係をつくっていけばいいのです。飼い主さんの指示に従ってできるとほめてもらえる。アイコンタクトで指示を待っているようになります。
慣れてきたら飼い主さんが主導したボール遊びなどから少しずつ始めます。ボールをくわえて出したら、出した瞬間に「離せ(出せ)」と言います。そして思い切りほめてあげます。
子犬には結果を出すことを急いで求めないように。これから長い間いっしょに暮らしていきますので、成長期を大切に「飼い主さん(リーダー)の言うことを聞くと楽しいなあ」という関係づくりを目指します。
すべては毎日の積み重ねです。「今日はいいや」「このくらいいいや」と子犬に構わない、わがままを許していると、言うことを聞かなくなってしまいます。
成犬に対してのしつけも同じです。飼い主さんとの主従関係がしっかりとできていれば、おもちゃなどを使いながら、根気よく離せ(出せ)を教えていけばいいのです。
時間は子犬よりは、かなりかかると思っていてください。犬が嫌がらない程度に、少しずつ遊びながら続けていくことが成功のポイントです。できた時の喜びは大きいです。
3.基本的な離せ(出せ)のしつけに必要なものと教え方
愛犬がくわえたものを離すのは、信頼する飼い主さんの指示だからです。
ほめてもらえるから、できるようになるのです。
飼い主さんがリーダーでない場合は、「くわえたものを取られてしまうのは嫌だ」「自分の方がえらいのに生意気だ」と犬は思い、言うことを聞きません。飼い主さんがあわてて引っ張って離そうとすると、怒って手を噛まれたりすることもあります。
ここでは、犬のしつけを考える時に使われる「正の強化」と言われる行動パターンとその考え方、具体的なしつけを紹介します。
しつけの大前提となる正の強化と弱化とは
「正の強化」、「正の弱化」という言葉を聞いたことがありますか?
犬のしつけをする場合に耳にする言葉で、行動分析で使われる「オペラント条件付け」という理論からの言葉です。
ここでは「正の強化」「正の弱化」「負の強化」「負の弱化」の4つの行動パターンについて例をあげて紹介します。
犬のしつけには「正の強化」「負の弱化」の2つを組み合わせながら、工夫していくことがおすすめです。では、4つを簡単に説明します。
正の強化とは
「正の強化」とは、平たく言うとごほうびなどの良い刺激を与えることで、次の行動が強化されること、積極的に行動が増えていく状態を言います。
人間の例で言うと、お父さんの車を洗ってあげた→お小遣いをもらった→日曜日ごとに洗車をするようになった、というような場合です。
お父さんにほめられて、お小遣いをもらうことで、行動が強化された、積極的になったという例です。
犬の例で言うと、お座りをした→ほめられた、おやつももらえた→「スワレ」と言われたらお座りができるようになった。という感じです。
負の強化
「負の強化」の負は、嫌だと感じる刺激のことです。犬にとっては叱られることなどです。
この刺激を取り除くことで行動が強化される、積極的になったという場合です。例をあげて考えてみます。
人間の例では、兄のおやつを食べた→叱られなかった→兄のおやつを食べ続けた、という感じ。
犬の例では、おすわりをしなかった→叱られなかった→おすわりしない、できない、と場合などです。
正の弱化
「正の弱化」というのは、罰を受ける、叱られるなどの嫌な刺激を受けて、行動が弱化することです。
人間の例では、兄のおやつを食べた→親に怒られた→兄のおやつを食べなくなった。という場合。
犬の例では、犬がゲージに入れられて出して欲しいと吠え続ける→叱られた→吠えるのをやめたというケースです。
負の弱化
「負の弱化」とは、ごほうび、ほめられるなど良い刺激がもらえないと、行動が弱化する、少なくなることです。
人間の例では、子どもはおもちゃが欲しいと泣いてせがんだ→親は買ってくれない、希望を通さない→泣くのをやめた。というような場合です。
犬の例では、ゲージに入れられて(出してほしいと)吠え続けている→出してもらえない、希望は通らない→吠えるのを止めた、という感じです。
少し難しいですね。「正の強化」のように、ほめられることで、さらに今までより出来るようになるのは、よくわかると思います。犬のしつけにも適しています。
「正の弱化」では、犬がゲージに入れられて出して欲しいと吠え続ける→叱られた→吠えるのをやめたという例を紹介しました。
いけないことをしたのだから、叱ってわからせてもいいではないか、犬のしつけには必要なことではないか、と思われるかもしれません。犬のしつけには「正の弱化」の罰を与える、叱るということが、実はとても難しいことです。
叱る、罰を与えることを飼い主さんが間違えると、主従関係に悪影響が出るようになったり、人を怖がる犬になってしまう恐れがあります。叱る人に向かって吠えたり、手を出すと噛むようになるなど、問題行動が強化されてしまうこともあるのです。
ゲージを出してと吠え続ける犬には、わがままを通さない、要求をのまない「負の弱化」を。
きちんと言うことを聞けたら「正の強化」を。
このように使い分けて、犬との関係を作っていきましょう。
離せ(出せ)に必要なもの
離せ(出せ)のしつけには、ボール遊びをしながら覚えさせる方法や、おもちゃを使ったものなどがあります。
くわえているボール、おもちゃを離したら、ほめてもらえる、おやつをもらえるというものです。
どちらもくわえたものを取るので、軍手を用意して手を噛まれないようにします。遊びながら繰り返して教えていくことが大切で、楽しんで続けましょう。
何でも噛んでしまう犬には、いつも興味をもつ物、安全なものなら何でもよいです。ボールもおもちゃも犬が興味をなくした場合は、無理に続けてもしつけにはなりません。
何回か繰り返して「おしまいだよ」と終わる合図を決めて打ち切りましょう。飼い主さんが主導した遊びの中で、集中して覚えさせます。
では、具体的に離せ(出せ)のしつけの仕方を紹介していきます。
実際の離せ(出せ)のしつけの流れ
おもちゃで遊ぶもの、ボールで遊ぶもの、割りばしを使うものをあげてみました。
愛犬にあった方法でチャレンジしてください。
おもちゃで遊びながらしつける
犬が日ごろ遊んでいるおもちゃや、興味のあるものをわざと目の前に置いてくわえさせます。
そこで、おやつを見せて、犬の注意をひきます。犬がおやつにひかれて、おもちゃを離したら、すぐにほめておやつをあげます。「おもちゃを離したら、おやつがもらえる」と覚えさせていくのです。
おもちゃを離す瞬間に、「離せ(出せ)」と命令します。そしておやつをあげます。できるようになったら、おやつがなくても、離せ(出せ)に反応し、言葉だけで離すようになります。おやつをあげる回数を減らしながら慣らしていきます。
好きなおもちゃだと難しい場合は、愛犬が好きではないものから始めるとよいでしょう。
犬がくわえたら「離せ(出せ)」と命令し、離させます。犬は別に興味のあるものではないので、簡単に離します。そしてたくさんほめます。
これを繰り返します。同じもので繰り返しやっていると、その物でしか、離さなくなるので、慣れてきたらいろいろなもので試してみてください。
ボールで遊びながらしつける
ボールを犬にとらせ、持ってこさせるものです。遊びが大好きな活発な犬に適しています。
ボールを持ってきたら離せ(出せ)と教えます。その場でボールをくわえさせてもいいです。最初はヒモがついたボールなどから始めましょう。
離さない場合は、犬がくわえたボールを片手でつかみ、もう一方の手で犬の口を手であけるようにします。ボールを離したら、おもいきりほめてあげてください。
ボール遊びが好きな犬には、また、すぐにボールを投げてください。ボールを離したら、また続けて遊んでもらえると覚えさせます。これを繰り返すことで覚えていきます。
ボールを持ってこさせる時、犬が近寄ってこない場合は、こちらから近づいていきたくなりますが、逆に後ろに下がると犬が寄ってきます。
くわえたボールを無理やり引っ張ると、犬は「ボールを取られる」と思い、ボールを持ったまま逃げてしまいます。無理やり引っ張るのはやめましょう。
割りばしを使って
割りばしなどの身近な物で教えることもできます。
割りばしをくわえさせ、数秒くわえることが出来たら思い切りほめます。最初は短くていいのです。
これを繰り返して、割りばしをくわえることを覚えさせます。これが出来たら、くわえた状態に「離せ(出せ)」と命令し、出せばおやつをあげてほめてあげます。これを繰り返します。
割りばしの場合も無理に引っ張らず、自分からくわえる、出すということができるとほめられることを覚えさせます。
離して(出して)くれない場合は、ほかの物を出してみる
犬がボールやおもちゃをくわえたまま、離さない場合があります。
そういう場合は、飼い主さんもそのままボールを持ったまま、おやつや別のおもちゃを見せてみす。おやつをヒラヒラと動かして、興味を誘ったり、わざと近くに投げて見せます。
犬がそちらに興味を示して離したら、すぐにほめて、ごほうびをあげてください。
絶対に噛んでこない犬の場合には、手を口の奥にいれる、または舌を軽く抑えると離します。犬がひるんだ瞬間に「離せ(出せ)」と言って教えます。
ボールを離さない場合
ボールなどへの執着が強く離さない場合、ボールは飼い主さんのものだと教えることが必要です。
くわえていたボールでなくても遊んでもらえることを教えます。
おやつやほかのボール、おもちゃと交換させるなど、犬の興味をほかに引きましょう。ほかのおもちゃに交換できたら、思い切りほめてあげます。
犬は「ボールは自分のものだから渡したくない」、「ボール遊びをもっと続けたいからボールを渡したくない」と思っていることが考えられます。普段からしつけに使うボールを、犬が自由に使えるようにしていてはいけません。
ボールを持ったまま逃げてしまう場合は、まずは呼んで、つかまえて、ほめます。そしてまた、遊んであげます。
呼ばれて行くと、ほめられて、また遊んでくれる、というパターンで接していくと、ボールを離さない行動を止めます。「ボールを返しても大丈夫、また遊んでもらえる」と思うようになります。飼い主さんと遊ぶのが楽しいと思わせることが前提です。
ボールの引っ張り合いになり、飼い主さんも「離せ(出せ)」とひかず、お互い譲らない状態になる場合があります。犬は「ひっぱりっこ」をして遊んでいると思っているかもしれません。離さないままでも、引っ張るのはいけません。
散歩中の離せ(出せ)の教え方
散歩中にお菓子を拾ったり、草を噛んだりと、なんでも口に入れる犬に困っている飼い主さんもいるでしょう。
お菓子が腐っていたら、草に薬品がかかっていたらと心配になります。
散歩中の拾い食いには、人のいない公園などで練習します。まずは犬の興味をひくよう、おやつを置きます。拾って食べようとしたら、少し強めにリードを引いて止めさせます。
数回繰り返した後に、おすわりをさせて、飼い主さんの手からおやつをあげましょう。おやつや食べものは飼い主さんからしか、もらってはいけないことを教えていきます。根気よく繰り返して練習していきます。
散歩中に、拾ったものをくわえた場合、飼い主さんが必死になって大きな声で「ダメ、ダメ」などと言うと、犬はよけいに早く飲もうとしたり、目を合わせずに飼い主さんから顔をかくして、取られないようにします。
まずはこちらが落ち着いた態度をとって、冷静に対処することが大切です。
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4.離せ(出せ)しつけを英語で覚えさせる場合の言葉と違い
これから愛犬のしつけをする時に、英語がいいのか、日本語がいいのか迷っている方も多いでしょう。
訓練犬などは英語でしつけられています。英語の方が覚えが早いのかなと考えたりしますね。犬へのしつけの言語は日本語でも英語でもどちらでも構わないようです。どちらかに統一することが大切です。
犬のしつけの基本となる「スワレ」は「sitシット」、「マテ」は「stayステイ」「waitウエイト」となります。どちらでしつけていくかを最初に家族で決めておくことをおすすめします。
英語、日本語どちらでしつける場合にも、犬の名前を加えて呼びかけてはダメです。
例えば「○○ちゃん、離しなさい」「〇〇ちゃん、ドロップでしょ」と注意することです。犬は飼い主の呼びかけから、「離しなさい」「ドロップ」だけを理解することが難しいようです。
犬は「自分の名前が呼ばれているのはわかるんだけど、どうしたらいいのかな」と迷い、全然覚えてくれません。飼い主さんは「何回やっても、うちの子は全然できない」と思いがちですが、しつけ方が違っています。名前はいりません。短く命令してください。
盲導犬なども英語で教育されています。犬を飼った後、本格的な訓練などを予定する場合には、英語でコマンドしたほうがよいでしょう。成犬の場合はこれまでの家で、どのようにしつけられてきたのかも考慮しましょう。
日本語でも英語でも大切なのは、飼い主さんが主導してアイコンタクトを取りながら教えていくことです。言葉と一緒にジェスチャーなどを加えると、視覚的な刺激も増えて犬は覚えやすくなります。
離せ(出せ)を英語で覚えさせるときの言葉一覧
離せ(出せ)という動作を英語で覚えさせるにもいろいろな言葉があります。ひとつに絞って使っていくことが有効です。
離せはleave it(リーブイット)、let go(レットゴー、レッゴー)
落とせはdrop(ドロップ)、出せはout(アウト)などを主に使います。
また、口にくわえたものを「ちょうだい」、または、犬が口にくわえているものと、おやつなどを交換しようという場合に、ちょうだいgive(ギブ)、give me(ギブミー)もよく使われます。
愛犬がくわえてはいけないものに近づきそうになった場合は、ダメno(ノー)、stop(ストップ)などで制止させます。
英語で覚えさせる場合の2つのメリット
では、愛犬に英語でしつけをしていく場合に、どのようなメリットがあるのでしょうか。
英語で覚えさせるには日本語よりも言葉が短いので犬が覚えやすいということ、命令の言葉がひとつの動作にひとつで、命令が統一しやすいという2つのメリットがあります。
自分が一番使いやすいと思う言葉を選んでください。そして、短く、自信を持って使うことがポイントです。
それぞれのメリットを紹介します。
言葉が短いため犬に覚えさせやすい
犬への命令は、短い言葉でストレートに伝えることが大切です。
英語でのしつけは言葉が少ないので、犬には理解しやすいです。離せ(出せ)は「リーブ」一言です。このほかに「stayステイ」「comeカム」と短い一語で、すべて飼い主さんが要求することが伝わります。
飼い主さんには英語を使うことで、しつけをするという気持ちに切り替えができて使いやすいという人もいます。
「おいで」と呼んだ時、なかなか犬が理解しなかったり、行動が遅かったりすると、日本語だとどうしても、続けて「早く来なさい」「おいでって言ってるでしょ」などと余計なことを言いたくなります。
英語の場合、飼い主さんはあくまでもしつけのための言葉として使っているので、犬を迷わせるような余分なことを言いにくくなります。
コマンド(命令・指示の言葉)を統一しやすい
英語のしつけは命令の言葉を統一しやすいです。
犬を混乱させにくいのがメリットです。家族でしつけに使う言葉を決めておくことが大切です。英語でしつけると決めたなら、ひとつの動作に、ひとつの言葉と決めて、フレーズを覚えましょう。
come(カム)の場合、日本語には「おいで」「来なさい」「来い」とさまざまな言い方があります。人によって使い言葉が違っていては、犬は迷ってなかなか覚えてくれません。
男性、女性によっても言い方が違うでしょう。犬に聞こえる音は全く違うので無理もありません。日本語の場合も家族で命令のフレーズを統一しましょう。
言語は英語でも日本語でもどちらでも構わないのです。飼い主さんが犬を主導し、堂々と命令します。
英語を使う場合、飼い主さんが「ちょっと自信がない」「うまく伝わっているかな」と不安になりながら使っていてはいけません。犬は誰がリーダーなのかと主従関係に敏感な動物です。
不安な言い方はすぐに感じとられてしまいます。特に支配性の意識が強い犬は、飼い主さんの不安を読み取り、なかなか覚えようとしてくれません。その小さな積み重ねから主従関係が崩れて、問題行動を起こす困った犬になってしまうかもしれません。
5.まとめ
最近は英語で犬をしつける人も増えているようです。英語、日本語のどちらのしつけに興味を持たれましたか?愛犬の性格などを考えて参考にしてください。
このページで離せ(出せ)のしつけは、とても大切なことだとわかっていただけたでしょうか。
離せ(出せ)は、愛犬の命を守ることができるとても大切なしつけです。
タバコなどの毒物を飲み込んでしまうなどの事故や、人の洋服を噛んでしまうなどのトラブルも、これができれば防げます。ぜひ、覚えさせましょう。
離せ(出せ)は、しつけといっても、おもちゃやボールをくわえる、持ってくる、離す、というとても簡単な遊びの繰り返しで、飼い主さんにとっても愛犬と過ごす楽しい時間となるはずです。
覚えさせることだけにこだわらず、おだやかな気持ちで、犬との時間を楽しんでください。愛犬とのコミュニケーションが深まり、さらに大切なパートナーになってくれるでしょう。
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