犬に玉ねぎを食べさせてはいけないと、聞いた事はありますか?
なんとなく聞いた事はあるけど、実際本当に食べさせてはいけないのか、食べさせるにしても少しの量なら問題ないのか、詳細はよく分かりませんよね。
実は犬に玉ねぎを食べさせる事によって、犬は玉ねぎ中毒を引き起こしてしまう可能性があるのです。
ここでは、犬にはどうして玉ねぎを食べさせてはいけないのか、玉ネギ中毒とは一体何のかを、詳しく説明していきたいと思います。
大事な飼い犬が、玉ネギ中毒になって苦しい思いをしないように、飼い主さんが気を付けるべき点などをよく覚えておくようにしてください。
目次
1.犬に玉ねぎを食べさせてはならない!
1.1.犬に玉ねぎを食べさせてはいけないのはどうして?
2.玉ねぎを食べた場合はどうなるの?
2.1.玉ねぎを食べたらどんな症状が出るの?
2.2.少量の玉ねぎなら大丈夫?
3.玉ねぎを食べた場合の対処方法
3.1.正しい応急処置の仕方
3.2.玉ねぎ中毒には特効薬はない!
4.玉ねぎ以外でも玉ネギ中毒になる
4.1.ネギ科の食べ物は玉ねぎだけではない
4.2.玉ねぎはダメなのに、ニンニクは何故いいのか
4.3.ネギ科以外で危険な食べ物
1.犬に玉ねぎを食べさせてはならない!
犬に玉ねぎを与えてはいけないという事は、犬を飼われている人の間ではほぼ知られている事だと思います。
ただ、全く与えてはいけないのか、それとも多少与える程度なら平気なのか、玉ねぎがよくない事は理解していても、それがどの程度の物なのかをきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
一般的には、10㎏程度の中型犬に、250g程度の中玉と言われているサイズの玉ねぎを誤って与えてしまった場合、犬は完全に体調不良を起こすと言われています。
半分位の大きさの小型犬でしたら、玉ねぎの量もその半分になります。
但しこれは、犬の個体差や免疫力などによっても症状は変わってきてしまいますので、一概には言えない面もあります。
この一例は、なんの調理もしていない生の玉ねぎでの場合ですが、犬によくない成分は玉ねぎを過熱したとしても、含まれたままとなっています。
最近では犬のフードを手作りする方が多いですが、人間用の野菜スープを一緒に作って、与える時に犬用には玉ねぎだけをよけて与えるのもよくありません。
いくら玉ねぎ本体が入っていなくても、玉ねぎのエキスはスープにしっかり溶け込んでいますので、食べるのと同じ事になってしまいます。
1.1.犬に玉ねぎを食べさせてはいけないのはどうして?
玉ねぎに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」を犬が摂取してしまうと、犬の体内の赤血球(ヘモグロビン)を酸化させてしまいます。
簡単な表現を使うと赤血球を破壊してしまうという事です。
その結果、犬の体内では赤血球が極端に減少し、その代わりにカリウムの濃度があがってしまい、高カリウム状態になってしまいます。
その状態が長く続きますと、犬は吐き気や四肢のしびれ、脈拍異常などの中毒症状を起こします。
これを「玉ねぎ中毒」と言い、症状が悪化すれば死に至る場合もある、とても恐ろしい病気です。
この「アリルプロピルジスルファイド」は、玉ねぎだけでなく、長ネギやニラ、ニンニクなどにも含まれていますので、犬が誤って口にしないように、飼い主さんは十分気を付ける必要があります。
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2.玉ねぎを食べた場合はどうなるの?
犬が玉ねぎ中毒になると、下記のような症状を引き起こす事があります。
- 血尿
- 嘔吐
- 下痢
- 脈拍の異常
- 貧血
- 黄疸
これらは玉ねぎ中毒の代表的なものです。
では、実際に玉ねぎ中毒になってしまった場合、飼い主さんがそうだと確信出来るような症状は、どのように出るのでしょうか。
次の項目で紹介していきたいと思います。
2.1.玉ねぎを食べたらどんな症状が出るの?
犬が玉ねぎ中毒になった時の、まず一番の主な症状は「溶血性貧血」と「血尿」と言ってもいいでしょう。
嘔吐や下痢などの症状については、この貧血が悪化していくに連れて起こってくるものです。
血尿は目に見えてすぐに分かる症状ですが、貧血はなかなか飼い主さんがすぐに気が付く事は難しい症状かもしれません。
そしてまたやっかいな事に、玉ねぎ中毒の症状は、玉ねぎを食べてしまってから症状が出てくるまでには、どんなに早くても12時間はかかると言われていて、通常は2日~5日経たないと、目に見える症状は出てこない場合が多いようです。
目に見える症状について、いくつか紹介していきます。
- 元気がなくなってくる
⇒これは段々と日が経つに連れて元気がなくなってくるというよりも、ある日突然起こります。つい数時間前まで元気に遊んでいたのに、急に足元がふらついていたり、口元に泡のようなものをふいたりします。
- 嘔吐や下痢
⇒玉ネギ中毒はすぐに症状が表れる事はないので、嘔吐や下痢も数日後に突然起こる事があります。
- 血尿
⇒「アリルプロピルジスルファイド」によって破壊された赤血球から、ヘモグロビンが放出されてしまい、それが血尿となって排泄されます。血便が出る事もあるようです。
- 黄疸
⇒犬に黄疸が見られる場合には、玉ネギ中毒がかなりの重症の場合です。犬の皮膚は被毛に覆われていますので、黄疸はなかなか気が付きにくいのですが、普段は真っ白の白目の部分が、少し黄色がかってくるので、玉ねぎを食べてしまった後に経過観察をする時には白目の部分も注意して見るようにするといいでしょう。
これらの症状の表れの遅さにより、玉ねぎを食べてしまっても犬の様子は変わらずに元気なままなので、その後の注意を怠ってしまう飼い主さんが多く、場合によっては手遅れになってしまう事もあります。
犬は貧血傾向になってくると、歯茎が綺麗なピンク色から少し白っぽくなってくるのに加えて、下まぶたを少しめくってチェックしてみると、こちらも白っぽくなってきます。
もしも犬が玉ねぎを摂取してしまった場合、すぐに中毒症状は出てきませんので、数日間は貧血のチェックをしながら、息遣いが荒くなったりしていないか、尿に血は混じっていないかなどを含め、注意深く様子を見る必要があります。
2.2.少量の玉ねぎなら大丈夫?
では、どの程度の玉ねぎを食べたら本当に危険なのでしょうか。
犬によって個体差はありますが、一般的に言われている玉ねぎの致死量は、体重1㎏につき玉ねぎ15~20gと言われています。
これは生のままでも、加熱処理をしてある物でも同様です。
また、玉ねぎを煮込んだスープなども、玉ねぎ本体をよけたとしても、エキスがスープに出ていますので、同じように危険だと言えます。
犬の体重別に、玉ねぎの致死量をまとめておきます。
- 小型犬(体重5㎏程度)⇒約75~100g(中玉サイズ約半分)
- 中型犬(体重15㎏程度)⇒約225~300g(大玉サイズ約1個)
- 大型犬(体重30㎏程度)⇒約450~600g(大玉サイズ約2.5個)
数字を具体的に換算してみると分かる様に、落ちていたのをちょっと食べてしまったような量でしたら、そこまで気にする事はないのかもしれませんが、この症状には個体差が大きくあるという事を同時に覚えておいてください。
同じ犬種でも、ほんの一口食べただけで中毒症状を起こす犬もいますし、中玉サイズを1個丸々食べても何も起こらない犬もいます。
試しに食べさせて確認する訳にもいきませんので、少量でも危険という風に認識しておくのが、犬の健康の為にはよいのではないでしょうか。
3.玉ねぎを食べた場合の対処方法
犬がもしも玉ねぎを食べてしまった時にまずする事は、口の中にもしも玉ねぎが残っていたらすぐに全て取り出すことです。
取り出した後には濡れたガーゼなどで、歯や歯の隙間も念入りに拭いてあげると、口の中に残っている玉ねぎのエキスも綺麗に取り除く事が出来ます。
そして、どの程度食べてしまったのかを必ず確認しておいてください。これは、後々動物病院で診察を受ける時に必ず必要となってくる情報です。
先にも紹介しましたように、玉ねぎ中毒はすぐに症状は表れない事がほとんどですが、念の為かかりつけ医に連絡をして事情を伝えておく事をおすすめします。
獣医師によっては、すぐに血液検査をしましょうというところもあれば、数日様子を見てから検査をするというところもあると思います。
獣医師によって考え方は様々ですので、信用する事ができるかかりつけ医がいるのであれば、その獣医師の方針を信じてみましょう。
ただし、何か少しでもいつもと違う様子を感じましたら、早めに動物病院へ連れて行くようにしてください。
急激に症状が悪化してしまう事も稀にありますので、数日間はあまり目を離す事はせずに、様子を見守るようにしてください。
3.1.正しい応急処置の仕方
犬が玉ねぎを食べてしまった時に、自宅で出来る応急処置として、玉ねぎを吐かせる方法を紹介していきます。
ただしこれは、食べてしまってから1時間以内でしたら有効な処置ですが、それ以上の時間が経過してしまっているのであれば、無理矢理に吐かせても意味はありませんので、その場合は行わないようにしてください。
高齢犬や内蔵疾患を持っている犬には、悪影響を及ぼす場合もありますので、この場合も行う事はやめるようにしてください。
- 食塩を使って吐かせる
用意するもの・・・食塩・水
犬の舌の上にスプーンなどで塩を置きます。飼い主さんの手のひらに塩を置いて舐めさせる方法でも構いません。
塩を舐めさせると、その後に犬は自然と水をたくさん飲みたがりますので、すぐに飲めるように近くに用意しておきましょう。
これを何回か繰り返して、ティースプーンで5~6杯程度の塩と十分な水を飲んだところで、今度は吐かせるのですが、水を大量に飲んだ事で自分から吐いてくれる犬もいます。
なかなか吐いてくれない犬の場合には、飼い主さんが犬の口の奥に指を入れて刺激をし、吐くのを誘うしかありません。
この時注意して欲しいのは、口の奥を刺激する時にはあまり強くやり過ぎない事です。喉に傷などを付けてしまわないように、優しく行ってください。
もう一つは、噛みつかれないように注意してください。飲んだ水をわざと吐き出す行為は、犬にとっても苦しいものです。
普段噛みつくような事はしない犬であっても、緊急時にはどのような行動を取るかは予測が付きません。念の為ゴム手袋などをしてもいいでしょう。
他に手伝ってくれる家族などがいるようでしたら、一人は犬の背中側に行き腰の辺りを補助してあげると、犬が吐く時に暴れるのを防ぐ事が出来ます。
- オキシドールを使って吐かせる
用意するもの・・・オキシドール(過酸化水素水)、水、スポイト
もう一つの方法は、薬局などで手に入るオキシドールを使用して吐かせる方法です。
オキシドールを2倍の量の水で薄めた物を作ります。これを、スポイトを使って犬に飲ませるのですが、慣れない味の物で犬は嫌がるかもしれません。
その場合には、口の端から注ぎ入れ、すぐにマズルを掴んで鼻先を少し上に向けます。すると自然と飲み込んでくれるはずです。
スポイトがない場合には、ストローで代用する事も出来ます。薄めた液体を必要量だけストローで吸い上げ、口の部分を押さえて液体がこぼれないように持ちます。
そして、スポイトでやったのと同じように犬の口の端から入れて、飲ませます。
薄めたオキシドールは、犬の胃の中で酸素を発生させますので、その発生した酸素が吐き気を促してくれます。
犬に与える液体の目安は、体重5㎏に対して1cc程度です。オキシドールは犬が飲んでも問題ありませんが、適量を守って与えるようにしてください。
1回のオキシドール摂取で吐き出してくれる事もありますが、もしも吐かなかった場合には、15分程時間をおいて再度挑戦してみてください。
どちらの応急処置方法も、食べた物を無理に吐かせるのは、慣れていない飼い主さんにはどうしても難しい場合もあります。
玉ねぎを犬が食べてからあまり時間が経過していなくて、なおかつ動物病院にすぐに連れていける状況であれば、食べてしまった玉ねぎは病院で吐かせてもらう事もできます。
ただし、事は急を要しますので、なかなかそうもいかない状況の方が多いように思います。
動物病院の開いていない時間や、行かれない状況であれば、覚悟を決めて飼い主さんが応急処置をするしかありません。
不安だからと言って、オドオドしたような態度や、慌てた様子を見せてしまうと犬にもその気持ちが伝わり、警戒されてしまいます。
応急処置を行う時には、毅然とした態度で淡々と行うようにしてください。
3.2.玉ねぎ中毒には特効薬はない!
玉ねぎ中毒の症状が確認された場合、残念な事に現在玉ねぎ中毒に効く薬はありませんので、動物病院にて治療を受けるしか治す方法はありません。
効く薬がないなかでの、動物病院で行う治療は対処療法という方法をとるようになります。
代表的な対処療法の一つは、抗酸化剤を使用して赤血球の破壊をくい止める処置になります。
この処置だけでは追い付かず、貧血の症状が重度になってくれば、輸血が必要になる場合もあります。
活性炭の投与をする病院も最近ではあるようです。これは玉ネギ中毒の原因物質と言われている「チオ硫酸化合物」を、活性炭を投与する事により結腸で吸着をさせ、外に排泄をさせる方法です。
ただこの方法は、便が少し固くなる事があるようですので、活性炭を使用する場合には、その辺もしっかりと獣医師に確認するようにしてください。
赤血球の破壊をくい止める方法に、ステロイドを使用する方法もありますが、副作用など様々な局面においての議論がされている途中ですので、獣医師の考えによって判断は変わってきます。
最終的な治療の判断をするのは飼い主さんですので、ステロイドを使用する際には、メリットとデメリットを必ずきちんと確認してから決めるようにしてください。
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4.玉ねぎ以外でも玉ネギ中毒になる
犬が玉ねぎを食べると、玉ネギ中毒になってしまう事を紹介してきましたが、実は玉ねぎ以外の食べ物のなかにも、玉ネギ中毒を引き起こす物があります。
それらをいくつか紹介しておきたいと思います。
4.1.ネギ科の食べ物は玉ねぎだけではない
普段私たちが何気なく食べている物のなかにも、玉ねぎと同じく玉ねぎ中毒を引き起こす食材がいくつかありますので、覚えておくようにしてください。
- 長ねぎ
- ニラ
- ニンニク
- らっきょう
これらは全て玉ねぎと同じネギ科の食べ物です。
特に長ねぎは使用頻度も多い食材だと思いますので、犬が誤って食べてしまわないように管理には十分気を付けるようにしましょう。
4.2.玉ねぎはダメなのに、ニンニクは何故いいのか
最近では、ニンニクを使用したドッグフードやおやつ、サプリメントまで様々な物が販売されています。これらは海外の業者が製造販売を始めた物です。
海外でも犬に玉ねぎを与えるのはよくないという事は、充分知れ渡っているようですが、ニンニクに関しては同じネギ科と知っていながら対応や考え方がだいぶ違うようです。
ニンニクは消化促進や駆虫の効果があるし、適量であれば玉ネギ中毒を引き起こす事はないという見解だそうです。
現在日本でも販売されているニンニクを含む商品については、様々な検査や研究がなされての物だとは思いますが、摂取させる否かについては専門家の間でもまだまだ議論がつきないようです。
先に紹介してきましたが、玉ねぎについては、犬の体重に対しての致死量がある程度明確にされています。
ところがニンニクについては、致死量がどの程度になのかがまだ明確にされていません。この辺も議論が白熱してしまう原因なのかもしれませんね。
4.3.ネギ科以外で危険な食べ物
ネギ科の食べ物が犬にとって危険な事を紹介してきましたが、最後にネギ科以外で危険な食べ物を紹介しておきます。
犬の健康を保つためにも是非覚えておいて欲しい情報です。
- カカオ類
⇒チョコレートやココアの原材料であるカカオに含まれている、「デオプロミン」という成分を犬が摂取すると、中毒症状を引き起こしてしまいます。
致死量は犬の体重1㎏につき、チョコレートで換算すると100g程度になります。
犬にチョコレートを与える事はほとんどないと思いますが、お子さんのおやつの残りが出しっぱなしで、それを犬が食べてしまったという話がよく聞かれます。
人にとっては美味しい物でも、犬にとっては大変危険な物ですので家族全員で気を付けるようにしていきましょう。
- ブドウ類
⇒犬がブドウを食べると、下痢や嘔吐を繰り返した上に脱水症状を引き起こし、死に至る場合もあります。
致死量は体重1㎏に対してブドウ32g程度ですので、2~3粒食べた程度では重度な症状は出ないと思いますが、犬が誤って食べないようにこちらも管理が必要です。
また、生のブドウだけでなく、干しブドウも同様に危険ですので気を付けるようにしてください。
- ナッツ類
⇒ナッツに含まれるどの成分が犬にとって毒性があるのかは、きちんと解明されていません。
ただし、ナッツの中でも特にマカデミアナッツを食べた事によって、中毒症状を起こした犬の例が確認されています。
あえて与える必要もありませんし、丸ごと飲み込んでしまった場合には、糞詰まりを起こす可能性もありますので、犬には与えない方がいい食べ物です。
5.まとめ
犬に玉ねぎを食べさせてはいけない理由や、食べてしまうとなってしまう「玉ねぎ中毒」の症状についてまとめてきました。
ここ数年で犬を飼う人の意識の向上もあり、犬に玉ねぎを食べさせてはいけないという事は、飼い主さんのなかではだいぶ常識化されてきたと思います。
ただし、食べさせてはいけない事はなんとなく知ってはいたけど、少し位は平気でしょ?と軽く考えている飼い主さんもまだまだいるようです。
実際これだけ玉ねぎ中毒という言葉が知れ渡ってきていても、玉ねぎ中毒を起こす犬が減らないのが、それを物語っています。
同じ犬種、同じ体重、同じ性別の犬が居たとします。同時に玉ねぎを同量食べてしまったとしても、1匹は何の症状も現れず変わらず元気のままで、もう1匹は玉ねぎ中毒になり治療をしなければならない状況という事も充分ありえます。
このような差が起きる事も、玉ネギ中毒が本当に危険だと伝わりきらない理由なのかもしれません。
食べてしまった玉ねぎを吐き出す為にとる応急処置ですが、方法自体に難しい手順はありませんが、食べた物を吐かせるという行為は、かなりハードルが高いと思われます。
それでも、大事な犬の為には飼い主さんがやらなくてはならない大事なことです。
玉ネギ中毒には特効薬がありません。将来を見据えて予防をする類のものでもなく、犬が玉ネギ中毒を起こさないようにするには、飼い主さんが気を付けるしか方法はありません。
玉ネギ中毒のきっかけは、うっかり犬が通る場所に玉ねぎを置きっぱなしにして、それを犬がかじってしまったというケースが多いようです。
成犬になってもイタズラ好きの犬はいくらでもいます。うっかりでは済まない事もありますので、ここは飼い主さんが管理を徹底すべきところですね。
そして玉ネギ中毒は、すぐに症状が表れないのも難点です。
玉ねぎを食べた事をすぐに気が付いて応急処置をすぐにするか、玉ネギ中毒を見据えて観察を怠らないようにしていれば、万が一の時にもすぐに対応が出来ますが、気が付かないうちに食べてしまった結果、数日後に血尿や下痢の症状が出た場合、動物病院にすぐに連れて行ったとしても、玉ねぎを摂取したという情報がなければ、誤った判断をされてしまう恐れもあります。
動物病院で行う玉ネギ中毒の治療は、効く薬がない現在では対処療法をとるしかありません。
これもいくつか方法がありますので、それぞれのやり方のメリットやデメリットを獣医師にきちんと確認したうえで、選択するようにしてください。
いずれにしても、玉ネギ中毒に関しては、飼い主さんの注意一つでほぼ避ける事の出来るものです。
最近流行りの手作りフードを作る時に、人間の食事と並行して作る事はありますよね。
人間用に玉ねぎを調理した場合には、まな板や包丁に玉ねぎのエキスが付いていますので、犬の食材を扱う時には必ずよく洗ってから使うようにしてください。
玉ねぎの他にも、犬には与えてはいけない食品がいくつもあります。
中には、多少は食べても平気な物もありますが、あえてその食品を選んで量を細かく調整しながら与える必要はありませんので、少しでも危険性のある物については、与えない方が賢明です。
犬の健康は、飼い主さんが守っていくしかありませんので、うっかりという事が起こらないように、日頃から気を付けるようにしていきましょう。
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