犬の水頭症に気づいたら、確認すべき症状や発作と治療、寿命の目安

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犬を飼うとなったら、その犬種がかかりやすい病気や、かかる可能性がある病気のことを事前に把握しておかなければなりません。

その1つが、水頭症です。水頭症は、脳の病気で、人間の病気と思われる方もいると思いますが、犬も発症する病気です。

脳に病気が見つかるとなると、飼い主としてはとても不安になりますし、愛犬が可哀想という気持ちに押しつぶされそうになりますよね。

しかし、水頭症は完治することが難しい病気ではありますが、飼い主が病気と向き合っていくことで、寿命を延ばしてあげることができると言われています。

ペットブームで、犬の人気も上昇している今、「可愛い」とか、「楽しい」だけでなく、人間同様に犬も生き物なので、病気のリスクがあることも知っておきましょう。

犬を飼うということは、愛犬が健やかなるときも、病めるときも、生涯愛情を与え続けるということです。

そこで、今回は、犬全体での発症率が1.9%と言われている水頭症の原因や症状、治療法などについて、紹介していきたいと思います。

目次

1.犬の水頭症の詳細と発症の原因
1.1.水頭症の症状、初期症状について
1.2.水頭症は完治する方法が見つかっていない

2.犬の水頭症の治療について
2.1.手術は必要?薬でも治療できる?
2.2.痙攣などの発作が起きた場合はどうすればいい?
2.3.食事による改善方法もある

3.まとめ

1.犬の水頭症の詳細と発症の原因

水頭症は、脳で分泌される脳脊髄液が増えることで脳を圧迫し、脳の周りにある神経などに影響を与えてしまう病気です。

脳脊髄液は、脳の水分のバランスをとって、脳の形状を保つために、増えすぎるとダメだと言われています。

正常な脳ならば、脳脊髄液の量のバランスを適正に保ってくれるため、脳を圧迫することも、脳の周辺の神経に影響を与えることもありません。

水頭症は、脳に脳脊髄液が溜まることで脳が大きくなったり、発育していない場所に水が溜まることで発症してしまう内水頭症と、くも膜下腔に水が流れることで発症する外水頭症があります。

また、先天性のものと、後天性のものがあるため、生まれつき水頭症を発症する犬もいれば、成長してから水頭症を発症する犬もいます。

先天性のものでしたら、遺伝や、出生前に母犬のお腹の中でウイルスに感染したことや、中脳水道が閉塞していることが原因で発症します。

先天性のものは、生後3ヶ月~生後6ヶ月以内に発症することが多いと言われています。

遺伝の場合は、親犬も水頭症である可能性が高いため、ブリーダーで子犬を探している場合は、親犬に病気がないか、しっかりチェックしてください。

ペットブームで犬が人気となっている今、悪質なブリーダーが増えていることも事実です。

信頼のおけるブリーダーを探すことも、愛犬の水頭症のリスクを減らすためには大切なことなのです。

次に、後天性の場合ですが、後天性の場合は、脳腫瘍、脳出血などの脳の病気や、事故などで外傷を負ったとき、飛行機などで気圧の変化を感じたときなどに発症することがあるようです。

まとめると、

先天性:遺伝、出生前のウイルス感染、中脳水道の閉塞
後天性:脳腫瘍、脳出血などの脳の病気、外傷、飛行機などの気圧

などが原因ということです。

また、水頭症は発症しやすい犬種もあり、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアシュナウザー、マルチーズ、ポメラニアン、ペキニーズなどの小型犬です。

小型犬は、人気がとても高い犬種なので、小型犬を飼うときは、水頭症のリスクがあることも知っておきましょう。

1.1.水頭症の症状、初期症状について

水頭症は、脳に障害をきたす病気なので、色んな症状が出るのですが、水頭症と断定するのは難しいと言われています。

しかし、水頭症だと疑うことができる症状を知っておくことで、「もしかして!」と、飼い主の勘を働かせることができ、一刻も早い治療を受けることができるかもしれません。

そのため、ここでは、水頭症にかかったら起こり得る症状について、紹介していきます。

【水頭症の初期症状】

しつけを覚えない

犬は、非常に賢い動物のため、飼い主がきちんとしつけを教えたら覚えてくれるのですが、水頭症の犬は、何度も繰り返し教えても、なかなか覚えてくれません。

ぼーっとしている

犬は、遊ぶことが大好きで、元気に走り回ったり、飼い主の気をひこうとするものですが、水頭症の犬は、1日の大半をぼーっとして過ごしたり、寝て過ごすことが多いと言われています。犬らしさがあまりないので、ぼーっとしていると感じることが多かったら、水頭症の可能性もあります。

性格が急変する

普段は大人しいのに、いきなり吠え出したり、暴れ出したり、奇声を上げるというのも水頭症の症状の1つです。びっくりするとは思いますが、犬に悪気は全くないので、絶対に叩いたりしないでください。水頭症の恐れがあります。

歩き方に異変

歩き方がおかしかったり、すぐに転ぶということが何度も見られる場合は、水頭症にかかっているかもしれません。

旋回する

同じところをグルグルグルグル回りだすのも水頭症の症状の1つです。よく子犬が、自分のしっぽを捕まえたいためにグルグル回ることがありますが、その場合は元気があり、目つきも輝いているでしょう。

水頭症の場合は、うなだれたようにグルグル回るので、様子がおかしいことはすぐに分かると思います。

【その他の症状】

認知症

脳の病気のため、認知の症状が出ることもあります。例えば、さっき食べたばかりなのにご飯を欲しがったり、トイレを失敗したり、夜泣きをしたり、徘徊行動などが見られたら、認知症である可能性が考えられます。

痙攣、発作

水頭症の症状の中で、起こりやすいものではありませんが、痙攣や発作を起こすこともあります。

頭の形が大きくなる

水頭症は脳関髄液が増加していく病気のため、頭の形が変わっていきます。

目が飛び出す

水頭症になると、目が飛び出したり、目が外側を向いたりすることもあります。場合によっては失明することもあると言われています。

全身麻痺

脳を圧迫して、神経に支障をもたらす病気のため、全身麻痺になる可能性もあります。

昏睡状態

重症になると、昏睡状態が続いたり、意識混濁状態に陥ることもあります。

水頭症は、他の脳の病気と症状が似ていることもあり、とても見極めるのが難しいと言われています。

たとえば、痙攣や発作は、水頭症でなくても突発的に起こることがあるものなので、痙攣があったからといって、一概に水頭症と決めることはできないのです。

しかし、早期発見して、治療を行うことは、犬にとっても生活の質を上げることに繋がるので、飼い主が注意深く見てあげなければなりません。

なにかがおかしいと感じたら、すぐに動物病院に連絡し、症状を伝えてください。場合によっては、すぐに来院しなければならないときもあるので、愛犬が健康だと思っていても、キャリーバックやペットシーツなどは取り出しやすい場所に置いておきましょう。

1.2.水頭症は完治する方法が見つかっていない

水頭症は、残念ながら完治することが難しい病気です。水頭症はほぼ先天性のものが多く、予防することも難しい病気です。

唯一できることと言ったら、普段から頭を強打させないように注意することでしょうか。

もし、水頭症を患ってしまうと、最初の検査だけにも5万円ほどかかり、薬は月に3000円~5000円かかってきます。さらに手術となると、約30万円ほどかかることも覚えておきましょう。

万が一のときのために、犬を飼うときは、ペット保険に加入することをおすすめします。

水頭症になると、完治こそは難しいのですが、医学も日々進んでいるため、水頭症と向き合いながら治療をすることで、命を延ばすことは可能です。

そのためにも、早期発見が必要となるのです。

ただ、早期発見ができたとしても、治療しながらも少しずつ進行していく病気のため、水頭症ではない健康な犬に比べると、寿命が早く訪れることもあるでしょう。

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2.犬の水頭症の治療について

水頭症は、完治できない病気ではありますが、治療をすることで症状を遅らせることはできます。

水頭症の治療では、進行をいかに遅らせて、寿命を延ばすことができるのかが大切になってきます。

まず、水頭症の疑いがあると思ったら、病院で血液検査や脳波を調べたり、犬の年齢や今までの病歴などをチェックし、頭の形や、目などの外見を見て、水頭症の症状が出ていないかを検査します。

そして、レントゲン、CT、エコー、MRIなどを使って脳脊髄液の検査をします。

しっかり水頭症だということが判明したら、その後の治療をどのように行っていくのか、獣医師と飼い主が話し合って決めます。

水頭症と診断されたら、飼い主にとってはものすごくショックなことであり、さらには完治することがないと言われたら、絶望的に感じてしまうでしょう。

また、治療を始めたら、一生治療と向き合わなければならないので、飼い主にとっても精神力がいるものです。

しかし、きちんと治療をしていくことで、水頭症の症状を遅らせることは十分に可能なため、完治しなくても命を延ばすことはできるのです。

どうしたら愛犬にとって幸せなのかをしっかり考えてください。たとえ病気になったとしても、飼い主の愛情をたっぷり受けて生きた犬は、幸せだと感じてくれるはずです。

そのため、水頭症と向き合って、愛犬のために最善をつくしましょう。落ち込む気持ちは十分に分かりますが、落ち込んでいる間にも病気は進行してしまうということを頭に入れておきましょう。

また、飼い主だけでは治療方針を決めるのは簡単なことではありません。何度も相談に乗ってくれるような信頼できる獣医師と出会うのも治療において大切なことです。

飼い主が獣医師に気を遣ってしまっては、水頭症への理解を深めることができません。なんでも質問できて、親身になって答えてくれる獣医師を探しましょう。

2.1.手術は必要?薬でも治療できる?

水頭症の治療は、投薬治療も手術もあります。ただし、薬を飲めば治るものでもありませんし、手術にはそれなりのリスクがあることも把握しておかなければなりません。

ここでは、水頭症の投薬治療や、手術について、紹介したいと思います。

まず、投薬治療ですが、副臓皮質ホルモン薬や、ステロイド、降圧利尿薬などを使用して、脳圧を下げ、水頭症の症状を遅らせたり、軽減させていきます。

症状が軽いうちは、比較的薬が効きやすく、「治ったの?」と錯覚してしまうこともあるようですが、水頭症に完治はないので、一時的に症状が緩和されたと思ってください。

治ったと判断して、投薬を勝手にやめるのは危険です。基本的には、一生投薬をしなければならない病気ということを分かっておきましょう。

また、後天性の水頭症の場合、脳炎や脳腫瘍、脳出血などが原因のこともあります。その場合は、原因となった病気の治療も一緒に行う必要があります。

犬の投薬には苦労することもあると思いますが、エサの中に入れて飲ませたり、おやつのゼリーに入れるのもおすすめです。

それでも飲んでくれないときは、犬の口を開けて、口の奥の方に薬を置き、飲ませます。飲んだあとは水を与えてください。薬を飲むたびに褒めてあげると喜ぶので、忘れないでくださいね。

次に手術ですが、脳室腹腔シャントという手術を行います。これは、チューブを使って、増えすぎた脳脊髄液をお腹に送ることで、脳内の水分含有量のバランスをとることを目的とした手術です。

この手術は、うまくいくと水頭症の症状がかなり緩和し、元気がある普通の犬のようになるとも言われています。

ただし、手術なので、リスクもあります。まずは、お腹に水分を送ることで、お腹に脳脊髄液が流れ過ぎて、脳へ負担をかけてしまうことがあるということです。

さらに、一度手術を行うと、一生チューブを外すことはできません。また、シャントが感染したり、詰まりを起こすことも考えられます。

色んなリスクと隣り合わせなのが手術なので、手術をすることを決めたら、絶対に信用できる医師に任せるようにしてください。

2.2.痙攣などの発作が起きた場合はどうすればいい?

水頭症は、ぼーっとする時間が長いとか、寝てばかりいるという症状は、かなりの確率で出るのですが、痙攣などの発作は必ずしも出る症状ではないと言われています。

しかし、痙攣が起きる可能性が高いのも事実です。痙攣は、想像している以上に激しいものです。

飼い主はビックリしてパニックになると思うのですが、落ち着いて冷静な行動をすることが何よりも大切になってきます。

痙攣が始まって、発作を起こしている愛犬を見ると、とても苦しそうで見ているだけで辛いと思いますが、痙攣のときは、犬は記憶が薄かったり、記憶がないことがほとんどです。

そのため、苦しみも分かっていないとは思いますが、意識がないからこそ危険も沢山あります。

まずは、発作中の愛犬の体を揺らしたり、押さえつけることはやめてください。飼い主がケガをする原因にもなります。

そして、発作が起きるとかなり激しく体を床に打ちつけることが考えられるので、頭を強打しないようにしてください。

椅子の上など、高い場所で発作を起こしたときは、落ちたら危険なので、落ちないようにするか、下に降ろしてあげてください。

椅子の脚など、愛犬の体にぶつかりそうなものがあるときは、速やかにどかしましょう。

人間の場合、痙攣が起きると、歯で舌を噛み切るかもしれないということから、口の中に箸を入れたりすると思いますが、犬が痙攣で舌を噛み切ることはほとんどないので、口の中に物をいれないようにしてください。もし噛まれたら、かなりの力で噛まれることになるので、とても危険です。

痙攣が始まると、おしっこをまき散らすこともあるので、ウェットティッシュやペットシーツを多めに準備しておいてください。

痙攣が始まったら、どれぐらいの時間発作が続いたか、時間をはかることも大切です。そんなに冷静にいられないと思うかもしれませんが、発作が起きたことで病院に電話すると、どれぐらいの時間発作が続いたか必ず聞かれます。

時間が長すぎると、即病院に連れて行かなければならないこともあるので、把握しておいてください。

さらに、発作後の行動にも注目しておきましょう。発作を起こしても、すぐにケロッとする場合もあれば、ダルそうにすることもあります。

発作は1度あると、また何度も繰り返してしまう可能性もあるため、発作を抑える薬を飲むこともあるでしょう。

できることなら、発作中の愛犬の様子をムービーで撮ることをおすすめします。

そのムービーを獣医師に見せることで、どんなふうに発作が起きているのかを獣医師が判断することができるからです。

実は私も、猫ではあるのですが、突発性の痙攣を発症した猫を飼っていたことがあります。

初めて発作を見た時は、ひどく焦ってしまったのですが、発作を止めることはできないので、いかに二次被害を防ぐかを考えて行動することが大切だということを思い知らされました。

私の場合は、発作が起きたときに、発作が原因でケガをしないように、フローリング全体にマットを引きました。おしっこをまき散らすこと多いので、マットは安くて、汚れた部分だけ取り外しができるものを選びました。

次に、いざ発作が始まったときは、マットの上であろうと、頭を激しく打ちつけてしまわないために、猫の頭の下に手を入れて、サポートするようにしていました。

発作中のムービーを撮ることで、獣医師から「こういうときはこうして」というアドバイスをもらうことができたので、ムービーは撮るようにしていました。

痙攣を起こしたときは、飼い主がどれだけ冷静になれるのかが、愛犬のためにもなるのです。

可愛い愛犬が小さな体を打ちつけている様子はとっても辛いものですが、とにかく冷静になることを心がけましょう。

2.3.食事による改善方法もある

水頭症には、食事療法もあるようです。食事は、利尿作用を促すものを与えるといいと言われています。

そのため、利尿作用が強い、はとむぎや小豆を与えてみましょう。はとむぎや小豆だけだと、食べない場合もあるので、「ドッグフード+はとむぎ」や、「ドッグフード+小豆」などのように、混ぜて与えます。

普段ご飯を手作りしている場合は、手作りフードの中にはとむぎや小豆をプラスさせるといいですね。

また、利尿作用を促すためのサプリメントを使用するのもおすすめと言われています。

このサプリメントは、病院でもらうことができるようなので、使ってみたい場合は、獣医師に相談してみましょう。

サプリメントを摂取させることで、他の栄養を補うことができる場合もあるため、健康を高めるためにもいいかもしれません。

水頭症になると、認知の症状が現れることもあります。実は認知症にもいいと言われている栄養素もあるので、取り入れるといいかもしれないですね。

認知症にいいのは、ビタミンE、ビタミンC、オメガ3脂肪酸、a-リポ酸、セレニウムなどの抗酸化作用があるものです。

抗酸化作用は、老化防止にいいと言われているので、認知症にもいいのかもしれません。

これらの栄養素を積極的に与えることが、愛犬にとっていいことなのかは、愛犬の体の状態によると思うので、獣医師に相談して、アドバイスをもらうようにしましょう。

3.まとめ

犬の水頭症について、紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

水頭症は完治することもなければ、様々な症状を引き起こし、寿命が縮まる恐れもある怖い病気です。

しかし、水頭症だからといって色んなことを諦める必要はありません。しっかり治療と向き合うことで、水頭症でも命を延ばしてあげることができるのです。

水頭症を患うことで、愛犬にとって不便になることはたくさんあるとは思いますが、愛犬が喜ぶことや楽しいと感じることをいっぱいしてあげて、愛犬と過ごす日々を悲しみだけにしないでくださいね。

きっと、愛犬に癒されることはたくさんありますし、愛犬のお世話をすることで、生きるということや、犬を飼うということの意味をしっかり理解することができるはずです。

水頭症の症状や治療法を理解し、1日でも長く愛犬が幸せでいられる時間を作ってあげましょう。
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