犬の心臓病がわかる!発症のサインや治療法と診断後のケア

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犬の心臓病を知っていますか?心筋症などの大きな病気です。どこかで聞いたことがあると思います。

心臓の病気は、初期症状がわかりづらく、完治することが難しく、悪くなれば死に至る恐ろしいものです。

そして、犬の心臓病は実に多くの犬がかかる身近な病気といえます。愛犬が闘病中で、心配している飼い主さんも多いです。

「うちの子は大丈夫」と思っていても、犬種によってはかなり高い確率でかかる病気です。

高齢になるほど、心臓病になる確率はさらに上がります。先天的に心臓に疾患があるワンちゃんもいます。

それでも正しい治療していけば、愛犬は今まで通りに長く一緒に暮らしていけます。

ここでは犬の心臓病について詳しく紹介していきます。

犬はしゃべれませんから、気づいた時にはかなり病気が進行していることがあります。

そうならないように、心臓病とはどういうものなのか、犬が心臓病にかかっているのかどうか、家でできる簡単なチェック法、看護の仕方も紹介しますので、ぜひ、参考にして、正しい知識で愛犬の健康を守ってください。

目次

.1.犬の心臓病ってどんなもの?
1.1.心臓の働きを知ろう
1.2.見逃さないで!心臓病発症のサイン
1.3.犬に多い2つの心臓病 

2.犬を病院に連れて行こう!
2.1.どんな検査をするの?
2.2.内服で負担をへらしてあげよう
2.3.手術も不可能ではない!?

3.心臓病と診断された!~愛犬のために家庭でできること~
3.1.食事も大切、食事療法について
3.2.指示通り飲ませよう、薬の投与
3.3.心臓に負担をかけないよう、できるだけ安静に
3.4.ストレスをためない生活環境

4.心臓病予防のために日頃から心がける3つのポイント

5.まとめ

1.犬の心臓病ってどんなもの?

心臓は怖い病気です。心臓病はすべての犬の10%~15%に起こると言われるほど高いものです。

現代の犬の死因のトップはガンです。2位は心不全などの心臓病が原因と思われるものです。ガンと心臓病で死因の60%を超えると言われています。

心臓は全身に血液を送る仕事をしている大切な臓器です。ポンプのように動いて血液を送り出し、全身に酸素と栄養素を供給しています。

巡った血液は心臓に戻ってきます。心臓は全身に血液をめぐらせるので、循環器ともいいます。

ポンプが故障すると、十分な血液を全身に送れなくなります。それが心臓病です。さまざまな症状が出ます。

1.1.心臓の働きを知ろう

心臓はポンプですので、正しいリズムで動いて、血液を送り続けなくてはいけません。

心臓の働きについて紹介します。

心臓の各部分の名称

心臓の内部は4つの部屋に分かれています、右心房、右心室、左心房、左心室です。

この4つの部屋に、血液は一定方向に流れていて、出入り口には血液が逆戻りしないように弁がついています。

血液を肺に送る血管を肺動脈、心臓から血液を送り出す血管を大動脈といいます。

血液の循環

全身をめぐってきた二酸化炭素の多い血液は右心房に入ります。

血液は右心房→右心室→肺動脈→肺に行き、肺で酸素を多く取り入れ一度、左心房へ戻ります。左心房→左心室→大動脈を通り、全身にめぐっていきます。

一連の働きがスムーズに行われなければなりません。どの弁が壊れても、どの部屋に異常が起きても心臓はきちんと働かなくなります。

1.2.見逃さないで!心臓病発症のサイン

心臓病は早期発見が望まれます。発症のサインを知っておくことも大切です。

犬の心臓病には、生まれつきの心臓病である先天性心疾患、小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症、大型犬に多い心筋症、感染によって起こるフィラリア症などがあります。

フィラリア症は、心臓に寄生する寄生虫、ファイリアが蚊を媒体して起こります。

感染するとフィラリアの成虫は、心臓の右心室や肺動脈に寄生します。

初期には症状がでませんが、進行すると咳が出たり、呼吸が荒くなったりします。

大動脈症候群という症状で死に至る場合があります。

フィラリア症は薬で予防することができます。暖かい時期は、蚊からの感染を予防する薬を飲ませていますね。

「心房中隔欠損症」は、生まれる前から左右の心房を隔てている壁、心房中隔の一部が欠けて穴が開き、そこから血液が逆流する病気です。

穴が大きくなると、心不全の症状がでます。

大型犬のドーベルマン、サモエド、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ボクサーなどがなりやすい犬種です。

心房中隔欠損症と似ている病気に、「心室中隔欠損症」があります。

右心室、左心室の間になる壁、心室中隔に穴が開いているため、左心室から右心室に血液が逆流してしまう病気です。

先天的な病気で、初期症状はありませんが、穴が大きくなると呼吸が荒くなる症状が出ます。

柴犬、シーズー、ダックスフンド、シェットランド・シープドッグ、シェパードなどがなりやすいです。

心房中隔欠損症、心室中隔欠損症は穴が大きくなれば、穴をふさぐ手術があります。

穴が小さければ、投薬によって定期的に様子をみながら進行を遅らせます。

心臓を保護する膜と、心房の間に心膜液と呼ばれる液体が溜まっています。

この心膜液が何らかの影響で多量になってしまう病気が「心膜液(水)貯留」です。心房内の圧力があがり、呼吸困難などになります。

心膜腔内の圧力が、心臓の拡張する圧力を上回った状態になると「心タンポナーデ」という病気です。心臓が弱まり右心室不全の原因になります。

日ごろから飼い主さんが愛犬の様子を観察してください。チェック項目は次の通りです。

  • 呼吸の仕方はどうか。(荒い、早い、苦しそう、早かったり遅かったりする)
  • 咳が出るか(最近咳をしだした、何か詰まったような咳がある、痰がでる)
  • 運動が嫌いになった(だるそうにしている、散歩でハアハアしている、運動後に呼吸が荒い)
  • 心拍はどうか(脈拍が早い、遅い、不整脈がある)
  • 食欲はあるか(食欲不振、吐き気、排泄はあるか)
  • 歩き方はどうか(痛がっているようすがある、後ろ足をチェックする)
  • 舌の色はどうか(紫色になっていたら注意です)

というようなことを見ます。同じような症状でほかの病気もあります。

犬の様子を見て、当てはまるようなら動物病院で一度、検査を受けておきましょう。

犬の心拍は、小型犬なら胸に手を当てて、大型犬は胸に耳を当てればよくわかります。

病気が進むと、素人でも不整脈であることがわかるようになります。

1.3.犬に多い2つの心臓病

僧帽弁閉鎖不全症

高齢の小型犬に多い病気です。チワワ、マルチーズ、シーズー、キャバリア、ヨークシャテリアなどです。キャバリアは若くても発症率が高いです。

心臓の左心房と左心室の間にあるのが僧帽弁です。血液を送るために、弁の開け閉めを繰り返し、血液が逆流しないような働きをしています。

この僧帽弁が何らかの原因で、完全に閉じなくなってしまう病気です。

左心室から左心房に向かって血液が逆流してしまうため、体に十分な血液を送ることが出来なくなります。

このため酸素を多く取り込めず、循環不全が起こります。

初期の段階では症状がなく、進行すると咳をしたり、運動を嫌がったりします。

激しい運動などで倒れてしまうこともあります。

重症になると肺に水がたまる肺水腫、呼吸困難のために舌が紫色になるチアノーゼなどの症状を起こします。

僧帽弁閉鎖不全症には、病気の進み具体がわかりやすいようにグレード分けがされています。参考にしてください。

グレード1

獣医師にはわかりますが、普段の生活からはわからない程度です。

グレード2

左心室の拡大があって、レントゲンで観察します。

グレード3

特徴のある咳が出ます。散歩中に息が荒くなり、歩かなくなることがあります。

グレード4

咳がずっと出ていて、ほとんど動こうとしません。食欲不振、呼吸困難の症状があります。失神することもあります。

犬は具合が少しぐらい悪くても元気にしています。症状がほとんどないグレード2ぐらいまではわからないので、発見が遅れがちです。

どうしてこの病気にかかるかの、原因は不明です。

治療は投薬が主です。血管拡張剤、利尿剤、強心剤などを使用します。

咳の緩和のために気管支を拡張する薬や、抗生物質、酸素吸入などを行うこともあります。

心不全は、心臓が弱って、全身に十分な血液の量を送ることができなくなった状態です。

場合によっては突然死を招くこともあります。進行すると呼吸困難、失神、舌や歯茎が紫色になるチアノーゼの症状がでます。

高齢になるほど心肺停止などの危険性は高くなります。

心筋症

心臓の筋肉である「心筋」が何らかの原因で厚くなったり、薄くなったりの異常を起こす病気です。心臓の働きが弱くなってしまいます。

心筋が厚く大きくなるのが、拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症です。

犬には拡張型心筋症が多いです。肥大型心筋症、拘束型心筋症は猫に多く見られます。

「拡張型心筋症」は心筋が薄く伸びた状態になります。

収縮力がないので、血液がうまく循環ができなくなります。

なりやすい犬種は、大型犬に多いです。ドーベルマン、ダルメシアン、グレート・デン、セント・バーナードなどです。

中型犬ですがアメリカン・コッカー・スパニエルなどのスパニエル種も発症しやすいです。

オスに多く見られます。高齢になると発症率があがります。遺伝性の要因があることが考えられます。

「肥大型心筋症」は、心筋が厚く心臓の内腔が狭くなる病気です。

猫がかかることが多く、犬では稀に、ジャーマン・シェパードやドーベルマンなどがかかるようです。

心筋症の主な症状は、食欲低下、体重の減少、運動を嫌がる、元気がないなどです。

心筋症は、心臓の中に血栓(血の塊)ができやすくなります。

血栓は血流にのって、後ろ足に根元の血管で詰まることが多くあります。

後ろ足の麻痺につながり、痛みを伴うこともあります。痛がり前足だけで歩いたりします。

血栓は血管のどこで起こり、詰まるかによって恐ろしい結果につながります。

ショック症状になる場合もありますので、早めの治療が必要です。

循環がよくないために肺に水が溜まる肺水腫などにもなりやすくなります。腹水がたまることもあります。

主な治療は投薬です。心筋症そのものの治療は出来ませんが、血管拡張剤や強心剤を使って、血液の循環を助けます。

症状がでている場合、それに合わせて治療していきます。

血栓がある場合は、血栓を溶かす薬を使ったり、外科的処置で血栓を取り除いたりします。

肺水腫を起こしている場合は利尿剤で、水分を排出します。咳がひどくなった場合は、ニトロと言われる

どちらも予防することが難しい病気です。早期発見、早期治療が望まれます。

愛犬の運動時の様子や呼吸を見て、疲れやすい、咳が出るなどがあったら、動物病院に連れていきましょう。
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2.犬を病院に連れて行こう!

心臓病は動物病院で診てもらい、治療をしていくほか手だてはありません。

不調があるようなら、すぐに動物病院で検査をしてもらいましょう。

心臓病は先天性に心臓に奇形がある場合もありますし、老犬になれば、なりやすい病気です。

初期には症状がほとんどでないので、発見された時はかなり進んでいるということもあります。

心臓病と判断されたら、それ以降、動物病院にはずっとお世話になることになります。

なんでも相談できる信頼できるホームドクターがいると安心です。

2.1.どんな検査をするの?

動物病院では、心臓病の疑いがある場合、さまざまな検査をします。

聴診器

音を聞いて雑音の有無を調べます。

心電図

心臓の動きを記録します。

レントゲン

心臓の形や肥大していないかなどをみます。

超音波

心臓の血液の流れ、壁の厚さなどの状態をみます。

血液検査

心不全によって起こる肝臓や腎臓の機能の低下や、多血症になっていないかを調べる。

血圧測定

血圧の変化をみる。心臓の薬は血圧に下げたりするものがあるので、血圧の変化をみる。

心臓病だけではありませんが、犬の治療費は結構かかります。

治療費は動物病院によって異なりますが、大体の相場を紹介します。

検査の料金は1回当たりを表示しました。

検査は毎回行うものではありませんが、心臓病は定期的な検査が必要です。

  • 心電図:5000円~8000円
  • 血液検査:6000円~10000円
  • 胸部レントゲン:4000~6000円
  • エコー検査:4000円~6000円

このほかに診察料や薬代がかかります。

どんな治療法があるの?

心臓病は、症状が出始めたら投薬による治療を始めていくのが一般的です。

薬で血圧を下げたり、心臓の肥大を抑えたりします。外科手術による治療もあります。

適切な投薬治療でも、進行していく病気です。時間の経過とともに病気の状態は変っていきます。

定期的に心臓の状態や病気の進行をチェックし、今の治療法を続けていいのかを診てもらいます。

病気が進行してくると、急変してすぐに獣医師に診てもらいたいことがあるかもしれません。

緊急時にはどうしたらいいのかも相談しておくことをおすすめします。

また、自宅で出来る対処法や聞いておくのも大切です。

夜間でも救急で診てもらえるところを教えてもらっているだけで安心できます。

2.2.内服で負担をへらしてあげよう

処方される薬の種類を紹介します。()内は副作用の症状。

ACE阻害薬

僧帽弁閉鎖不全症の治療で多く使われている薬です。

心臓の負担を減らすために、血管を拡張して血圧をさげる薬です。心臓の筋肉を保護します。(副作用は少ない)

利尿剤

尿を多く出して、体内の水分を減らします。水分が減ると血液量も減り、心臓は血液を送りやすくなります。肺水腫のときにも使われます。(脱水症状になる)

強心剤

心臓の動きが弱くなった時に、心筋を援助するために、心臓のポンプの働きを助ける。ピモベンダン、ジゴキシンなどが主に使われています。(下痢、食欲不振など)

血管拡張薬

ACE阻害薬以外で血管を拡張し、血圧を下げる薬。心臓に負担をかけないようにするために、さまざまな種類を組み合わせて使用します。

咳がひどくなった場合などに、発作を抑えるニトログリセリンと言われる薬があります。(低血圧による鬱)

β遮断薬

不整脈を少なくする、早すぎる心拍数をゆっくりさせます。(めまい)心臓病は完治が難しいので、薬を飲んで症状を緩和するしかありません。

心臓のための内服薬は月に15000円~20000円ほどかかります。これは生涯飲み続ける必要があります。

心臓病は定期的な検査が必要で月に25000円~40000円ほどかかると言われます。

入院になるとプラス月30000円~60000円ほどです。

心臓病用のドッグフードは月に5000円~7000円ほどです。

いずれも人間のように保険がありませんので、高額です。ペット保険に加入しているかどうかでも違います。

2.3.手術も不可能ではない!?

最近は心臓病の外科手術が可能になりました。

手術は心臓を塗って弁の開閉をよくする、人工弁にかえてしまい、弁の改善を図ります。

心臓を止めて行う大掛かりな手術ですので、危険性は高いです。

手術が成功すると、薬だけの治療よりも効果は高いです。元気に走り回れるようになるかもしれません。

手術が出来るのはまだ、ごく一部の動物病院に限られています。入院、検査、手術と費用も高額で120万円~200万円くらいかかります。

術後は合併症が心配です。定期的な検査などを受けていくことになります。

完治してそのまま元気になるワンちゃんもいますし、引き続き、強心剤などの薬を飲み続けなくてはいけない犬もいます。

3.心臓病と診断された!~愛犬のために家庭でできること~

愛犬が心臓病と診断されたら、家での生活も大切になります。

少しでも元気な日々が続けられるようにしていきましょう。

これまで通りでいいのですが、食事や投薬などには気を付けなくてはいけないことが増えていきます。

初期症状なのか、進んでいるのかによっても異なります。

咳が出たり、嘔吐したりすることもありますが、家族ですのでしっかり看護していきましょう。

3.1.食事も大切、食事療法について

心臓病と診断されたら、食事での栄養も工夫が必要です。

心臓の負担を減らすためには、肥満は大敵です。

運動制限があるワンちゃんは、特にカロリーを気にした食事を心掛けます。抵抗力も大切ですので、体重を落とす必要はありません。

基礎体力が落ちてしまいます。こまめに体重と筋肉量をチェックして、肥満にならないようにします。

ウイルスが心臓に入らないように口腔内疾患にも気を付けます。

段階的にナトリウムを減らしましょう

塩分の多い食事は心臓の負担になります。

フードをきちんとあげて、人間の食べるものをあげないようにしてください。

人間の食べるものは、犬には塩分が多い物ばかりです。

特にウインナー、ハムなどの加工品、かまぼこなどの練り物、パンに多いです。

欲しがるからと、あげていると、止めさせるのが大変です。

病気の悪化につながってしまいます。

塩分、脂肪を控えた心臓病用のドッグフードがあります。

心臓病の進行具合の寄っては、塩分制限しないほうがよい場合もあります。

塩分の少ない低ナトリウム食などもありますので、動物病院で相談してください。

栄養成分(タウリン・カルニチン)を配合しましょう

心臓の働きをサポートする成分、タウリンやカルニチンは体内で合成される物質ですが、高齢の犬は不足しがちです。

栄養成分タウリンが足りないと、拡張性心筋症になりやすいことがわかっています。

タウリンはマグロ、牛肉、鶏肉、ラム肉などに含まれています。

カルニチンは牛肉やラム肉などの赤身肉などに多く含まれています。フードに加えてあげるのもいいです。

心臓病のサプリメントとして、コエンザイムQ10、カルチニン、タウリンなどが販売されています。

コエンザイムQ10には、不整脈や低血圧を改善する成分があるそうです。

サプリメントで栄養を補充するのもいいです。品質を重視して選びます。

タンパク質とカロリーを十分に含む食事を与えましょう

心臓は休みなく動き続ける臓器ですので、エネルギー供給が必要です。

太りすぎは心臓の負担になりますが、十分な栄養は必要です。

肉類にはタンパク質も豊富です。十分な栄養とカロリーを与えてください。

病気からの食欲不振で痩せてしまうワンちゃんもいます。

3.2.指示通り飲ませよう、薬の投与

薬は心臓への負担を少なくしたり、症状を緩和したりするために重要です。

獣医師の指示通りに飲ませてください。

元気そうに見えるからと、薬を止めたり、休んだりしていると、心臓への負担が大きくなり、病気の悪化につながります。

飼い主さんは「嫌がるから今日はいいや」と思わず、愛犬の健康を守るために、投薬を続けてください。

毎日のことですから、犬が嫌がり、毎日追いかけっこをしていては大変です。

リラックスして、犬を「おすわり」で落ち着かせて飲ませましょう。

薬は錠剤、カプセル、粉薬などいろいろあります。飲ませやすいものにしたいです。

「錠剤は食事に混ぜても吐き出す」「粉は難しい」などが出てきますので、獣医師と相談して、愛犬に合ったものにします。

錠剤やカプセルなどは、犬の口に開けさせて薬を飲ませる方法があります。

上を向かせて上あごを持って口を開かせ、なるべく口の奥に錠剤を入れます。

すぐに口を閉じて上を向かせて、喉を撫でてあげます。

普段から嫌がらないように口の回りに触れるようにしておくことや、鼻を押さえないようにします。

食べ物に包んでしまう方法もあります。茹でたサツマ芋やカボチャ、パン、チーズ、好きなおやつなどです。カプセルが見えないように、間に挟んだり、丸く包んだりします。

1回では吐き出してしまうことがあるので、最初は本当のおやつやパンを上げて信用させ、次にあげるなど工夫してください。

粉薬や液剤はいつものフードや、肉や野菜などの手作りフードに混ぜてわからないようにして与えます。

苦い物などは気づいてしまい、食事を食べなくなってしまうことがあります。

このような場合は、食事以外の好きな物に混ぜます。

粉薬を水やぬるま湯に解いて、スポイトや注射器に入れます。

犬の口の横側、犬歯の後ろ側から差し込んで投薬します。

量が少ないとそのまま飲んでしまいます。飲みにくそうなら、すぐに鼻先をあげて飲み込ませます。

薬は数に余裕を持ってもらっておくといいです。

急な用事で動物病院に薬を取りにいけないこともあります。自然災害があるかもしれません。

「明日の分の薬がない」というのでは心配です。

心臓病は生涯、薬を飲むことになります。食事と同じように、用意できるように、そしてそれが飼い主さんと犬に負担にならないようにします。

保管も夏場は冷蔵庫がいいなど、薬によって違います。かかりつけの獣医師に相談してください。

3.3.心臓に負担をかけないよう、できるだけ安静に

心臓病の進み具合にもよりますが、出来るだけ穏やかに、心臓に負担をかけないように生活することが望まれます。

散歩が大好きな犬でも、激しい運動は心臓に負担をかけるので、長い散歩や走り回るのは止めます。

激しく興奮するのも心臓に負担をかけますので、散歩中に、ほかの犬とトラブルにならないようにします。

温度によっても負担が増えます。咳こまないよう気温の管理も大切です。

特に真夏の暑さは心臓への負担が大きいです。

犬種によっては暑さが苦手な犬もいますので、心臓病のワンちゃんにはさらに注意が必要です。

家の中にいるだけで、ハアハアと暑そうにしている状態は、心臓に負担をかけています。

真夏はエアコンをかけたままにして出かける、ペット用の冷たいシートを敷くなどの対策をしてあげてください。

真冬も急激な温度の差が心臓に負担をかけます。暖かいところから、寒いところに散歩に出る際は注意をしてください。

犬種にもよりますが、短毛で寒いのが苦手な犬には、防寒着や毛布などで対策をしてください。

3.4.ストレスをためない生活環境

心臓病のワンちゃんには、ストレスをかけない生活をさせたいです。

散歩が好きな犬には、息が上がらない程度に外に出して、歩かせてあげましょう。

散歩から帰ったらぐったりしている、などの症状があったら、獣医師に相談してください。

シャンプーやカットもストレスになる場合があります。

シャンプーする間、ずっと立ったままの姿勢だったり、湿度が高い中にずっといたりすることが心臓の負担になります。

具合が悪くなる場合があります。シャンプーは最小限にします。必要ならふき取り式のシャンプーもあります。

汚れた場合は、なるべく負担がかからないように、25度ぐらいのぬるめのお湯にして、短時間で洗います。

蒸気を吸い込ませないように工夫してください。

ドライヤーなども、低めの温度で手早く済ませる、タオルドライなどで工夫します。

散歩の時に洋服を着せると、お腹などの汚れが少なくてすみます。

心臓病のワンちゃんはとても多いので、サロンなどで相談に乗ってもらえるところが数多くあります。

病気の犬は、自信がないのでお断りというところもあります。理解あるサロンを選ぶことが大切です。

病気が進行してくると、散歩も難しくなっていきます。

外でしか排泄しない犬は、トイレを室内でできるようにしておきます。

寝たきりになった時、犬を抱っこして、庭や外に出して排泄させるのは、大型犬や夜間は大変です。

トイレのしつけは時間がかかります。シートの上におしっこをつけておいて、場所を教えます。

ソワソワとトイレに行きたそうにしていたら「ここだよ」と教えてください。

シートの上にできたら、大げさに褒めて、おやつをあげてください。

飼い主さんが、犬のストレスになっていることもあります。

病気を心配して、犬の毎日を楽しくないものにしているかもしれません。飼い主さんの心配や不安に、犬は敏感に反応します。

あまり神経質にならず、愛犬との毎日を前向きに楽しんでください。「病気なんだ」ということは、心の片隅に留めて、普通に暮らしてください。
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4.心臓病予防のために日頃から心がける3つのポイント

心臓病は、高齢になるほど、かかる率が高くなります。

定期検診を受けて、早期発見することが大切です。

  • 定期検診を受けましょう元気な愛犬でも、定期検診を受けておきましょう。もちろん、不整脈などと獣医師に言われた場合は、定期的に受診します。定期検診は若い犬は1年に1度ぐらいでいいですが、犬も7歳になると、人間では50歳ほどになります。病気の兆候を見逃さないためにも、3か月に1度は受診することをおすすめします。
  • フィラリア予防の投薬を忘れずに暖かい季節になったら、フィラリア予防の薬を飲ませましょう。1か月に1度の飲み薬で防げる病気です。住んでいる地域にもよりますが、真夏だけではなく、春から秋まできっちり、投薬していくことが予防につながります。
  • 適量な食事と適度な運動で健康的な生活を散歩などの運動と、バランスのとれた適量の食事が、犬の健康を守ります。心臓病になっても、薬をきちんと飲み、食事などに気を配れば長く生きられます。飼い主さんは、犬のストレスを取り除いてあげてください。病気が進み、苦しそうなら、飼い主さんがやさしく撫でてあげ、側にいてあげてください。撫でてあげるのも大切な看護です。

5.まとめ

犬の心臓病について紹介しました。

高齢になると多くの犬がかかる病気です。心臓病は完治することが難しいので、早期発見、早期治療するしかありません。

定期的な健康診断を受けるとともに、家でも犬の様子や呼吸の変化をみておきましょう。

犬の人生の長さを考えると、人間の1年は、犬の5~8年に値します。それだけに、こまめな定期検診が大切です。

心臓病にかかったら、飼い主さんは正しい知識を持って、かわいい愛犬が少しでも元気な毎日を続けられるようにしていきたいですね。

薬を飲み続けるのは、犬も飼い主さんも大変です。負担が大きくならないように、薬をうまく飲ませる方法を早く見つけていきましょう。

1日でも長く元気でいて欲しいと思うものです。「いつまで、元気でいられるんだろう」と不安になってしまうこともありますが、「今日も犬と楽しくやろう」と前向きに、愛犬と接してください。
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