犬の食事のしつけがうまくいく!しつけの重要性と失敗しないしつけ方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

愛犬を飼い始めてすぐは、厳しくしつける必要はないのではないか、もっとたくさん可愛がりたい!とつい思ってしまいますよね。

もちろん必要以上に厳しくする必要はありませんが、子犬の頃からしっかりとしつけをすることは、飼い主と愛犬が心地よく過ごすために大切なことです。

今回はしつけの中でも「食事」に関するしつけについてご紹介いたします。当たり前のことですが、食事を与えるのは毎日やることですから、きちんとしつけをして愛犬の栄養を管理できるようにしましょう!

 目次

1.犬に食事のしつけをする意味とその大切さ
1.1.拾い食いの予防になる
1.2.人間の食事をねだらなくなる
1.3.飼い主がリーダーだと思わせる習慣づけになる

2.子犬に食事のしつけはいつから始めるべき?
2.1.食事のしつけは生後2ヶ月から
2.2.大切なのは信頼関係を築くこと

3.基本的な食事のしつけに必要なものと考え方
3.1.食事のしつけに必要な3つの考え方
3.1.1.いつでも食べられると思わせないこと
3.1.2.飼い主の食事中は相手にせず、食後にエサをあげる
3.1.3.適正な食事量から25%減らす
3.2.実際の食事のしつけの流れ
3.2.1.リードを使っておあずけ状態にする
3.2.2.おうかがいを立てるようになったら「待て」をする
3.2.3.リードなしで同じように行ってみる
3.3.うまくいかない場合は飼い主の手からエサを与える
3.4.反対に食欲のない犬はどうしたらいいのか

4.犬が食事中に攻撃行動(唸る・吠えるなど)を取る原因とそのしつけ
4.1.犬は獲物を守る習性があることを理解する
4.2.犬の食事中の攻撃行動を減らす社会化のしつけ方
4.2.1.マズルコントロール
4.2.2.タイムアウトを使う
4.2.3.唸るときのトレーニング
4.2.4.人の手は気持ちのよいものだと思ってもらう

5.まとめ

 

1.犬に食事のしつけをする意味とその大切さ

可愛くてしかたのない愛犬に食べ物をねだられたら、喜ぶ姿をみたいあまりに、ついエサやおやつをあげたくなるものです。

つぶらな瞳でねだられたら人間の食事でも一口あげたくなりますし、エサも多くあげたくなったり、いつもの時間より早く用意したりすることもあるでしょう。

ですが、犬は食いしん坊な動物です。与えられれば与えられただけ食べますし、一気に平らげてしまいます。子犬の頃から、しっかりと食事の時間や量を決めて、飼い主がリズムを整えてあげることが大切です。

1.1.拾い食いの予防になる

食いしん坊な犬は、散歩のときになんでも食べてしまう危険性があります。小石やビニール袋、煙草の吸殻や腐った食べ物でも口にすることがあるのです。

カビなども気にせずに食べてしまうので、しつけが出来ていなければゴミ捨て場をあさることもあります。

そのようなものを口にして危険が及ぶのは、犬自身です。しつけをしていれば、拾い食いをする前に、飼い主の様子をうかがうというワンクッションを置くことができます。

犬がこちらを見たときに「ダメだよ」と教えてあげれば、拾い食いの危険を回避することができるのです。

1.2.人間の食事をねだらなくなる

愛犬の健康に関心の高い方であればご存知だと思いますが、犬には食べさせてはいけない食べ物があります。

鳥の骨、エビ、カニ、いか、たこ、貝類、ほうれん草などのアクの強い野菜、たまねぎ、たけのこなどは、犬に与えると健康に害を及ぼすので与えてはいけません。

これらの食事をほんの一口だからと与えるのは、犬にとっては命取りです。愛犬の健康を守れるのは飼い主なのです。また、人間の食事は、犬にとって塩分や糖分が多すぎますし、人間の一口でも犬にとって丼いっぱいの量に値することもあります。

初めからしつけていれば、ねだっても人間の食事はもらえないとわかるので、ついあげてしまうという事態を避けられます。

1.3.飼い主がリーダーだと思わせる習慣づけになる

食事のしつけは、子犬の頃から行うのがおすすめです。食事は毎日のことですし、ごはんをもらえるというのは犬にとって大きなご褒美になります。

「待て」といってごはんを食べられない瞬間があっても、待たないと食べられないなら待つようになります。犬の覚えも早いといえるでしょう。

犬にとっては、リーダーに従うことは当たり前のことなので、この習性を活かさない手はありません。成犬になると覚えが悪くなるので、子犬として我が家に迎え入れたその日からしつけを開始しましょう。
[article-CTA-h2-no2]

2.子犬に食事のしつけはいつから始めるべき?

2.1.食事のしつけは生後2ヶ月から

生後1ヶ月の犬は、人間と同じく赤ちゃんですが、生後3ヶ月だと人間の5歳にあたります。犬は生後3週間〜3ヶ月の間に「社会期」と呼ばれる時期があります。

人間の子供が、赤ちゃんから保育園や幼稚園で、家族以外の人たちと関わりあって生きていくのと同じように、犬が犬以外の動物との接し方を学ぶ時期です。

社会期はしつけやすい時期なので、生後2ヶ月ごろから少しずつ「待て」や「おすわり」などの服従訓練を行うのがよいとされています。

しつけやすいというのは、犬がしつけを抵抗なく覚えようとしてくれるということで、生後4ヶ月までにはすべてのしつけを教えておくとよいでしょう。

ただし、しつけと芸を混同しないでください。芸は「お手」や、投げたオモチャを取ってくるなどの行動のことです。

社会期には、芸ではなくしつけを中心に教えてあげるようにし、飼い主と犬が快適に過ごせる環境づくりを行ってあげてください。

また、しつけを早く始めたいとしても、社会期を過ぎて少し大きくなった子犬を飼ったとしても、飼い初めはしつけを急がず、1週間は家に慣らすことを優先にして過ごさせてあげましょう。

家に慣れたと思えた段階で、初めてしつけを少しずつ開始するようにしましょう。

2.2.大切なのは信頼関係を築くこと

子犬の頃からしつけを行うことで、愛犬とのしっかりとした信頼関係を築くことができます。信頼関係を築く上で一番大切なのは、飼い主がリーダーになることです。さらに言えば、犬からリーダーだと認めてもらうことです。

犬が飼い主のことをリーダーだと思えなければ、自分がしっかりしてリーダーシップをとっていかなければならないと思い、責任感が芽生えて周囲を警戒し始めます。

すると、過度なストレスがかかって、リラックスする時間がなくなっていくのです。飼い主がリーダーシップをとっていくことは、犬を精神的に安心させてあげることにつながります。

犬は飼い主を「強い」と感じたときに、信頼できるリーダーだと認めます。

犬がいつ飼い主を「強い」と感じるのかといえば、ごはんの前に「待て」と言って制止したときや、机の上に登ろうとして止められたとき、どうしたらいいかわからない不安なときにリードしてくれたときなどです。

強く叱ることや大声を出すことが、強さなのではありません。毅然とした態度で自分を導いてくれる姿が、犬の目には強いリーダーとして映ります。

食事を与えてくれる人は、嬉しいことをしてくれる好きな人として認識しますが、食事を与え、さらにリーダーシップをとってくれる人は信頼の置ける人と認識してくれるのです。

信頼できる飼い主にリーダーを任せられるからこそ、犬は守られている安心感を得られ、落ち着いた穏やかな性格に育っていきます。まずは、食事のときに「待て」「伏せ」などの服従訓練を行うことで、強いリーダーだと認識してもらいましょう。

3.基本的な食事のしつけに必要なものと考え方

食事のしつけには準備が必要です。しつけをするときに必要になるものと、考え方についてまとめましたので、是非参考にしてください。

3.1.食事のしつけに必要な3つの考え方

食事のしつけをする際に必要な考え方を3つのポイントに絞ってご紹介いたします。

3.1.1.いつでも食べられると思わせないこと

犬が家にやってきた始めの頃は、慣れない環境が不安でエサを食べなかったり、初めてのエサを怖がって食べなかったりします。それを心配しすぎて、エサをいつでも食べられるように置きっぱなしにするのはいけません。

 

いつでも食べられるなら焦って食べる必要がないので、決まった時間に食べなくなります。

決まった時間にエサを与えないのが習慣になれば、飼い主に従う必要もなくなり主従関係が崩れてしまうのです。

エサを食べる気配がなければ、すぐ片付けてしまうようにしましょう。一度食事を抜いたくらいでは、不健康になったりしません。

3.1.2.飼い主の食事中は相手にせず、食後にエサをあげる

食事中に人間の食べ物をねだられても、一切与えないようにします。

そうすることで、犬にとって有害な食べ物を口にする危険性が減りますし、飼い主のリーダーシップを見せるチャンスとなります。

飼い主の食事中に相手にされなければ、次第に犬自身も、食べ物をねだることすらしなくなるでしょう。

また、犬は群れのリーダーの食事が終わってから、下位の犬が食事する習性があります。飼い主が犬より先に食事をするということは、立場が上だと認識させることになります。

犬が鳴いて求めるからといって先に食事を与えてしまうと、飼い主が立場が下だと示しているようなものです。

犬の要求に簡単に応えないことも、飼い主が上の立場だと認識させることにつながるので、毅然とした態度で飼い主の食後にエサをあげましょう。

その時もし犬が吠えていたら、大人しくなってからエサをあげるようにします。吠えているときにエサをあげると、吠えたことで要求に応えてもらえたと思い、吠える癖がついてしまうからです。

大人しく待っていたから、エサがもらえたんだと思わせるようにしてください。もし、食事中に吠え続けられるのに耐えられなくなったら、お気に入りのおもちゃで誘導して、別の部屋で待っていてもらうのも有効な手段です。

3.1.3.適正な食事量から25%減らす

適正な食事量から25%減らしてエサを与えると、犬が長生きすることにつながります。ドッグフードの袋などに表示してある食事の適正量は、犬が満腹になる食事量ということです。

毎回の食事を満腹にするよりも、25%程度少なめにして腹8分目の状態でいることのほうが、犬の長寿につながるとのデータがあります。

また、しつけの際にご褒美としておやつを与えることが多いと思いますが、食事量を25%減らしていれば、おやつを与えても適正な食事量の範囲でおさまるようになります。

ご褒美のおやつで肥満になってしまっては、しつけのデメリットが生まれてしまいます。この方法なら犬の肥満を予防でき、長寿につながるのでおすすめです。

3.2.実際の食事のしつけの流れ

基本的には、「待て」をしてから食事を与えます。ですが「待て」を覚えるためには、飼い主に「おうかがいを立てる」ことが必要です

。子犬は初めからは、「おうかがいを立てる」ことはできません。エサを目の前にして、どのように飼い主の方に視線を送れるようになるのでしょうか。

3.2.1.リードを使っておあずけ状態にする

まず、犬をリードで固定してから、届かないところにエサを置きます。しばらくこの状態で様子を見るのです。

初めは必死にエサを食べようとするでしょうが、頑張っても食べられないとわかると、諦めて大人しくなります。そこで、次の段階に進みます。

食事のしつけにリードを使うというのは、あまり思いつかないかもしれません。ですが、リードを使うことによって、エサにがっつくと首がしまって苦しいという罰が下ることになります。

すると、エサを必死に食べようとしても無駄だ、いい事がないと学習していきます。どうすれば目の前のエサを食べられるのかと思ったときに、犬は飼い主の方をみて「おうかがいを立てる」ようになるのです。

3.2.2.おうかがいを立てるようになったら「待て」をする

犬が、飼い主に視線を送ってくるようになったら、「待て」と指示しましょう。

初めは一呼吸待てれば十分です。待つことができれば、「いい子」などと一言褒めて、食事ではなくご褒美をあげます。ご褒美は、食事のドッグフード一粒でもいいですし、おやつ一欠でもいいです。

食事をあげる前に、「待て→いい子→ご褒美」を5回ほど繰り返します。それが出来たら「よし」のかけ声とともにエサをあげましょう。褒め言葉やかけ声は、家族間で統一し犬が混乱しないようにしてください。

また、犬の集中力は10〜15分程度なので、これらのしつけを15分以上行わないようにしましょう。出来ないようであれば、その段階でしつけを中止して次回や翌日に持ち越すようにしてください。

しつこくしつけようとすると、犬にとってしつけや食事の時間が不快なことになってしまうので、やり過ぎないように気をつけましょう。

3.2.3.リードなしで同じように行ってみる

エサにがっつくことなく、飼い主におうかがいを立ててしっかり待てるようになったら、リードを外して同じことを行ってみましょう。

この状態は、エサを必死に食べようとするよりも、飼い主の指示に従ったほうが、疲れずにエサを食べられると認識したということです。

リードなしで同じことができたら、もう心配ありません。出来ないようであれば、またリードをつけて同じようにしつけてみましょう。

3.3.うまくいかない場合は飼い主の手からエサを与える

犬がエサにすぐ飛びついてしまう場合は、リードを使うことで待つ訓練ができます。しかし、飼い主の食事が落ちたときや、散歩していて腐ったものが落ちていたときなどに、拾い食いをしない訓練は少し難易度が上がります。

拾い食い防止には、犬の大好物を使うのが効果的です。レバーやチーズなどは犬が好んで食べるおやつです。

リードを犬につけてから、それを床においてみて犬の様子を伺います。犬が一目散に食べようと向かっていったら、リードをしっかり握って、好物に届かないようにします。

食べたくて仕方ないという状態がおさまって、飼い主におうかがいを立ててきたら、すぐにご褒美をあげましょう。

そうすることで、いくら食べ物が落ちていても、飼い主の手から出ないと美味しいものは食べられないのだと思わせることができます。この方法はかなり有効です。

3.4.反対に食欲のない犬はどうしたらいいのか

生まれたときから特に小さいわけでもなく、体が弱いわけでもないのに食欲がない犬は、野生のように飢える心配がないので、美味しいエサばかりを好むようになった可能性があります。

子犬の頃から、そのような状態になることはなく、飼い主が犬の要求を聞きすぎたために、贅沢な嗜好になってしまったからでしょう。

生まれたときから体が細くて小さい犬の場合は、野生であれば生き抜く事の出来なかったようなタイプの犬です。体質的に弱いながらもペットとしての生活であれば、生きることができるということです。

成犬の場合は基本的に朝晩1日2回の食事ですが、弱い体質の犬の場合は、一気に多くの量を食べてしまうと、消化できないことが多いので、1日の食事を3~4回に分けると食べてくれるようになるでしょう。
[article-CTA-h2-no2]

4.犬が食事中に攻撃行動(唸る・吠えるなど)を取る原因とそのしつけ

4.1.犬は獲物を守る習性があることを理解する

ライオンのような強い動物は、ゆったり食事をしていても横取りされる心配はほとんどありません。

ですが、犬の祖先である狼はライオンほど強くはないので、いつ獲物を横取りされるかわからない状態にありました。

獲物を取られないように吠えて威嚇する習性や、一気に獲物を丸呑みして、安全なところに着いてから吐き出して食べるなどの習性が、犬には残されています。

また、犬は昔から人間とパートナーとして暮らしていたので、危険を察知すると吠えて人間に知らせていました。牧羊犬のように吠えて羊などを追い立てたり、狩猟を手伝うために獲物を吠えて追い込んだりもしていたのです。

ですから、犬は本来吠えるのが仕事なのです。その点を理解してあげるだけで、飼い主が吠えることを気にしすぎずに済みます。

現代は、近隣の迷惑にならないように気遣う必要がありますし、犬に吠えられることに慣れていない人もいるので、飼い主としては吠えることが少ないと助かります。他者とのトラブルを未然に防ぐためにも、普段からのしつけが重要になってきます。

4.2.犬の食事中の攻撃行動を減らす社会化のしつけ方

4.2.1.マズルコントロール

マズルとは犬の鼻のことで、マズルコントロールとは飼い主が犬の鼻先を軽くつかんんで、落ち着くように訓練するとうことです。

マズルコントロールを使えば、噛み癖や吠え癖を改善していくこと、歯磨きなどのお手入れがしやすくなること、犬が興奮したときに落ち着かせられるなどのメリットがあります。

マズルコントロールは、もともと母犬が子犬にしている教育の一つで、子犬の口先を母犬の口にパクっと軽く含むという行動です。

母犬は強いので、子犬をしっかり守れるから安心して従うように教えています。飼い主との信頼関係をつくるために使う方法なので、罰として使わないようにしましょう。

子犬の頃は、上顎に1秒指を添えるところから始めます。そして、すぐ褒めてあげてください。嫌がる暇もないくらいから始めて、2秒、3秒と時間をのばしていきます。

鼻先に手がくるといい事があると認識してくれれば、もう大丈夫です。普段から頭をなでてあげる延長で、鼻先をやさしく手でつつむことも嫌がらなくなります。

犬は言葉を話せませんし、手も使えないので口や鼻先はとても重要な場所です。

この部分を自由に触らせるということは、飼い主に対する絶対的な服従を意味します。絶対的に服従している飼い主のいいつけなら、興奮しても落ち着くことができるようになるので、子犬の頃から慣れさせておくとよいでしょう。

4.2.2.タイムアウトを使う

飼い主が褒めるタイミングを間違えてしつけをしている場合、犬は吠えると要求に応えてもらえると勘違いしています。

吠えられるとうるさいので、つい要求に応えたくなりますが、それでは吠え癖がつく原因になってしまいます。犬が吠えて食事を要求するときは、タイムアウトを使いましょう。

タイムアウトとは一時中断という意味で、犬に対する関心を一時的に中止して、そこに犬がいないかのように振る舞うことです。

食事の催促や、おやつの要求などで吠え始めたら、犬を完全に無視します。そうすることで、飼い主からの関心というご褒美が得られない状態になります。

ここで中途半端にかまってしまうと逆効果なので、罪悪感は捨てて心を鬼にしてください。

吠えても意味がないとわかった犬が大人しくなったときを狙って、すぐさま褒めましょう。すると、大人しくしていたら飼い主の関心というご褒美がもらえるのだと、犬は認識するようになります。

これを吠えるたびに何度も繰り返して、ある程度理解できたら、次は褒める回数や場所などをランダムに変えていきます。これが出来るようになれば、友人の家や外出先でも無駄吠えはしなくなるでしょう。

4.2.3.唸るときのトレーニング

食事の際に犬が唸るのは、エサを取られまいとする本能や、以前食事中にエサを取り上げられたトラウマがあるからです。このような問題行動がある場合は、基本的な食事のしつけの前に、以下のようなしつけを訓練しておきましょう。

まず、半日~1日食事を抜いて、エサがより効果的なご褒美になるようにしておきます。そしてリードで固定し、すぐにはエサに飛びつけないようにし、エサを入れる器を2つ用意してください。

犬の目の前には空の器を置いて、1回分のエサが入った器は、犬が届かないところに置きます。噛みつく癖がある場合は、万が一ために厚手の手袋をして行いましょう。

犬がエサを欲しがって、唸ったらそっぽを向いて完全に無視します。しばらくしてうなりをやめた瞬間に犬に関心を向け、目の前の器にエサを5粒ほど入れてあげます。

これを犬が唸らなくなるまで、毎食ごとに繰り返すのです。これによって、自分の器に人の手が近づくと、ご褒美がもらえると認識するようになります。加えて、唸らなければエサを食べられるということがわかるようになります。

自分の器に人の手が近づくことに慣れてきたら、今度は1回分の食事を5等分にしておき、2つの器を30cm離して並べます。

はじめに、器Aにエサを5分の1入れて犬に食べさせます。犬が食べている最中に、手を器Bにゆっくりと近づけてみるのです。手の中には、犬が夢中になるようなおやつを握っておいてください。

犬が唸ることなく食べ続けていたら、ごほうびとしてそのおやつを器Bに入れてあげましょう。唸りだした場合は手を近づけるのを止めて、唸り終わった瞬間におやつを器Bに入れるようにします。

器Aのエサを食べ終わったら、また5分の1のエサを入れてあげて、同じことをくり返します。

4.2.4.人の手は気持ちのよいものだと思ってもらう

唸るときのトレーニングよって、食べている最中に人の手が近づいてくると、とっておきのおやつがもらえることを学習し、うならないとおいしいものをもらえるという記憶を強化することができます。

30cmほど離していた食器を5cmくらいずつ徐々に近づけながら、同じことをくり返していきます。最終的には器を1つだけにし、食べている最中に飼い主の手が近づいても、唸らないようにすることが目標です。

人の手はエサを横取りする悪いものではなく、気持ちのよいものだという認識にしておくために、おやつを飼い主の手から与えたり、マッサージしてあげることも効果的です。

指の腹や手のひらを使って、ゆっくりとなでてあげることで、犬の健康状態をみることもできますし、飼い主自身のリラックスにもつながります。

マッサージが犬にとって気持ちのよいことだと認識されたら、もっともっとと催促してくるかもしれませんが、簡単には応じないようにしましょう。

しつけのご褒美としてマッサージをすれば、犬の疲労を解消することもできるので一石二鳥です。疲労を解消するためであれば、散歩のあとなどにマッサージしてあげるのも犬は喜びます。

人の手と不快感が結びつかないよう、犬が触ってほしくなさそうなときにはマッサージしないようにします。ましてや、犬を叩いたりは決してしないでください。

5.まとめ

食事のしつけは、主従関係と信頼関係の構築、拾い食いの予防に役立ちます。

食事のしつけを通して、飼い主が絶対的なリーダーになることで、愛犬は安心して生活することができます。また散歩に行ったときに、危険なものを口にすることもなくなって、飼い主自身も安心です。

しつけの際は、犬の要求には簡単に応えないで、毅然とした態度で接することが大切になります。それが、飼い主も愛犬も快適に過ごせるようになる近道です。食事のしつけから、愛犬との信頼関係を築いていってください。
[article-CTA]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

ゴルフの上達に関する情報はSNSでの購読が便利です。