犬がチョコレートを食べてしまった時の症状や対処法と致死量について

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犬にチョコレートはNGだということは犬を飼う人なら知っていることが多いですが、なぜダメなのかを知っていますか?

犬は飼い主が美味しそうに食べているものを欲しがってしまいますので、そばで欲しそうな顔をしている愛犬を見ると、つい少しだけなら、と考えてしまいそうになりますね。

しかし、チョコレートがなぜNGなのかということを知れば、そういう考えは消えてしまうことでしょう。

そこで今回は、なぜチョコレートが犬にとって良くないのか、食べてしまうとどういう症状を起こすのか、食べてしまったらどうすればいいのか等を詳しく紹介します。

目次

1.犬にチョコレートはNG!
1.1.犬がチョコレートを食べたら危険なのはテオブロミンのせい
1.2.チョコレートを舐めた程度なら大丈夫
1.3.犬がチョコレートを大量に食べると死亡する

2.犬がチョコレートを食べたら出る5つの症状

3.犬がチョコレートを食べてしまった時の対処法
3.1.塩などを使って嘔吐させる
3.2.大量に食べてしまったなら、動物病院へ

4.チョコレート色の便や下痢が出る時の原因や対処法

5.まとめ

1.犬にチョコレートはNG!

冒頭でも言いましたが、チョコレートは犬に絶対に食べさせてはいけません。

犬に食べさせないほうがいいと言われる食べ物は多いです。その中には人間の健康にとても良いとされているものもあります。

人間が美味しく食べられるから、健康に良いから愛犬にもあげようという気持ちが、とんでもない事態を引き起こすことがありますので、犬に食べさせてはいけない食べ物は必ず把握しておきましょう。

1.1.犬がチョコレートを食べたら危険なのはテオブロミンのせい

犬がチョコレートを食べると危険だと言われるのは、カカオに含まれる「テオブロミン」という成分が犬に有害なためです。

 

テオブロミンはカフェインと似た物質で、大脳や呼吸器、心臓や筋肉に強い興奮作用を持っています。

しかも犬はテオブロミンを排泄、分解するのに時間がかかるため、人間よりも中毒を起こしやすくなります。

テオブロミンは人間にとっては動脈硬化や高血圧に良いとされ、血管拡張薬や利尿剤にも使われている成分です。

テオブロミン=カカオを使ったチョコレートは、脳を活性化させるのにも役立ちリラックス効果もあり、ダイエットにも効果的だと言われていて、特に女性に注目を浴びている食品です。

しかし人間の健康に良いから犬にも良いというわけではありません。

テオブロミンの量はチョコレートの種類によって違ってきます。今話題のダークチョコレートやブラックチョコレートはカカオの量が多く、犬が食べてしまうと危険です。

人間には健康やダイエットに良いと注目を浴びているダークチョコレートも犬にとっては健康に良いどころか危険な食べ物というわけです。

犬の誤食の中でも、チョコレートの誤食はとても多いと言われています。犬は甘いものが好きです。

チョコレートも飼い主が食べていると欲しがることが多いのですが、少しだけならと与えることは避けておきましょう。

一度食べてしまうと食べてもいいものだとインプットされてしまい、隠れて食べてしまうようになってしまうかもしれません。

カカオ含有量が少ないミルクチョコやホワイトチョコは食べてしまっても大丈夫なことが多いのですが、チョコレートはチョコレートです。

犬には区別がつきにくいので、チョコレートであれば何でも欲しがればもらえるものと考えてしまうかもしれません。チョコレートは食べてはいけないものであることを徹底させましょう。

1.2.チョコレートを舐めた程度なら大丈夫

犬にチョコレートがNGだと知っていても、具体的にどれだけの量を食べると危険なのかが気になりますね。舐めただけでも動物病院に行かなくてはいけないものなのでしょうか?

どれくらいの量を食べると危険なのかは、どんなチョコレートをどれ位食べたかによります。また犬の大きさにもよります。

カカオの量が多いのは、人間には健康に良いと言われているダークチョコレートです。

今市販されているチョコレートのほとんどはパッケージに「カカオ〇パーセント」と書かれていることが多く、カカオ含有率が高いものほど人気となっています。

どのチョコレートにどれくらいカカオが含まれているかという相場は、一般に市販されている板チョコが一枚60gだとすると、カカオ70~99パーセントのダークチョコレートに含まれているカカオの量は360~660mgです。

ミルクチョコレートの場合は、60gの板チョコの場合、132~180mgのカカオが含まれているというのが相場です。カカオの量はそのまま犬に毒とされるテオブロミンの量であると考えられます。

犬のテオブロミンに対する許容量は意外と多く、舐めた程度や欠片を少し食べてしまった程度では、心配はありません。

うっかりテーブルに置いてあったチョコレートを何枚も食べてしまった場合は、中毒症状が出てしまう可能性があります。

中毒症状を起こしてしまう量の目安は以下のようになります。

“中毒症状を起こしてしまう量の目安”

  • 体重5kg程度の小型犬 ・・・ダークチョコレート3/4枚、ミルクチョコレート2枚
  • 体重15kg程度の中型犬・・・ダークチョコレート2枚、ミルクチョコレート6枚
  • 体重15kg程度の中型犬・・・ダークチョコレート2枚、ミルクチョコレート6枚

しかし、許容量が多いと言っても、小型犬がダークチョコレートを食べてしまった場合は、少量でも危険な状態になってしまうことがありますので、注意が必要です。

これほど多くのチョコレートを食べるはずはないと考えてしまいますが、油断は禁物です。

うっかり大量のチョコレートが置かれているのを見つけてしまうと、その美味しさにつられて食べきってしまうこともないとは言えません。

チョコレートを犬に与えないことが大切ですが、それ以上に犬の目につく場所や届く場所に保管することは避けましょう。

1.3.犬がチョコレートを大量に食べると死亡する

犬が大量にチョコレートを食べてしまい中毒症状を起こしてしまうと最悪の場合は死に至ってしまいます。

 

死亡例は決して多くはありませんが、ゼロというわけではありません。

最悪の場合があるということを考えて、チョコレートが犬の口に入らないようにしなければなりません。

犬のチョコレートの許容量は前述したとおりですが、個体差があるので、もっと少ない量でも中毒症状を起こしてしまう犬もいます。

時間が経ってから発症する場合もありますので、飼い主が、犬の死亡原因がチョコレートによるものであることがわからないことがあります。

犬がチョコレートを食べて死亡に至るのは中毒症状が進んで、心不整脈や呼吸不全が原因になることが多いです。

板チョコは、犬が誤って食べてしまっても量がわかりやすいのですが、チョコレートケーキなどはどれくらいチョコレートが使われているのかがわかりにくいですね。

また板チョコはダメだけれどチョコレートケーキやアイスクリームなら大丈夫だと考える人もいますが、基本的にはチョコレートが含まれているものは避けたほうがいいですね。

ケーキは意外とカカオ含有量が多いチョコレートを使う場合が多いです。

バレンタインやお祝いなどでカカオ含有量が多いチョコレートを使ってチョコレートケーキを作った場合、どれだけ愛犬が欲しがっていても与えないということを徹底するようにしましょう。

犬にチョコレートを与えてはダメだということは、家族や家に訪れる人たちにもきちんと伝えて協力してもらうようにしましょう。

板チョコやチョコレートケーキが家にある場合、犬の手の届かない場所に保管するようにしましょう。

保管している間は、誤って犬が食べてしまっていないか確認するようにしましょう。すぐに中毒症状が出ないことも多いので、誤食していても気がつかない場合があります。

発見が遅れると呼吸困難や不整脈で死亡してしまうこともあるので、注意が必要です。

チョコレートを食べてしまったかもしれない、様子がおかしいと思った時は、最悪の事態にならないように、早めに対処するようにしましょう。
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2.犬がチョコレートを食べたら出る5つの症状

下痢・嘔吐

中毒症状は下痢や嘔吐など消化器の症状が出ることが多いです。

興奮

チョコレートに含まれているテオブロミンはカフェインと同じような症状を引き起こすので、興奮状態になつてしまうことがあります。

発熱

チョコレートで中毒症状を起こすと体温が上がって発熱状態になることがあります。

痙攣

中毒症状が進むと痙攣を起こすことがあります。

不整脈

重症になると不整脈を起こし、とても危険な状態になることがあります。

これらの症状全てが現れるわけではありませんし、すぐには症状が出ないことが多いです。時間が経てば経つほど危険な状態になることがあるので、チョコレートを少したくさん食べ過ぎたのではないかと思った時には早めの対処が必要になります。

3.犬がチョコレートを食べてしまった時の対処法

犬がチョコレートを食べてしまったことが確かな場合は、中毒症状で犬が苦しい目にあう前に、飼い主ができることがあればしてあけたいですね。

もちろん動物病院の診療業時間内で、病院が近くにある場合は、すぐに連れて行ってあげるのが一番です。動物病院が遠い場合は、電話で自宅でできることを聞くようにしましょう。

しかし動物病院が休日、診療時間外である場合、飼い主で対処する必要があります。

そのままにしておくと、時間が経つにつれて重症化していくことがありますので、動物病院が開いていない場合に備えて、飼い主の対処法を覚えておくようにしたいですね。

3.1.塩などを使って嘔吐させる

チョコレートを誤食してしまった場合、少量ならば中毒症状が出ることなく、何事もないことが多いです。しかし大量に食べてしまった場合、すぐに中毒症状が出ないからと安心するわけにはいきません。

 

中毒症状が出るのは食べてから6~8時間後になることが多いので、食べてからすぐに症状が出ないから安心というわけではありません。

大量に食べてしまったことがわかっている場合は、動物病院が診療時間内であるなら、すぐに診てもらうようにしましょう。

動物病院の休診日や診療時間外でも、チョコレートを食べたことがわかっているなら吐かせたほうが安心です。

チョコレート中毒には解毒剤というものがありませんので、吐かせることで毒を出すことが一番の対処法になります。

吐かせる方法にはいくつかありますが、食塩を使う方法とオキシドール(過酸化水素水)を使う方法を紹介します。

食塩を使う方法は、食塩を犬の下の上に乗せて食べさせ、大量に水を飲ませることを促し吐かせます。食塩は犬の大きさに合わせてスプーン1~7杯位が目安です。ただし食塩を使った方法は老犬や心臓が悪い犬には不向きです。

次にオキシドールを使う方法です。オキシドールは家にあればそれを使いますが、なければ薬局で購入することができます。薄めたオキシドールを飲ませて胃の中に酸素を発生させて吐かせます。

オキシドールの量は体重5kgに対して1ccを目安にして、スボイドで口の端から流し込み、手で口をふさいで上を向かせて飲ませてください。

3.2.大量に食べてしまったなら、動物病院へ

チョコレートを大量に食べてしまった場合でも、すぐに中毒症状が出ないことが多いので、動物病院の診療時間内であれば、すぐに連れて行くようにしましょう。そこで正しく処置をしてもらうことができます。

もし緊急処置として、自宅で食塩やオキシドールを使って吐かせた場合でも、必ず動物病院で改めて診てもらうようにしましょう。

自宅で緊急処置をしても、それがうまくいっているかどうかはわからないので、とりあえず動物病院で自宅でどのような処置をしたのか、反応はどうだったのかを伝えるようにしましょう。

動物病院へ行った後に、しばらく様子を見て、数日間、中毒症状が出なければ完治したと考えられるでしょう。

犬がチョコレートを食べたかもしれない、または食べてしまった場合は、チョコレートが体に吸収されないうちに早めに対処することが大切です。

素人判断で症状が出ないから大丈夫と考えないで、チョコレートを食べてしまった場合は、まず動物病院へ早めに行くようにしてください。
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4.チョコレート色の便や下痢が出る時の原因や対処法

次に、チョコレートとは直接関係はありませんが、犬がチョコレート色の便をした場合の原因と対処法について説明します。


犬はよく下痢をしてしまいます。チョコレート中毒の場合の主な症状にも、真っ先に下痢が出てきます。下痢は常に大きな病気が隠されているというわけではありませんが、その色や状態によって、体調を推測することができます。

便がチョコレート色になっていて、しかもドロッとしたタール状になっていると少し心配ですね。便の調子がいつもと違う場合は、まずは犬の体調を注意して見てみましょう。

ぐったりしていないか、食欲はあるのか、嘔吐や発熱はないか、下痢はどれくらい続いているのかなどを見て、ケロッとしていて食欲もあるようなら、それほど心配はありません。

どのような色をチョコレート色と考えるかは、人によって差がありますが、明らかにいつもと様子が違っていて色が黒っぽい場合は、胃腸に出血がある場合が多いです。

血液は赤い色をしていますが、肛門に近い場所で出血していると血便に、肛門に遠い胃や小腸で出血すると血液が消化酵素などで分解されて黒く変色した便になります。

異物を飲み込んだり誤食したりして胃が傷つき出血して急性胃腸炎を起こしている場合もチョコレート色、または黒い便の下痢をすることがあります。異物の誤飲に心当たりがある場合は、動物病院で診てもらうようにしましょう。

チョコレート色の便や黒い色の便は、胃腸のどこかに異常がある場合が多いので、犬の様子が元気であってもしばらくは様子を見るようにしましょう。

他の症状も出ている、ぐったりしている、食欲かないという場合は、重大な病気が隠れていることがありますので、動物病院で診てもらうようにしましょう。

下痢や便の色が気になって病院へ行く場合は、いつからそんな色になったのか、どれくらいの頻度で下痢をしているのか、他に症状がないかを詳細に伝えるようにしましょう。

できれば便も持参するようにしましょう。便を検査することで、どこで異常が起きているのかがわかりやすくなります。

チョコレート中毒の場合も、いつもと違う下痢の場合も、飼い主が落ち着いて対処することが大切です。

5.まとめ

チョコレートは犬が食べてはいけない代表的な食べ物です。

 

人間にとってはポリフェノールがたっぷりで高血圧や動脈硬化に効果があると言われているチョコレートですが、犬にとっては毒であることがわかりました。

 

また、チョコレートを食べても、すぐに症状が出ないことが多いので、しばらくは様子を見る必要があります。チョコレートを食べてしまったのが確実であれば、吸収される前にすぐに動物病院へ行って処置してもらうようにしましょう。

また、自宅で対処した場合でも、動物病院へは念のために行くようにしましょう。動物病院での処置が終わって数日間症状が出なければ完治したと考えていいでしょう。

 

そして、基本的には人間と同じ食べ物を与えないということを基本にしましょう。犬は人間が美味しそうに食べているものを欲しがる傾向が強いですが、絶対に与えないということを子犬の頃から徹底しておくと、いつしか人間の食べ物は欲しがらなくなります。

犬が誤食してしまって犬も飼い主も辛い目にあわないようにするために、人間の食べ物は与えない、チョコレートなど危険な食べ物を保管しておくときは、犬が誤食しないように届かない場所に保管しておくことを徹底しておきましょう。
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