犬の脳腫瘍は気づきにくい?よくある症状と正しい治療の流れとは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

犬の病気の中でも怖い病気の一つが脳腫瘍ですが、その発見が早ければ早く、早期治療が行えれば完治しやすく予後も安定します。

では、その犬の脳腫瘍の初期症状の見分け方はどうすればよいのでしょうか?今回は、犬の脳腫瘍の初期から末期の症状及び診断方法、治療方法などをご紹介していきたいと思います。

目次

1.犬の脳腫瘍の初期症状?気を付けたい予兆とは
1.1.犬の脳腫瘍の原因とは
1.2.犬の脳腫瘍の“てんかん様発作”とは
1.3.食欲の変化は脳腫瘍のサイン?
1.4.犬の脳腫瘍は食事で改善できる?

2.脳腫瘍の治療方法

3.犬の脳腫瘍の症状緩和に用いられる薬

4.犬の脳腫瘍について気軽に獣医師に相談できるサイトは?

5.まとめ

1.犬の脳腫瘍の初期症状?気を付けたい予兆とは

犬の脳腫瘍とは、簡単に言えば脳にできものができてしまい、脳が圧迫されることで様々な症状が発生する病気です。

犬の脳腫瘍の初期症状としては、

  • 性格の変化
  • 日常生活で犬がおかしな行動に走る
  • 食べ物の好みが変わる

などがあるとされています。ところが、犬の脳腫瘍は、できる場所によって症状が異なり、場合によってはまったく初期症状らしい症状を見せることがないことも少なくありません。

主な脳腫瘍の症状としては、

  • 眼振
  • てんかん様症状
  • 斜頸(首が一定方向に傾く症状)
  • ふらつきなどの運動失調
  • 顔面マヒ

などがあり、更に症状が進行すると、

  • 徘徊
  • 一定方向に向かってぐるぐる動く
  • けいれん発作
  • 意識低下
  • 一日中眠りっぱなしになる
  • 視覚・聴覚の消失

など、意識障害や視覚・聴覚などに重篤な障害が出てしまい、治療は困難になります。ですが、これらの症状は、脳炎などのほかの病気でも見られる症状で、これら臨床症状から脳腫瘍であると判断するのは非常に難しいとされています。

そのため、各種検査を行い、長い時間をかけてようやく「脳腫瘍である」と判断されるわけです。

犬の脳腫瘍の検査方法

  1. 犬の体全体をチェックして、他の疾患を患っていないか検査する
  2. 検査の結果、脳神経の病気である場合、脳のどこに腫瘍ができているのか臨床症状から特定する
  3. 脳腫瘍であるか、若しくは脳炎、脳代謝異常であるか症状の進み具合をチェックする
  4. MRI検査や脳脊髄液検査にによって脳腫瘍であるか確認する

これらの過程を経て、ようやく脳腫瘍と診断されます。因みに、脳腫瘍は他の脳の病気よりも症状の進行がゆっくりであるとされるので、そこから検討を付けることもあるそうです。いずれにせよ、疑わしいと思ったらまずは動物病院へ行くことが大切です。

そして、決して「これは脳腫瘍だ!」と決めつけず、検査を受けて他の病気でないか調べることも大切です。もし、他の病気にかかっているのに、脳腫瘍だと決めつけてしまえば、そちらの病気を治療できず、病状が悪化してしまい、場合によっては脳腫瘍にかかっていなかったのに別の病気で愛犬が命を落としてしまっては、元も子もありません。

何より、動物病院で検査を受けることは、飼い主の不安や心配も解消されるのです。故に、「この程度で診察を受けてもらっても大丈夫かしら?」と動物病院で検査しないよりは、検査を受けて脳腫瘍か否かを判断してもらうほうがベターなのです。

1.1.犬の脳腫瘍の原因とは

犬の脳腫瘍の原因は、多岐にわたり、脳の細胞自体が腫瘍化する“原発性脳腫瘍”やメラノーマ、リンパ肉腫、血管肉腫、乳腺がんなどが転移、あるいは鼻や耳、頭蓋骨など脳に近い部位にできたがんが脳に浸潤(別の部位にがんがしみこむように広がっていくこと)して発生する“続発性脳腫瘍”があり、原因を特定するのは難しいとされています。

そのため、予防法はなく、定期的な健康診断による早期発見が今のところ有効な方法とされています。特にゴールデンレトリバーは脳腫瘍リスクが高いとされ、その他、ブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種もかかりやすいとされている犬種であるため、特に注意すべきです。

1.2.犬の脳腫瘍の“てんかん様発作”とは

犬の脳腫瘍の症状の一つである“てんかん様症状”は、前兆として、発作が起こる数分から、場合によっては数日前によだれを流したり、落ち着きがなくなったり、あるいは活動性の増加あるいは現象が見られます。

その後、けいれん発作を起こしたり、場合によっては見えないものを追いかけだしたり、攻撃的になるといった症状を見せます。

犬のてんかん様症状におけるけいれん発作は、全身がこわばって震え、意識消失して失禁する“全般発作”と、四肢や体の一部が部分的に震える症状を見せる“部分発作”があり、数秒~数分ほどで治まりますが、発作が治る前に再び発作が起こる“重責発作”が場合によっては起こることもあり、また、この重責発作は脳に重篤な障害を与え、命を落とすこともある危険な発作であるため、もし起きた場合は緊急処置が必要となります。

犬のてんかん様発作は、脳腫瘍以外の脳の病気(水頭症やジステンパーが原因の脳炎)でも起こるため、必ずしも脳腫瘍が原因とは言い切れません。そのため、必ず動物病院に行き、獣医師と相談して適切な治療を行いましょう。

1.3.食欲の変化は脳腫瘍のサイン?

犬の脳腫瘍の初期症状として、食欲異常といったものがありますが、『食欲異常≒脳腫瘍』であることに注意しましょう。

というのも、脳腫瘍のできる部位によっては過食や食欲不振といった症状が見られないこともあり、また、食欲異常は他の脳の病気や内臓疾患といった病気にもみられるからです。

1.4.犬の脳腫瘍は食事で改善できる?

犬の脳腫瘍の治療方法として食事療法が挙げられることがありますが、脳腫瘍の根本的な快癒には至りません。犬の食生活を変えれば、症状は改善しますが、その原因となる脳腫瘍は残り続けているからです。

そのため、あくまで食事療法は対症療法であり、これによって脳腫瘍が完治することは決してありえないということを心にとめておきましょう。

犬の脳腫瘍の完治には、信頼できる獣医師と、適切な治療方法、そして飼い主の愛犬に対する愛情と根気強い介護が重要なのです。

[article-CTA-h2-no2]

2.脳腫瘍の治療方法

犬の脳腫瘍の治療方法としては、

  • 外科療法
  • 化学療法
  • 放射線療法

が主な手段となっています。腫瘍ができた部位によって、単独あるいは複数の方法を用いて、犬の脳腫瘍の治療は行われます。

また、内科的療法は、脳腫瘍によって引き起こされる炎症や浮腫(痛みのないむくみ)を抑え、てんかん様症状をコントロールするための治療として行われます。

病院によっては、緩和ケアを中心とした緩和療法が行われますが、場合によっては放射線療法とともに行われることもあります。例えば、犬の脳腫瘍の中で最も多い髄膜腫の治療の場合、外科手術による腫瘍と周囲の硬膜を摘出するか、あるいは放射線治療及び対症療法がとられます。

治療費は病院によって異なりますが、およそ50~100万円程度必要です。いずれの方法も、愛犬の年齢や体力、症状の進行具合によって取れる方法が異なっていきます。信頼できる獣医師としっかり相談したうえで、根気強く愛犬の脳腫瘍治療に取り組んでください。

3.犬の脳腫瘍の症状緩和に用いられる薬

基本的に、犬の脳腫瘍の治療では抗がん剤を用いることはまれです。

例えば髄膜腫の場合は抗がん剤の効果が現れないことがあるため、基本的には用いられません。投薬による治療は炎症や浮腫を抑え、てんかん様症状をコントロールするための対症療法がメインとなっていきます。犬の脳腫瘍にともなう炎症や浮腫を抑える薬として、

  • シクロスポリン
  • プレドニゾロン

などがあり、シクロスポリンは炎症を抑える働きがあり、比較的副作用の少ないお薬ですが、計坐臆して使って初めて効果が現れる薬であるため、投薬していきなり劇的に良くなるというわけではないことに注意しましょう。

プレドニゾロンは、犬の脳浮腫を抑え、脳圧を下げる効果があるステロイド剤で、シクロスポリンよりも効果が強い薬ですが、その反面、心臓へ強い負担がかかります。薬の投与は副作用のリスクと隣り合わせであるため、常に獣医師と相談しつつ薬の調整をしなくてはなりません。

また、犬の脳腫瘍によるてんかん様症状をコントロールするために用いられる薬として、

  • フェノバルビタール(フェノバール)
  • 臭化カリ
  • ゾニミサド(エクセグラン)
  • ジアゼパム(セルシン)
  • クロナゼパム(リボトリール)

があり、一番用いられることが多いフェノバルビタールは、犬の転換症状のおよそ70%に効果があるとされています。

初期副作用はあるものの一過性であり、また血中濃度測定が比較的容易であるため、中毒による肝機能障害なども防げるため非常に扱いやすい薬です。

臭化カリは単独、あるいはフェノバルビタールと併用して用いられる抗てんかん剤で、比較的副作用が少なく、値段も安価なのですが、国内では血中度測定ができず、また、薬の効果もおよそ2~3カ月ほど服用し続けて初めて効果が現れるため、即効性はあまり高くありません。

ゾニミサド(エクセグラン)は日本で作られた唯一の抗てんかん剤で、フェノバルビタールや臭化カリ出は効果の現れなかったてんかん様症状の治療に用いられます。

副作用は非常に少なく、血中濃度も安定しやすいのが利点なのですが、大型犬の場合、少々高額になりがちです。

ジアゼパム(セルシン)とクロナゼパム(リボトリール)は即効性が高く、短時間で効果の現れる薬ですが、継続して用いると効果が薄まるといった欠点があるため、短期間でノミ用いられます。

[article-CTA-h2-no2]

4.犬の脳腫瘍について気軽に獣医師に相談できるサイトは?

だいじょうぶ?マイペット

「だいじょうぶ?マイペット」のサイトはこちら

自宅でも気軽に病気相談できるグループサイトがこちらの『だいじょうぶ?マイペット』です。

全国の信頼できる獣医師が約200名登録されているため、複数の獣医師からのアドバイスを受けることができ、また、登録獣医師が勤務する動物病院のアクセス検索や診察時間及び休診日のデータも記載され、お住まいの都道府県ごとに検索することも可能です。

利用には会員登録が必要ですが、登録料は無料なので、気軽に登録して相談を受けられます。

5.まとめ

今回は、犬の脳疾患の一つである脳腫瘍についてご説明いたしましたが、いかがでしたでしょうか?

脳腫瘍の症状は多岐にわたり、その臨床症状から特定することは素人では困難であり、獣医師も慎重に判断し、治療に臨む病気であることがご理解いただけたと思います。

脳腫瘍は、早期発見と早期治療が非常に重要となってくる病気です。例え大げさであっても疑わしい症状があれば、なるべく獣医師に相談し、検査を受けるようにしましょう。

[article-CTA]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

ゴルフの上達に関する情報はSNSでの購読が便利です。