飼い主は自分の食事だけでなく、愛犬の食事に関しても気になることが多いと思います。何を食べさせてはいけないのか、アレルギーがあったらどうすればいいのかなど、愛犬を思うが故の心配がつきません。食べ物に関して知っておくとよい知識をまとめました。
目次
2.生でも加熱して食べても大丈夫な果物
2.1.ビタミンCの宝庫「みかん」
2.2.整腸作用があり腹持ちの良い「バナナ」
2.3.高血圧や脳卒中予防になる「リンゴ」
2.4.栄養補給してくれる食べやすい「桃」
2.5.低カロリーで水分補給に最適な「スイカ」
2.6.抗酸化作用のある「柿」
3.犬にも食物アレルギーがある
3.1.アレルギー症状
3.2.犬のアレルギー検査とは
3.3.アレルギー検査の費用
4.犬が食べ物を隠す理由
4.1.食べ物を隠す行動をやめさせるコツ
4.2.食べ物に執着する犬への対処方法
1.犬が絶対に食べてはならない食べ物リスト
自分の不注意で愛犬が苦しむことのないよう、犬が食べてはいけない食材を知っておくことは非常に大切です。以下にリストアップしたので、参考にしてください。
犬が死亡する恐れがある危険な食材 | 犬が過剰に摂取すると危険な食材 | 犬が通常食べることは無いが危険な食材 |
---|---|---|
たまねぎ ネギ ニラ らっきょう にんにく 春菊などの菊類 チョコレート ココア ぶどう、マスカット レーズン いちじく プルーン アボカド ビールなどのアルコール類 コンソメ |
生卵の白身 イカ、タコ ソーセージ、ハム (人間用) 牛乳などの乳製品 (人間用) 食パン、菓子パン 鰹節 ジャーキー ほうれん草 菜の花 ピーマン なす アスパラガス ブロッコリー ゴボウ にんじん たけのこ 銀杏 ざくろ ドライフルーツ |
お茶、紅茶、コーヒー カニ、エビなどの甲殻類 貝類 クラゲ ししゃも スルメ 野生のキノコ じゃがいもの芽 生の大豆 生の豚肉 未熟なトマト レモンの皮 グレープフルーツの皮 すだち 梅 キシリトール 生のイーストパン ピーナッツ、マカダミアナッツ 香辛料、わさび、調味料 |
犬が死亡する恐れのある食材については、ご存知の方も多いと思います。ですが、これらの食材だけでなく、調理加工されたものにも意識を向けましょう。例えばたまねぎの入っているハンバーグも与えてはいけませんし、コロッケなども同様です。
基本的に人間の食べるものは、糖質、脂質、塩分などが多く、犬が嘔吐や下痢を起こしたり、肥満や病気の原因となってしまいます。スルメやドライフルーツなど、乾燥させたものは成分が凝縮しているので、食べ過ぎると生のものよりも危険です。
犬が通常食べないものでも、飼い主の目を盗んで食べてしまうこともあります。買ってきた食材を犬の行動範囲に、置きっぱなしにするのは危険です。買ってきた食材はすぐしまうか、愛犬の手の届かないところに置きましょう。
過剰に摂取すると危険な食材というのは、例えば、ほうれん草やブロッコリーに含まれるシュウ酸が、結石症となる可能性があるので、少量にしておきましょうという食材です。
基本的には、加熱して食事のトッピングとして与えるようにしましょう。栄養価があるが、デメリットもあるので少量にとどめた方がよい食材は、1日15g程度が目安です。
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2.生でも加熱して食べても大丈夫な果物
カロリーや糖質の気になる果物ですが、栄養素も豊富に含まれています。愛犬の健康維持や疲労回復などにおすすめの果物をご紹介します。
2.1.ビタミンCの宝庫「みかん」
ビタミンCが豊富で、疲労回復効果のあるみかん。犬は人間と違い、体内でビタミンCを生成することができますが、不足しないわけではありません。飼い主が留守がちだったり、騒音におびえていたりした時などはストレスがかかっているので、みかんを意識して与えてあげてもよいでしょう。
β-カロテンも豊富で、犬の体内で必要に応じてビタミンAに変化して、粘膜や皮膚をすこやかに保ったり、免疫力をアップさせたりしてくれます。水分量が多く少量でも満腹感を得られるので、食べ過ぎ予防にもなりますが、食べ過ぎると消化不良を起こすので、1日15g以下にしてください。
みかんの外皮には中毒性物質があるので、必ずむいてから与えましょう。薄皮や種があれば取り除き、つぶつぶも消化しにくいので、面倒ではありますがすりつぶして与えた方が消化はよいです。
2.2.整腸作用があり腹持ちの良い「バナナ」
食物繊維やカリウム、オリゴ糖が多く含まれているバナナには、整腸作用があります。免疫力もアップし、がんの予防効果もあります。少量でお腹がふくれるので、食べ過ぎ防止に良いのですが、糖質が多いのでダイエットに向くとは言えません。
バナナ1本で、角砂糖4個分の糖質量だそうです。食べ過ぎると、便がゆるくなってしまうのにも注意が必要です。皮をむいて筋を取り除き、一口大に切ってから、1日20g程度を目安に与えましょう。
バナナに含まれるカリウムは、腸の働きをサポートするだけでなく、筋肉の収縮もサポートしてくれます。運動量が多く、たくさんカロリーを消費している犬におすすめです。
また、犬の精神を安定させてくれるセロトニンの生成に必要な
- トリプトファン
- ビタミンB6
- ナイアシン
- マグネシウム
が、すべてバナナには含まれているのです。運動によって興奮した脳を落ち着かせてくれますし、ストレスのかかりやすい繊細な犬などにもうってつけの果物といえます。
まれに、バナナに対してアレルギー反応を示してしまう犬がいるので、皮膚炎などが出ないか観察しましょう。バナナを食べた後に痒がったり、目の周りや足指の間の皮膚が、かぶれたりしていたらバナナアレルギーの可能性があります。
2.3.高血圧や脳卒中予防になる「リンゴ」
バナナと同様、リンゴもカリウムが豊富です。カリウムは体内のナトリウムを排出しやすくしてくれるので、高血圧や脳卒中の予防に役立ちます。バナナには水分があまり含まれていませんが、リンゴには豊富に水分が含まれているので、ナトリウムを排出しやすくしてくれるのは、バナナよりもリンゴだと言えます。
しかし、300gのリンゴ1個のエネルギー量は、162kalなので、ごはんの1/3のカロリー量があるのです。糖質はリンゴ1個29.2gで、バナナ1本の糖質21.4gよりも多くなっています。
リンゴに含まれる食物繊維には、水溶性食物繊維のペクチン、不溶性食物繊維のセルロースがあり、便秘予防はもちろんのこと、糖質や脂質の吸収を遅らせる働きもあるので、カロリーや糖質は高いですが、あまり心配しすぎることはありません。
それらの食物繊維は、ビフィズス菌などを増やすことで、コレステロールの上昇も抑えてくれるのです。便秘がちの犬にはとてもおすすめですが、食べ過ぎると、反対に軟便や下痢になってしまうので、リンゴ1/4程度、1日20g以下にしておきましょう。
リンゴの茎、葉、種には中毒性があるので、与えてはいけませんが、皮には栄養が詰まっているので、すりおろして与えてもよいでしょう。カリウムは加熱すると壊れてしまうので、生のまますりおろすのが最適です。スティック状に切っておいて、食後にかじらせると歯垢の蓄積を抑えてくれます。
2.4.栄養補給してくれる食べやすい「桃」
桃はジューシーでやわらかく、犬にとっても食べやすい果物です。小型犬や老犬でも与えやすく、桃の88%が水分で、夏が旬なので水分補給にも向いています。桃には、
- ビタミンE
- ビタミンC
- カリウム
- 銅
- 食物繊維
- ペクチン
などが豊富に含まれています。ビタミンEとビタミンCは、体の酸化を防いでくれる抗酸化物質です。ビタミンEは血行を良くしたり、貧血を防ぐ働きもあります。
カリウムと水分が豊富なので利尿作用が働きますが、与えすぎるとおしっこの回数が増えてしまうかもしれません。また、食物繊維だけでなく、ペクチンにも整腸作用があるので、お腹の調子を整えてくれます。
- ナイアシン
- ビタミンB6
- ビタミンB1
- ビタミンB2
などのビタミン類もバランス良く含まれていて、栄養補給になります。夏バテした犬や、元気がなく食欲減退してしまった老犬などに、1日15g程度与えるとよいでしょう。
ですが、桃100gあたり40kcalとカロリーが高いので、桃ばかり食べさせるのはおすすめできません。甘く満腹感があるため、桃でお腹いっぱいになってしまって、普段の食事が食べられなくなることも考えられます。そうなると栄養が偏ってしまうので、食後のデザートとして与えるほうがよいでしょう。
与える際は、茎、葉、種、皮は取り除いて、果肉だけを一口大に切ってあげてください。特に、種には1粒平均88mgの青酸カリが含まれているので、絶対に与えてはいけません。
2.5.低カロリーで水分補給に最適な「スイカ」
スイカは約9割が水分なので、極めて低カロリーな果物です。ご存知のように夏が旬なので、体を冷やす作用があり、日射病の予防や解熱などに効果的です。脱水症状になったときは、水分と同時にカリウムも失われています。スイカには豊富な水分とカリウムが含まれているので、脱水時の水分補給にぴったりです。
スイカには糖分が比較的多く含まれていますが、スイカの糖分はエネルギーに変わるスピードが速いので過度に心配することはないでしょう。ビタミンB1、B2、Cがバランスよく含まれていて、夏バテしている犬の疲労回復に効果的です。
近年、スイカから発見されたアミノ酸の1種「シトルリン」は、利尿作用があり、血管を拡張させて血流促進してくれます。このシトルリンは、スイカの皮に近い部分に多く含まれるそうです。皮に近い部分は糖分も少ないので、犬にはおすすめかもしれません。
他にも、スイカの赤い色をつくり出す「リコピン」も、抗酸化作用によって老化防止効果があります。スイカを与える時は、冷えたものだとお腹を下してしまいがちなので、なるべく常温で、1日10~15g程度を与えるようにしましょう。
2.6.抗酸化作用のある「柿」
柿にはビタミンCやAが豊富に含まれ、ポリフェノールの1種であるタンニンも含まれています。これらの栄養素は、それぞれ抗酸化作用を持ち合わせているので、柿には高い抗酸化作用が期待できます。
ビタミンCは、体の調整機能を整えてもくれるので、老犬や病気の犬には積極的に与えたい栄養素です。ビタミンAは、皮膚病予防、ガン予防、アンチエイジングといった効果も期待できます。
タンニンには、下痢を改善する効果や口臭を予防してくれる効果もあります。フラボノイド効果を発揮する柿は、口臭の気になる犬にもおすすめです。加えて、タンニンは体外に出る際、体内の有害物質とともに排出されます。特に、高血圧の原因となる様々な物質となじみ、それらを引き連れて体外へ出ていってくれるのです。
また、スイカ、バナナ、みかんなどと同様に、体を冷やす作用があるので、食べ過ぎると体が冷えて下痢を引き起こしてしまいます。皮や種を取り除いて、1日20g程度与えるとよいでしょう。
3.犬にも食物アレルギーがある
犬の食物アレルギーはあまり聞かないかもしれませんが、意外に多いのではないかという報告もあります。アレルギーの原因、アレルゲンがなにか検査するには保険が適用されないので、費用は高額になることもあるのです。
3.1.アレルギー症状
犬のアレルギーは、アトピー性皮膚炎やノミアレルギーが多いですが、食物アレルギーにも気をつける必要があります。約40%の犬が食物アレルギーをもつか、その可能性があるという報告もあります。食物アレルギーでみられる症状は、
- お腹が鳴る、張りがある
- 下痢、軟便
- 嘔吐
- 体をかゆがる
- 体にひっかき傷がある
- 抜け毛が出たりハゲがある
- フケが出る
- 体が臭い
- 1歳未満なのにひどい皮膚炎
- 外耳炎
- 口回り、背中、耳、肛門、内股、足の付け根が赤い
- 足の裏をよく噛んだり舐めている
などで、下痢や嘔吐の場合は食物アレルギーの可能性が高いですが、これらの症状が出たからといって食物アレルギーと断定することはできません。必ず動物病院で診断してもらいましょう。ちなみに症状が出やすい部位は、
- 目の周り
- 口の周り
- 耳の内側
- 背中
- 肛門周辺
- 股の内側
- つま先や足の裏
などで、このあたりをしきりにかゆがったり、気にするような行動が多い場合、皮膚に炎症があるかもしれないので、愛犬のしぐさは日常からよく観察しておきましょう。
また、犬はどのような食材でアレルギーを引き起こしやすいのでしょうか。2015年、ドイツの大学で、297頭の犬に対して食事性アレルギー皮膚反応の研究をしたそうです。その結果は、
アレルギー反応を起こした食材 | 該当頭数 | % |
---|---|---|
牛肉 | 102頭 | 34% |
乳製品 | 51頭 | 17% |
鶏肉 | 45頭 | 15% |
小麦 | 38頭 | 13% |
大豆 | 18頭 | 6% |
ラム肉 | 14頭 | 5% |
とうもろこし | 13頭 | 4% |
卵 | 11頭 | 4% |
豚肉 | 7頭 | 2% |
魚 | 5頭 | 2% |
米 | 5頭 | 2% |
このようになっており、タンパク質や炭水化物が多くなっています。これらはドッグフードに入っていることも多いので、犬に与えない方がよいのでしょうか。アレルギーを予防したいのであれば、手作り食にするか、質の良い無添加のドッグフードを与えるとよいでしょう。
アレルギー反応の出た食材でも、それ自体がアレルゲンになっているのではないということも言えます。肉類であれば、家畜の飼料に多くの抗生剤が使われていたり、穀類であれば、化学肥料や除草剤が使われていたりすることもあります。
添加物がアレルゲンとなっている可能性もあるということです。アレルゲンが鶏肉と診断されたとしても、手作り食の鶏肉ではアレルギー症状が出なかったということもあります。
食事性アレルギーは、1歳未満で現れることが多いです。ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパード、プードルなどが発症しやすいといわれています。
3.2.犬のアレルギー検査とは
犬のアレルギー検査は、動物病院で採血をし、それを専門のアレルギー検査機関に送ってアレルゲンが何か検査されます。主に「IgE血液検査」と「リンパ球反応検査」の2つがあり、食べ物がアレルゲンとなっている場合は、「リンパ球反応検査」の方が効果的と言われます。
IgEよりもリンパ球に食物アレルギーは反応するので、IgE血液検査では陰性だった食物が、リンパ球反応検査では陽性になっていることはよくあるそうです。
血液検査だけでなく、毛を20本郵送するとアレルゲンを検査してくれるキットや、検査機関もあるようです。アレルギー症状はないけれど、予防のために調べておきたいという方にはよいでしょう。信憑性は、血液検査のほうが高いです。
検査は、食べ物、ハウスダスト、植物などを中心に約100個ほどの項目があります。アレルゲンがある程度想定できている場合は、「IgE血液検査」と「リンパ球反応検査」のどちらかだけの検査でもよいです。
アレルゲンが食物なのか、一般的なものなのか判断しにくい場合は、両方の項目を検査したほうがよいでしょう。その際は費用が高額になってしまいます。
検査結果は、何種類の検査を受けるかにもよりますが、1~3週間かかります。陰性、陽性、陰性とも陽性とも言えない疑陽性の3つで判定されるか、数値化されています。検査結果とともに、与えてもよいフードやおすすめドッグフードのリストが付いてくることもあるそうです。
3.3.アレルギー検査の費用
病院や検査機関、検査の種類によっても値段は様々ですが、一般的には1つの検査で2~3万円と言われています。「IgE血液検査」と「リンパ球反応検査」の両方を受けるのであれば、5万円前後の費用がかかることになります。
愛犬のことを考え、長い目でみるのであれば安い金額なのかもしれませんが、飼い主にとっては負担になる場合も当然あるでしょう。アレルギーに関して理解の深い獣医を選び、しっかりと愛犬の様子を見ながら、よく相談して検査項目を決めてください。
アレルギー検査自体、信憑性がないと考えている獣医も多くいます。IgE血液検査の検査結果だけでは信憑性がないと、近年言われているのも事実です。それについてはリンパ球反応検査をあわせて行うことで、信憑性が増すそうです。いずれにしても、獣医選びと相談が大切になります。
また、犬の毛を20本郵送するだけでアレルゲンを検査してくれるというキットは、18,000円程度だそうです。食物アレルギーを75項目、環境アレルギーを72項目チェックしてくれます。
動物病院に行く時間のない飼い主や、老犬で負担をかけたくない方、予防の意味で検査したい方は、目安として利用してみてもよいでしょう。
検査の際、犬の保険がきくのかというと、残念ながらアレルギーについては補償の対象外となっています。アレルギー以外の項目ではきちんと補償されるので、保険に入っておくのはおすすめです。
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4.犬が食べ物を隠す理由
犬には食べ物を隠すという習性があります。まったく隠そうとしない犬もいるので、その犬の性格によるところも大きいといえます。食べ物を巡って争うなどの経験がある犬は、食べ物への執着が強くなり、食事中に近づいただけで唸ることもあるそうです。
4.1.食べ物を隠す行動をやめさせるコツ
犬が食べ物を隠そうとする理由は、
- 満腹になったから
- 好きでない食べ物だから
- 好きな食べ物でも飽きてしまったから
- 食べ物を奪われたくないから
といったことが考えられます。食べたくないものを残しては叱られると思って隠す犬もいれば、食べたくないものは食べないで、残したままにするという犬もいます。食べ物を隠すといった行動は、年齢や犬種などは関係なく、その犬の性格によるところが大きいです。
基本的に、犬には食べ物を隠すという習性がありますが、愛犬の性格によるものだとしたら、よくよく愛犬を観察していれば、どういった傾向があるのかわかってくるでしょう。食べ物を隠すのは、特に室内犬であれば不衛生なので、徐々にやめさせたいものです。
食べ物を隠すのをやめさせるには、
- 食べれる分だけの食事量にする
- 食事時間を決め、時間が過ぎたら食事をしまう
- 朝夕の食事時間を一定にする
- しつけであってもあまり長い時間おあずけをしない
といったことが大切です。食べきれないほどの食事を与えていれば、当然残してしまい、それを隠そうという行動に移ってしまいます。食べ終わるまでダラダラ食べているのも、食に対する執着が強くなるのでやめましょう。
朝夕の食事時間を、飼い主に合わせた時間にしてしまうと、いつもの時間に食べられたり、食べられなかったり、いつもより早く食べられたりと、落ち着きません。そういった不安定さが、犬の食への執着心を生んでしまいます。
我慢のできる犬にしようと、食前におあずけをしすぎると、かえってしつけにならないということもあるのです。飼い主の意志だけで決めるのでなく、愛犬の様子や性格をみながらしつけをしていきましょう。
また、子犬の頃や、過去に食を巡って争ったことのある犬は、食への執着が強くなったり、早食いをしやすくなります。常に誰かに奪われるのではないかという意識があるので、唸ったり、攻撃的な行動をすることもあります。
自分の食べ物を奪われたくないという心理からなので、「これはあなたのごはんで、
誰も奪わないよ」根気よく教えてあげましょう。
食事中に唸るのは、自分が飼い主よりも上の立場で、リーダーだという意識もあるということです。ですから、飼い主がリーダーで、リーダーから食事をもらうのはあなただと認識させるために、
- 食事は飼い主の食事の後に与える
- 食事を与える前に、待て、お手、おかわりなどをさせてから与える
といったことを、根気よく続けてみてください。唸り癖が直らなくても、叱っては元も子もありません。余計にリーダー意識をもったり、食への執着心が増してしまいます。
4.2.食べ物に執着する犬への対処方法
食べ物を隠すという行動がなくなっても、執着が強い犬もいます。そういった場合の対処法は、
- 犬が食べている最中にフードを足す
- 食事の回数を増やしてみる
- 犬に満腹感を与える工夫をする
などがあげられます。食事中にフードを足すのは、飼い主が食事を奪うのではなく、与えてくれる存在なのだと認識させるためです。
全部の量を器に入れるのではなく、数回に分けて与えられるよう、少量を入れておきます。食べ終わったら、器を持って、犬に見せるようにして少量入れ、元に戻すことを繰り返してみましょう。器に近寄るだけでも唸る場合は、少し離れてフードを投げ入れるようにし、慣れたら距離を縮めていきます。
食事の回数が、朝夕の2回なのであれば、朝昼夕の3回に増やしてみましょう。空腹でいる時間を減らすことで、執着心が弱まる可能性があります。ドッグフードの量は増やさず、もともとの1日分の量を、3回分に分けて与えてください。
犬に満腹感を与えるためには、ドライフードならお湯でふやかしたり、手作り食なら噛み応えのある食材を入れるなどしてみましょう。ドライフードでも丸飲みしてしまうことも多いので、かさましするのがおすすめです。手作り食であれば、こんにゃくや豆腐などはカロリーが少なく、かさましになりますし、バナナなどの果物は満腹感があるので試してみてください。
5.まとめ
食事は毎日のことなので、飼い主にとっても気になることだと思います。愛犬が食べてはいけないものを間違って食べてしまわないか、アレルギーはないか、はたまた、食べ物に対して執着が強くて困ってしまうなど様々です。それらに関しての対処法を知っておくと、これからの愛犬との暮らしに役立つかもしれません。
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