「犬はカニを食べることができるのかな?」と疑問に思ったことはないですか?
家族でおいしくカニを食べている時に愛犬が欲しそうに見ていると、つい食べさせてあげたくなりますよね。
カニは「犬には与えてはいけない食べ物」とされていることが多いのですが、生で与えるのでなければ、食べることができるのです。
そこで今回は、カニを犬に与えないほうがいいと言われる理由、犬にカニを与える場合の注意点、適量や調理方法などについて紹介していきます。
目次
1.犬はカニを食べることができる?
1.1.加熱すれば食べることはできる
1.2.アレルギーの心配は?
2.カニを与えないほうが良い3つの理由
2.1.ビタミンB1欠乏症になる恐れがある
2.2.消化不良を起こしやすい
2.3.アレルギーが出やすい
3.カニを犬にあげる場合の注意点
3.1.カニの調理法や適量について
3.2.殻や甲羅は取り除く
3.3.カニカマは与えてもいい?
1.犬はカニを食べることができる?
カニが好きな人は多いです。
冬になればお腹いっぱいカニを食べるのが楽しみだという人も多いのではないでしょうか?
一年中食べられるものではない高級な食べ物なので、どうせなら愛犬と一緒に楽しみたい、と思う瞬間もあると思います。
しかし、ネットなどを見てもカニなどの甲殻類は犬に食べさせてはいけない食べ物とされていることが多いですよね。
人間でもカニにアレルギーがある人はいます。
犬もアレルギーが出てしまうのでしょうか?
ここではまず、犬はカニを食べられるのかどうかを説明してみます。
1.1.加熱すれば食べることはできる
犬にとってカニはできれば食べないほうがいい食材には間違いないのですが、加熱すれば食べることは可能です。
生で食べてしまうと、カニに含まれているチアミナーゼという酵素がビタミンB1を分解してビタミン欠乏症になる恐れがあります。
ビタミン欠乏症は歩行がふらつく、痙攣、神経障害という危険な症状が起こることがあります。
チアミナーゼは加熱すると分解してしまうので、焼いたり茹でたりしたものは、食べることができるのです。
1.2.アレルギーの心配は?
人間でもカニなどの甲殻類にアレルギーがある人がいます。
甲殻類はアレルギーを引き起こしやすい食材と言えるでしょう。
もちろん人間と同じように犬にもアレルギーを起こす可能性は高いです。
アレルギーを起こすと、かゆみが出たり、元気がなくなったりするほかにも、下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。
アナフィラキシーショックを起こして重篤化してしまうこともありますので、カニのアレルギーには注意が必要です。
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2.カニを与えないほうが良い3つの理由
カニは加熱して与えれば、犬も食べることができる食材です。
しかし、あえて犬に与える必要がある食材であるとは言えません。
それでは、なぜ犬にカニを与えないほうが良いのか、3つの理由をあげて説明してみましょう。
2.1.ビタミンB1欠乏症になる恐れがある
生のカニには「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。
この酵素は犬の体にとって大切なビタミンB1を分解してしまうので、ビタミンB1欠乏症になってしまう恐れがあります。
ビタミンB1欠乏症になったら、歩き方がふらふらになってしまったり、痙攣や神経障害を引き起こしてしまうことがあります。
チアミナーゼは生のカニに多く含まれているので、決して生で食べさせてはいけません。
しかし加熱することでチアミナーゼは分解されてしまいますので、茹でたり焼いたりして加熱したカニであれば、食べさせることはできます。
しかし、カニなどはあえて食べさせる必要があるものではなく、加熱したものであっても、たくさん食べさせるのは避けたほうが良いでしょう。
カニの他にビタミンB1欠乏症を起こす可能性があるものとしては、同じ甲殻類であるエビやイカ、タコ、ハマグリ、アサリ、シジミなどの貝類などです。
甲殻類やイカ、タコ、貝類は犬に食べさせてはいけない食べ物であると記されている飼育書が多いのは、こういう理由があるからなのです。
食べられないものではないですが、あえて食べさせることもないので、カニ鍋や魚介類の鍋などを愛犬と一緒に楽しむときでも、おすそ分けはほどほどにしておくべきでしょう。
2.2.消化不良を起こしやすい
カニは消化が良くない食べ物です。
犬は殻や骨を自分で取り除くことができませんので、あたえた時に取り除ききれなかった骨や殻が紛れてしまっていることもよくあります。
それでもあたえられれば犬は喜んですぐに丸のみしてしまいますので、消化不良を起こしやすくなります。
消化不良を起こすと下痢や嘔吐の原因になってしまい、体調を崩してしまうことになります。
2.3.アレルギーが出やすい
カニなどの甲殻類はアレルギーを起こしやすい食材です。
人間でもカニやエビにアレルギーがあるから食べられないという人も少なくありません。
犬がカニを食べてしまってアレルギーを起こした場合の症状は、かゆみ、下痢・嘔吐、元気がなくなるなどですが、怖いのはアナフィラキシーショックを起こした時です。
アナフィラキシーショックとはアレルギーの原因となる食材を食べた後に、全身に皮膚のかゆみなど複数のアレルギー症状が出て、呼吸器系の症状や血圧の低下などを起こしてしまうことです。
食べてすぐに症状が現れる場合もあれば、時間が経ってから現れる場合もあります。
アレルギーを起こす可能性が高い食材を食べて、皮膚などに現れるアレルギー症状とともに、呼吸器など全身の臓器に症状が現れる場合はアナフィラキシーショックが疑われます。
カニを食べさせて一度目にアレルギー症状が現われなかったからと安心して、二度目に少し多めにあたえるのは避けましょう。
一度カニを食べたことによって抗体ができてしまうことにより、二度目にあたえた時に過剰に反応してアレルギー症状が出てしまうことがあります。
一度目には何ともなくても二度目に起こしたアレルギー症状はアナフィラキシーショックのように重篤な症状になることがありますので、注意してください。
アレルギー症状を起こした場合は、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
人間でもアレルギーを起こす人がある甲殻類です。
カニを食べた全ての犬がアレルギー症状を起こすわけではなく、まったく平気でおいしく食べる犬も多いです。
しかし最初にあたえる場合と二度目にあたえる場合は慎重にして、少しずつあたえてみるようにしましょう。
食べてからもしばらくは様子を見守るようにしましょう。
3.カニを犬にあげる場合の注意点
カニはできれば犬には避けたい食材です。
しかし家で家族がカニを楽しんでいる時に、愛犬が欲しそうな顔で見たり鳴いたりしていると、飼い主としては、少しおすそ分けしてあげたい気分になりますよね。
そういう場合には、どのようにしてあげればいいのか、説明してみます。
3.1.カニの調理法や適量について
カニを犬にあたえる場合は、ビタミンB1欠乏症を防ぐために必ず加熱するようにします。
生であたえることは厳禁です。
加熱するとビタミンB1欠乏症の原因である「チアミナーゼ」は分解します。
茹でたり焼いたりしたカニは犬も食べることはできますが、加熱していれば全て大丈夫というわけではありません。
カニ鍋のように出汁で煮たカニは、一緒に煮ているネギなどの味やエキスも染みてしまっています。
醤油などの塩分も染みてしまっていますので、出汁で煮たカニは避けましょう。
茹で方についても塩茹でしたものは、塩分が染みついて、塩分の摂り過ぎになるので避けるようにしましょう。
犬にあたえるカニは味がついていない状態で、塩分なしで茹でたもの、または焼いたものにしましょう。
茹でた場合は茹で汁もおいしいので、いっしょにあたえるといいでしょう。
量については5kgの犬で大匙二杯程度を目安にするといいでしょう。
あたえ過ぎには注意してください。
3.2.殻や甲羅は取り除く
犬は固いものでも平気で食べることもありますが、カニの殻や甲羅は取り除いてあげましょう。
カニの種類によっては、殻が非常に固く表面がゴツゴツして突起があるものもあります。
割れた甲羅や殻で口の中や消化器官を傷つける可能性もあります。
また消化不良を起こしてしまう場合もありますので、骨も一緒に丁寧に取り除いてあげる必要があります。
殻は柔らかいものであれば、すり鉢やフードプロセッサーなどで細かく粉状にして、ふりかけとしてあたえるという方法もあります。
カルシウムの補給にもなるのですが、アレルギーがある犬にはあたえないでくださいね。
3.3.カニカマは与えてもいい?
カニカマはカニと見た目も味もカニ肉にそっくりなので、カニの代用品としてよく利用される食品です。
しかしカニ肉やカニのエキスが含まれていることがあるので、アレルギーの犬にはカニエキス入りのカニカマを与えることはできません。
カニカマを好む犬は多いですが、少量なら与えても大丈夫です。
しかし人間用に加工された食品ですので、犬には塩分が多すぎます。
添加物の心配もありますので、与え過ぎには注意するようにしましょう。
人間には大した塩分ではなくても超小型犬には塩分の摂り過ぎになってしまいますので、注意するようにしなければなりません。
ペット用のおやつにもカニカマ風のものが市販されています。
ペット用のものは人間のカニカマよりは塩分を控えめにしているので、与えても大丈夫です。
カニカマと同様にちくわやかまぼこなどの練り製品も好む犬が多いですが、塩分の摂り過ぎになりますので、与える時はできるだけ少しだけ、またペット用に加工されたものにしておくようにしましょう。
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4.まとめ
カニは人間にとってはとてもごちそうです。
冬になるとカニを食べることを楽しみにしているという人も多いですね。
最近は犬と一緒に行ける温泉旅館も増えてきました。
カニを食べに毎年温泉旅行に行くという人も多いでしょう。
カニはいつも食べられるものではなく値段も安くはないので、希少価値があってカニ好きの人にとっては、とてもありがたいごちそうです。
しかしアレルギーの原因となることも多く、食べられない人が多い食品でもあります。
犬にはカニを食べさせることも出来ますが、正直なところ食べさせるメリットよりも、デメリットの方が多いのでオススメはあまりできません。
カニの代用品であるカニカマは少しなら与えても大丈夫ですが、カニ肉やカニのエキスが含まれているものがあるので、アレルギーがある犬にはあげないでください。
意外と塩分が高い製品でもありますので、与え過ぎないようにしましょう。
愛犬の食事を考えるときに重要なのは、犬には犬の食べ物があり、無理に人間の食べ物を与える必要はない。
ということです。
愛犬の健康を一番に考えて、食べさせるものを決めるようにしましょう。
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