メラノーマは、人間の病気としても耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。犬はこのメラノーマの発生確率が高いのです。悪性であれば、再発を繰り返す厄介ながんと言えます。抗がん剤や放射線による治療はリスクが高く、治療費も高額なため、免疫力を上げる免疫療法が効果的と考えられます。
目次
1.メラノーマとは腫瘍のこと
1.1.犬のメラノーマとは
1.2.メラノーマは皮膚ガン
2.メラノーマの原因
2.1.メラノーマはとても厄介な病気のひとつ
2.2.メラノーマの主な症状とは
2.3.メラノーマはなぜ進行が早いのか?
3.メラノーマの基本的な治療方法
3.1.手術のリスクはあるの?
3.2.抗がん剤治療は?
3.3.放射線治療は?
3.4免疫療法はなにをするの?
3.5.メラノーマを予防する方法はあるの?
4.メラノーマを患った犬のブログ
4.1.『ディーくんやったよ!! 39days’悪性メラノーマとの闘い。』
4.2.『シャンティの日々~悪性黒色腫(メラノーマ)闘病日記~』
1.メラノーマは腫瘍のこと
メラノーマは、メラノサイトから発生する腫瘍です。良性であればホクロの一種と考えられますが、悪性であれば進行が早く、転移スピードも早い厄介ながん細胞と言えます。
1.1.犬のメラノーマとは
メラノーマは、黒色腫ともいい、メラノサイトから発生する腫瘍です。メラノサイトとは、メラニン色素をつくり出す細胞で、それによって紫外線から皮膚を守っています。
人間では10万人に数人の発生確率なのですが、犬の場合ではかなりの高確率で発生する、がんの一種です。
犬の免疫機能が正常に働いていれば、メラノーマの発生や成長はある程度抑えられるのですが、免疫機能が低下するとメラノーマの活性を抑えることができなくなってしまい、腫瘍が成長してしまうのです。
もちろんその他の原因もありますが、免疫機能の低下は大きな原因の一つと言えます。メラノーマの発生しやすい箇所は、
- 口腔内
- 皮膚
- 眼球
- 指
などで、特に口腔や指に発生するものは、ほとんど悪性だと言われています。平均発生年齢は9~11歳となっていますが、3歳という若さでも発生する症状です。メスよりもオスの方がかかりやすく、皮膚の色素沈着度が高い犬種も注意が必要です。
特に黒色の犬、コッカースパニエルに多発しています。黒色腫と言う名の通り、黒っぽいおできのようですが、褐色や灰色、色のないものもあるので、地肌が黒っぽい犬だと発見が難しくなります。
皮膚やつま先にメラノーマが発症しやすい犬種は、
- テリア
- スパニエル
- ボクサー
- チワワ
などで、口腔内にメラノーマが発症しやすい犬種は、
- ゴールデンレトリーバー
- スコティッシュテリア
- ダックスフント
- プードル
などが挙げられます。
1.2.メラノーマは皮膚ガン
良性腫瘍はメラノサイトーマと呼ばれ、植毛が存在する皮膚に出来やすく、ホクロの一種と言えます。悪性腫瘍であるメラノーマは、
- 唇
- まぶた
- 口腔内
- 爪下部
に主に発生し、急激に増殖することが多いです。局所的に深部まで浸食したり、他の臓器への転移も多くみられます。見つけた腫瘍がホクロよりも大きかったり、盛り上がっていたり、境目がはっきりしていないときは要注意です。
腫瘍が出来てから急成長するものは、悪性の可能性が高いので、経験の多い獣医師に診てもらいましょう。また、内臓から先にメラノーマが発生することは稀ですから、肺などに見つかった場合は、ほぼ転移したものだと考えられます。
転移するのは、肺や肝臓、リンパ節、副腎などで、特に肺に転移しやすいです。もし転移していたのなら、一般的な治療だけで完治に持ち込むのは非常に困難でしょう。メラノーマと共存するようにして、治療を組み立てていくことになります。
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2.メラノーマの原因
犬のメラノーマは、口腔内に出来ることが多く、見えにくい場所に出来ると発見が遅れ、根治が難しくなってしまいます。早期発見が完治のカギとなりますが、初期段階で自覚症状がないのが厄介です。
2.1.メラノーマはとても厄介な病気のひとつ
メラノーマは初期段階では、ほぼ自覚症状がありません。痛みが出てくるのはほとんど末期状態で、腫瘍がかなり大きくなって出血するような場合です。咳をする、呼吸が苦しそうといった場合は、すでに肺に転移しており、それが進行している状態と考えられます。
メラノーマが厄介なのは、転移スピードの早さです。自覚症状がなければ飼い主が発見しにくく、症状が出始めたらかなり進行していますし、転移箇所が多ければ再発を繰り返してしまいます。
全く気づかないまま末期症状を迎え、犬の体力も考えて治療しないのであれば、最悪の場合、余命は2ヶ月ほどだと言われています。
メラノーマの発生原因は、免疫機能の低下が大きな原因の1つであると述べましたが、外的要因も影響があります。それは、慢性的な外部からの刺激です。
- 固いドッグフード
- 骨ガム
- 噛むおもちゃ
- 真夏のアスファルト
- 紫外線
などが挙げられます。口腔内であれば、固い食べ物やおもちゃ、肉球付近であれば足裏への刺激が強い道を毎日散歩するなど、路面からの刺激の影響が大きいようです。
人間は紫外線が原因となってメラノーマが発生するとされているので、犬の場合は短毛種やサマーカットした犬などは、少々リスクが上昇すると言えます。
免疫機能の低下は加齢による場合も多く、高齢犬は発生リスクが高くなるでしょう。その他にはホルモンやウイルスの影響、遺伝、免疫不全などが考えられます。
2.2.メラノーマの主な症状とは
口腔内にメラノーマが出来ると、
- 口臭がきつくなる
- 口から出血する
- 口腔内に腫瘍ができる
- 顔の腫れ
- よだれが多くなる
- 黒褐色の結節(直径1cm以上の限局隆起)があらわれる
- 痛みによる食欲不振など
などの症状がみられます。足先や指、皮膚にできるメラノーマの場合は、腫瘍とともにズキズキとした痛みがあるようです。
転移スピードの早いメラノーマの根治には、とにかく初期段階で発見することが大切です。早期発見のために、メラノーマの発生しやすい口腔内や足裏を定期的にチェックする習慣をつけるようにしましょう。
多くのメラノーマは肉眼で見える場所に発生し、周辺部位に比べてメラノーマは濃い色をしていることが多いので、それを発見の糸口としてください。ホクロやシミと見間違えやすいので、
- 歯茎や足裏に最近現れた
- 色がまだら
- 形が丸や楕円ではない
- 境目がはっきりせず、周りにじわじわ浸潤している
といった点に注意して観察しましょう。動物病院の定期健診や診察中、トリミングサロンで見つかることもあるので、経験豊富な獣医師やトリマーを選んでおくと安心です。
定期健診が大切といっても、メラノーマは刺激によって成長を早めるので、過剰な検査はやめた方がよいでしょう。メラノーマを取り除こうと、とがったもので突いたり、強く触れたりするのもいけません。
2.3.メラノーマはなぜ進行が早いのか?
それはずばり「がん幹細胞」の多さです。がん幹細胞は、がんの中に存在する、少数の特殊な細胞で、半永久的にがん細胞を生みだします。体中を移動することができるので、再発や転移に大きな影響を与えています。
抗がん剤治療や放射線治療の効果を、無力化するほどの力を持っています。無限にがん細胞を生み出す上、衰えることがないのです。今後のがん治療は、いかにがん幹細胞を排除するか、大人しくさせるかが重要なポイントになっています。
しかし、まだ有効な治療法が確立されていません。がん幹細胞の研究が進められていますが、人間を対象としており、犬や猫の研究はまったく進んでいないのです。現実的に考えて、有効な方法は犬の免疫力を高めることと言えます。
3.メラノーマの基本的な治療方法
メラノーマに侵された細胞を取り除く、外科手術が有効な手段ですが、広範囲の病変部位を切除するとなると、その後の生活がままならなくなることもあります。進行の程度、治療費の問題、今後の愛犬との生活などをふまえて治療方針を決めなければなりません。
3.1.手術のリスクはあるの?
メラノーマの治療方法には、
- 外科手術による腫瘍とその周辺部位の切除
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
- 免疫療法
などがあり、抗がん剤や放射線治療もあまり有効とは言えないのが現状です。最も有効なのは外科手術によって腫瘍を取り除いてしまうことですが、デメリットも大きくなります。
- 顎や脚の切除や切断により見た目が大きく変わる
- 普通に食事ができなくなる、歩行困難になる
- 他の部位に転移していた場合、切除手術が無駄になる
などのリスクがあります。腫瘍部分だけでなく、周辺もメラノーマに侵されてしまっている場合は、広範囲にわたって切除することが望ましいため、下顎全てを切除するといった手術になる可能性もあるのです。
そうなってしまうと、顎を切除すれば食事が出来なくなりますし、足を切除すれば普通には歩けなくなってしまいます。もし、切除した部分の他に転移していたとすれば、そこからまたメラノーマに侵されてしまうので、手術自体が無駄となってしまうこともあるでしょう。
広範囲を切除したとしても、完全にがん細胞を取り除けるわけではありません。メラノーマの進行スピードを考えると、少しのがん細胞を取り残してしまうでしょう。
それでも、切除手術を行うのは、かなりの数のがん細胞を減らすことができ、再発までの時間を稼ぐことができるからです。手術後のケアによっては、再発しない可能性もあるそうです。
手術費用は、入院費込みで10~40万円程度が相場となっており、数回の手術が必要になった場合、かなりの金額がかかります。
ですから、メラノーマの進行状況や飼い主の意志、外科手術のメリットとデメリットを考慮した上で、どのように治療していくか、よくよく考えることが大切となります。
ですが、すべての手術がこれほどのリスクを伴うものというわけではありません。腫瘍の一部だけを切除する緩和手術という手段もあります。目的は、腫瘍によって起こっている症状を一時的に解消することです。
- 腫瘍が邪魔で食事が摂れない、呼吸がしにくい
- 腫瘍からの出血で貧血がおさまらない
- 腫瘍が膿んで臭う
といった場合に行われます。がん細胞を残したままで完治するわけではないので、無意味のように思えるかもしれませんが、愛犬と飼い主の生活の質を向上させ、より良い時間を過ごすための前向きな手術です。
抜歯という手段もあり、これは口腔内メラノーマの進行をかなり遅らせるのではないかと考えられています。
3.2.抗がん剤治療は?
率直に述べると抗がん剤は、メラノーマにはあまり効かないと言えます。手術が難しい場合や、術後に行われる治療法ですが、前述のように、メラノーマは「がん幹細胞」の多いがんです。
抗がん剤ががんをやっつけるために効果を発揮するのは、がんの細胞分裂のタイミングです。腫瘍の中ではがん細胞の分裂が繰り返されているので、それに対してはよく反応し、腫瘍が小さくなることもあります。
しかし、腫瘍の中のがん幹細胞は、細胞分裂のスピードが遅いため、抗がん剤の影響をあまり受けません。腫瘍が一時的に小さくなっても、がん幹細胞は残っているのです。
その上、がん幹細胞は細胞分裂を繰り返すモードと、まったく細胞分裂をしないモードを切り替えるという離れ業をもっています。細胞分裂しないモードのがん幹細胞には、抗がん剤はほぼ無力なのです。
がん幹細胞は環境適応力が非常に高く、抗がん剤による治療中であっても、その環境に適応してしまえば増殖してしまいます。環境に適応して生まれたがん幹細胞から細胞分裂したがん細胞は、抗がん剤への耐性が出来ているということになり、どんどんがんは進行していきます。
抗がん剤を変更して腫瘍を小さくできたとしても、抗がん剤を使い続けることによって、体や精神が耐えられなくなるでしょう。免疫能力もどんどん低下していき、抗がん剤の副作用も加わって、愛犬の体に不利益なことの方が多いと言えます。
治療費も1回2~4万円が相場で、再発などがあれば長期的に治療しなければならないので、高額な治療費がかかるでしょう。また、抗がん剤を使ったために、体調の良かった犬が数日後に他界したという事例もあるのです。
- 貧血気味
- 低アルブミン
- 肝機能低下
- 腎機能低下
といった症状がある場合にはさらに危険で、簡単に犬の限界を超えてしまうでしょう。抗がん剤治療は本当に最終手段として考え、愛犬の体に無理をさせないようにしてください。
3.3.放射線治療は?
手術をしにくい部位、たとえば口腔メラノーマであれば目の付近にまで広がっていれば、手術によるがん細胞の摘出は不可能です。そういった場合に、放射線治療が提案されることが多いです。
放射線を照射したからといって、がん細胞を全滅させることはできません。もしも、正常な細胞にまで照射してしまうと、後遺症が出るケースもあります。
口腔内メラノーマの場合、周辺の細胞に放射線を照射してしまうと、
- ドライアイ
- 視力低下
- 失明
- ドライマウス
- 味覚障害
- 嗅覚障害
といった後遺症が現れることがあります。人間の場合は、数十日かけて少しずつ照射するのに対し、犬の場合は数回で強烈な放射線を照射するのです。後遺症が出て当然とも言えます。
加えて、
- 照射のたびに全身麻酔が必要
- 被ばくによる免疫低下
- 効果のわりに高額
といったデメリットがあります。放射線治療の装置は、大学病院や一部の動物病院にあり、最新のものなら良いですが、古い装置もあるため、照射精度が落ちる可能性もあります。術者が新人や大学のインターン生であれば、後遺症の不安が大きくなるでしょう。
被ばくすることで、ただでさえ落ちている免疫力がより低下してしまう可能性があります。1回1~5万円の治療費がかかり、複数回の照射となるので、その分費用はかさみます。
また、メラノーマのがん幹細胞がここでも邪魔をします。放射線治療は、がん細胞のDNAに傷をつけて細胞をさせないようにする治療法です。
- 放射線によって直接DNAを切断する
- 間接的に生み出した活性酸素に攻撃させ、DNAを切断する
といった2パターンでがん細胞傷つけるのですが、がん幹細胞は活性酸素を解毒する能力をもっています。細胞の中でグルタチオンという物質をつくり出して、活性酸素を除去してしまいます。
こうして2つめのメカニズムに強い抵抗性を示すため、放射線治療の効果が半減してしまうのです。一部の抗がん剤も、活性酸素によってがん細胞を攻撃しますが、同じように効果が弱くなってしまいます。
3.4免疫療法はなにをするの?
免疫療法は、食事やサプリメントによって、
- がんの増殖スピードを低下させる
- 体力をつける
- 貧血やアルブミン値などを改善させる
ことが目的で、自然治癒力による治療法なので、ほとんどデメリットがありません。デメリットがあるとすれば、食事をつくる手間が増えるといった程度で、愛犬のためであればぜひ試してみたいと思う飼い主が多いのではないでしょうか。
がん細胞の主なエネルギー源は糖質です。ですから、糖質を制限し、高タンパクの食材を増やします。がんを患っている犬がタンパク質不足に陥っていることが多いですし、タンパク質は体の組織をつくるために大量に使われる栄養素です。
低糖質、高タンパクの食事にすることで、犬が抵抗することもあると思います。食事を切り替えることでストレスが強くなってしまいそうなら、味付け方法や食材の温度の工夫で受け入れてもらえることもありますから、試してみる価値はあるでしょう。
動物病院からは食事療法の指示に加えて、サプリメントが処方されることもあります。サプリメントは、1ヶ月1~3万円程度の相場となっており、処方されるものによって差が出ます。
サプリメントは早急な免疫力の改善が見込めるので、時間をかけていられない場合に処方されるようです。免疫力を高める作用があるアガリクス、プロポリス、冬虫夏草、乳酸菌、がんの再発防止に効果があるといわれるDHA、がん細胞の増殖を抑制する効果が期待できるビタミンDなどがあげれらます。
3.5.メラノーマを予防する方法はあるの?
慢性的な刺激を避ける
メラノーマの原因1つは、慢性的な刺激です。そのためにはまず、散歩コースを見直しましょう。アスファルトで舗装されている道路をなるべく避け、土や草の道を散歩します。
平らなアスファルトはまだ良いですが、凸凹したアスファルトの道は足裏への刺激が強くなります。平らなアスファルトでも、夏の暑い日は熱刺激が大敵です。アスファルトから溶け出す化学物質の刺激も心配です。
そうは言っても、アスファルトの散歩コースしか選べない場合もあると思います。そういった時は、散歩の時だけ靴を履かせるのがおすすめです。
口腔内への刺激としては、カリカリのドッグフードや骨、ガムなどがあげられます。食事は手作り食にするのが1番ですが、難しい場合はドッグフードをお湯でふやかしたり、半生タイプに変更しましょう。
ドッグフードの添加物も、メラノーマを発生させる原因にならないとは言い切れません。出来るだけ高品質なドッグフードを選んだり、1食だけでも手作り食にしたりと工夫してみるとよいです。
歯周病による炎症も、慢性的な刺激になり得ます。グラグラしてしまっている場合、飼い主のいないところで歯が抜けると、大量出血することもあるので、早めに獣医師に抜いてもらいましょう。
免疫力の低下を阻止する
メラノーマのもうひとつの原因は、免疫力の低下です。加齢によって免疫力が下がってしまうのは仕方がありませんが、ストレスを避ける工夫は出来ると思います。
強いストレスがかからないよう、少しのストレスでも慢性的にかからないよう、配慮することが大切です。
- 相性の悪い同居動物がいる場合は離す
- 周辺の騒音時は、静かな部屋に入れる
- 飼い主が笑顔で接する
など、普通のこととして行っている方もいるかもしれませんが、重要なメラノーマ予防法となります。飼い主が笑顔で接するのは、人間ですから難しい場合もあるでしょう。悲しいときは他の家族に愛犬の相手をしてもらうなど、飼い主のストレスが伝わらないようにしてあげてください。
また、食事の面からも免疫力を上げる工夫をしてみましょう。加齢による免疫力の低下も、ある程度抑えることができます。
免疫療法では、低糖質、高タンパクの食事にすると述べました。がんを発症している犬は、糖質が総カロリーの10%以下になるように、がんを発症していない犬は、総カロリーの20%以下でも良いので、糖質制限をしてみましょう。
糖尿病の犬は、がんを発症している犬と同じく10%以下に制限することが望ましいです。良質な食事は、副作用のない穏やかな薬とも言えます。
- 脂身の少ない赤身の肉(何種類かローテーションして与える)
- 青魚の刺身や水煮缶、サーモン
- 納豆(ひきわり納豆は消化がよいのでおすすめ)
- 豆腐
- 野菜(甘みの強いもの、イモ類は控える)
- きのこ類(細かく刻む)
- 亜麻仁油、しそ油、えごま油(出来上がった食事にふりかける)
これらの食材をメインに献立を考えてみてください。タンパク質源として肉や魚はもちろんのこと、植物性タンパク質の納豆や豆腐もおすすめです。納豆は、腸内環境改善に役立ちますし、デトックスと免疫力を強化します。
豆腐は、水分を多く含むためデトックスにもなりますし、かさましにもなるので便利です。野菜やきのこ類は、農薬をしっかり洗い流し、消化を良くするために細かく刻んで与えれば、糖質の少ない優秀な食材となってくれます。
亜麻仁油などは、αリノレン酸が主成分の油です。αリノレン酸は、体内でEPAやDHAになるため、生活習慣病の予防ができます。加熱すると酸化してしまうので、調理に使うのではなく出来上がった食事にふりかけて与えるのがおすすめです。
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4.メラノーマを患った犬のブログ
発生確率が高く、完治の難しいがんであるメラノーマですから、飼い主の悩みや心配はつきません。そんな気持ちの飼い主たちが、同じ境遇の方たちに参考になるよう、情報共有ができるよう綴ったブログをご紹介します。
4.1.『ディーくんやったよ!! 39days’悪性メラノーマとの闘い。』
病気もせず元気なシュナウザー犬のディーくんでしたが、10歳10ヶ月の時に突然、唇の外側に悪性メラノーマが見つかりました。病理検査で「悪性黒色腫」と診断され、もう長くは生きられないのかと、激しく動揺し悲しんだ飼い主のnatsuさん。
その後、大学病院での外科手術によって癌の転移している箇所は切除され、日常生活に問題ないほどまでディーくんは回復しました。唇の外側に腫瘍が出来ていたことと、早期発見であったため、完治することができたようです。
39日間というと短いように感じますが、natsuさんにとっては辛く長い日々だったそうです。治療費についてや手術、入院、検査などの様子が細かく記されているので、参考になりますが、切実な思いに読者まで涙してしまうかもしれません。
4.2.『シャンティの日々~悪性黒色腫(メラノーマ)闘病日記~』
トイプードルのシャンティちゃんは、2012年4月から「口腔内悪性黒色腫」を患いました。闘病中の12月に飼い主のmiyaさんが記憶を遡りながら、同じ症状に苦しむ犬たちと飼い主たちのため、情報を共有するために記されたブログです。
シャンティちゃんの闘病中、miyaさんは妊娠中でもあったので、お気持ちは複雑だったことでしょう。奥歯のさらに奥に出来たメラノーマだったので、毎日歯磨きをしていても気づかなかったそうです。
根治は難しい状況でしたが、少しでも長く生きられるように奮闘されていました。中でも、「アニマルコミュニケーション」を受けた際の記事は印象的です。シャンティちゃんがmiyaさんに対して伝えたいことを、言葉にしてくれるアニマルコミュニケーターとのセッションなのですが、その言葉はどれも胸に響きます。
2013年1月に空に帰りましたが、それと同時期に新しい命も無事誕生しました。複雑な気持ちを抱えながら、最後まで闘病の様子を記録してくれています。
5.まとめ
愛犬がメラノーマに侵されていく様子を目の当たりにする飼い主は、さぞ心を痛め、どうにか救ってあげたいという気持ちでいっぱいだと思います。発見が遅れてしまいがちながんですが、食事を気をつけたり、慢性的な刺激を与えないようにしたりと、予防策はあります。できるだけたくさんの時間、愛犬と触れあるよう、小さな日々のひとつひとつを丁寧に暮らしていきたいものです。
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