フルーツなどを食べている時に愛犬がほしいとせがんでくることは犬と生活をしていると一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
あげたいけれど、グレープフルーツをはじめとする柑橘系は犬が食べてもいいのか分からない…という方も多いです。
ですが、実はグレープフルーツを犬が食べても大丈夫なんです。
そこで今回は、グレープフルーツはどんな効果があるのか、グレープフルーツを食べて嘔吐する原因は何か、グレープフルーツの与え方などをご紹介します。
守らなければいけない注意事項もありますが、しっかり守って与えれば犬にとって栄養豊富なグレープフルーツ。是非試してみてはいかがでしょうか。
目次
1.犬にグレープフルーツをあげても大丈夫?
1.1.柑橘系も適量ならOK!
1.2.グレープフルーツを食べて嘔吐する原因は?
2.グレープフルーツが犬に与える6つの効果
2.1.疲労回復効果
2.2.抗酸化作用
2.3.脂肪や糖の燃焼効果
2.4.皮膚や被毛の健康維持
2.5.水分補給
2.6.ドッグアロマとしても!
3.犬へのグレープフルーツの与え方
3.1.グレープフルーツの調理法や適切な量について
3.2.皮は絶対に与えないように!
1.犬にグレープフルーツをあげても大丈夫?
あまり知られていませんが、グレープフルーツは犬が食べても大丈夫な果物です。グレープフルーツを食べさせるときの注意点はいくつかありますが、犬に与えることにより様々ないい効果も期待できる果物です。
それではまず、グレープフルーツの栄養についてご紹介します。
グレープフルーツには炭水化物やビタミン、ミネラルが豊富に含まれていて、中でもビタミンC、パントテン酸、チアミン、ビタミンB6、葉酸、リボフラビン、ナイアシン、カリウム、マグネシウムが多く含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは強い抗酸化作用があるビタミンEを再生することができる水様性のビタミンです。さらに、コラーゲンの生成、毛管、歯にとっても重要な栄養素で鉄吸収にも関与しています。
犬は体内でビタミンCを合成できますが、身体にストレスがかかっているときなどは食事から摂取することが必要です。関節炎の予防にも効果的です。欠乏すると壊血病などを引き起こします。
パントテン酸
パントテン酸は、糖や脂質の代謝に深く関わっている水様性のビタミンです。炭水化物、脂質、タンパク質などのエネルギー源となる栄養素の代謝に関与しているコエンザイムA(パントテン酸、アデノシン二リン酸、2-チオキシエタンアミンから構成されている補酵素)を構成する成分の一つです。
皮膚のセラミドの合成にも関与していて、バリア機能を強化し、皮膚を乾燥から守る働きもあります。欠乏すると、皮膚炎などの全身性の症状が現れます。
チアミン(ビタミンB1)
チアミン(ビタミンB1)は神経系の機能に関与している水様性のビタミンです。特に心臓や肝臓、腎臓、脳などの生きるために重要な臓器に多く分布しています。
神経伝達にも関与していて知覚刺激などを助ける働きもあります。欠乏すると疲労感や筋力低下、歩行や視覚にも障害を引き起こします。最悪の場合死にいたることもあるため必ず摂取したいビタミンです。
ビタミンB6
ビタミンB6はアミノ酸代謝などの代謝系に関与している水様性のビタミンです。ビタミンB6についてはいまだに研究が続く未知のビタミンです。欠乏すると皮膚、神経、血液などの異常を引き起こします。
葉酸
葉酸は神経組織(DNA)の発達に関与している水様性のビタミンです。犬は腸内細菌から葉酸を産出していますが、食事からの摂取も必要です。神経組織(DNA)の合成に関与しているため、妊娠期や授乳期の犬にはたくさんとるべき栄養素です。さらに貧血予防にも効果があります。
葉酸を交配前の発情期の頃から多く摂取させると口蓋裂の発症を減らすことができたとの報告もあります。欠乏すると、妊娠中では胎児の奇形の原因となります。
リボフラビン(ビタミンB2)
リボフラビン(ビタミンB2)は酵素の機能の補助に関与する水様性のビタミンです。皮膚や被毛の健康維持や脂肪からエネルギーを生成したり、エネルギー活動を手助けする働きがあります。欠乏すると光に過敏になったり、皮膚の乾皮症を引き起こします。
ナイアシン
ナイアシンは脂質、炭水化物、タンパク質の代謝に不可欠な水様性ビタミンです。犬の体内でも少しは分泌していますがそれでは不足するため食事からの摂取が必要となります。パントテン酸同様、セラミドの合成を助ける働きもあり、皮膚のバリア機能を強化します。
カリウム
カリウムは細胞内に一番多いとされるミネラルです。細胞内の浸透圧を維持するために必要なミネラルでナトリウムとバランスを取って働いています。神経伝達やエネルギー代謝に関与していて、心臓の機能にも重要な働きをしています。欠乏すると低カリウム血症を引き起こし、精神的に不安になることもあります。
マグネシウム
マグネシウムは代謝に関与するミネラルです。神経伝達や筋肉の収縮などにも重要で、心臓の治療薬として使われることもあります。骨や歯の健康維持にも関与しています。過剰になるとストルバイト結石を引き起こし、欠乏すると神経障害、高血圧などを引き起こします。
また、グレープフルーツは9割が水分でできているので、水分補給としての効果も期待できます。
1.1.柑橘系も適量ならOK!
中毒成分などが心配される柑橘系の果実ですが、適量なのであれば問題なく食べることはできます。
柑橘系の種類にもよりますが、みかんは便を軟らかくする効果もあるため元々便が緩めの犬に対しては1房でも下痢になる可能性がありますので、犬に柑橘系を与えるときはしっかり下調べしたうえで初めて食べる際は1房を1/3程度にして与えてみましょう。
与えるときは房についている薄皮を取り除き身だけの状態で与えます。種や皮は与えないようにします。
犬の様子や便の状態など確認し、便が柔らかくなるようであれば、与えるのを中止しましょう。
1.2.グレープフルーツを食べて嘔吐する原因は?
グレープフルーツを食べて嘔吐する原因はいくつかあります。
まずは食べすぎて嘔吐する場合です。どんな食べ物でも食べすぎると消化不良を引き起こします。嘔吐だけでなく下痢として症状が現れることもあります。
犬と人間では体重が10倍程度異なることもあるため、1個のグレープフルーツを犬に与えるということは、人間で言うと単純計算で一度に10個のグレープフルーツ食べたということになります。これは犬でなくても消化不良を引き起こすのは必須ですよね。必ず犬の適した量を与えるようにしましょう。さらに、いぬにより適量がありますので、その犬にとって適した量を調節して与えるようにしましょう。
次にグレープフルーツの外皮を与えた場合です。レモンやグレープフルーツにはプソラレンという成分が含まれており、これを犬が口にすることにより下痢や嘔吐を引き起こします。外皮は与えないように注意しましょう。
最後にアレルギーです。グレープフルーツを食べることにより食物アレルギーが現れる場合は嘔吐や下痢、皮膚の痒みや赤みなどの症状が現れます。グレープフルーツを与えて、嘔吐などの症状が出た場合は与えるのをすぐに中止しましょう。赤みや痒みなどの症状が出る場合は動物病院を受診しましょう。
初めてグレープフルーツを食べる場合は小指のつま先程度のほんの少量から始めましょう。2,3日様子を見て、下痢、嘔吐、皮膚疾患などが現れない場合はア少しずつ量を増やします。注意してほしいのは初めて与える場合には動物病院が診察している日の午前中に与えましょう。万が一何らかの症状が現れた場合にすぐに対応できるよう準備しておくといいでしょう。
グレープフルーツは酸味があるため犬が食べても驚いてそのまま嘔吐することもあるでしょう。そういった場合は無理して与えるようなことをせず、食べるようであれば与える程度のスタンスでいたほうがいいでしょう。
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2.グレープフルーツが犬に与える6つの効果
グレープフルーツは栄養満点で代謝関係に関与していて、人間ではダイエット効果があるなんてことも言われています。
ここではグレープフルーツが犬に与える効果についてご紹介します。
2.1.疲労回復効果
グレープフルーツにはビタミンCが多く含まれているため疲労回復効果が期待できます。これはビタミンCがストレス抵抗性を高め、血流悪化を防ぎ、労回復効果のある栄養素の吸収を促進するからです。
ビタミンCは犬体内でも生成できますが病気やけが、生活環境の変化などのストレスを受けると減少します。そのためグレープフルーツを摂取することによりビタミンCを補うことができるのです。
2.2.抗酸化作用
ビタミンCのビタミンEを再生する働きにより、抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用とは活性酸素を無毒化する働きの事です。体内でウイルスなどを排除する働きのある活性酸素が、健康な細胞を攻撃し酸化することにより、細胞の酸化が始まり、老化現象や様々な病気を引き起こすことになります。犬の認知症や癌の要望などにも効果が期待できます。
抗酸化作用の高い食事として緑黄色野菜、オレンジ、すいか、トマト、トウモロコシ、サケ、マス、甲殻類などがあります。
抗酸化作用を積極的に摂取した犬はワクチン接種後の抗体レベルが高いという報告もあります。
2.3.脂肪や糖の燃焼効果
グレープフルーツには脂肪や糖の燃焼効果があります。燃焼作用に関与しているパントテン酸、マグネシウム、ナイアシンの働きにより脂肪や糖をエネルギーに変える効果があります。代謝によりダイエット効果があり、基礎代謝向上により面気力も向上し、病気になりにくい身体作りができます。
ダイエット中の犬に対してはグレープフルーツを接種しつつ運動を取り入れればダイエット効果が期待できます。
2.4.皮膚や被毛の健康維持
ビタミンCは傷の治癒を助け、ナイアシンやパントテン酸はセラミドを生成し、皮膚や被毛のバリア機能を強化する働きがあります。皮膚のバリア機能が強化されると皮膚からウイルスや細菌が侵入することを防ぎ、犬のアトピー性皮膚炎なども防ぐことができます。
2.5.水分補給
グレープフルーツの9割は水分でできています。そのため水分を栄養と共に接種することができます。散歩中でなかなか水分補給ができない時などに少し持って行って、途中で与えるなどすると効果的に水分を補給することができます。
逆に水分量が多いため過剰摂取すると下痢を引き起こしますので、たくさん与えすぎないよう注意しましょう。
2.6.ドッグアロマとしても!
グレープフルーツはドッグアロマでも使用することができます。気持ちを盛り上げてくれる作用があり、幸福感を与えます。他にも肥満解消や身体の中の体液の流れをよくする作用や、消化を促す作用も期待できます。
精油は高毒性があるため直射日光をさけ、皮膚などに塗布するのはやめましょう。グレープフルーツはイランイラン、オレンジ・スイート、カモミールなど様々な精油と相性がよく2種類の精油を混ぜても使用することができます。
しかし、精油は匂いが強いため、犬が嫌がらないか確認してから使用しましょう。
アロマはストレス解消やリラックス効果もありますので、グレープフルーツは食べるだけでなくアロマを嗅いでリラックスするのもお勧めです。
犬にお勧めな精油として、皮膚が荒れている時はラベンダー、外部寄生虫が気になる時はローズマリー、痒みがある時はティートリーやラベンダー、風邪をひいている時はティートリーやユーカリ、ラベンダーなどがお勧めです。
グレープフルーツはドッグマッサージとしても使用できますが、抗毒性があるため犬にマッサージした後は12時間光にあたらないよう室内で過ごしましょう。皮膚刺激もあるため、マッサージオイルを作る時は精油を少なめに、犬に使用する量も少なめにしましょう。
マッサージオイルの作り方
キャリアオイル30mlに6~12的の精油を加え混ぜます。(グレープフルーツを使用する際は精油を少なめにしましょう。)犬に香りをかがせて嫌がらなければ完成です。嫌がるようであれば精油の量を減らしましょう。
どのタイミングで犬が嫌がるか分からないので1、2滴ずつ加え混ぜて犬にかがせた方がいいかもしれません。
ドッグマッサージの手順
①まずは手のひら全体を使い頭から尻尾に向かってやさしくなでましょう。尻尾の付け根まですっとなでます。
②次は犬の背骨の両脇を、親指を使い軽く円を描くよう撫でていきまし。肩からお尻に向かってなでます。次に尻尾の付け根をさすります。肛門付近は犬が嫌がる部位の一つですので無理せず、嫌がるようであればしなくても大丈夫です。
③次に顔です。手のひらを使い鼻先から頭へよしよしと撫でるように触ります。そのまま耳の付け根も揉みこむようマッサージします。そのまま肩から肢に行きます。指3本を使い、円を描くようさすります。これを前肢両肢行います。肢先も犬が嫌がる部位の一つですので無理しないようにしましょう。
④前肢が終わったらお腹です。お腹は手のひら全体で撫でましょう。優しくもむように触ります。そのまま後肢を前肢同様に指3本でマッサージします。この時ゆっくり肢をまげて伸ばしてと屈伸運動してあげましょう。全行程2,3回続けて行い、終了です。
お尻周りや肢先などは犬が嫌がる部位ですので嫌がるのであれば声をかけながらやっていきましょう。優しく行えば、嫌がらず触らせてくれるようになります。
ドッグマッサージは全身くまなく触ることにより病気の早期発見にもつながります。愛犬とのコミュニケーションの場にもなりますので、ぜひ試してみてください。
この方法以外にも様々な方法があります。飼い主さんのやりやすい方法を参考にして実践してみてください。
マッサージする時間がない場合は。洗面器にお湯を1リットル程度張りその中に精油を10滴程度垂らしかき混ぜ、その中にブラシを浸し、ブラッシングを行うといいでしょう。ブラシでもマッサージ効果がありますので、犬に合ったブラシを選び、行いましょう。
ドッグマッサージの注意点
犬にマッサージを行う時は5分程度の短い時間でも大丈夫です。毎日決まった時間に行うと、してくれない日に、どうして今日はないの?
とストレスを感じることがあるため、毎日違う時間帯に行いましょう。マッサージをするときの力の強さは眼を軽くこするぐらいの軽めの力で行います。背骨などをマッサージする時は背骨を直接押さないようにしましょう。
背骨には大事な神経が詰まっている生きる上で大事な部位なので背骨から2,3cm離れた場所をマッサージしましょう。マッサージする時の手は温めておきましょう。冷たいと犬が嫌がるので注意しましょう。
3.犬へのグレープフルーツの与え方
グレープフルーツは犬にとってとてもいい効果をもたらす果実ということが分かりました。そこでここでは実際にグレープフルーツをインウに与えるときの注意点についてご紹介します。
3.1.グレープフルーツの調理法や適切な量について
グレープフルーツの与え方は生のまま与えても問題ありません。グレープフルーツに含まれるビタミンCは熱を加えると壊れてしまうので、与えるときは生で与えたほうがいいかもしれません。
グレープフルーツは房のまま与えるのではなく、薄皮やスジ、種をしっかり取り除き与えるようにしましょう。薄皮やスジ、種などは犬が消化しにくいため消化不良を引き起こす可能性がありますので、きちんと取り除きます。
適切な量は10~15g程度ですが、個体差がありますので犬に合わせて調節し適切な量を探しましょう。はじめて与えるときは薄皮、スジ、種を取り除き、小指のつま先程度の量から始め、徐々に量を増やし与えましょう。急激に増やすと嘔吐などの症状を引き起こす可能性がありますので注意しましょう。
食事に混ぜて与えてもいいですが、おやつとしてあたえてもいいでしょう。与えるときのポイントは、与える量を犬の体調と相談しながら調節しましょう。犬の体調の悪い時は与えず、元気な時に与えるようにしてください。
3.2.皮は絶対に与えないように!
グレープフルーツやレモン、オレンジなどの柑橘系の果実の外皮には「ソラレン」という中毒物質が含まれているので、間違っても犬には与えないでください。症状として下痢や嘔吐などが現れます。
柑橘系を食べた後は犬が食べないようにすぐに片づけましょう。
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4.まとめ
グレープフルーツが犬に与えるメリットや食べさせるときの注意点について解説しましたが、いかがでしょうか?
注意しなければいけない項目はいくつかありますが、グレープフルーツの効果はたくさんあり疲労回復効果や抗酸化作用、脂質や糖の燃焼効果、皮膚被毛の健康維持や水分補給としても役割もあります。特にダイエット効果や疲労回復効果は人間でもよく言われていますので、効果に期待できます。
さらにグレープフルーツの精油を使ったマッサージもご紹介しました。マッサージは病気の早期発見にも繋がり、愛犬と絆を深めるためにも有効ですのでぜひ試してみてください。
グレープフルーツは薄皮やスジ、種などを除去し与えましょう。薄皮やスジ、種は犬が消化しにくい物な試消化不良を引き起こす可能性があります。他にも外皮は犬が誤って食べないようにすぐに片づけましょう。
グレープフルーツは少し酸っぱい味がするため、苦手な犬もいると思います。無理して与えず、犬が望んだ時や体調のいい時などに与えるようにしましょう。
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