犬を飛行機に持ち込んで旅行するなら確認すべき準備や料金と注意点

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九州、沖縄、北海道などの国内で人気の観光地に、愛犬と一緒に飛行機に乗って楽しみたい!と思う飼い主さんは多いと思われます。

確かに、大好きな愛犬と旅行して、楽しい思い出づくりをするのは素敵なことです。

しかしながら、何の前知識や準備なしでいきなり愛犬を飛行機に乗せてもよいのでしょうか?

実は飛行機に乗るということは犬にとって肉体的・精神的ともに過剰なストレスがかかり、場合によってはケガや命にかかわる事故につながることもあるのです。

そのため、飼い主は愛犬が不慮の事故に遭わないよう、事前に必要な知識や対策を十分に行う必要があります。

そこで今回は、愛犬と一緒に飛行機旅行を安全に楽しむために、飼い主が知っておくべきことについてご紹介していきたいと思います。

目次

1.飛行機内で犬は荷物扱い!
1.1.各航空会社の料金や準備されているケージのサイズ
1.2. 犬が飛行機に同乗する際は事前に電話予約しよう
1.3.犬用のケージ・キャリーは必要?
.4.一緒に犬と飛行機に乗る際の手続きの流れ
1.5.犬も耳抜きができるの?
1.6.時期によっては飛行機に乗ることができない犬種も

2.犬も飛行機に乗ることでストレスを感じる
2.1.飛行機に預けた犬が死亡した事故がある!
2.2.飛行機での移動は犬にとってリスク大!

3.旅行を成功させる4つのポイント
3.1.かかりつけの獣医師に相談しよう
3.2.前もってケージに入り、車で出かける練習しよう
3.3.狭い空間におとなしくいることができるようにしておこう
3.4.飼い主と離れてケージで安心して過ごせるように工夫しよう

4.犬を飛行機で送ることもできる
4.1.飛行機で送る際の暑さ対策と寒さ対策

5.まとめ

1.飛行機内で犬は荷物扱い!

「愛犬と一緒に客室に乗ることは可能なの?」とお考えの飼い主の方も少なくないかと思いますが、基本的に国内線では犬だけでなく猫やその他ペットが飼い主と同じ客室に乗ることはできません。

一部航空会社では、国際線なら人間用の客室にペットを連れ込むことは可能ですが、国内線では原則的に人間用の客室に動物を持ち込むことは禁止されているのです。

では、愛犬と一緒に飛行機に乗ることはできないのかというと、そんなことはありません。

確かに同じ客室に乗ることは不可能ですが、受託手荷物扱いとして貨物室に搭載して飼い主と同じ飛行機で輸送することが可能です。

ただし、気を付けておきたいのが

  • ケージのサイズが航空会社によって異なる
  • 犬とケージ合わせて32kg以下であること
  • ペット運賃はいくらか?
  • 愛犬と一緒に飛行機に乗るための手続き
  • 犬は耳抜きは可能なのか?
  • 時期によっては搭乗できない犬種もある

ということです。

また、犬と一緒に飛行機に乗るためのサービス料も別途かかり、事前に手続きを行うなど様々な準備が必要です。

そこでこの項目では、犬と一緒に飛行機に乗る前に把握しておきたい基本知識をいくつかご紹介していきたいと思います。

1.1.各航空会社の料金や準備されているケージのサイズ

日本国内で、ペットと一緒に飛行機に乗れるサービスを実施している主な航空会社は、

  • ANA
  • JAL
  • スカイマーク
  • ソラシドエア
  • スターフライヤー
  • AIR DO

の6社ですが、それぞれ航空会社によって料金やケージ(クレート)のサイズなどが異なるため、事前に把握しておく必要があります。

また、航空会社によって異なりますが、多くの場合、犬とケージ(クレート)の合計重量が32kgを超えると受託手荷物扱いから貨物扱いになり、手続きの仕方も異なってきます。

そのため、事前にご利用になる航空会社に電話で重量制限を確認しておくとよいでしょう。

そこで、ペットと一緒に飛行機に乗ることができるサービスを実施している6つの国内の航空会社のペット運賃及び犬の大きさ別のケージの規格を表でまとめてみました。

【ANA】

・ペット運賃:6,000円(一部路線は4,000円)

犬の大きさ別ケージの規格(cm)
小型犬(S) 40 55 40
中型犬(M) 46 66 50
大型犬(L) 55 80 60
超大型犬(LL) 65 95 70

※一部路線:北海道内路線、東京(羽田)-八丈島、福岡-対馬/五島福江/宮崎、長崎-対馬/壱岐/五島福江、沖縄(那覇)-宮古/石垣、宮古-石垣

公式サイト:https://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets/

【JAL】

・ペット運賃:3,000~6,000円

犬の大きさ別ケージの規格(cm)
小型犬(S) 43 54 40
中型犬(M) 51 69 48
大型犬(L) 55 81 60
超大型犬(LL) 63 90 67

公式サイト:https://www.jal.co.jp/dom/support/pet/

【スカイマーク】

・ペット運賃:5,000円

犬の大きさ別ケージの規格(cm)
小型犬(S) 47 31 25
中型犬(M) 53 42 40
大型犬(L) 69 51 48

公式サイト:http://www.skymark.co.jp/ja/res_boarding/baggage3.html

【ソラシドエア】

・ペット運賃:6,000円(石垣-沖縄間は4,000円)

犬の大きさ別ケージの規格(cm)
超大型犬(SS) 35 50 35
小型犬(S) 40 55 40
中型犬(M) 50 70 55
大型犬(L) 55 80 60
超大型犬(LL) 65 95 70

公式サイト:https://www.solaseedair.jp/service/baggage/pet.html

【スターフライヤー】

・ペット運賃:6,000円

犬の大きさ別ケージの規格(cm)
小型犬(S) 41 53 38
中型犬(M) 51 69 47.5
大型犬(L) 61 91 66

公式サイト:https://www.starflyer.jp/checkin/luggage.html

【AIR DO】

・ペット運賃:6,000円

犬の大きさ別ケージの規格(cm)
小型犬(S) 40 55 40
中型犬(M) 50 70 60
大型犬(L) 55 80 60
超大型犬(LL) 65 95 70
小動物用 35 50 35

公式サイト:http://www.airdo.jp/flight/baggage/pets.html

以上が全6社の犬のサイズ別によるケージの規格です。

比較してみると分かるように、航空会社によって扱っているケージのサイズがまちまちで、特にスカイマークのケージはほかの航空会社が扱っているものよりも若干小さめです。

また、基本的にペット運賃はスカイマークを除いて6,000円ですが、航空会社によっては一部路線ではペット運賃が安くなるようです。

事前に確認しておくとより快適に愛犬を飛行機に搭乗できます。

1.2. 犬が飛行機に同乗する際は事前に電話予約しよう

事前の電話予約は必ずしも必須ではありませんが、愛犬を飛行機に搭乗する際にケージをレンタルする場合はその数が足りなかったり、貨物室に空きスペースがなく結局別々の瓶で輸送されることになった、ということも少なくありません。

また、ケージをレンタルする場合は、サイズによっては要予約のものもあります。

そのため、確実に同じ便で愛犬と飛行機旅行をしたい方は事前に電話予約するとよいでしょう。

1.3.犬用のケージ・キャリーは必要?

犬用のケージやキャリーは航空会社でレンタルすることが可能ですが、ケージと飛行機の環境に慣れさせるトレーニングを事前に行いたい方や、今後も愛犬と一緒に飛行機旅行を楽しみたいという方は購入を検討すべきでしょう。

その場合、ケージ・キャリーの素材や造りに十分注意しましょう。

例えば、段ボール箱や布製のものや柔らかいプラスチック製のもの、屋根が付いていないものは犬が逃げ出す可能性があるため、使用不可です。

そのため、耐久性のある素材且つ耐久性があるものを選びましょう。

犬を飛行機に搭乗する際に推奨されるケージは、硬質プラスチックか金属製の頑丈で耐久性に優れ、屋根がついていて、側面に換気窓などが付いていて通気性が良く、ノズル式給水器が取り付けられるスペースがあり、犬がケージ内で身動きがとりやすく、自由が効く余裕があり、長時間ケージの中にいても犬が不快でない快適性のあるもので、キャリーの場合は車輪の取り外しが可能か、もしくは車輪にストッパーが付いているものです。

また、航空会社によっては5月1日から10月31日までの間は、ペットケージを二重構造にしたり、ペットケージにカバーを付けたり上から布製のバッグなどに入れるなどの状態は通気性の悪化を招き、中にいる犬の呼吸困難や熱中症を招くため預かり不可となるので注意しましょう。

1.4.一緒に犬と飛行機に乗る際の手続きの流れ

犬と一緒に飛行機に乗る手続きの大まかな流れは、以下の通りです。

(1)各空港の手荷物預かりカウンターで同意書や犬の健康チェックシートなどの書類にサインしたり、ケージをレンタルする場合は貸出申請するなど各種手続きをし、犬をケージ(クレート)・キャリーなどに入れた状態で出発時間まで所定の場所(手続きをしたカウンター及び手荷物置き場など)で待機します。

(2)出発時間になったら係員に犬をケージに入った状態で預け、貨物室に運んでもらい、飼い主は客室に搭乗します。

(3)準備が整い次第離陸し、現地空港に到着したら、貨物室から係員によって犬が手荷物受け取りエリアに運ばれるので、その場で受け取ります。

航空会社によってペット受け取り指定場所が異なるといった違いが多少あるため、詳しくはご利用になられる航空会社に問い合わせることをお勧めします。

また、航空会社によっては公式ホームページにて同意書や健康チェックシートなどの各種書類をダウンロードすることができます。

そのため、予め書類に目を通してサインすることで当日空港での手続きがスムーズに行えます。

1.5.犬も耳抜きができるの?

私たち人間も気圧が異なる環境にいると耳がキーンとなりますが、犬も同じように気圧変化で耳を痛めることがあります。

私たちはあくびや飴をなめるなど『耳抜き』を自発的に行うことが可能ですが、犬はどうでしょうか?

実は犬も私たち人間と同じように、外部の気圧変化に対応して中耳内の気圧が外耳内の気圧と同じようになるようにする機能があるのです。

そのため、犬も自発的に口をあけたり、あくびなどをすることで中耳内の気圧を調整する穴弁が開き、外耳と中耳の気圧を均等にすることができます。

日本の各航空会社で用いられている旅客機は、基本的に客室と貨物室の気圧は均等に調整してあるため陸から空の急激な気圧の変化でも耳抜きをすれば大丈夫ですが、小型旅客機の場合ですと場合によっては犬の眼球が飛び出たり、鼓膜が破れる可能性もあるため、預かり不可となっています。

1.6.時期によっては飛行機に乗ることができない犬種も

基本的にどの犬種も飛行機での移動が可能ですが、場合によっては預かりをお断りされることもあるので事前に確認する必要があります。

特に、鼻が低く、呼吸による体温調節が苦手な短頭(短吻)種犬は夏季期間(6月1日~9月30日)の間は多くの航空会社で預かり不可となっていますのでご注意ください。

夏季期間中預かり不可能な短頭(短吻)種犬
ブルドッグ種(フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ)、ボクサー、シーズー、テリア種(ボストン・テリア、ブル・テリア)、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、チン、スパニエル種(キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル)、パグ、チン、ペキニーズ

また、生後4か月未満の子犬や7歳以上のシニア犬、心臓疾患及び呼吸器疾患のある犬や分離不安を抱える犬は、飛行機搭乗時は過度のストレスがかかるため、不慮の事故を回避するためになるべく飛行機に乗せるのは避けるべきです。

特に疾患や分離不安の可能性がある犬は事前にかかりつけの獣医師に相談することをお勧めします。
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2.犬も飛行機に乗ることでストレスを感じる

私たち人間も、特に初めての飛行機搭乗が緊張してしまうのと同じように、犬もまた飛行機に乗ることで多大なストレスを感じます。

特に、心理的なストレスは多大なもので、旅先に着いた夜はいつも以降に甘えてくるケースもあるようです。

特に分離不安といった症状のない犬でも長時間、慣れない環境下で飼い主と離れ離れになることで精神的に不安となり、心理的な負担を多大に感じてしまいがちです。

そのため、愛犬との飛行機旅行をするのは突発的なものではなく、犬と一緒に泊まることができる現地の宿泊施設のリサーチや入念な下準備が必要になってきます。

“飛行機に(もちろん客席内にはムリですが)ワンを乗せられるということもあり、レンタカー屋さんにも「犬を連れて行ってもいいのか」と問い合わせてみたりワンOKのホテルを色々リサーチしたりと計画を立てていました。”
引用元:http://4travel.jp/travelogue/10613247

また、長時間、飼い主と離れ離れになってクレートに入って貨物室内で待機するというのは犬に取って苦痛を感じやすいため、事前に飛行機の貨物室内でクレートの中にいることを想定したトレーニングも行うべきです。

準備万端であれば、いきなり飛行機に乗せるよりずっとストレスが軽減し、愛犬と一緒につつがなく飛行機旅行を楽しめるはずです。

ただし、分離不安といった長期間飼い主と離れることで、多大なストレスを感じやすい犬はその限りではありません。

もし分離不安を抱えているようであれば、事前にかかりつけの動物病院に行き、相談する必要があります。

また、犬に安定剤を使うことで長期フライトの負担を軽減するといった手段はあまりお勧めできません。

というのも、精神安定剤を用いることで犬が持つ動物的感覚、特に平衡感覚のバランスを崩してしまい、振動が起きやすい飛行機内では大変危険だからです。

そのため、航空会社によっては鎮静剤及び精神安定剤の投与を禁じているところもあります。

“米国獣医学協会によると、ほとんどの場合、犬やネコにはフライト前に鎮静剤及び安定剤を与えるべきではないとされています。動物の自然なバランス感覚や平衡感覚に影響を及ぼし、運搬用かごが動く際に大変な危険を伴います。”
引用元:https://www.jal.co.jp/jba/aa/ja_JP/specialAssistance/travelingWithPets.html

特に、呼吸が苦手な短頭犬種や鼻炎持ちの犬などは安定剤を投与することで呼吸器官や心臓血管に障害をきたす可能性があるため、愛犬に何か異常があったときにすぐに飼い主が傍に行けない環境下においては、鎮静剤や安定剤を投与するのは多大なリスクを伴うことも理解したほうが良いでしょう。

また、特に乗り物酔いしやすい犬はフライト前に食事をとるのは避けるべきです。

理由としては、飛行機の揺れに酔った際の吐しゃ物で窒息してしまう可能性があるからです。

そのため、長時間お腹を梳かせたままでいるのはかわいそうであっても、なるべく飛行機に乗る前に餌を与えるのは控えるべきです。

私たち人間も、飛行機になれていない状態では体調を崩したり、精神的に疲れることがありますが、犬もまた同じように、長時間のフライトは心身ともに疲弊し、多大な負荷を受けることになるということを理解したうえで、突発的な計画は避けて長期にわたって入念な下準備を整えた上で、愛犬との飛行機旅行に臨むべきでしょう。

2.1.飛行機に預けた犬が死亡した事故がある!

2013年8月、ANAの飛行機搭乗中にチワワが熱中症で死亡するという痛ましい事故があったのは記憶に新しいかと思われます。

それ以前に、2006年にはJALでフレンチ・ブルドッグが同じく飛行機搭乗中に熱中症になり、死亡した事故が起きていました。

それ以降、ブルドックやフレンチ・ブルドッグはJALでは通年預かり不可となり、また、その他の航空会社では夏季期間に限ってブルドック種をはじめとする短頭犬種の預かりはできないようになっています。(1.6参照)

ですが、2013年の事故の犬種はブルドッグ種やその他短頭犬種ではなく、チワワでした。

一般に、チワワも暑さに弱く、呼吸による体温調節があまり上手ではなく、また超小型犬であるため熱中症の症状も重篤になりやすいとされています。

また、この事故当日は気温も非常に高く、駐機場で待機している間に反射熱によって外よりも高温となることがあり、飛行機に乗せる短時間の間に貨物室が外気温より室温が上がり、結果熱中症に罹ったのではないかと考えられます。

被害に逢った飼い主の方は、事前に水分を十分にとらせた上で航空会社に預けたそうですが、長時間のフライトで出発前の水分補給では十分とはいえません。

また、貨物室内合反射熱によって高温化するため、犬の体を冷やす冷却材などをクレート内に入れるなどといった処置を施すべきだったでしょう。

子の痛ましい事故を教訓として、それ以降は熱中症対策として一部航空会社では、ノズル式の給水器やペット用の冷却保冷材などのレンタルサービスを実施するようになりましたが、それでも熱中症対策は万全とはいえません。

航空会社だけに頼るのではなく、飼い主の方でもしっかりとした熱中症対策を行うべきでしょう。

2.2.飛行機での移動は犬にとってリスク大!

犬を飛行機に乗せた場合の死亡率は公表されていませんが、2013年、2006年の熱中症死亡事故のほか、命を落とすまでに至ってはいませんが2007年には柴犬が飛行機での輸送中にケージを壊して脱走した際にその破片でけがをするという事故が起きています。

このように、愛犬に何かが起きても飼い主がすぐに迎えない状況下においてはかなりリスクが高く、どの航空会社でも犬を飛行機に乗せる前にサインする同意書には、犬に何らかの事故・障害が起きても責任は一切取らないという内容が記されています。

“私は貴社航空便による私のペットの運送にあたり、当該運送中に発生したペットの死傷について、その原因が、ペット自身の健康状態や体質等(気圧・温度・湿度・騒音による影響を含む)、ペット自身の固有の性質にある場合、もしくは、梱包の不備等にある場合、貴社に対して一切の責任を問わないことに同意いたします。”
引用元:https://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets/

このため、犬と一緒に飛行機に乗るということは、決して気軽に行うべきではなく、飼い主もそれ相応の覚悟が必要になるというわけです。

3.旅行を成功させる4つのポイント

前項にて、犬を飛行機に乗せることで発生するリスクについて述べましたが、決して危険なことばかりではありません。

現に、ほぼ毎日といっていいほどペット業者による犬・猫などの愛玩動物の空輸は行われていますし、フェリーやバス、新幹線でも飛行機ほどではないにせよ同様のリスクは多少あり、かえって飛行機の方が拘束され、飼い主と離れ離れになる時間が短くて済みます。

つまり、正しい手順に沿って準備万端で臨めば、愛犬との飛行機旅行を安全に楽しめるのです。

そこで、この項目では愛犬との飛行機旅行を成功させるために抑えておきたい4つのポイントをご紹介していきたいと思います。

3.1.かかりつけの獣医師に相談しよう

犬にとって、大好きな飼い主から離され、長時間狭いクレートの中で過ごすのは、心身ともに多大なストレスになります。

そのため、特に持病を持っていない健康な犬でも長時間のフライトが原因で体調を崩してしまうことも少なくありません。

ましてや、持病を持った犬の場合、命の危険にさらされることも考慮しなければなりません。

そのため、事前にかかりつけの獣医師と相談し、なんらかの障害を抱えていないか、健康的に問題はないか診察・検査してもらいましょう。

特に、心臓疾患や呼吸疾患、分離不安などがあるかないか念入りにチェックする必要があります。

また、長時間のフライトで、犬が一番ストレスを感じる要因は『音』です。

そのため、音に対するストレス体制があるかどうかのチェックもなるべく行いましょう。

3.2.前もってケージに入り、車で出かける練習しよう

獣医師と相談し、特に問題がなければケージに入って車で出かけるトレーニングをしておきましょう。

事前に聞きなれない音や環境に慣れておくと、飛行機旅行での犬にかかるストレスは大分軽減されます。

犬によって適応能力が異なるため、じっくり時間をかけてトレーニングしましょう。

3.3.狭い空間におとなしくいることができるようにしておこう

犬を飛行機に乗せる際、ケージやクレート、キャリーに入れた状態で貨物室に運ばれ、そこで現地に到着するまで過ごすわけですが、飼い主が傍にいないうえ、狭いところに閉じ込められることになれていない犬に取って多大なストレスがかかります。

そのため、予め狭い空間にいても平気でいられるようトレーニングする必要があります。事前にハウストレーニングを済ませたうえで行いましょう。

まず、ご褒美を準備したら指示語を決めておきます。ここでは、「クレート!」を指示語としておきます。

次に、飛行機旅行に用いるケージやクレートを用意し、集中できる環境内でトレーニングを実施します。

まずは、犬にクレートが「害のない、快適なものである」ことを理解させるため、お気に入りのおもちゃやおやつなどでおびき寄せます。

無事、犬がクレート内に入ったら0.5秒以内に「いいこ!」と声掛けして撫でてやり、ご褒美を与えます。

こうすることで、「クレート内に入るといいことがある」と学習し、ご褒美と行動を関連付けます。

慣れてきたら、指示語と行動を結びつける訓練を行います。犬をクレートにおびき寄せ、入ろうとする瞬間に「クレート!」と指示語を出します。

指示語の後に犬がクレート内に入ったら、先ほどと同じように「いいこ!」と声出しして褒め、ご褒美を与えましょう。

回数を繰り返すうちに「クレート!」という指示語とクレート内に入るという行動が犬の中で結びつき、「この中(クレート)に入るのは『クレート!』というのか!」と学習します。

注意したいのは、指示語を出す順番です。必ず、『指示語→行動』の順になるように指示語を出しましょう。

「クレート!」という指示語とクレートに入る行動の関連付けが犬の中でしっかり固まってきたら、次の段階に移ります。

今度はおびき寄せるためのえさやおもちゃを用いず、指示語だけで犬が自発的にクレートに入るようにします。

「クレート!」と指示を出し、犬が自発的にクレート内に入ったら即座に「いいこ!」と褒め、ご褒美を与えて関連付けを強化していきましょう。

もし、指示語を出してもクレートに入る様子がなければ、ワンステップ戻ってやり直します。

気を付けたいのが、犬の集中力は10~15分までしか持たないという点です。

私たち人間と同じように、犬も集中力が切れると学習効率がグンと下がってしまいます。

そのため、10~15分が過ぎたら、一旦トレーニングは中断し、同日の夜行うか、翌日に再開するようにしましょう。

焦らず、じっくりと確実に行うことがトレーニング成功のコツです。

また、おやつをご褒美に与えている場合は、肥満予防のためにも徐々に与える回数と量を減らしていき、最終的には「いいこ!」と褒め言葉だけで満足できるようにしていきましょう。

3.4.飼い主と離れてケージで安心して過ごせるように工夫しよう

犬にとって、長時間なれない環境下に置かれた上に、飼い主と離れ離れになることは精神的に強いストレスを感じることは前項でも述べました。

そのため、ひとりぼっちでも大丈夫なように日ごろからよい意味で突き放しを心掛け、留守番トレーニングを修了しておきましょう。

また、飼い主の臭いの染みついた毛布やおもちゃなど、犬のセキュリティ・ブランケットの役割をさせるものをクレート内に入れておくのも手です。

また、犬と飛行機旅行をするにあたって無視できないのが、犬の分離不安です。

分離不安を抱えている犬は長時間飼い主と離れることに対して非常に強いストレスを感じ、場合によってはショックで命を落とす可能性も決して低くありません。

犬の分離不安の主な症状
過剰な吠え・粗相・破壊行動・常に飼い主の行動を目で追う・飼い主の後に執拗についていこうとする・ほんの少し離れただけで「クゥ~ン」と悲しそうに吠える・飼い主が外出の準備をしだすと耳を傍たて、落ち着きがない様子を見せる・飼い主の外出中、大声で吠え続けるetc…

これらはあくまで一部の症状ですが、少しでも疑わしい点があったら、まずは専門の獣医師と相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
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4.犬を飛行機で送ることもできる

何らかの都合でどうしても別々の便で帰らなければならなくなった場合、犬だけを飛行機に乗せて送ることは可能です。

現に、海外から輸送される外国産の犬種の子犬は飛行機で輸送されることもあるので、犬だけの空輸も原則的には可能です。

ですが、この場合犬は『貨物』扱いになり、ペットと一緒に飛行機に乗るサービスを利用した時と大きく異なる部分があるため、注意が必要です。

例えばJALの場合だと、JALが実施している『ペットとお出かけサービス』との相違点として、

  • JALペットポイントがつかない
  • ペッとクレートのレンタル利用は不可
  • 一般貨物運賃の5割増
  • ご利用便の90分前に各空港の貨物窓口での受付が完了していなければならない
    (貨物扱いのペット輸送について(JAL):http://www.jal.co.jp/jalcargo/dom/pet/main.html

といった違いがあります。

詳しい規約はご利用する航空会社の公式ホームページまたはサービスカウンターにて電話で問い合わせすることをおすすめします。

また、犬だけを別の飛行機で空輸する場合、ダンボール箱やソフトケース、衣装ケースや軟質プラスチック製のケージ、素材は頑丈でも屋根がダンボールだったり、給水器をとりつけるスペースがないケージなど、空輸に適さないものはNGです。

硬質プラスチック製もしくは金属製の、頑丈で犬がかじっても壊れない丈夫なつくりで、通気性が良く、ノズル式の給水器がとりつけられる屋根付きのケージもしくはクレートを用意しておきましょう。

4.1.飛行機で送る際の暑さ対策と寒さ対策

愛犬を飛行機に乗せる際に特に気を付けておきたいのが暑さと寒さ対策です。

貨物室は人間用の客室とほぼ同じ空調設備が整っているとしても、熱中症による死亡事故がかつてあったことや、冬場の寒さで愛犬の具合が悪くなるといったケースも無きにしも非ずです。

そのため、飛行時間を1~2時間と想定し、その他受け渡しや運搬といった時間も考慮し、4~5時間を目安にして、暑さと寒さの対策は飼い主側もしっかり行うべきでしょう。

暑さ対策としては、犬に飛行機に乗る前にしっかり水分補給をさせて置いた上で、ペットケージやクレート内に予めペット用のクールマットや保冷材などを強いておき、犬がいつでも水分補給できるようノズル式の給水器を設置しておきます。

これらクールマットや保冷材は、夏季期間の間はサービスとしてレンタル可能の航空会社がありますので、ご利用になる航空会社に事前に問い合わせておきましょう。

また、特に6月1日から9月30日にかけての夏の時期は、気温が最も暑くなる日中の利用を避けすことを推奨する航空会社も多く、なるべく気温が低くなる朝夕に時間をずらすことで、愛犬の熱中症リスクがかなり低くなります。

また、長毛犬種はなるべく夏場の飛行機利用は避け、どうしても乗せなくてはならない必要性がある場合に限り、下毛(アンダーコート)の手入れをし、熱がこもらないようにしておきましょう。

寒さ対策として、犬は基本的に全身に体毛が生えているため寒さに強い犬種が多いのですが、短毛犬種や超小型犬などは寒さに弱く、体調を崩しがちです。

そのため、万が一の時に備えて、毛布やペット用カイロといった防寒具を予めクレート内に用意しておきましょう。

また、毛布はなるべく自分や飼い主のにおいが染みついたものを用いると、不安によるストレスが軽減され、犬がリラックスできるので、なるべく普段使いの毛布を用いるようにしましょう。

5.まとめ

今回は、犬と飛行機旅行を楽しむために覚えておきたいことについてご説明していきましたが参考になりましたでしょうか?

犬にとって飛行機に乗ることは人間以上にストレスがかかり、場合によっては命を落とすこともあることもあるため、「愛犬を飛行機に乗せるのはちょっと怖い」という方も多いと思われます。

ですが、「愛犬と楽しい思い出を作ることができた」と愛犬との飛行機旅行を期間中楽しめた方も少なくありません。

飼い主が愛犬と飛行機に乗る際に必要な知識を蓄え、利用する航空会社のサービス内容を熟読し、犬の健康状態を常にチェックしつつトレーニングするなど、万全の準備で臨めばそうした悲劇を回避することは可能なのです。
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