柴犬の噛み癖の治し方・しつけがわかる!しつけの時期や噛む理由

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愛嬌たっぷりの仕草やとぼけた表情で今なお愛され続ける柴犬。

ところが、近年では柴犬の意外な攻撃的な性格から、問題行動で悩む飼い主の方も多く、特に噛み癖は中々矯正できずもてあましてしまい、飼い主と柴犬双方が常に緊張状態になるなどお互いの関係を損なうケースも少なくありません。

そこで今回は、柴犬の噛み癖が中々矯正できない飼い主の方のために、柴犬が噛みつく原因や理由を子犬と成犬別に詳しくご紹介し、それぞれの原因別に合わせた対処法および有用な噛み癖のしつけ方法をご紹介していきたいと思います。

目次

1.柴犬が噛んでしまう本当の理由
1.1.子犬の場合
1.2.成犬の場合

2.噛み癖をやめさせるなら子犬のときに

3.柴犬の噛み癖を直す5つのしつけ
3.1.歯牙脱換期による甘噛みといった噛み癖のしつけ方
3.2.子犬と遊んでいたら興奮して噛んだ場合
3.3.接触や拘束を嫌がって噛みつく場合
3.4.飼い主の関心を引くために噛みつく場合
3.5.欲求不満を解消してあげる

4.噛み癖を直す時に注意しなければならないこと
4.1.犬の集中力はせいぜい10~15分程度
4.2.罰やご褒美を与えるタイミングは素早く!
4.3.しつけを行う際は常に一貫した態度で
4.4.きつく叱ったり、体罰を用いるのはNG
4.5.犬歯を削ったり、口枷を用いるのは根本的な解決に至らない

5.まとめ

1.柴犬が噛んでしまう本当の理由

柴犬を飼っている方でお悩みの方が少なくないと思われる『噛み癖』。

柴犬の飼い主の多くは「しつけの仕方が悪かったのだろうか?」、「愛犬にリーダー権を握られてしまっているのではないか?」と思い悩んでいるかと思います。

確かに柴犬はリーダー権を握りたがる犬種ではありますが、それだけが理由ではありません。

例えば子犬時代は、

  • 歯牙脱換期による生理的なかゆみによる噛みつき
  • 遊んでいる最中に興奮して噛む
  • 触られたり、拘束されると噛む
  • 飼い主の関心を引くために噛む

といった理由が多く、その他、所有権や心の葛藤がうまく処理できないがための混乱による噛みつき、恐怖心や攻撃本能など噛みつき癖の原因は実に多岐にわたります。

また、成犬のころまで噛み癖が残っている場合、しつけのやり方だけでなく

  • ホルモン代謝の異常
  • てんかんの一症状である身体疾患

といった病気が原因であったり、

  • 攻撃本能で噛む
  • 恐怖・不安感で噛む
  • 葛藤の処理がうまくいかないために噛む

などといった内的要因による噛み癖など実に多岐にわたります。

そのため、単にしつけの問題と考え、対処を誤ってしまうとかえって噛み癖が悪化してしまうこともあります。

こうした理由も考慮に入れ、成犬だけでなく子犬も異常な噛み癖をするようになったら、できるだけ専門とするカウンセラーや動物臨床行動学専門の獣医師に相談し、適切な診察を受けるようにしましょう。

1.1.子犬の場合

柴犬がまだ子犬である場合は、先ほどの項目でもご紹介したように、

  • 歯牙脱換期
  • 遊んでいる最中など、興奮して噛む
  • 他人から触られたり、拘束しようとすると噛む
  • 飼い主の関心を得るために噛む

といった原因が主な理由となります。

理由ごとにしつけ方や矯正の仕方は異なるため、理由を明確にしない限り噛み癖を矯正するのは難しく、場合によっては悪化するケースも少なくありません。

そのため、常に子犬の行動や個性、性格、年齢といったものを把握するよう観察を怠らず、適切なしつけが行えるように理由を特定する必要があります。

飼い主だけでは特定が困難な場合は、必ず動物病院で獣医師に相談するようにしましょう。

1.2.成犬の場合

成犬期の噛み癖の原因や理由は、子犬のころとはかなり異なってきます。

そのため、子犬の時には上手くいったのに、成犬のころに同じようにしつけても上手くいかないケースは少なくありません。

特に、成犬の噛み癖は、

  • 噛むことで報酬(飼い主の関心)を獲得出来るようになってしまっている
  • 脳内ホルモンの代謝異常(セロトニンの代謝異常)
  • てんかんの『複雑部分発作』による意識障害
  • 身体疾患
  • 攻撃本能

といった理由だけでなく、トラウマや葛藤、不安、恐怖心といった心の問題など複雑に絡んできます。

そのため、飼い主だけでは成犬の噛み癖を矯正するのは非常に難しく、理由も特定し辛いためかえって噛み癖を悪化し、最悪の場合咬傷事故を引き起こす場合もあります。

そのため、成犬時の噛み癖は決して飼い主だけで抱え込まず、プロのドッグトレーナーや動物臨床行動学専門の獣医師に相談し、協力して噛み癖を矯正していきましょう。

1.2.1.噛むことで報酬を得られる状態にある場合

子犬の時に、噛みついたら「こら!」と叱った記憶はありませんか?実は噛まれたら叱るというやり方はあまりよい方法とはいえません。

というのも、「こら!」と声をかけることで犬は「噛んだことで自分に興味や関心を向けてくれる」と誤解してしまいます。

犬にとって、どんな形であれ自分に興味を持ってもらえること自体が報酬につながるため、そのまま『噛む=かまってもらえる』と勘違いしたまま成犬になってしまい、報酬を得るための噛み癖も残ってしまうのです。

子犬のうちに適切なしつけを行えば矯正することは可能ですが、成犬になると少々困難になります。

あまりにもひどい場合は専門家のカウンセリングやプロトレーナーに相談し、適切なアドバイスを受け、指示に従ってしつけ治す必要があります。

1.2.2.脳内ホルモン(セロトニン)の代謝異常の場合

セロトニンとは、主に不安や恐怖といった感情の高まりを抑えるいわば『脳のブレーキ』を担う物質で、このセロトニン代謝が異常をきたすと攻撃行動が起こりやすいとされています。

特に、柴犬はほかの犬種と比べてセロトニンの代謝が弱く、噛むといった攻撃行動のほか、尻尾を延々と追いかける『常同障害』といった問題行動が発生しやすい犬種なので、こういった行動が多く見られるようになったら、セロトニンの代謝異常も疑ってみるべきです。

セロトニンの代謝異常が原因の噛み癖は、飼い主個人のしつけでは解決しません。

そのため、もし疑わしい症状が見られたら、速やかに動物病院に行き、適切な処置をしてもらいましょう。

もし診断結果でセロトニンの代謝異常と診断された場合は、薬物療法によるセロトニン代謝の調整といった治療を行う必要があります。

1.2.3.てんかんの症状が原因の場合

人と同じように、犬もまたてんかんにかかることがあります。

犬のてんかんの症状のうち『複雑部分発作』は脳の一部が興奮状態に陥る意識障害の一種で、脳のうち、噛む行動に関係のある部位が興奮状態になると咀嚼運動が発作として起こります。

このほか、顔面けいれんや異常な量のよだれの分泌、散瞳という瞳孔が開いたままといった発作が起こることもあるため、常に観察を怠らないようにしましょう。

犬のてんかんは原因不明で起こる『突発性』と脳の病気や外傷などによる『二次性』に分けられます。

いずれの場合も素人では解決することは不可能です。

そのため、口から泡を吹いたり、手足のけいれんや失禁、脱糞といった発作が日常生活で三カ月に二回以上見られる場合は治療の対象となります。

犬てんかんの治療法は突発性と二次性で異なり、突発性の犬てんかんの場合は抗てんかん薬による薬物療法が、二次性の犬てんかんの場合は障害を引き起こす原因となる病気や外傷の治療といった対症的療法がメインとなります。

いずれの場合も速やかに動物病院へ行き、発作の内容や頻度、犬の体調などを詳細に伝え、適切な処置を受けるようにしましょう。

1.2.4.身体疾患が原因の場合

身体疾患によっては犬の噛み癖を誘発するものがあり、特に『甲状腺機能低下症』は、甲状腺の機能が低下することにより甲状腺ホルモンの分泌量の低下し、攻撃的になったり、以前より活発になり過剰に行動したり、うつ状態や不安状態、気分にムラがあるといった状態に陥ります。

また、『肝門脈シャント』といった代謝性疾患や、脳腫瘍、水頭症、脳炎といった脳の病気も犬の攻撃性を高め、噛み癖の原因につながることもあります。

こうした身体疾患が原因の場合は、個人のしつけでは解消されませんので、疑わしい症状が見られたら速やかに動物病院に行き、病気ごとに適切な治療をする必要があります。

1.2.5.攻撃本能が原因の場合

柴犬に限らず、犬は攻撃本能を備えています。

そのため、攻撃本能からくる噛み癖を矯正するのは非常に困難といえます。

そのため、あくまで対処方法として攻撃本能にスイッチを入れないよう行動するようにします。

例えば、餌皿に手を延ばすと噛みつこうとする場合は餌皿に触れないようスコップなどで餌を補充したり、触れられると噛みついてくる場合は、犬の体に触ったり、抱き上げるといった接触を避けるなど、噛みつくスイッチとなる行動を極力回避するようにします。

何をすれば愛犬の攻撃スイッチが入ってしまうのかは、常日頃の観察が必要です。コミュニケーションをとり、「こういう行動をすると嫌がる」ということをノートなどに記録しておきましょう。

あまりにもひどい場合はプロのトレーナーや専門家などに、記録しておいた攻撃本能のスイッチとなる行動を伝え、カウンセリングや適切な指導を受けるようにしましょう。

2.噛み癖をやめさせるなら子犬のときに

柴犬の噛み癖を矯正したいのであれば、なるべく子犬のうちにしつけたほうが良いでしょう。

犬も人と同じように、子供のうちに教育、しつけを行うことで、今後成犬になってからの問題行動がかなり抑制されます。

また、警戒心の強い犬種とされる柴犬も、子犬のうちにスキンシップやコミュニケーションを積極的にとることで、接触に対する嫌悪感や他者への警戒心を軽減することも可能です。

こうした外部接触による飼い主以外の人間や自分以外の犬や動物に馴れたり、噛み癖を矯正するためのしつけはなるべく2歳までに修了させるのが理想的です。

というのも、犬の2歳は人間でいうところの20歳前後で、その時期は人間と同じく学習能力や身体能力といった犬のポテンシャルがピークを迎えるとされています。

それ以降は学習能力は低下していくため、問題行動や環境への馴化が難しくなっていきます。

そのため、子犬から2歳の間に徹底的に、かつ根気強くしつけていくようにしましょう。

3.柴犬の噛み癖を直す5つのしつけ

柴犬に限らず、子犬の時期の噛み癖のしつけは原因や理由を明確にすることで、より効果的にかつ確実に行うことができます。

そのため、まずは原因追及を徹底して行い、それぞれに適したしつけ方を理解して実施するようにしましょう。

この項目では、子犬の主な噛み癖の原因をピックアップしたしつけ方を5つほどご紹介していきます。

3.1.歯牙脱換期による甘噛みといった噛み癖のしつけ方

基本的に、乳歯から永久歯に生え変わる歯牙脱換期の甘噛みといった噛む行為は、生理的なものであるため、無理にやめさせることはかえって悪化を招きます。

そのため、子犬用ゴングなどのゴム製の犬用おもちゃや犬用ガムといった噛みごたえのあるものを与えて噛ませるといった対処法がメインとなります。

この時期は、口内のむずがゆさからつい家具や飼い主の手などに噛みついてしまうことも少なくありません。

また、この時期に噛み癖がついてしまい、後々しつけが困難になることもあります。

そのため、スリッパやタオル、家具など噛まれると困るものを噛まれないように、ビターアップルといったかじると苦みを感じるスプレーを予め塗布し、「これに噛みついたらいやなことがある」と学習させましょう。

また、もし遊んでいる最中に甘噛みをしだしたら、そこで遊ぶのを中止し、『一緒に遊んであげる』という報酬を取り上げましょう。

これはオペラント条件付けの『負の弱化』といわれるもので、報酬を取り上げることで、問題行動の頻度を低下させる効果があります。

そのため、子犬が「飼い主の手に甘噛みしたら遊んでもらえなくなる」と学習し、『噛む=罰』の関連付けをするわけです。

その後、甘噛みをやめて大人しくなったところですかさず遊ぶのを再開しましょう。

これは同じくオペラント条件付けの『正の強化』といわれるもので、問題行動をやめて大人しくなったところで報酬を与えることで、問題行動の頻度を抑える効果があります。

この場合は「噛むのをやめて、大人しくしてたらまた遊んでもらえた!」と子犬が学習し、『噛むのをやめる=報酬』の関連付けをします。

これを根気強く繰り返し行うことで、歯牙脱換期による噛み癖を持ちこしたまま成長するといったことは解決できるはずです。

3.2.子犬と遊んでいたら興奮して噛んだ場合

子犬と一緒に遊んでいたときに、子犬がじゃれついて甘噛みをしてくるといった経験は飼い主ならだれでもあると思います。

一見、愛くるしく思えますが放っておけば「遊んでもらっているときは飼い主の手を噛んでもいいんだ!」と学習し、以後の噛み癖に繋がってしまいます。

そのため、できるだけ子犬のうちに矯正するようにしましょう。

子犬が遊ぶうちに興奮して噛みつくときのしつけは、オペラント条件付けの『正の弱化』および『負の弱化』をメインに行い、『正の強化』を併用して行います。

正の弱化はタイミングよく罰を与えなければならないため、素人には少々難しいため、ここでは『負の弱化』と『正の強化』によるしつけ方をご説明します。

まずは、子犬にしてほしい行動としてほしくない行動をはっきりとさせます。

ここでは、遊んでいる最中に噛みつかないことがしてほしい行動にあたり、遊んでいる最中に噛みつくことがしてほしくない行動にあたります。

そして、してほしい行動にはとった場合はご褒美を、してほしくない行動をとった場合は罰を与えるようにします。

明確なビジョンを脳内に描いたら、早速しつけの開始です。慣れないうちは軍手をはめて行うようにしましょう。

子犬と一緒に遊んでいて、子犬がエキサイトして手に噛みついた瞬間、遊ぶのを中断します。

これはオペラント条件付けの『負の弱化』にあたり、子犬にとってご褒美である「遊んでもらう」ことを一時的に取り上げる(負)ことで、噛む行為の頻度を下げる(弱化)効果があります。

その後、子犬が興奮から覚め、大人しくなったら遊びを再開させます。

これはオペラント条件付けの『正の強化』にあたり、子犬がしてほしくない行動をやめたらもう一度遊んであげる(正)ことで、してほしい行動の頻度を上げる(強化)効果があります。

これを何度も根気強く繰り返していくうちに、子犬は「噛んだら遊んでもらえなくなる」ことと「噛むのをやめて大人しくなったらまた遊んでもらえる」ことを学習し、関連付けを強化することで、次第に噛み癖も矯正されるはずです。

また、子犬と遊ぶ際、興奮するまで遊ばないことも重要です。

そのため、子犬が興奮しそうになったらすぐにケージに戻して一旦クールダウンさせるとよいでしょう。

目安としては一回遊ぶ時間は10分程度と決め、時間になったらケージに戻すのを何度か繰り返します。

長時間遊ばせるのではなく、10分程度遊んだらケージで一休みさせてまた遊ばせる…、といったように遊ぶ回数を増やすようにしましょう。

3.3.接触や拘束を嫌がって噛みつく場合

柴犬はほかの犬種と比べて触られることがあまり好きではありません。

そのため、いくら飼い主でも触らせない、だっこさせないという子も少なくありません。

柴犬にも個体差があるため、触っても平気な子もいれば、そうでない子もいます。

まずは触っても平気かどうか確認し、駄目そうであれば体に触れたり、抱き上げるといった行為を控えるようにしましょう。

犬の体に触ったり、抱きしめてあげることだけが愛情表現ではありません。

接触や拘束を嫌がる分、一緒に遊んであげたり、散歩の機会を増やしたり、食事や小屋・トイレの掃除といった身の回りの世話を充分行うようにしましょう。

3.4.飼い主の関心を引くために噛みつく場合

飼い主の興味を引くために靴下や袖口などに噛みついてくる場合、決して「こら!」と反応してはいけません。

というのも、犬にとってどのような形であれ、飼い主が自分に興味と関心をもってくれること自体が報酬になってしまうからです。

そのため、「噛みついたら、かまってもらえたぞ!」と勘違いして関連付け、噛みつくことが飼い主の興味を引くのに最適な行為と誤解してしまうのです。

誤った認識のまま成犬になると矯正が困難になるため、なるべく子犬の段階で誤解を解き、「噛んだらかまってもらえない」と関連付けるようにしつけましょう。

具体的には、オペラント条件付けの『正の弱化』及び『負の弱化』をメインに行い、『正の強化』をサブに用いて行います。

まずはしてほしい行動としてほしくない行動を明確にします。

この場合、かまって欲しくて噛む行為をしてほしくない行動に、かまって欲しくても噛みつかず大人しくしているのをしてほしい行動に設定します。

あらかじめ、子犬がかまって欲しくなるようじらしておくと効果的です。

ご褒美や罰(サプライズ用のスプレーや小石を入れた空き缶など)の準備ができたら実践です。

子犬の噛み癖が出たら、即座に罰として、水で薄めたお酢のスプレーや空き缶を鳴らしてちょっと驚かせます。

飼い主の予想外の行動に子犬が驚いて口を離したら即座にご褒美を与えましょう。

このとき、しっかり「ちゃんと噛むのやめて偉いよ!」と声に出して褒めることが重要です。おやつなどを与えるとより効果的です。

もし、瞬時にサプライズで子犬を驚かすのが難しい場合は、タイムアウトを活用するとよいでしょう。

タイムアウトとは、一時的に犬の存在を完全に無視し、空気のように扱うことです。

ケージに戻したり、別の部屋に閉じ込めたり、飼い主自体が部屋から退出するのもタイムアウトとして効果的な手段です。

飼い主の興味・関心を奪われた欲求不満による苦痛自体が罰になるため、サプライズを用いるより比較的簡単に行えます。

もちろん、子犬が大人しくなった瞬間にご褒美を与えるのを忘れてはいけません。

あくまで、『正の強化』と併用して行うようにしましょう。

3.5.欲求不満を解消してあげる

愛犬が飼い主にかまって欲しくて噛みつく原因として、愛犬がなんらかの欲求不満を抱えていることも少なくありません。

例えば、餌や水の補充が充分でなかったり、小屋やトイレ、寝床など自分の居住スペースがいつも清潔に保たれていなかったり、一緒に遊んだり散歩に出かけるといったコミュニケーションが不足していると欲求不満になり、噛み癖のほか、吠え癖や飛びつき癖といった問題行動の原因となってしまいます。

愛犬の欲求不満が解消されていない状態で噛み癖を矯正するしつけを行っても、あまり効果は得られないでしょう。

そのため、まずは愛犬の欲求不満の原因を探り、解消してあげるようにしましょう。

餌や水は毎日新鮮なものを十分に与えているか、愛犬の居住空間はいつも掃除をして清潔で快適な状態を保っているか、一緒に遊んであげたり、散歩に付き合う時間は充分か、一度愛犬への態度を顧みて、必要があれば改善して愛犬の欲求を満たしてあげましょう。

4.噛み癖を直す時に注意しなければならないこと

噛み癖の矯正のみならず、愛犬のしつけを行う際にいくつか注意しなければならないことがありますが、特に

  • 犬の集中力はどのくらいか?
  • 罰やご褒美を与えるタイミングは?
  • しつけを行う側の態度に一貫性がない
  • きつく叱ったり、殴るなどの体罰を行うべきではない
  • 犬歯を削ったり、口枷を用いること

これらに注意して行わなければ、噛み癖を矯正するためのしつけの効率が悪くなるばかりか、愛犬との信頼関係を損ね、場合によっては噛み癖が悪化する可能性も少なくありません。

そこで、この項目ではこれらの注意点やデメリットについてご説明していきたいと思います。

4.1.犬の集中力はせいぜい10~15分程度

犬の集中力は、犬種や性格によって異なりますが、せいぜい10~15分ほどしか持たないといわれています。

集中力が途切れると学習能力だけでなく意欲も低下し、疲労やストレスも蓄積されていくため、長時間のしつけは効率が低下し、かえって逆効果になりかねません。

そのため、1回のしつけに使う時間は10~15分間に決め、時間になったら中断して時間をおいて同日の夜かあるいは翌日に再開するようにしましょう。

4.2.罰やご褒美を与えるタイミングは素早く!

犬には短期記憶能力が備わっており、およそ2~3秒前のことは鮮明に記憶することができますが、逆に言えば性格に覚えていられるのは2~3秒までで、それ以降はどんどん記憶が劣化していくということです。

更に、犬の学習をより確実に定着させるために、犬の行動や中性刺激(生理的な反応を無条件に引き起こさない刺激)から0.3~2秒の間に賞罰を与えなくてはなりません。

つまり、罰を与えるにしても、ご褒美を与えるにしても時間とタイミングが重要で、早ければ早いほど愛犬のしつけを確実なものにするということです。

はじめのうちはタイミングを見計らうのが難しく、罰やご褒美を与えるのも遅れがちになるかもしれません。

ですが、飼い主もまた愛犬のしつけを通して経験を蓄積しているのです。

何度も根気強く繰り返し行うことで、賞罰を与えるタイミングや時間も体感で理解するようになるはずです。

4.3.しつけを行う際は常に一貫した態度で

例えば、しつけを行うときに母親は愛犬に対して厳しい態度で接するのに対し、父親が「かわいそうだから、この辺にしてあげようよ」と甘やかすといったケースはわりと多くみられると思いますが、実は、この態度の一貫性のなさは愛犬をしつける上であまりよろしくないといえます。

というのも、噛み癖などといった犬の問題行動を矯正する際、片方は厳しく、片方は甘く接するといった家庭内の愛犬に対する態度の一貫性のなさは、間欠強化を招いてしまうからです。

間欠強化とは、報酬が得られたり、得られなかったりを繰り返すことで、かえって報酬を期待して同じ行動を繰り返すことで、例えばパチンコなどで「今回は負けたけど、次はきっと勝つ」とやめることができなくなるような、所謂ギャンブル中毒状態を指します。

そのため、「そのうちきっといつかかまってもらえるはずだ!」と噛み癖が止まらないのも、もしかしたら家庭内で愛犬に対するしつけの臨み方がバラバラである可能性も否めません。

噛み癖は非常に長い時間をかけて根気強く行わなければならないので、必ず家庭内でルールを決め、それを徹底的に順守し、態度も一貫性を保ち、例え愛犬がかわいそうと思っても折れずに鋼の意思を持ってしつけに臨むようにしましょう。

ましてや、気まぐれで叱ったりするのは絶対にいけません。

4.4.きつく叱ったり、体罰を用いるのはNG

かつては、きつく頭ごなしに叱ったり、強く叩いたり電気ショックなどの刺激を与えることで犬の問題行動を矯正するのが支持されていましたが、実はそうしたやり方は飼い主との信頼関係を損ね、犬に身体的な損害を与えるのみならず、恐怖心や精神不安といった精神的ストレスや飼い主への反抗心を植え付けさせ、かえって攻撃行動を招いていしまうということが研究が進むにつれ分かってきました。

また、犬に怒鳴るという行為も、犬自体が「どうして怒鳴られたんだろう?」と、怒鳴られたことと自分が起こした問題行動との因果関係が結び付けづらく、しつけとしての効果はほぼ無いに等しいです。

そのため、しつけが中々進まなかったり、逆に「お?なんか自分を威嚇しているな?」と犬が勘違いしてかえって噛み癖が促進されてしまいかねません。

愛犬のしつけは基本的に『褒めて伸ばす』ことをメインに置き、してはいけない行動をとったら罰を与えるのはあくまでサブとして行うのが基本です。

罰を与える際も、叱る際はあらかじめ叱る言葉を決めて落ち着いた口調でゆっくりと、言い聞かせるようにしましょう。

また、叩いたり、リードを強く引っ張るなどといった犬を痛めつけるような体罰ではなく、あくまでちょっと驚かす程度の刺激を与える程度に留めましょう。

この方法は所謂『サプライズ』と呼ばれるもので、水で薄めた酢をスプレーしたり、小石を入れた空き缶をカラカラ鳴らすなどといった『驚き』を犬に与えることで問題行動を抑制するという効果があります。

4.5.犬歯を削ったり、口枷を用いるのは根本的な解決に至らない

愛犬の噛み癖に困って、犬歯を削ったり、口枷を用いる飼い主は少なくないと思われますが、よほど異常な噛み癖を持つ犬でない限り、良策であるとはいえません。

確かに、犬歯を無くせば噛まれても痛くありませんし、そもそも噛みつかないように口枷を付けて口をあけさせないようにするのは、犬の噛み癖を制御する上では最も手っ取り早い方法でしょう。

ですが、それは噛み癖を無くすこと自体の根本的な解決に至らず、しつけ、あるいは問題解決のための行動から逃避しているだけです。

また、犬歯を削ったり、口枷をはめるのも犬にとって非常に多大なストレスに繋がり、かえって噛み癖を促進させてしまいます。

よほど噛み癖がひどくて困っているのであれば、まずはプロのドッグトレーナーや動物臨床行動学専門の獣医師を訪ねて、カウンセリングや適切なアドバイスを受けて協力して噛み癖を矯正することこそが、真に愛犬を想う行動だといえます。

5.まとめ

今回は、主に柴犬の噛み癖に主眼を置き、その原因や理由を子犬期・成犬期に分けて解説し、対処法やしつけの仕方、注意点についてご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?

柴犬はいまや日本のみならず海外でも人気の犬種となりましたが、一方で気難しい面もあり、相性の問題もありますが決して飼育が簡単であるとはいえません。

ですが、それだけに愛情を持って接し、しっかりしつけを行えばそれに応えて愛情を返してくれる犬種でもあります。

柴犬を飼っていて噛み癖に困っている方は、知識を得、時に専門家やプロのドッグトレーナー、獣医師と協力して焦らず、じっくりとしつけを行いましょう。

決して、自分だけで悩み、抱え込まないようにしてください。

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