狂犬病の予防接種の時期や費用、狂犬病の症状・治療法まとめ

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日本国内での発生はほとんど耳にしない、狂犬病について皆さんはご存知ですか?

狂犬病は犬がかかる病気でしょ?と思われている方もいるかもしれませんが、実は人も感染することはあるのです。

狂犬病に感染し発症してしまうと、現在の医学では残念ながら治療法はなく死に至る可能性が高いとても恐ろしい病気です。日本ではこの狂犬病がこのまま発生しない為に、様々な方法をとっています。

今回は、この狂犬病は一体どのような病気でどのような症状が表れるのか、またそれを予防するためのワクチンについて紹介していきたいと思います。

狂犬病について、是非知識を入れておくようにしていただきたいです。

目次

1.犬の狂犬病とは
1.1.狂犬病の3つの主な症状
1.2.狂犬病の原因
1.3.狂犬病の治療方法

2.子犬・犬の狂犬病の予防接種の時期や費用
2.1.狂犬病の予防接種はいつするべき?
2.2.7月以降に予防接種する際のデメリットとは?
2.3.狂犬病の予防接種はいくらくらい?

3.人(ヒト)用の狂犬病予防接種とは
3.1.誰が狂犬病の予防接種を受けられるの?
3.2.噛まれた後や噛まれる前の接種回数は?

4.まとめ

1.犬の狂犬病とは

狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染することで発症をする病気のことをいいます。

狂犬病はその名前から、犬だけがかかる病気だと思われがちですが、人獣共通感染症(ズーノーシス)の一種ですので、犬や人だけではなく全ての哺乳類が感染する可能性があります。

狂犬病に感染し発症すると、助かることはほとんどなく死亡してしまう恐ろしい病気であることを是非認識するようにしてください。また、狂犬病に感染し発症し始めると、水を怖がる症状が表れることから、別名「狂水症」とも呼ばれることがあります。

日本やイギリス・ハワイ・ニュージーランド・オーストラリアは、国内で狂犬病が数十年間発生していないため、駆逐したとみなされ「清浄国」とされています。ただし、同じく清浄国とされていた台湾で、約50年ぶりに狂犬病が発生した例もありますので、日本でも今後狂犬病が発生する可能性が全くないわけではありません。

1.1.狂犬病の3つの主な症状

狂犬病には大きく分けて、狂躁型と沈鬱型の2種類に分類されていますが、狂犬病のほとんどの症状は狂躁型になります。この狂躁型について、3つの主な症状が下記になります。

前駆期

食欲が落ちて発熱を伴う風邪のような症状が表れはじめます。少し体調が悪いのかな?と思う程度の症状ですので、保菌している動物に咬まれた事実を確認していない場合、ここで気が付く飼い主さんはあまり多くはないようです。

いつもと違う異常行動を起こすこともありますが、体調不良によるものなのかと思い見過ごしてしまうこともあるようです。

狂騒期

突然攻撃的な行動を起こすようになります。それと並行して顔付きも少し変わり、凶暴的な目をするようになり、何にでも咬みつくような行動を取るようになります。

過剰な興奮状態になったかと思うと、水を異常に怖がる仕草をするなど明らかに変化が見受けられるようになります。やたらに遠吠えをするようになることもあるようです。

麻痺期

この頃になると、足腰は立たなくなり大量のよだれを流すようになります。食事も取らなくなり、衰弱したまま数日で死に至る可能性が高いです。

狂犬病ウイルスの感染経路は、犬から犬がほとんどになります。そのため上記にあげた症状のうち、なんにでも咬みついてしまう狂騒期が一番気を付けなければいけない時になります。

狂犬病ウイルスを持った犬が他の犬に咬み付き、その結果ウイルス感染がどんどん広がっていってしまうからです。また、現在狂犬病ウイルスは人から人へは感染しないとされています。

1.2.狂犬病の原因

先に紹介したように、狂犬病は通常犬から犬へと感染していきます。既に狂犬病ウイルスに感染している犬に咬まれた場合に、ウイルスが唾液と共に傷口から体内に入っていき、約2週間~6週間の潜伏期間を経て発症します。

発症する時期は、咬まれた場所や侵入したウイルスの量により更に後になってくる場合もあり、咬まれてから1年後に発症した例もあるようです。

1.3.狂犬病の治療方法

狂犬病に感染し発症してしまったら、残念ながら完治する方法はないと思ってください。

日本ではもう何十年も狂犬病が発生していないにも関わらず、狂犬病の予防に関して法律まで制定している理由は、発症したら治らないという恐ろしさにあるのかもしれません。

飼い犬が狂犬病ウイルスを保持している可能性のある犬に咬まれた場合には、とにかくすぐに動物病院へ行くようにしてください。

対処法の一つとして、狂犬病ワクチンを接種することになると思います。その後は狂犬病の症状が出るかどうかを、経過観察していくしか方法はありません。極々稀に発症せずに終わった例もあるのですが、確率はゼロにかなり近いです。
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2.子犬・犬の狂犬病の予防接種の時期や費用

狂犬病の予防接種をする時期はある程度決まっています。また、子犬の場合には予防接種だけでなく、住まいの担当役所へ犬を飼育する旨の登録をする義務が生じてきます。

 

その時期や方法について紹介しますので、飼い主の義務としてきちんと覚えておくようにしてください。

2.1.狂犬病の予防接種はいつするべき?

狂犬病の予防接種時期については、犬の登録をしている市町村より毎年1回4月~5月中旬までの間位に、予防接種時期であるというお知らせが届きます。春は狂犬病の予防接種の時期と覚えておくようにしてください。

 

接種場所は、市町村から送られてくる手紙に日時と会場が記載されていますので、都合のよい日時に自分で出向いて接種する形になります。お住まいの地区にある公民館や市役所の駐車場、公園などが会場になることが多いようです。

子犬の場合

子犬の場合には、家に迎え入れた時期によって接種スケジュールが少し変わってきます。

子犬は母犬から貰った免疫力が切れてくる生後40日過ぎ頃から、混合ワクチンを数回に渡って接種します。迎え入れた月齢によって、ワクチン接種の回数や時期も変わってくると思いますが、ワクチンを接種した後に狂犬病の予防接種をする場合は、約30日の期間を開けるようにしてください。

混合ワクチンを3回接種する場合は、狂犬病の予防接種の時期については獣医師と相談しながらスケジュールを決めるのがおすすめです。

狂犬病予防法

日本では、狂犬病予防法により「犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合にあっては、生後90日を経過した日)から30日以内に所在地を管轄する市町村長に犬の登録を申請しなければならない」となっていて、「市町村長は申請があったときは、犬の所有者に鑑札を交付する」と決められています。

子犬を迎え入れた後は、ワクチンや予防接種も大切なのですが、この登録申請を行わなければいけません。生後2ヶ月程度の子犬を迎え入れたのであれば、混合ワクチンや狂犬病の予防接種を済ませた後でも問題ありませんので、忘れずに登録を行うようにしてください。最近では動物病院で狂犬病の予防接種をした際に、登録の代行をしてくれるところも増えてきていますので、来院した時に一度伺ってみてください。

飼い主さん自身で登録を行う場合には、動物病院で発行される接種証明票を持参します。予防接種前に登録だけを済ませることもできますが、接種証明票を持参してから出向く方が1回で用事が済みます。

登録先は、市役所・出張所・保健所などがありますが、市町村によって担当部署や担当窓口の呼び方が違いますので、必ず確認してから出向くようにしてください。登録をした際には「鑑札」を発行してもらえますので、必ず受け取るようにしてください。

役所への登録を済ませると、次回の狂犬病の予防接種の時期にはお知らせが届くようになりますので、うっかり接種し忘れるようなこともありません。

2.2.7月以降に予防接種する際のデメリットとは?

狂犬病の予防接種期間は通常毎年4月~6月で、この時期は厚生労働省が「狂犬病予防月間」とし、各地域での集団接種を推奨しています。

集団接種の会場や日程は、地域のなかでいくつか設定していることがほとんどですので、都合のいい場所や日程を選んで行くことができます。いつものお散歩コースなどで開催していると、お散歩のついでに接種できるのでとても便利です。また、集団接種の場合はその場で接種証明票が発行されますし、料金も動物病院で個別に接種するよりは安く設定されているメリットがあります。

ただ、集団接種は多くの犬が1箇所に集まってきますので、他の犬がいると興奮してしまうタイプの犬の飼い主さんは、動物病院での個別接種を希望する場合もあるようです。狂犬病の予防接種は7月以降に接種することも可能ですが、動物病院での接種の場合には接種証明票がその場で発行されないことがありますので、改めて接種をした動物病院か役所まで取りに行かなくてはならなくなります。

他にも、ドッグランやペットホテル、トリミングサロンなどでは、毎年集団接種が終了した時期に予防接種の証明票の確認を求めてくるところが多いのですが、その際にまだ接種していないようですと、サービスを受けられなくなってしまう可能性があります。

集団接種の日程にどうしても都合が付かない場合は仕方ありませんが、個別接種はいつでも行かれるという油断から接種し忘れてしまうことも多いようですので、なるべくなら集団接種を受けることをおすすめします。

他の犬が苦手な子の場合には、開始時間の少し前に行きなるべく早めの時間で、あまり犬が集まってこないうちに済ませてしまうか、逆に終了間近の時間に行ったりするとあまり混雑をしていることもなく、すんなり接種できることもあります。一度様子を見に行って時間の配慮などをしてみてください。

2.3.狂犬病の予防接種はいくらくらい?

狂犬病の予防接種の費用は各自治体によって多少違いはありますが、3000円程度で接種することができます。それとは別に、接種証明票の発行に550円かかります。

動物病院で個別に接種する場合には、接種費用も多少高くなるだけでなく診察代もかかりますのでもう少し割高になります。

病院によって接種費用や診察料金は変わってきますので、来院する前に電話にて確認することをおすすめします。

3.人(ヒト)用の狂犬病予防接種とは

先に紹介したように、日本国内では数十年間に渡り、狂犬病の感染は確認されていません。しかし、アフリカや中南米などの国ではいまだに狂犬病感染は確認され、それが原因で世界では年間5万人もの人が亡くなっています。

日本国内にいる限りは必要のないものですが、海外への渡航予定のある人は必要に応じて狂犬病予防接種を受けることが推奨されています。

3.1.誰が狂犬病の予防接種を受けられるの?

狂犬病発生国への渡航予定があり、動物と接触する可能性のある場合と、医療機関が充実していない地域に長期滞在をする予定の人は、渡航前に狂犬病予防接種を受けることがすすめられています。

狂犬病発生国とは、オーストラリアやニュージーランドなどの狂犬病清浄国と呼ばれている一部の国を除いた地域になりますので、海外では狂犬病ウイルスを保菌している哺乳類がいると考えるのが一般的です。

犬はもちろんですが、猫やキツネ、アライグマ、コウモリ、リスなどは保菌哺乳類として注意を払う必要があります。海外では、これらの動物には迂闊に手を出すようなことは避けるべきです。

3.2.噛まれた後や噛まれる前の接種回数は?

狂犬病予防接種は、4週間の間隔をあけて2回皮下注射を行います。その後6ヶ月~12ヶ月後に追加接種を行うスケジュールが一般的ですが、終了までかなりの時間がかかりますので計画的に接種を開始する必要があります。

生後6ヶ月を過ぎていれば小児でも接種は可能とされていますが、まずは医師によく相談をするようにしてください。

人は狂犬病に感染すると、発症するまでの潜伏期間が必ずしも一定ではなく、1ヶ月で発症する場合や1年~2年以上経過してから発症する場合もあります。現在では、残念ながら狂犬病を発症する前には感染の有無を判断する術がありませんので、狂犬病発生国で犬を含む哺乳類に噛まれてしまった場合には、感染したものと判断し対処を行います。

暴露後ワクチン接種

狂犬病発生国で哺乳類に咬まれてしまった場合、狂犬病の発症を予防するためのワクチン接種をします。これを「暴露後ワクチン接種」といいます。

狂犬病は発症してしまうと、現時点では効果的な治療方法は解明されていませんのでほとんどの場合が死に至ってしまいます。そのため発症を予防するためにも、咬まれた後はできる限り速やかに接種を開始するようにします。

暴露後ワクチンは、初回の接種日を0日とし、3日、7日、14日、30日、90日の計6回皮下注射を行います。

暴露後ワクチンの接種中に咬んだ動物の経過観察が可能なで、2週間以上が経過してもその動物が狂犬病を発症しない場合には、咬まれた時点では狂犬病への感染は無いと判断できますので、暴露後ワクチンの接種は中止することもあります。状況をよく確認しながら、医師の判断を仰ぐようにしてください。

この計6回のワクチン接種については、先に予防接種を受けてない場合の接種回数であり、予防接種をしたことがきちんと証明できる場合には、初回接種0日と3日目の2回の接種を行います。
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4.まとめ

狂犬病について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

日本は数十年以上も狂犬病が発生していないことから、世界的に見ると数少ない清浄国になります。ただし、狂犬病発生国とも普通に行き来がある現在では、いつ狂犬病が日本で発生してもおかしくないということになります。

日本では狂犬病の発生を防ぐために「狂犬病予防法」を法律で定めています。犬を飼うからには、飼い主さんには様々な責任と義務が生じてきます。

接種場所は近隣の公園など、いくつかの場所や日時が設定されますので、都合のいい日時を選んでお散歩のついでにでも出向くようにしてください。くれぐれも接種のし忘れがないように注意しましょう。

狂犬病は、犬だけでなく人を含む全ての哺乳類に感染する病気です。そして海外の多くの国では、いまだに狂犬病が原因で多数の人が亡くなっています。

 

いずれにせよ、狂犬病発生国で哺乳類に咬まれてしまった時には、速やかに医師の判断を仰ぐようにしてください。
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