犬に待てをしつけられる!待てのしつけに適した時期とその教え方

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しつけの中でも特に難しいのが「待て」のしつけ。

他のしつけはうまくいったのに、「待て」だけができなくて挫折してしまった・・・なんていう飼い主さんも、もしかしたら多いのではないでしょうか?

「待て」は何もしないことを覚えさせるしつけなので、他のしつけよりも難しくて当然です。

ただし、飼い主さんの気持ちや行動を少し変えてみるだけで、思いの外スムーズに「待て」を犬が覚えてくれることもあります。

そこで今回は犬に待てを覚えさせるために、必要な飼い主の意識や行動とは何か。

また待てのしつけで困った場合はどうすればいいか、などを含めた「待てのしつけ方」をご紹介いたします。

ぜひ「待て」からしつけが先に進まない・・・とお悩みの飼い主さんは、もう一度このページを読んで「待てのしつけ」に再チャレンジしてみてください!

目次

1.犬に待てを覚えさせる意味とその大切さ

2.子犬に待てのしつけはいつからやるべき?
2.1.おすわりのしつけは生後3ヵ月から
2.2.大切なのは信頼関係を築くこと

3.基本的な待てのしつけに必要なものと教え方
3.1.待てのしつけに必要なものと教え方
3.2.実際の待てのしつけの流れ
3.3.なかなか待てをしてくれない場合は○○してみる

4.「待て」が上手くいかないときに考える5つのこと
4.1.「待て」で吠える場合の原因とその対処法
4.2.「待て」で唸る場合の原因とその対処法
4.3.「待て」のしつけをするほど、犬との関係が悪くなる原因と対処法

5.「待て」のとき、よだれが多いときはしっかり観察する
5.1.「食事」や「おやつ」の前に、「待て」をするとよだれが出やすい?

6.まとめ

1.犬に待てを覚えさせる意味とその大切さ

犬を飼い始めると「待てを覚えてくれたら、どんなに楽だろう」と思うシーンがたくさんあります。

例えば犬と一緒にドッグカフェに行った時。

待てができれば犬の一挙一動やリードを気にせず、一緒に食事を楽しむことができます。

また普段の生活の中であれば、玄関のドアを開けた瞬間に隙間をぬい、犬が外へ飛び出すのを防ぐことができます。

さらに散歩中なら、他の犬が近づいてきた時に突然飛び掛かったり、パニックになって逃げだしたりするのも防げます。

その他にも、待てを覚えさせることができれば飼い主さん自身も生活しやすくなり、さらに犬の命を守ってあげられるシーンがたくさんあるはず。

犬に「待て」を覚えさせることは、犬を突発的な事故や怪我から守ってあげられるだけでなく、犬との暮らしをより快適で楽しいものに変えることができます。

「待て」を覚えさせるのは大変ですが、ぜひ犬といい関係づくりやお互いに快適に暮らせる環境づくりのため、気長に根気よくしつけていきましょう。
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2.子犬に待てのしつけはいつからやるべき?

比較的短時間ポーズするだけでいい「お座り」や「伏せ」とは違い、「待て」は長時間同じポーズをとらせ続けなくてはならないため、「待て」を覚えるまでにはやはりそれなりに長い時間がかかります。

そのためまずは簡単な「お座り」や「伏せ」を覚えさせて、それから「待て」にチャレンジしてみましょう。

「待て」ができるようになったら、その後に「伏せ」の時間を少しずつ長くする「伏せ」と「待て」の合わせ技にチャレンジしてみてください。

待てのしつけは覚えのいい子犬の時期から始めるのがお勧めですが、子犬の時期にはそれよりもまず覚えなくてはならないことがたくさんあります。

他の犬に慣れさせるために「パピーパーティー」に参加したり、家のルールを覚えてもらったり、簡単な「お座り」や「伏せ」のしつけを覚えてもらったりすることなどをまずは優先しましょう。

全部を覚えさせようとすると飼い主さんも大変になってしまうため、ぜひ余裕ができたら少しずつチャレンジする気持ちで「待て」のしつけを始めてみてください。

2.1.おすわりのしつけは生後3ヵ月から

お座りや伏せなど、短時間で済むポーズのしつけは子犬自体に学ぶ力や覚えたことを吸収する力が高い、生後3ヵ月頃から徐々に始められるのがお勧めです。

ただし生後5ヵ月を過ぎた頃から、子犬は他の犬や人間や大きな音など、見知らぬものに対して急激に不安や警戒心を持ち出すことが多くなります。

そのため生後5ヵ月までは色々なものに触れさせ、経験させ、見知らぬものを見てもビックリしてパニックにならないよう、色んな経験をさせてあげることがまずは大事です。

この経験をさせないまま大きくなると、他の犬をみかけた途端攻撃をしかけたり、大きな音がすると吠えたりなど、後々問題行動につながってしまうこともあるからです。

現在では同じ月齢の子犬だけを集めた「パピーパーティー」を開催されているところも多いため、まずはそのようなイベントに参加するなどして、子犬に色々な経験や体験をさせてあげてみてください。

その上で「お座り」、「伏せ」を覚えさせて、できるようになってきたら「待て」にもチャレンジしてみましょう。

2.2.大切なのは信頼関係を築くこと

「待て」は長時間同じポーズをとらせるしつけです。

当然ながら犬には限界が訪れ、飼い主さんの隙を見てすぐ遊ぼうとしたり、しつけの場から逃げ出そうとしたりするはずです。

そこを気長に根気よく覚えさせていき、「待つといいことがある」と覚えさせていかなくてはならないのが「待て」のしつけです。

だからこそ「待て」を覚えさせる時には、犬が待機している時間をより幸せな時間にしてあげる必要があります。

待機している間に日向ぼっこできたり、待機している時によりリラックスした時間を過ごせたりするようしてあげましょう。

また待機した後のごほうびをスペシャルなごほうびにすることも効果的かもしれません。

待てのしつけは、他のしつけと違い「何もしないこと」と「ごほうび」を関連づけていかなくてはならないため、他のしつけよりもハードルの高いしつけです。

だからこそ、それができた時には犬が飼い主さんの指示を「自分のための指示」だと認識してくれやすくなり、飼い主さんに対してもより尊重する姿勢や信頼する姿勢を見せてくれるようになります。

犬と人間との間の意思疎通の難しさを感じやすいのが「待て」のしつけです。

だからこそこのしつけをクリアすることで、より深い信頼関係を犬と結べます。

違う生き物同士がずっと一緒にいて、どうしたら快適に暮らすことができるのか。

犬だけでなく飼い主さん自身もそれを考え、犬とのいい距離感を学び、お互いにとっての心地いい時間を一緒に作り上げていくのか。

それをお互いに学べるのが「待て」のしつけです。

気長に根気よく大らかに、犬に「待て」を覚えさせて「この人と一緒にいればどんな場所でも安心できる」という信頼関係を「待て」のしつけを通して、少しずつ作り上げていきましょう。

3.基本的な待てのしつけに必要なものと教え方

待てのしつけは他のしつけと同様に、犬が指示したことをきちんとできた時に与えるごほうびが必要です。

使うものは基本的に他のしつけと同じですが、教え方にはかなり違いがあります。

それは「待て」のしつけは、他のしつけよりも犬に覚えさせるのに時間がかかってしまうところです。

「お手」や「お座り」、「伏せ」などは一時的にそのポーズをとればごほうびがもらえますが、「待て」の場合はそれよりも長い時間指示に従わないと犬はごほうびをもらえないしつけです。

また「お手」や「お座り」、「伏せ」などは何かアクションを起こすことでごほうびをもらえるしつけです。

それに対し、「待て」のしつけでは「何もしない」ことで「ごほうび」がもらえるしつけです。

そのため犬が何をしたらごほうびをもらえるのか、を理解するのに少々時間がかかってしまうのです。

今まで教えたことと全く違うことを教えるため、犬が理解するのはもちろん、飼い主さん自身も教え方に戸惑うことが多いのが「待て」のしつけです。

ぜひ気長に大らかな目で犬を見守りながら、毎日根気強く取り組むようにしてみてください。

3.1.待てのしつけに必要なものと教え方

待てのしつけに必要なものは、基本的には下記のものが必要です。

おやつやおもちゃ、ごはん、リード

おやつやおもちゃ、ごはんは待てができた時に犬に与えるごほうびです。

おもちゃの場合は与えると遊び始めてしまい、ごはんも与えるとそちらに夢中になってしまうため、何回か繰り返してトレーニングしたい時はおやつをごほうびに選ぶとよいでしょう。

また家の中ではなく、外で「待て」のしつけをしたい時にはリードがあると便利です。

さらに犬と距離が置けるようになってきて、外で「待て」のしつけをするなら下記のものがあると便利です。

ロングリード

「待て」のしつけでは、犬と距離を徐々に置いていく必要があるため、ある程度距離を保てるリードがあると便利です。

さらに「待て」が長い時間できるようになったら、下記のものを用意しましょう。

  • ストップウォッチ
  • メモ帳

「待て」は徐々に時間を長くしていき、犬を待機させることに慣らしていくトレーニングです。

目標時間をクリアできたかはかるためのストップウォッチ、また今日は何秒~何分待てたとすぐメモできるものを用意しておくと便利です。

3.2.実際の待てのしつけの流れ

待てを始めるには、まず「お座り」のしつけが必要になります。

お座りができたら、「待て」の練習も始めてみましょう。

犬をお座りさせたら、手のひらを犬に向けて「待て」と指示語を出します。

待てができたら、「よし」などの解除語を出して、犬にごほうびを与えます。

基本的にはこの繰り返しを行いながら、犬の待機時間を1秒ずつ長くしていきます。

分単位で待機できるようになってきたら、ストップウォッチとメモ帳を準備して日々の成長を記録しながら待機時間を少しずつ伸ばしていきましょう。

待機できる時間が長くなってきたら、犬をお座りさせ、手のひらを犬に向けて「待て」と指示を出し、一歩後ずさって犬との距離を置くトレーニングを始めてみましょう。

飼い主さんが自分から離れると不安になり、そわそわ落ち着かなくなることがあります。

ただし、ここで慌てて「待てしなさい!」と犬に駆け寄ると「動けば飼い主さんが来てくれる」と覚えてしまいます。

飼い主さん自身も犬が「待て」ができるまでは、じっと落ち着いて態度を変えずに、犬が待機できるまでひたすら「待て」と指示を出すようにしましょう。

一歩距離を置くことができたら、次は二歩、三歩と後ずさり、少しずつ犬との距離を置けるようにします。

犬の「待て」のしつけを始めたら、基本的に毎日しつけを行い、少しずつ待機時間を伸ばし、それができたら離れる距離を長くしていく方法で覚えさせていきます。

ある程度の時間と距離を確保できるようになったら、ロングリードを用意して、外出先で長時間・長距離離れていても「待て」ができるようにしつけしていきましょう。

指示語や解除語を統一する

「待て」のしつけをする時は、他のしつけと同様に指示語・解除語を統一する必要があります。

家族によって使う指示語・解除語がバラバラだと、犬に言葉の意味が伝わりにくくなるからです。

指示語の「待て」を「ウェイト」にするのか、解除語の「よし」を「いい子」にするのかなど、人それぞれ言いやすい指示語・解除語があるはず。

ぜひ、あらかじめ家族と話し合って指示語と解除語をどの言葉で統一するのか、話し合っておきましょう。

また指示語や解除語を出す時の「声のトーン」や「速度」もなるべく統一しておくと、指示が犬に伝わりやすくなります。

さらに声のトーンや速度を決めておくと、飼い主さん自身がしつけがうまくいかなくて慌てた時にも「待て!」と大声をはりあげたりせず、落ち着いて指示を出しやすくなります。

しつけを「怒られている」「叱られている」と犬が感じると、せっかく覚えてくれた行動を嫌がるようになることがあるため、慌てずに統一した指示語・解除語を使って犬に指示を出していきましょう。

「待て」を途中でやめたら「お座り」からやり直し

「待て」と指示を出したのに犬が動いてしまった時は、もう一度「お座り」と指示を出してから、「待て」と指示を出してやり直ししましょう。

なぜならこの場合、犬は「待て」の指示の意味がまだ理解できていない段階だからです。

「お座り」の指示は犬に行動を促す指示なので、犬にとっては理解しやすい指示です。

一方「待て」の場合は、犬に動かないことを促す指示です。

そのため飼い主さんが何を自分にさせようとしているのか、犬が理解するのに時間がかかってしまうことがあります。

「待て」ができない時は、「お座り」からやり直した方が、犬にとっても「何か求められている」「何か指示されている」ということがわかりやすくなるため、飼い主さんにとっては大変ですが、ぜひ「待て」がどういう行動を犬に促す指示なのか、犬が理解できるまで気長に根気よく、ダメなら最初からの気持ちで繰り返ししつけを行っていきましょう。

「待て」に慣れてきたら、行動をランダムに変えてみる

「待て」ができるようになってきたら、「待て」の指示を出しながら犬の背後に回ったり、犬に背を向けたりした行動をランダムに変えていきます。

飼い主さんがその場から離れるしぐさを見せても、きちんと「待て」ができるようにするためです。

実際に生活する場面で犬に「待て」の指示を出す時は、犬から一時的に目を離さなくてはならないことがあります。

例えば来客があった時、一時的に外出しなくてはならない時など、犬が不安でパニックになりやすい時にも関わらず、犬のそばにずっとついていてやれないシーンが日常では必ずあります。

そんな時のために、飼い主さんが「待て」の指示を出した後、どんな振る舞いを見せてもきちんと「待て」ができるようしつけておくことが大事です。

正面の位置で「待て」ができるようになったら、そのまま「待て」の指示を出しつつ行動をランダムに変え、飼い主さんの動きが変わっても待てができるようにしていきましょう。

3.3.なかなか待てをしてくれない場合は○○してみる

「待て」のしつけが難しいことは前述の通りですが、行動をランダムに変えながら「待て」をさせるのはさらに至難の技。

実際プロのトレーナーでも犬にどんな時でも「待て」を覚えさせるのには、苦労を伴うことがあります。

特に犬に背を向けたり、犬の背後に回ったりして「待て」をさせる時は、犬が不安に陥りやすいため「待て」の指示が効きにくいケースがあります。

こんな時は同じ行動を何度もとって、繰り返し「待て」をさせるよりも、飼い主さん自身が柔軟に考え方や行動を切り替えた方がうまくいくことがあります。

背を向けると犬が動き出してしまうなら、今度は横に移動してみる。

犬の背後に回ると動き出してしまうなら、犬の体に触れながら「待て」と指示を出しつつ移動してみる。

ぜひ色んな方法を試してみながら犬に「待つこと」を覚えさせてみてください。

大切なのは「待て」の指示と「その場で待機すること」がイコールであることを犬に理解させていくことなので、ぜひひとつの手法にとらわれず、犬が待ての意味を理解しやすい手法を使って根気よく教えていきましょう。
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4.「待て」が上手くいかないときに考える5つのこと

「待て」が上手くいかないときは、下記5つのことについて、今一度見直してみましょう。

  • 犬に与えるごほうびが、犬の大好きなものかどうか犬に与えるごほうびは犬にとって大好きなものでないと、そもそも「ごほうび」だと認識してくれません。またごほうびがうれしいものでないと、犬がしつけを「楽しくないこと」だと認識してしまうことがあります。

    ごほうびには、ぜひ犬が大好きなものを用意してあげてください。

  • 犬が集中できる環境かどうか待てのしつけは他のしつけ以上に集中力を求められるしつけです。周囲に誘惑されるものがあると自然とそちらに気が入ってしまい、「待て」を維持するのが難しくなることも。

    「待て」をする時は、犬が興味を示しそうなものを片づけて犬が集中しやすい環境を作ってみましょう。

  • 新しいトレーニングに次々トライさせていないかどうか人間でもそうですがたくさんのことを一度に詰め込まれると、頭の中がいっぱいになってしまって効率よく物事を覚えられなくなります。「待て」を教える時は、できたら次、できたら次と詰め込むのではなく、成功したらしばらく同じしつけを続けて、犬の成功体験を増やしていく方法がお勧めです。

    問題なくできるようになってきたら新しいトレーニングを始める気持ちで、ゆったりと進めていきましょう。

  • 指示語と解除語をしっかりと発音できているかどうか指示語と解除語を家族の間で統一するのはもちろん、できれば声のトーンや速度をそろえること、発音をしっかりすることを心がけると、犬に指示語や解除語を理解してもらいやすくなります。常に安定した口調で指示語や解除語が出せているかどうかも見直してみましょう。
  • しつけをすることに一生懸命になりすぎていないかどうか飼い主さんの気持ちに人一倍敏感なのが犬。しつけをすることに一生懸命になりすぎて、つい怒ってしまったり、苛立ったりしてしまうと、その気持ちは犬に必ず伝わってしまいます。

    そして自分の気持ちがネガティブだと、犬は「ほめられること」より「やると怒られること・苛立たせること」に意識がいってしまいます。

    こうなるとしつけ自体に苦手意識を持ってしまうこともあるため、待てのしつけではほめて成功体験を覚えさせることはもちろん、飼い主さん自身もゆったりリラックスした気持ちで臨むようにしてみてください。

4.1.「待て」で吠える場合の原因とその対処法

「待て」で犬が吠える場合は、犬が何らかの不安や恐怖を感じていること、もしくは何らかの欲求を訴えていることが考えられます。

「待て」で距離を置いた時に犬が吠えるなら、飼い主さん自身が離れていくことに不安や恐怖を感じているのかもしれません。

また「待て」で待機時間を伸ばしている最中なら、「手に持っているごほうびを早くちょうだい!」と訴えているのかもしれません。

このような時は、もう一度「お座り」からやり直させる方法がお勧めです。

「お座り」で意識を切り替えさせて、犬をもう一度トレーニングに集中できるようにしてあげましょう。

また上記『「待て」が上手くいかないときに考える5つのこと』も参考にしてみてください。

4.2.「待て」で唸る場合の原因とその対処法

吠えるのと違い、犬が唸る場合は何らかの警告を犬が発している状態です。

「これ以上やると容赦しないよ!」と、犬から攻撃予告を出されていると考えた方がよいでしょう。

例えばおもちゃやおやつを取り上げられている、と犬が考えているのかもしれません。

または「待て」のしつけが厳しすぎるのかもしれません。

もしくは以前経験した嫌なことが原因で「待たせられる」ことや「飼い主さんの動き」などが気に入らず、トラウマになっているのかもしれません。

この場合も「お座り」からやり直して意識を切り替えさせてみましょう。

それでも同じことが続く場合は「待て」のしつけより「唸ることをやめさせるしつけ」を優先するのがお勧めです。

唸る行動は攻撃行動に発展しやすいサインなので、あまり待てに執着しすぎず、今の犬の状態にあったトレーニングをまずは優先して進めていきましょう。

4.3.「待て」のしつけをするほど、犬との関係が悪くなる原因と対処法

「待て」のしつけをすればするほど犬と気持ちが通い合わず、問題行動が増えてしまう時は、そのしつけそのものが犬にとって「不快なこと」になってしまっている可能性があります。

この場合、飼い主さん自身のしつけに対する気持ち(犬が教えたことをしてくれない悲しみや不安、焦りなど)が犬に伝わってしまっているのかもしれません。

また犬がしつけに対して、ある種のトラウマを持っているのかもしれません。

もしも自分の気持ちが原因なら、待てだけに限らず犬との接し方やしつけそのものについて見直してみる必要があります。

また犬の気持ちが原因の場合も同様です。

なぜ、しつけを入れる必要があるのか。

また、犬とどんな関係を築きたいのか。

それを見直してみて、それが今の自分と犬にとって負担が大きすぎないかどうか、どうすればお互い無理せず過ごせるようになるかをもう一度考えてみてください。

「教科書通りに犬が動いてくれなくても、問題行動だけやめてくればいい」など犬に求めていることがはっきりわかれば、今、犬に何を教えるのを優先すべきか、何を妥協すべきかがわかりやすくなります。

また困った時はプロのトレーナーの力を借りることも検討してみましょう。

5.「待て」のとき、よだれが多いときはしっかり観察する

犬に「待て」をさせていると、時々よだれを流し始めることがあります。

これはごほうびにもらえる「おやつ」を意識している場合と、「待て」をさせられることに緊張や不安を感じている場合が考えられます。

また「待て」をしている間に体調が悪くなってしまったことも考えられます。

おやつを意識しているだけなら問題ないのですが、それ以外の場合は犬の気持ちや体調が優れていないサインでもあるため、「待て」の練習は一度ストップし、犬の様子をしっかり観察する必要があります。

犬の気持ちが問題なら、「待て」のしつけ方の見直しを。

また体調面に不安がある場合は、犬の口の中に異物が入っていないかどうか、犬の口腔内に異常がないか、体調はいつもと比べてどうか(体温があがりすぎていないか、震えていないか)など、犬の様子をしっかり観察して動物病院に相談するようにしましょう。

5.1.「食事」や「おやつ」の前に、「待て」をするとよだれが出やすい?

ちなみに犬の精神面・体調面には取り立てて気になることはないのに、「待て」をさせるといつもよだれを流すようなら、「待て」と「食事やおやつ」の関係を犬がよく覚えているせいかもしれません。

例えば食事の前にいつも「待て」をさせているなら、その号令をかけられると「何かおいしいものをもらえる」と犬が覚えているため、よだれを流し始めている可能性があります。

この場合は「待て」のしつけで、徐々に食べものやおやつ抜きでもできるようにしつけていくとよいでしょう。

食事やおやつ抜きでも「待て」ができるようになり、飼い主さん自身からほめてもらえることが「ごほうび」になれば、自然とよだれもおさまってくるはずです。
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6.まとめ

他のしつけと違い、「待て」のしつけができるようになるまではかなりの時間と労力を要します。

そのため犬が「待て」をできないことに対して、飼い主さん自身が不安を感じたり、焦ったりすることもきっと多いはずです。

ただしこの不安や焦りがトレーニングの妨げになってしまうことが多いのも、「待て」のしつけの難しいところです。

犬にこれから「待て」を覚えさせる時は、犬に集中しやすい環境を与えて一日〇分と時間区切りを決めて行うこと。

またできなくても「明日頑張ろう」の気持ちで、気長に根気よく取り組んでいかれるのがお勧めです。

ぜひあまり無理せず、日々一進一退しながら犬と自分が成長していくのを楽しむつもりで、ゆったりとトレーニングを進めていきましょう!
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