犬の歯槽膿漏の治療法がわかる!症状や薬、手術、費用、腫れについて

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犬は歯が丈夫なイメージがありますが、実は歯槽膿漏になりやすいと知っていましたか?

歯槽膿漏が進んでしまうと、治療は全身麻酔を使うことになり、体に大変な負担がかかってしまいます。

でも、普段からしっかりと歯磨きの習慣をつけておくことによって、歯槽膿漏を防ぐことができるのです。

そこで今回は、犬が歯槽膿漏になったらどういう症状が出るのか、治療はどうするのか、予防するための歯磨き方法など、歯槽膿漏で愛犬を辛い目にあわせないための情報を説明します。

歯磨きが苦手な犬は多いですが、将来辛い目にあわせないために、丈夫な歯をいつまでも守るために、しっかりと正しい歯磨き方法を身につけて、少しでも楽しく歯磨きができるようにしたいですね。

目次

1.犬も歯槽膿漏になる!その原因は?

2.歯槽膿漏の症状チェックリスト4つ

3.犬の歯槽膿漏の治療・手術について
3.1.治療方法や薬、治療費は?
3.2.手術が必要な場合の内容や手術費は?
3.3.手術後の生活はどうなる?
3.4.老犬の歯槽膿漏は手術が難しい?

4.犬も歯磨きして歯槽膿漏を予防しよう!
4.1.歯磨きをする手順は?
4.2.歯磨きの時間はいつがいいの?
4.3.おすすめの歯磨きグッズ

5.まとめ

1.犬も歯槽膿漏になる!その原因は?

歯槽膿漏は歯周病とも呼ばれ、人間にとっても身近な病気です。

歯周病になると歯を失う可能性が高いため、治療よりも予防が大切だと言われます。

実は犬にとっても歯槽膿漏はとても身近な病気なのです。

犬というと、歯が丈夫なイメージがありますが、実はとても歯周病になりやすいのです。

成犬のほとんどが歯周病にかかっているというデータもあります。

犬の歯槽膿漏の原因は人間と同じく歯垢、歯石です。

歯に食べかすが残ったまま放置していると、唾液に含まれるカルシウムが作用して固まり歯垢になります。

歯垢は2~3日で歯石に変わります。

歯石になってしまうと、磨いても簡単に取ることができませんので、動物病院で処置してもらうことになります。

犬の歯石を除去することは、とても大変な治療になりますので、歯垢はすぐに取り除く、かなわち愛犬の歯磨きを怠らないことが大切です。

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2.歯槽膿漏の症状チェックリスト4つ

1.口臭が強い

歯槽膿漏の犬は口臭が強くなり、顔を口に近づけると思わず顔をそむけたくなるほどの強い臭いになります。
特に老犬になってくると、口臭が強くなってくる傾向があります。

2.歯石が多く歯茎が後退

歯磨きをきちんとしていても歯石がついてしまい軽度の歯槽膿漏になってしまうことがあります。
歯石が多く歯茎が後退しているのでは?という段階で気がつけば、軽度~中度の段階ですので、早期発見・早期治療になることが多いです。

3.くしゃみ・鼻水

くしゃみ・鼻水が歯槽膿漏の症状であると気がつくことは難しいかもしれません。
特に老犬がくしゃみを連発して鼻水が出ていたら要注意となります。
上あごで歯槽膿漏が悪化すると、鼻のほうまで炎症が広がって鼻水や膿の原因になります。

4.目やに・目の下が腫れる

歯槽膿漏がさらに悪化すると目の下が腫れて、皮膚が裂けて出血することがあります。
目やにも出ることがありますが、目の病気だと思われがちなので注意が必要です。

3.犬の歯槽膿漏の治療・手術について

犬の歯槽膿漏の治療は軽度であればあるほど、時間も短く手術もなしで済むのですが、なかなか早期発見が難しいことも多いです。

犬の歯槽膿漏の治療は人間と違い、かなり大変なものになります。

人間なら歯の治療時には、神経への麻酔だけでじっとしていることができますが、犬の場合にそれを求めるのは難しいですね。

暴れたり噛んだりすることわ避けるために、歯石の除去や抜歯の時にも全身麻酔が必要になります。

全身麻酔は体への負担が大きく、命の危険にさらされることもあります。

命がけになることもある歯槽膿漏の治療ですが、治療方法や費用などについて、説明していきましょう。

3.1.治療方法や薬、治療費は?

歯槽膿漏の治療には麻酔を使ってする方法と麻酔なしで行う方法があります。

麻酔は犬が暴れたり噛んだりしないためのもので、人間のように局所麻酔ではなく全身麻酔になります。

麻酔なしで行う場合は、歯石除去などの簡単な処置に限り、歯槽膿漏がかなり進んでしまった場合は麻酔なしで行うことは不可能になります。

麻酔なしでの治療は、基本的におとなしい犬に限り、暴れたり噛んだりする犬はには行うことができません。

また麻酔なしの治療は上あごの処置のみが安全に行うことができて、下あごの場合は難易度が高くなるために、非常に難しいです。

麻酔なしの治療は比較的、治療費が安く、体に負担がかかりません。

麻酔を使う治療の場合は、歯石の除去から抜歯などを犬が眠った状態で行いますので、暴れたり噛んだりしやすい犬も安全に治療を行うことができます。

麻酔は全身麻酔になるために体に負担がかかり、健康な犬にもリスクがあります。

特に短頭種の犬や循環器系、呼吸器系、神経系、肝臓、腎臓に持病がある犬には負担が重くなりますので、動物病院と相談しながら進めていく必要があります。

麻酔なしの治療は犬の様子を見ながら、鉗子やハンドスケーラーを使って歯の表面を傷つけないように歯石を除去していきます。

歯石を除去することで口臭が減り、見た目もきれいにすることができます。

麻酔を使う治療の手順は、まず術前検査を行い、問題がなければ麻酔をしてから超音波スケーラーを使って歯石を除去していきます。

麻酔なしでは歯の裏の歯石は除去できませんが全身麻酔では裏側の歯石もきれいに取り除くことができます。

抜歯の必要がある歯を抜歯して、歯を研磨して終了になります。

麻酔を使っての治療費は、歯石除去だけだと2万円位、抜歯も含めると5万円位が目安になります。

歯槽膿漏の薬は、手術と併せて抗生物質の投与で炎症を抑えることになりますが、歯石が取れやすくなる薬や、全身麻酔ができない犬のための抗生物質による内科的治療も行われてきています。

3.2.手術が必要な場合の内容や手術費は?

歯槽膿漏は重度になってしまうと手術をして歯石を除去し、必要に応じて抜歯をする必要があります。

人間は局所麻酔のみで治療を受けることができますが、犬は暴れたり噛んだりする危険があります。

特に口の中を治療することになりますので、暴れたり噛んだりすることで、獣医師がケガをするだけでなく、犬も大けがをする可能性がでてきます。

麻酔なしで歯石の除去も可能ですが、上あごしかできない、歯の裏の歯石は除去できない、おとなしい犬にしかできない、というデメリットも多いので、歯石の除去だけであっても全身麻酔の処置になることが一般的です。

手術をすることになったら、あらかじめ日程を決めておきます。

予約した日時は必ず守るようにしましょう。

当日は絶水・絶食です。

病院に行ったら、まず体調を調べるために血液検査と胸部レントゲン撮影を行います。
ここで何か問題があれば、飼い主さんとの話し合いになります。

問題がなければ、点滴を始めていき、麻酔を導入します。
麻酔は吸入麻酔になることが多いです。

麻酔が効いたら超音波スケーラーで歯石を除去していきます。
犬は眠った状態なので、歯の裏の歯石もきれいに取り除いていくことができます。

歯石の除去が終わったら、必要に応じて抜歯をします。

その後、マイクロエンジンを使って歯を研磨していきます。
歯の研磨は、荒研磨と仕上げ研磨の二段階で行い、歯石も悪い歯も取り除いた後ですので、すっかりと見た目もきれいになります。

処置時間は抜歯がなければ1時間程度ですが、抜歯は状態によって本数が異なるため、時間が長くなってしまうことがあります。

手術の費用に関しては、抜歯する本数にもよりますが、大体5万円程度が目安になるようです。

その上に抜歯した歯の本数が上乗せになることがあります。

どの治療をする時にも共通していることですが、必ず事前に費用のことは動物病院に聞いておくようにしましょう。

抜歯に関しても、抜歯は必要なのか必要でないのか、抜かなくてはいけないとしたら何本なのかをしっかりと説明を受けておくことが必要です。

3.3.手術後の生活はどうなる?

全身麻酔での歯石除去と抜歯の手術は、約1日かかるといってもいいでしょう。

絶水・絶食後に動物病院に連れて行ってから、飼い主だけ家に戻り愛犬は動物病院で検査後、手術を受けます。

手術自体の時間は長くはないですが、手術が終わってすぐに家に連れて帰るわけにはいかず、麻酔が十分覚めてからになります。

午前中に連れて行ったとしても、連れて帰ることができるのは夕方ごろになるでしょう。

家に帰っても麻酔の影響で、愛犬もおとなしくなっていることがほとんどでしょう。

その日は絶水・絶食だったのでお腹も空いていることと思いますが、術後は麻酔の影響や、抜歯したことで口に違和感があって食欲がないことも考えられます。

食事は禁止にはされないでしょうが、いつもよりも少しの量にしておくようにしましょう。

その日は精神的にも疲れていると思うので、ゆっくりと過ごさせてあげてください。

次の日から少しずつ食欲も回復してくるでしょう。

3.4.老犬の歯槽膿漏は手術が難しい?

歯槽膿漏は若い犬にも起こり得ますが、圧倒的に老犬が多いでしょう。

歯槽膿漏の治療は全身麻酔が必要になりますので、どうしても負担が大きくなってしまいます。

持病がない犬であれば老犬であっても全身麻酔で手術をする例が多いようですが、持病がある犬は判断が難しいでしょう。

動物病院の判断にもよりますが、獣医師の意見もさまざまです。

いろいろな獣医師の話をセカンドオピニオンとして聞くのもいいかもしれません。

歯槽膿漏の進行具合にもよりますが、全身麻酔の手術をするのか、手術はしないのかは、結局は獣医師の話を聞いて飼い主が最終的に決定しなければなりません。

全身麻酔がリスクがあるのは、別に老犬に限ったことではありません。

若い犬にもリスクはありますし、若くても持病がある犬、短頭種の犬なども同じです。

動物病院にも全身麻酔が得意な病院、歯槽膿漏治療に強い病院など、さまざまありますので、口コミなどでそういう病院を探して、愛犬の様子を診てもらって、愛犬にとって最良の判断をしてあげたいですね。

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4.犬も歯磨きして歯槽膿漏を予防しよう!

犬は一旦歯周病になってしまうと治療が大変です。

治療には暴れたり噛んだりしないように全身麻酔が必要になりますので、体に負担が大きくなります。

歯槽膿漏は目の下が腫れて皮膚が裂けるというリスクがあり、愛犬に大変辛い思いをさせることになります。

抜歯をすることになれば痛みからは解放されるかもしれませんが、あるべき歯がないことで不便を感じることになるでしょう。

歯周病になると犬には辛いことばかりで、寿命さえも縮みかねません。

そんな辛い目にあわせる前に、しっかりと予防をしておきたいですね。

歯槽膿漏の予防には歯磨きが一番です。

一日一回の歯磨きで歯周病を防ぐことができますので、いつまでも愛犬に元気でいてほしいと思ったら、ぜひとも歯磨きを習慣化しましょう。

歯槽膿漏は治療をするよりも予防をするほうが簡単です。

歯を磨くのを嫌がるからできないと言っている飼い主さんも、しっかりと歯磨きの方法を覚えて実践してみましょう!

4.1.歯磨きをする手順は?

1.まずは口の周りを触られることに慣れさせる

口の周りは犬にとって敏感な部分なので触られるのょ嫌がる犬はとても多いです。
嫌がられたからといって止めてしまうと、そのままになってしまいますので、いろいろと工夫をして触られることに慣れさせましょう。

できれば子犬の時から始めたほうが慣れるのに時間がかかりません。
おやつを片手に持って、片手で顔や口元を短時間触ってみて、口元やマズルを触らせてくれたらほめてあげて、少しおやつを与えてみます。

そうすると「口元を触らせてあげるといいことがある」とインプットされるので、少しずつ触らせてくれるようになります。

触られるのに慣れてくると、今度は口を閉じたままで口唇をめくって、前歯や犬歯など、一番触りやすい部分を触ってみましょう。

それに慣れてきたら、少しずつ奥歯に触ることも慣れていってもらいましょう。

口元を触られるのに慣れるまでの時間は、犬によって個体差があります。

何週間かかることもざらにありますので、決して焦らずに諦めないようにしましょう。
諦めてしまうと、将来犬に辛い思いをさせてしまう可能性が高くなってしまいます。

2.最初はガーゼを使って磨いてみよう

最初のうちは歯ブラシではなくガーゼを使って磨いていくようにしましょう。

いきなり歯ブラシではなく、ガーゼのほうが飼い主さんの手の感触を感じることができるので愛犬が安心してくれます。

ガーゼを指にしつかり巻いて、水かぬるま湯をたっぷりとつけて、最初は軽く触る程度にして、ゴシゴシこするのは避けましょう。

前歯から少しずつ奥歯へと進めていきます。

きれいに磨けるようになると歯垢がガーゼについてくるので、汚れた部分では磨かないできれいな面を利用するようにしましょう。

3.歯ブラシを使って本格的に

ガーゼにもすっかり慣れたら、次はいよいよ歯ブラシを使ってみましょう。

最初は歯ブラシに慣れることから始めましょう。

初めて見るものなので、それが口の中を手入れするものだとは犬にはわかりません。

歯ブラシの臭いをかいだり舐めたり噛んだりするでしょうが、噛んでも叱らないようにしてください。

口の中に入れても、いきなり磨こうとせず、まずは口の中に入れることができたらほめてあげます。

歯ブラシに慣れて、口に入れるのを嫌がらなくなったら前歯、奥歯、歯の裏と磨いていきます。

4.2.歯磨きの時間はいつがいいの?

歯磨きに効果的な時間帯は寝る前ですが、習慣にしやすいのは散歩の前かもしれません。

散歩の前に歯磨きをすることを習慣にしておくと、歯磨きをすると楽しいこと(散歩)が待っているとインプットされるので、喜んで歯磨きをするようになるでしょう。

またできるのであれば、夕食後から寝るまでの間に習慣づけておくと、寝ている間に歯周病菌が増殖するのを防ぐことができるでしょう。

4.3.おすすめの歯磨きグッズ

歯磨きペースト

犬の歯磨きには基本的に歯磨きは不要ですが、ペーストなどを利用すれば、より効果的です。
ペーストは犬の嗜好性が強い匂いがつけられていて、舐めてしまっても害はありません。

歯磨きシート

歯磨きに慣れてもらうための歯磨きシートです。
指にしっかりと巻いて優しく磨いてあげるようにしましょう。

指歯磨き

指サックのように指に付けて歯磨きをしてあげる歯ブラシです。
飼い主さんの手の感触を感じられるので、愛犬が安心できます。
本格的に歯ブラシを使う前に使うと、歯ブラシに移行しやすいかもしれません。

デンタルガム

犬のおやつの中には、歯磨き効果があるものがあります。
歯磨きの補助として利用すると、より効果的です。
良い歯磨きガムの選び方は、効果が証明されているものや犬の嗜好性があるものなどを探すようにしましょう。

歯磨きは歯ブラシだけでもできますが、より効果的にするために、また飽きずに楽しく歯磨きができるように、補助となるようなグッズを用意しておくのもいいですね。

人間用の歯磨きやガムは絶対に与えないようにしましょう。
歯ブラシに限っては、人間の赤ちゃん用のものがぴったりの場合がありますので、利用するといいでしょう。

5.まとめ

人間と同じように、犬も老犬になってくると歯槽膿漏になりやすくなってきます。

犬の歯槽膿漏の原因は歯垢と歯石です。

歯垢の原因は食べかすが残って、そのまま放置してしまうことです。

歯槽膿漏は重度になると目の下が腫れて、皮膚が裂けて出血してくることもあります。

犬の歯槽膿漏の治療は、暴れたり噛んだりする可能性が高いので、全身麻酔で処置することが多く、体にとても負担がかかるものです。

また費用も決して安くはありません。

歯垢と歯石は、普段の歯磨きで防ぐことができます。

犬が歯槽膿漏になってしまうと、犬自身が辛い目にあってしまいますし、治療も命がけになります。

犬は自分自身で不調を訴えることができませんので、飼い主が早めに気づいてあげることが大切です。

歯槽膿漏は防ぐことができる病気ですので、歯磨きの習慣を子犬の頃からしっかりとつけておくことが必要です。

ほとんどの犬は口を触られることが苦手ですので、歯磨きも苦手です。

しかし最初に諦めてしまうと、将来辛い目にあわせてしまうことになりますので、諦めずに焦らずに、時間をかけて少しずつ歯磨きに慣れさせてあげることが必要です。

犬は自分で歯を磨くことができませんので、飼い主が時間帯を決めて、忘れずに歯磨きを行うことが大切です。

犬の歯磨きは基本的には歯ブラシだけで十分ですが、歯磨きに関するグッズがたくさん販売されていますので、利用してみるといいでしょう。

歯磨き効果があるおやつやおもちゃもありますが、これだけで済ますためのものと言うよりも、普段の歯磨きの仕上げや補助と考えたほうがいいでしょう。

ペットショップにもトリミングとともに歯磨きをしてくれるところもありますので、時々は利用してみるのも良いのではないでしょうか?

犬は歯が丈夫な動物だと考えられています。

しかし犬は歯周病にかかりやすく、成犬のほとんどが歯周病にかかっていると言われています。

犬は歯が丈夫だから歯磨きは必要ないと考えている飼い主さんがいたら、少し考えを改めて、将来愛犬を辛い目にあわせないために、犬の歯周病について知ることから始めてみませんか?

老犬になっても、愛犬が歯を失うことのないように、楽しく歯磨きを習慣づけられるようになるといいですね。

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