犬の過呼吸の原因と症状がわかる!震えやストレスなどの症状と対策

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人間と同じように、犬も過呼吸になることをご存知ですか?

年齢と共に表れてくることもあれば、病気のサインとして表れる場合もあります。今回は「犬の過呼吸」について、なりやすいきっかけや原因となる病気。愛犬が過呼吸になってしまった時の対象方法と症状の見分け方を詳しくご紹介します。

目次

1.犬も過呼吸状態になる!
1.1.犬の過呼吸の主な原因は何?
1.2.過呼吸に悩む犬はどのような症状が見られるの?
1.2.1.過呼吸に繋がる初期症状
1.2.2.苦しそうな呼吸の特徴と判断
1.2.3.犬の咳って「コンコン」するの?

2.犬の過呼吸の症状を動画で見てみよう!

3.犬の過呼吸の症状

4.犬の正常な呼吸とその確認方法を知っておこう!
4.1.犬の心拍数や呼吸数、測り方は?
4.1.1. 健康な犬の心拍数と測り方
4.1.2. 健康な犬の呼吸数と測り方

5.犬の過呼吸が始まったら時の対処方法
5.1.犬の鼻を手でふさいでみよう
5.2.過呼吸ではなく「逆くしゃみ」の疑おう
5.3.症状の併発には気をつけて!
5.4.飼い主にできることはあるの?
5.5.ツボやマッサージも過呼吸に効果あり!

6.犬にもストレスはある
6.1.犬は隠居生活を送っている?
6.2.一般的な犬のストレスサイン

7.まとめ

1.犬も過呼吸状態になる!

「過呼吸」とは必要以上の換気活動をおこなうことです。原因は様々で、過呼吸を起こしやすいといわれる犬種もいますが、犬の過呼吸といわれてもなかなかピンとこない方が多いのではないでしょうか?

過呼吸症とは病的な原因で起こるものや心的ストレスで起こるもので原因は体や心の状態にあります。

一方過呼吸によく似た「頻呼吸」は異常に呼吸数が増えてしまう状態で原因となる起こりやすいシチュエーションが分かっています。

どちらも呼吸が苦しそうなのが特徴ですが、一般の飼い主が過呼吸なのか頻呼吸なのかを判断するのはとても難しいことです。

加齢とともに過呼吸になりやすくなる場合もありますし、なんらかの病気が原因で過呼吸を引きおこしていることもあります。体に表れる過呼吸の症状を知り、その原因となる病気についても理解を深めていきましょう。

1.1.犬の過呼吸の主な原因は何?

犬の過呼吸をひきおこす原因として主な病気を5つご紹介します。必ずしも過呼吸の原因がこの主な病気に当てはまるわけではないので、原因の判断は獣医師による検査と診断が必要です。

  • 喉頭の病気

咽頭の病気になりやすいのは主に「短頭犬種」。文字通り頭頂部から鼻先までが短い犬です。

代表的な犬種はフレンチブルドッグ、ブルドッグ、パグ、シーズー、チャウチャウ、ボクサー、ペキニーズ、ブリュッセル・グリフォン、など。

いわゆる「鼻ペチャ犬」として人気がある犬たちです。これらの犬種は鼻が短いために口腔内や鼻腔が狭く、頻呼吸をおこしやすい犬種でもあります。これらの身体的な特徴を受け継いでいるミックス犬(雑種犬)も含まれます。

咽頭の病気にもなりやすく、軟口蓋伸長症、咽頭炎などの病気が代表的です。

軟口蓋伸長症とは

「軟口蓋」とは喉の奥にヒダ状に伸びていて気道に食べ物が入り込まないようにする役割があります。

短頭犬種や小型犬は軟口蓋が生まれつき長いことがあります。口腔内や鼻腔が狭く口呼吸が多いことから軟口蓋が伸びてしまうと考えられ、呼吸の妨げになります。

咽頭炎とは

感染症や異物の誤飲、口内炎の悪化などが原因で咽頭が腫れてしまいます。人間の扁桃腺炎と同じ状態で、呼吸困難にもつながり咳やえづく症状がでます。

  • 気管の病気

気管の病気になりやすい犬種は先にご紹介した短頭犬種や小型犬です。そのほか遺伝や加齢に伴う気管周辺の筋力の低下などが原因となります。主な病気として気管虚脱や気管低形成があげられます。

気管虚脱とは

喉と肺を結ぶ気管が「呼吸時」に押しつぶされてしまい空気の流れを塞いでしまう病気です。呼気吸気が上手にできずに過呼吸を引きおこしてしまいます。

チワワやポメラニアン、トイプードルといった小型犬種もかかりやすい病気の1つですが、どの犬種でもなる可能性があります。

また、加齢によって気管周辺の筋力が衰えることでも発症しやすくなり、肥満による気管の圧迫も原因の1つです。

気管低形成とは

先天性の病気で気管の成長が不十分で正常な気管と比べるととても狭くなっています。呼吸時に気管が押しつぶされてしまう気管虚脱と違い「常に」気管が狭い状態です。気管低形成も短頭犬種に多い病気の1つです。

重度の気管低形成の場合には呼吸困難を引きおこします。

  • 気管支の病気

気管支とは喉と肺を繋ぐ気管よりも奥にあり気管から枝分かれする部分をいいます。

気管支の病気と聞くと人間も患う気管支炎が代表的です。

犬も同じように気管に炎症がおきて気管支炎になります。ウイルス感染や寄生虫の侵入による炎症、誤飲や刺激物の吸引で気管が傷ついてしまい炎症の原因となることがあります。

その他気管支の病気として気管支狭窄症があります。

気管支狭窄症とは

気管や気管支はとても柔らかく、走り回って激しく首を動かしても損傷を受けにくいのですが、とても変形しやすいため外部からの圧迫で気管支狭窄になってしまうことがあります。

気管周りの炎症による腫れや、腫瘍による圧迫や、気管への異物誤飲などが原因です。

  • 肺の病気

肺の病気はたくさんあります。肺炎、肺水腫、肺気腫など聞きなれた病名も多いのではないでしょうか?肺は呼吸に深く関係する臓器なので、肺に異常がある場合には呼吸異常があらわれます。

肺炎とは

その文字の通り肺に炎症がおこる病気です。原因となるのは主に感染症でジステンバーやケンネルコフなどのウイルスが原因のものを「ウイルス性肺炎」といいます。

細菌がひきおこす肺炎を「細菌性肺炎」、食べ物が謝って気管に入り込みひきおこす肺炎を「吸引性肺炎」といいます。吸引性肺炎は老犬に多くみられ、麻酔や強制給餌などでも発症します。

肺水腫とは

肺の中に水がたまってしまう病気です。急性肺種となると命にかかわる恐ろしい病気です。

心不全や肝硬変など、その他の病気が原因でおこることが多く肺胞内や肺周辺の毛細血管から漏れ出した水分が肺にたまってしまい肺水腫となります。

肺気腫とは

肺全体の8割を占めている肺胞が異常に膨らみ破壊されてしまう病気です。

肺胞は取り込んだ空気を循環させるため弾力性があり空気が入ると膨らみ、吐くと自力で元の大きさに戻ります。

肺気腫になると肺胞は弾力性を失ってしまうため自力で元の大きさに戻せなくなり過度な呼吸法にしなければ息が吐きだせなくなってしまいます。

  • 心臓の病気

呼吸に深く関係する臓器として血液循環の要となる心臓の病気は過呼吸症に大きな影響があります。憎帽弁逆流症、心室中隔欠損、拡張型心筋症などが過呼吸の原因となる病気の中でも多くみられます。

先天的に心臓に異常がある場合も多いのですが老齢期に心臓病になる犬がとても多くなってきました。

憎帽弁逆流症とは

犬の心臓病うち3分の2がこの病気です。とくに高齢期の小型犬に発症することが多いといわれていいますがどの犬種にもおこる可能性があります。

僧帽弁とは心臓の中で血液の逆流を防ぐ働きをしています。この僧帽弁が原因不明の「粘液腫様変性」によって肥厚化し本来の働きが出来なくなってしまいます。

病気が進行すると肺水腫をひきおこしさらに過呼吸の症状に繋がる病気です。

心室中隔欠損とは

先天的に左心室と右心室の間にある壁に穴が空いている状態で、左右の心室が繋がってしまい様々な心臓障害をひきをこしてしまいます。

産まれた時にすでに心室中隔に穴が空いている状態ですが穴の大きさによって現れる症状が大きく変わります。穴が小さい場合には症状は現れません。

しかし穴が大きい場合には常に心臓内で血液の逆流がおきてしまうので外科手術が必要となります。この病気も血液の逆流によって肺に大きな負担がかかるので肺水腫をひきおこしてしまいます。

拡張型心筋症とは

犬の拡張型心筋症はとくに大型犬種がなりやすい病気の1つです。

原因不明の突発性拡張型心筋症が一般的で、その他の病気が原因でおこる場合もあります。

進行性の病気で、投薬治療、食事療法、活動制限をして心臓への負担を和らげる治療をしていきます。

この病気も進行すると肺水腫を引きおこしやすく、突然死の危険もある恐ろしい病気の1つです。

1.2.過呼吸に悩む犬はどのような症状が見られるの?

犬の呼吸の変化に気が付いてあげることは、病気の早期発見にも繋がります。

重度の過呼吸になる前の初期の症状や、普段運動の後や暑い日など息があがって「ハーハー」という早い呼吸との違いを知ることで、愛犬の病気のサインにいち早く気が付けるようにしましょう。

1.2.1.過呼吸に繋がる初期症状

過呼吸になりやすい短頭犬種は日頃から息づかいが荒くその原因は特徴的な骨格にあります。

健康な状態であっても、嬉しい時や楽しい時、運動のあとや暑い時には「ハッハッ」という短く荒い呼吸や「ゼーゼー」という苦しそうに聞こえる呼吸をします。

この特徴的な呼吸を繰り返すことで負担がかかり「軟口蓋」が伸びてしまい呼吸の妨げになることもあります。ほんの少しの運動でも荒い呼吸が長く続く時には注意深が必要です。

初期症状見極めのポイント1

荒い呼吸のつなぎ目【次の吸い込む呼吸の前】に一瞬息が止まったりしているように感じないか、呼吸音や背中の動きを注意して観察してみましょう。

初期症状見極めのポイント2

落ち着いて伏せている時に、急に顔をあげて「ハーハー」という呼吸を【十数秒続けて頻繁】にするのも初期症状の1つです。

初期症状見極めのポイント3

いびきも、過呼吸の原因として考えられる病気が潜んでいる、呼吸の妨げになるような原因がある場合の初期におこることがあります。犬がいびきをかき始めたら途中で呼吸が数秒止まることがないか観察しましょう。

1.2.2.苦しそうな呼吸の特徴と判断

運動後や興奮している、はしゃいでいるなどの理由がなく落ち着いている状態だったのに苦しそうな呼吸を始めた時に判断できるように、細かく分けて呼吸の特徴をしりましょう。

「ハーハー」

軽い運動のあとや少しの興奮の時も「ハーハー」という呼吸は聞きなれていると思います。同じ呼吸なので、異常なものではありませんが、通常の呼吸に戻らず何分もこの呼吸が続くのは注意が必要です。過呼吸へ進行する可能性があります。

「ハッハッ」

口を開いた状態で、舌が見え人間で例えると肩が上下に動いて短く荒い呼吸。貧血によるだるさや気持ち悪さからくるものが多く、息を力強く吐き出しているような呼吸が長時間続くとさらに症状が悪くなり過呼吸へ進行してしまう場合があります。

「ゼーゼー」

過呼吸になると「ゼーゼー」という呼吸が荒く、呼吸音も大きく聞こえます。

吐き出す呼吸が苦しい時の特徴で、咳が併発することもあります。お腹の方から呼吸音が聞こえるように感じ鼻水が多く出る場合もあります。重度の場合はチアノーゼの症状で舌が紫色になる事があります。

「ヒーヒー」

過呼吸で吸い込む呼吸が苦しい時の特徴で、喉の辺りから呼吸音が聞こえるように感じます。長時間続くと、チアノーゼの症状があらわれたり動けなくなってしまったりします。また、全身や身体の一部が震えることもあります。重度になると意識を失うこともあります。

1.2.3.犬の咳って「コンコン」するの?

犬の咳になかなか気が付かない方が多いのは、犬は人間と同じような「ゴホンゴホン」という分かりやすい咳をしないからです。咳をしていることにすぐに気が付いてあげられるように犬の咳の特徴を知っておきましょう。

喉になにか詰まったのかな?と咳と思われないことが多い空咳ですがタンを切るような「カッカッ」と短く吐き出すように最後は何も出ないのにえづいて治まるのが犬の咳の1つ特徴です。

マズルを膨らますように「フォッフォッ」というふくみがある咳はマズルの大きい大型犬によくみられる咳の特徴の1つです。口は閉じたまま頬が咳のタイミングで膨らみます。

乾いた音の咳なのか、水分を含んでいるような音の咳なのか、えづいた時になにも出てこないか?などを注意してみましょう。
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2.犬の過呼吸の症状を動画で見てみよう!

心臓病特有の呼吸

心臓病特有の呼吸

分かりづらい引き呼吸の参考

分かりづらい引き呼吸の参考

気管虚脱、特徴的な過呼吸

気管虚脱、特徴的な過呼吸

軟口蓋伸長症の術前術後

軟口蓋伸長症の術前術後

フィラリア症、末期、肺水腫、咳

フィラリア症、末期、肺水腫、咳

肺気腫、咳

肺気腫、咳

 

過呼吸が悪化し、呼吸停止、意識不明で倒れてしまった場合には早急な対応が必要ですので動画などで犬の過呼吸や咳の様子を見て知っておきましょう。

3.犬の過呼吸の症状

ここでは犬の過呼吸がおこる原因別に、過呼吸の特徴を知りましょう。原因が身体のどこにあるのかによって過呼吸にも違いがあります。

喉頭・気管に原因がある時

小刻みに荒く「ゼーゼー」、「ハーハー」という呼吸音です。吸い込む呼吸の時に一瞬息が止まるように感じることがあります。喉に原因がある時の特徴です。落ち着くと自然に治まります

気管支に異常がある時

吐く呼吸の時に、力をいれて吐き出しているのが分かります。吸い込む呼吸の時より、吐く呼吸の方が長くなり、とくに辛い呼吸時には複式呼吸となりお腹の動きが目でみて分かります。気管支に異常がある時の呼吸音は、ガーガー、ゼーゼー、など濁った呼吸音が特徴です。

肺の病気が原因の時

肺炎

ゼーゼーという低い音で浅い小刻みな呼吸になります。症状が進むとチアノーゼの症状が出始め舌の色が紫色に変色してきます。発熱もともなうためさらに呼吸が苦しくなりぐったりとしていきます。

肺水腫

短頭犬種だと見分けづらい「ブヒブヒ」という特徴的な呼吸に合わせて引き呼吸が苦しそうになります。ぐったりして初期症状でも軽いチアノーゼが出て舌の色がうっすらと紫色になってくることがあります。とても苦しいため睡眠をとれず、伏せることもできず、天を仰ぐように頭をグッと持ち上げ、咳も多く出ます。

肺気腫

苦しい呼吸と同時によだれがたれてくることがあります。ハーハーと極端に短く浅い呼吸になります。過呼吸の症状が治るまでに長い時間がかかる場合があります。

胸膜炎の場合

胸膜炎の軽度の初期症状は、少し呼吸が早いように感じる程度で見分けることが困難です。重度になってくると痛みを伴うため前足に力を入れながら苦しい呼吸をするようになります。

横隔膜ヘルニアの場合

過呼吸の症状が出ている場合、横隔膜ヘルニアは重度の状態になっている場合がほとんどです。腹部に痛みがあり、内臓圧迫が呼吸を妨げる原因になっているので横になって休めなくなります。

気胸の場合

運動を嫌がるようになり、気胸が重度の場合には吐血をすることもあります。浅く早い程度の軽い症状からはじまるので見極めが難しくなります。他の疾患との併発があると激しい咳などもみられます。
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4.犬の正常な呼吸とその確認方法を知っておこう!

犬が落ち着いて安静にしている時は基本的に鼻で呼吸をしています。安定した呼吸をしている時はとても静かで「スースー」と空気音がする程度か、無音です。呼吸を確認するにはお腹の動きを見ると分かります。

日頃と違う、なにかおかしいと感じ、異変を早く見つけて対処できるように「日頃の観察・管理」を心がけましょう。老齢になるにつれ身体的な衰えか、病気のサインかを見分けるのはとても難しいのですが、バイタルチェックを定期的に記録しておくと心肺機能の低下などはデータから発見できることもあります。

4.1.犬の心拍数や呼吸数、測り方は?

犬のバイタルチェックは健康管理の基本です。難しいことではないので是非、ボディケアと同じようにしてあげましょう。

4.1.1. 健康な犬の心拍数と測り方

“心拍数と測り方”

  • 小型犬~中型犬 1分間に60回~120回
  • 中型犬~超大型犬1分間に60~80回
  • 幼齢期、仔犬期 1分間に80~180回

心拍数を計る時15秒間計った心拍数を4倍した数で判断するといわれていますが、性格ではないので、落ち着かせて少なくとも30秒は計りましょう。

後ろ足のつけ根の大きな動脈は指で触れても分かりやすいので小型犬などは計りやすく、大型犬の場合にはわき腹から心臓の位置を確認し手を当てると心拍を計れます。

4.1.2. 健康な犬の呼吸数と測り方

“健康な犬の呼吸数”

  • 小型犬~中型犬 1分間に20回~30回
  • 中型犬~大型犬 1分間に10回~20回

呼吸音も聞こえないほど深い眠いについている時に、お腹の動きを数えましょう。うつ伏せで寝ていて、お腹の動きが分かりづらい時にはそっと手をお腹にあてると動きを数えられます。

また、鼻息の回数を数える方法もあります。心拍数、呼吸数は、金曜や湿度、脱水、発熱などによって変動します。基本とする愛犬のバイタルを測る時は、体長、環境が整った状態で行ってください。

5.犬の過呼吸が始まったら時の対処方法

愛犬が苦しそうにしている様子を見ているのはとても辛いことですが、正しい対処方法を知って落ち着いて愛犬に接すると、愛犬も不安が和らぎます。

難しいことはなく、最初は戸惑ってしまうかもしれませんが慣れていくと自然にできるようになりますので、緊張せずに過呼吸の様子を動画に撮るなどして愛犬の状態を細かく把握して対処に役立てるようにしましょう。

5.1.犬の鼻を手でふさいでみよう

犬の呼吸を一時的に軽く止めることで、短い時間で過呼吸を治められることもあります。

1.犬の顎を下から手で支えます

2.指で数秒鼻の穴を防ぎます。

※注意点

強く長く抑えないように注意してください。軽く添えるくらいの力加減です。力んで理やり抑え込もうとすると余計に過呼吸が悪化します。

次の場合は行わないでください。

“注意点”

  • 運動のあとの過呼吸
  • 痙攣、震えがある過呼吸
  • 激しい咳をともなっている過呼吸
  • 愛犬にとってはじめての過呼吸

通常の過呼吸症状は、自然に落ち着いてくる場合がほとんどなので慌てずに待つことも大切です。

5.2.過呼吸ではなく「逆くしゃみ」の疑おう

過呼吸と逆くしゃみの大きな違いは、通常開口しているかどうかをみるとすぐに判断できます。ゼーゼー、ブヒブヒなど呼吸音が苦しそうで、過呼吸と同じ症状に間違えられやすい「逆くしゃみ」ですが、一目瞭然です。

逆くしゃみでは、口を閉じたまま鼻で息を勢いよく吸い込んでいることが分かります。口角も引き上げられるので、注意して見るようにしましょう。逆くしゃみはすぐに治まります。

5.3.症状の併発には気をつけて!

過呼吸は病気のサインであることが多く、他の症状を併発することも多くあります。

“症状の併発”

  • 咳・えづく(肺炎、フィラリア症、咽頭炎、気管支炎、肺気腫、肺水腫など)
  • よだれ(喉頭炎、肺気腫、肺水腫、横隔膜ヘルニアなど)
  • 痙攣(てんかん、心臓病、肺水腫など)
  • 発熱(肺炎、気管支炎、肺気腫、など)
  • 痛み(横隔膜ヘルニア、気管支炎、気胸、肺気腫、肺水腫、肺炎など)
  • 力み(横隔膜ヘルニア、気胸、胸膜炎など)
  • チアノーゼ(肺炎、肺水腫、肺気腫、心筋症)
  • 食欲不振(過呼吸の原因となる病気がある場合)
  • 震え

など

患っている場所や、隠れている病気によって併発する症状が変わります。愛犬がはじめて過呼吸をし始めたら落ち着いて動画を撮るようにしましょう。診察の時に獣医師にその動画を見てもらえれば原因の特定、正しい対処方法、治療方法などの特定に必要な情報となり、的確に早期治療をはじめられます。

5.4.飼い主にできることはあるの?

過呼吸の原因がはっきりと分かっている場合には、疾病の根本的治療が最優先です。治療が長期的な場合や、老齢期、完治不可能な時にはその病気とも過呼吸の発症とも上手に付き合っていくことになります。

過呼吸と上手に付き合っていくための3つのポイントをご紹介します。

1.過呼吸をひきおこさないために飼い主がしてあげたい行動抑制のポイント

“行動抑制のポイント”

  • 激しい運動はさせない
  • 行動を停止させる躾(名前を呼ぶと興奮時でも行動を止め、飼い主の元へ戻って来る)
  • ゆっくりと時間をかけて食事をさせる
  • 興奮させない遊び(知育おもちゃなど)
  • 分離不安にさせない

2.過呼吸と上手に付き合う飼育環境を整えるポイント

“飼育環境を整えるポイント”

  • 愛犬が自分だけの落ち着ける場所の設置(パーソナルスペース)
  • 換気をしっかりとして湿度の管理を徹底する
  • 新鮮な水をいつでも飲める(冷えすぎた水の給水は過呼吸をひきおこすきっかけになりますので注意が必要です。)
  • かまい過ぎず、ゆっくりと休める時間を作る

3.飼い主が気を付けたい愛犬への接し方ポイント

“愛犬への接し方ポイント”

  • 急に抱き上げない
  • 怖い思いをさせない
  • 嫌がることを無理やりさせない
  • リードでグイグイ引っ張らない
  • 興奮時に身体をたたかない
  • 食事後は十分に休ませる

5.5.ツボやマッサージも過呼吸に効果あり!

治療中の疾患がある場合には獣医師へ相談してから行ってほしいのですが、過呼吸に効果があるといわれているのが、ツボ押しやマッサージ法です。

逆にくしゃみがおこっている時には、背中のツボを押してあげると横隔膜の痙攣を和らげてくれることもあります。

過呼吸時には、両前足の外側から一本目の指と日本目の指のつけ根(水かきがある犬種は水かきごと)優しく円を描くようにマッサージしてあげると不安を和らげることができます。

その他

目の上(瞼の上の骨)の辺りを優しく円を描くようにマッサージ

耳のつけ根を耳ごと手で包みこみながら親指で描くように回すマッサージ

など過呼吸に効果があるマッサージ法がありますので、まずは落ち着いている時にマッサージを施して、気持ちよく落ち着けるということを経験させてあげましょう。
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6.犬にもストレスはある

天真爛漫、いつも明るくムードメーカーのうちの子にはストレスなんてないよね。と思う飼い主さんも少なくないようですが、昼寝ばかりしていて、ご飯もバクバク食べて、どこにストレスを感じるんだ!?犬が羨ましい!なんて思ったりしますよね?

じつは、快適に見える生活もストレスになっているんですよ。どんな風にストレスを感じているのか、飼い主が早く愛犬のストレスサインに気が付く大切なポイントを詳しくご紹介します。

6.1.犬は隠居生活を送っている?

毎日、同じ時間に同じ散歩コースを歩き、排泄をして、美味しい朝ご飯を食べて、お留守番中はたっぷり昼寝、夜ご飯をしっかり食べて、夜もぐっすり睡眠。

忙しく働くお父さん、お母さんから見るとなんて羨ましい生活なのだろう。と感じる家庭犬のごく普通の生活ですが、これって本当に幸せでストレスフリーの健康的な生活だと思いますか?

少し考えてみると、まるで隠居生活の様ではありませんか?仕事もなく、生活にも困らない悠々自適の隠居生活が快適なのは、それを望んでいる人間が感じることで、若く元気で脳や心を育てる時期の犬にとっては「とってもつまらない毎日」を生きていることになります。

役割、仕事、家族の一員として犬にとっても、やりがいのある立場や充実感が必要です。留守番は大切な仕事ですが、「お座り」「お手」の一芸を披露するだけのピエロではストレスはたまる一方です。

6.2.一般的な犬のストレスサイン

犬のストレスサインを知れば、愛犬が出しているストレスサインに気がつくことができます。

家庭犬の世界は、飼い主に与えられるほんの小さな世界です。その世界の中でしか生きられない愛犬が大きなストレスを感じながら毎日を送っているとしたら、とても申し訳なくなってしまいます。

長く健康で素晴らしい時間をともに過ごしていくためにも、短い生涯を幸せに生きてもらうためにも、犬のストレスサインを正しく受け取れることは、飼い主としてとても大切なことです。

最後に、1~10段階のストレスサイン表をご紹介します。数字が大きくなるほどストレスが大きく、精神的につらい状態にあります。

この表だけが全てではありませんが、1つの指標として覚えておきましょう。

ストレスサイン一覧

1.鼻を鳴らす(甘えた声)

2.飼い主の後を常に追いかけてくる

3.足の同じ場所を舐めたり、噛んだりする

4.トイレの失敗(頻尿)

5.甘噛み

6.破壊行動

7.無駄吠え

8.同じ場所を行ったり来たり、クルクル回り続ける

9.しっぽを追いかける

10.血が出るほど自分の身体を傷付ける

7.まとめ

犬の過呼吸については、今回ご紹介した原因とされる病気はとくに呼吸器系に影響があるものです。この他にも過呼吸に繋がる病気は数多くあります。

私も、初めて愛犬の過呼吸を目の前で見た時は、このまま呼吸が止まってしまうんじゃないかととても驚き怖い思いをしました。でも、正しい対処方法を知ってからは落ち着いて行動できるようになりました。

実際に犬の呼吸器系トラブルを見たことがない方は、動画で、犬の過呼吸、頻呼吸、咳、逆くしゃみの様子を見て知っておくと良いでしょう。

呼吸音や呼吸の速さ、口や目の様子を知っておきましょう。日頃のバイタルチェックを習慣にしておくと、細かな体調の変化や愛犬の様子に気がつきやすくなりますのでお勧めです。

元気にしていたのに、急に過呼吸の症状が出始めた時は動画の撮影をして獣医師に見てもらいましょう。過呼吸をひきおこしている隠れた病気の発見、原因の特定をして根本的な病気の治療がもっとも大切です。

原因の特定ができても、完治が望めず過呼吸症や既往症と長く付き合っていく場合はマッサージやツボ押しなどを知って、日頃からできるだけ愛犬をリラックスさせてあげるようにしましょう。いつまでも元気に一緒に居てほしい愛犬。

病気の時への心構えと備えはその後の治療や突発的な症状が現れた時の対応に役立ちます。症状だけで病気の種類を特定することはできないので、安易に考えず必ず獣医師の診察を受け、検査、診断をしてもらいましょう。
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