犬のヘルニアはどう対応すべき?5つの種類と費用・治療法とは

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わんちゃんがヘルニアと診断されたとき、どのように対応すべきかわからないことも多いですよね?

そもそもヘルニアとはどんな病気で、どのような治療が必要になるのか、費用やリハビリなど気になることが多く出てくると思います。

ヘルニアには好発部位があり、また愛犬が発症しやすい犬種かどうかを知っていれば予防や早期発見ができ、重症化を防ぐとともに、費用などの準備も慌てずに済みます。

今回は、ヘルニアの具体的な症状をはじめ、原因や治療法、リハビリやペット保険などを詳しくご説明したいと思います。

事前にヘルニアついて知ることで、予防や早期発見につながり、わんちゃんの健康を守ることができます。

飼い主さんにとっても大切なことなので、知識を深めてより良い環境を整えましょう。

目次

1.『犬のヘルニア』とは

2.犬の『ヘルニア症状』5種類と原因
2.1.老化によって引き起こす『会陰ヘルニア』
2.2.横隔膜の異変による『食道裂孔ヘルニア』
2.3.足の付け根で起きる『鼠径ヘルニア』
2.4.でべその犬は要注意『臍ヘルニア』
2.5.最も危険な脊椎で起こる『椎間板ヘルニア』

3.種類ごとの治療方法
3.1.『去勢を伴う』会陰ヘルニア
3.2.『薬物療法』が主流の食道裂孔ヘルニア
3.3.『自然に治る』ケースもある鼠径ヘルニア
3.4.『経過観察で治らなければ手術する』臍ヘルニア
3.5.『内科・外科療法』がある椎間板ヘルニア

4.治療後のリハビリで今後愛犬の人生が大きく変わる
4.1.リハビリ期間には個体差がある
4.2.リハビリに効果的な『マッサージ法』
4.3.リハビリに効果的な『タオル歩行の仕方』
4.4.リハビリ施設などでの『水泳』
4.5.『リハビリ治療』はお金がかかるが効果的

5.犬のヘルニア完治までの費用は最大50万円
5.1.会陰ヘルニアの治療費と保険
5.2.食道裂孔ヘルニアの治療費と保険
5.3.鼠径ヘルニアの治療費と保険
5.4.臍ヘルニアの治療費と保険
5.5.椎間板ヘルニア治療費と保険

6.東京、大阪、名古屋のヘルニアに強い動物病院

7.まとめ

1.『犬のヘルニア』とは

ヘルニアとは、一部または全部の臓器や組織が腹膜に覆われたまま、本来の部位から逸脱した状態をいいます。

ヘルニアという言葉は、ラテン語で「脱出する」「逸脱する」という意味です。

ヘルニアと聞くと、腰痛などの椎間板ヘルニアを思い浮かべる方も多いと思います。

体内の臓器が、何らかの先天的あるいは後天的原因で腹腔内の隙間や穴、柔らかい部分から逸脱してしまうとヘルニアという病名がつきます。

よく知られている腰のヘルニアは、椎間板が逸脱した状態となり、神経を圧迫することで痛みやしびれなど多くの症状が現れます。

椎間板以外の部位でも内臓や組織が逸脱しやすい部位というのがあり、鼠径部、臍(へそ)、会陰、横隔膜、脳などがあげられます。

2.犬の『ヘルニア症状』5種類と原因

犬のヘルニアとしてあげられるのは、

  • 会陰ヘルニア
  • 食堂裂孔ヘルニア
  • 鼠径ヘルニア
  • 臍ヘルニア
  • 椎間板ヘルニア

の5種類があります。

それぞれの発症原因や症状、発症後の完治率、なりやすい犬種について詳しくご紹介します。

2.1.老化によって引き起こす『会陰ヘルニア』

犬の肛門周囲(会陰部)にある筋肉の隙間から腹腔内脂肪、大網、直腸、膀胱、雌の場合は子宮など肛門付近の内臓や組織が逸脱した状態を言います。

発症原因としては、先天的な原因として遺伝性のものもありますが、多くは後天的な原因で、老化により筋肉が薄くなったことや、筋力の低下、それに伴う排便時の力みや吠えるなどの行為による腹圧の上昇、男性ホルモンの影響、前立腺の肥大などが挙げられます。

しかし、多くは原因がはっきりしていない病気です。

症状は、軟便、血便、排泄時のしぶり、排泄障害、元気消失、食欲不振、嘔吐や尿が出ない場合は尿毒症を引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。

見た目にはわかりづらい場合もありますが、進行状況によっては肛門周辺がこぶのように腫れ上がっていたり、排泄時に痛みやしぶりがあることで、飼い主さんが異変に気づく場合が多いです。

こぶのところを押すと引っ込むこともありますが、癒着している場合もあります。

多くは去勢をしていない雄犬にみられ、早ければ5~6歳頃で、主に10歳前後の高齢犬に好発する病気です。雌犬や去勢済みの犬にみられるのは稀な病気ですが、全くないというわけではありません。

好発犬種としては、ボストンテリア、コリー、ジャックラッセルテリア、トイプードル、フレンチブルドッグ、ペキニーズが挙げられます。

雄の発症率が90%以上を占める為、好発犬種で、去勢をしていない場合は特に注意が必要です。

予防策としては、1番は去勢です。他に散歩や運動による筋力維持が挙げられますが、原因は老化や遺伝、男性ホルモンなど様々にあり、はっきりとした原因が追及できない病気なので、早期発見早期治療が求められます。

2.2.横隔膜の異変による『食道裂孔ヘルニア』

食道裂孔ヘルニアは横隔膜の隙間から胃、肝臓、膵臓、脾臓、小腸などが胸腔内に入ってしまう病気です。

食道裂孔とは横隔膜にある隙間のことを言います。

横隔膜は胸腔と腹腔を仕切っている薄い筋の膜ですが、神経や血管、食道などが通る穴(隙間)が元々開いています。

その隙間が先天的に緩かったり、広い場合は腹腔内にあるはずの胃などの内臓が胸腔内へ逸脱し、食道裂孔ヘルニアとなります。

犬の場合は先天的なものが多く、原因ははっきりしていません。

後天的な原因としては、事故などによる横隔膜の外傷や肥満、腹圧の上昇があります。

胃が逸脱した場合の症状は、食べたものが消化されずそのまま吐き出される吐出や吐き気、嘔吐、胃酸の逆流による食道炎があげられます。

また、食餌がきちんととれず、成長の遅延もみられます。

小腸が逸脱していた場合は、消化器疾患もみられるなど、入り込んだ内臓によってもそれぞれの症状が現れます。

胸腔内に入り込んだ内臓が肺や心臓を圧迫している場合は呼吸器系の疾患や神経系にも影響が出ることがあります。

好発犬種は、フレンチブルドッグなどの短頭種やトイプードル、ミニチュアダックスフンド、ジャックラッセルテリアが挙げられます。

先天的な場合は発症を抑える予防法はなく、早期発見、早期治療が求められます。

後天的な場合は交通事故による外傷の場合が多いので、けがや事故に繋がらないような飼育を心掛ける必要があります。

2.3.足の付け根で起きる『鼠径ヘルニア』

犬の後肢の付け根部分を鼠径といい、先天的または後天的理由により、鼠径部の隙間から脂肪や大網などの組織や、腸、膀胱、雌の場合は子宮などの内臓が逸脱して入り込んでる状態を鼠径ヘルニアと言います。

子犬に多い病気とも言われており、遺伝などの先天的な原因が多いようですが、後天的には怪我や事故による外傷、肥満や腹圧の上昇、妊娠出産などで、鼠径部の隙間が大きくなることが原因です。

ペットショップでも鼠径ヘルニアが確認され、飼う際に説明がある仔もいます。

基本的には成長とともになくなる場合が多いとされています。

症状としては、足の付け根当たりにポコッとした膨らみがあり、押したら平らになります。

体調に変化がなく、無症状の場合もありますが、膨らみが大きくなっていったり、熱を持っていたり、押しても戻らない場合は、入り込んでいる臓器によってさまざまな症状が現れます。

腸が入り込んでいる場合は、脱腸ともいわれ、下痢などの消化器疾患がみられます。

さらに腸閉塞や捻転を起こしている場合は重篤な状態を引き起こしてしまいます。

膀胱が入り込んでいる場合は、泌尿器系の疾患がみられ、ひどい場合、尿毒症など危険な病気も起こりうる可能性があります。

好発犬種は、チワワ、ダックスフンド、ミニチュアピンシャー、ポメラニアン、ウエストハイランドホワイトテリアなどが挙げられます。

好発犬種は子犬の時期から鼠径ヘルニアになっている場合が多いですが、比較的にどの犬種にもみられる疾患です。

また、後発的原因の場合は子犬だけでなく成犬にも起こる可能性があります。

2.4.でべその犬は要注意『臍ヘルニア』

臍ヘルニアは、臍帯の穴が塞がらず、脂肪などの組織や腸や膀胱などの内臓が入り込んでいる状態をいいます。

人間でいうでべそのような状態で、臍がポコッと出でいる犬がいます。

これは、臍帯の名残で、本来は成長とともに筋肉が発達し、なくなっていくのですが、でべそではなく、臍ヘルニアとなれば、のちの症状が変わってきます。

先天的にでべその状態になっている場合が多く、生後6ヶ月程は経過観察となります。

ちぎれた臍帯がそのままでべその様になっている場合は、問題がありませんが、穴が塞がっておらず、何らかの組織や内臓が入り込んでしまうと、様々な症状が現れます。

腸や膀胱が入り込んでいる場合は、お腹を痛がったり、元気消失、食欲不振、ひどい場合は腸閉塞や絞扼(締め付け)による血行障害、排泄障害などが起こり、ショック状態にも陥ります。

臍ヘルニアを長期的に放置していた場合は、臓器の癒着や壊死が起こることも考えられます。

でべそになっている部分の大きさや押したときの戻り具合、熱を持っているか、色が変色しているなど、発見時との違いが見られる場合は、臍ヘルニアの可能性が高くなるので、その際は手術が必要になります。

後天的原因は肥満や腹圧の上昇、外傷性のものなどがありますが、ほとんどが先天的なもので、予防策はほとんどないため、コミュニケーションを取りながら経過観察をしっかり行う必要があります。

好発犬種は、シーズーやペキニーズなどの短頭種、アメリカンコッカースパニエル、ビーグル、バセンジー、キャバリアキングチャールズパニエルなどが挙げられます。

また、雌の方に多くみられます。

2.5.最も危険な脊椎で起こる『椎間板ヘルニア』

椎間板とは、椎骨(背骨)と椎骨の間にある線維軟骨のことで、背骨にかかる衝撃を和らげるクッション性の役割を果たしてくれています。

椎間板ヘルニアは、様々な原因によりこの椎間板が逸脱し、脊髄を圧迫することで、運動障害や神経系の異常が起こる病気のことを言います。

また、椎間板は髄核と繊維輪からなっており、どちらが逸脱して脊髄を圧迫しているかによって2タイプに分かれます。

ハンセン1型

先天的に軟骨異栄養性犬種に起こりやすく、繊維輪から髄核が逸脱し、脊髄を圧迫している状態をいいます。

若年の頃から髄核が脱水し、硬くなって衝撃を吸収しにくくなってしまい激しい運動や肥満などによる椎間板への負荷が加わった際に椎間板ヘルニアになってしまいます。

好発犬種はミニチュアダックスフンド、ビーグル、ペキニーズ、ウェルシュコーギー、シーズー、トイプードルなどの小型犬に多く、足が短い犬種は注意が必要です。

2歳から6歳くらいの若い犬に見られる急性の病気です。

ハンセン2型

非遺伝性で加齢による椎間板への負荷の蓄積が原因で変形し、繊維輪が逸脱して脊髄を圧迫している状態をいいます。

好発犬種は柴犬、パピヨン、マルチーズ、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、など小型犬から中型犬、大型犬にも発症がみられるのが特徴です。

慢性的に主に高齢の犬がなりやすくなっています。

また、椎間板ヘルニアは頚部と胸腰部での発症が多くなっています。

頚部の症状としては、

  • 軽度の場合

硬直歩行、首をすくめて動きたがらない、触られるのを嫌がったり、痛がるなどがみられます。

  • 中度の場合

歩行のふらつき、前肢、後肢の麻痺や立つことが困難になり、自力での排泄も困難になります。

  • 重度の場合

呼吸器が圧迫され最悪の場合死に至ることもあります。

椎間板ヘルニアのなかで頚部での発症は15%程の割合を占めており、好発犬種はビーグルやダックスフンド、フレンチブルドッグ、ヨークシャテリア、パグなどです。

胸腰椎ヘルニアの症状は5段階のグレードに分かれています。

グレード 歩行 症状
1 可能 ・抱き上げたり、触られることを嫌がり、キャンと鳴く
・段差や階段を避ける
・神経障害は現れていない
2 可能 ・腰を振ってフラフラと歩いている
・後肢の力が弱くなっており、ナックリングがみられる
・全身を支えることはできる
3 困難~不可能 ・前肢のみで歩く
・後肢に力が入らず、完全麻痺を起こしている
・自力排尿は可能
4 不可能 ・下半身は全く動かず、皮膚感覚もなくなっている
・深部の強い痛みは感じる
・自力排尿が出来ず失禁
5 不可能 ・痛覚が完全に消失し、器具などでつねってもわからない

 

3.種類ごとの治療方法

何らかのヘルニアになってしまった場合は、病院での治療が必要になってきますね。

ここでは、それぞれのヘルニアがどのような治療をするのか、詳しくご紹介します。

3.1.『去勢を伴う』会陰ヘルニア

基本的には外科手術が行われます。

ヘルニア孔が小さく、初期の段階で発見された場合や高齢により外科手術が難しい場合は投薬による経過観察ということもありますが、多くは進行が進んでおり、外科手術によって穴を塞ぎ、臓器を戻す処置が行われます。再発防止のために開腹手術で内臓を固定することもあります。

会陰ヘルニアはほとんどが、去勢をしていない中高齢の雄犬に見られる病気です。

原因がはっきりしていない病気とされていますが、男性ホルモンが大きく影響していることは確かなため、再発防止の為にも、会陰ヘルニアと同時に去勢手術を行うのが一般的です。

肛門の片側にヘルニアがあった場合、片方の穴を塞ぐと、反対側にも再発する場合があります。

その際には再度反対側の手術を行う必要があります。年齢や体の状態によって長時間の手術に耐えられる場合は、両側を一緒に手術することもあります。

再発率は30%ともいわれており、様々な要因から、術後の再発が起こりうる病気なので、何度か手術を繰り返す犬もいます。

3.2.『薬物療法』が主流の食道裂孔ヘルニア

食道裂孔ヘルニアは、胃の出かたによって3種類に分けられます。

滑脱型、傍食道型、混合型の3種類です。

滑脱型の場合が多く、その場合に多い症状が逆流性食道炎です。

ヘルニアの手術をするほどではなく、薬物により食道炎の症状を抑える治療が主流となります。

抗炎症剤や粘膜保護剤、制酸剤、などが処方されます。他にも症状によって薬剤は変わってきます。

薬物療法で日々の生活に支障がなければ、経過観察となりますが、薬物療法での完治は見込めないため、症状の進行や犬の症状によっては外科手術が行われます。

外科手術では、臓器を元に戻し、食道裂孔の穴を小さくする処置が行われます。再発防止のために臓器を固定する場合もあります。

3.3.『自然に治る』ケースもある鼠径ヘルニア

子犬の時期に鼠径ヘルニアが発症している場合、経過観察で様子を見ることを勧められます。

成長の過程で、鼠径部の隙間も小さくなり、ヘルニアが治まる可能性も多く見受けられます。

10ヶ月程は経過観察で、膨らみの大きさや発熱、その他の症状が出ていないかを家庭内でしっかり見てあげましょう。

後天的な原因の場合や、ヘルニアの大きさが大きくなっている場合など、手術で隙間を塞ぐこともあります。

また、症状の悪化防止のために、避妊や去勢手術の際、一緒に鼠径ヘルニアの手術を勧められることもありますし、飼い主さんの希望で手術を行うこともできます。

手術を行った場合、再発の可能性は極めて低くなっています。

3.4.『経過観察で治らなければ手術する』臍ヘルニア

先天的に子犬の頃からでべその場合、6ヶ月~8ヶ月ほど経過観察となります。

その際に、でべその部分や体調の変化があった場合は、外科手術で整復します。

隙間を塞ぎ、逸脱した内臓を元に戻す処置が行われます。

臍帯の名残の場合や脂肪や大網などが入り込んでいる場合はそのままにしておいても問題がないですが、予防の一環として、また、美容目的としても外科手術を希望される飼い主さんが多くいます。

避妊や去勢手術と一緒に臍ヘルニアの手術を勧める病院もあります。

悪化した進行状況でなければ、それほど難しい手術ではなく、再発の可能性も極めて低くなります。

3.5.『内科・外科療法』がある椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは症状によって治療法が内科と外科に分かれます。

一般的にグレード1~3はゲージレストと言われるゲージ内での絶対安静による内科治療法が主となります。

また、抗炎症、鎮痛作用のステロイド剤や非ステロイド系消炎鎮痛剤、抗生剤やビタミン剤などの投薬による炎症や痛みの緩和治療を合わせて行います。

場合によってはレーザー治療を併用する場合もあります。

ステロイドは長期的に服用すると副作用が現れます。

多飲多尿、脱毛、血行障害、免疫力の低下や肝機能障害などが挙げられます。

基本的に炎症や痛みが緩和されたら薬は使用せず、ゲージでの絶対安静となりますが、内科治療は再発や悪化の可能性もあり、また、ゲージレストが難しい環境の場合は適していない治療法です。再発は3頭に1頭の確率と言われています。

ダックスフンドなど好発犬種の場合、グレードが1~3から急に4~5へ上がることも十分にあり得ます。

ゲージレストの期間は4~6週間と、長期的な治療が必要となります。

グレード3~5の場合は、外科治療が必要になります。

外科治療では、神経学的検査やレントゲン検査の他に造形検査、CTやMRI検査による椎間板の詳しい場所や状況を確認したうえで、逸脱している椎間板の切除や圧迫されている神経部分の減圧が行われます。

術後の再発率はほとんどなく、リハビリによって歩行の状態も回復が見込めます。

しかし、ハンセン1型のグレード5の場合、や慢性的なハンセン2型の場合は手術をしても改善の見込みが低い場合があります。

ハンセン1型でグレード5の場合、改善率は60%ほどです。

さらにグレード5の場合、36時間以内に手術を行わなければ、回復の見込みがほとんどなくなってしまします。

その他の治療法として、鍼治療も行われています。

鍼治療は、外科手術を伴わないわんちゃんの体に優しい治療法です。

ツボを刺激することで、椎間板ヘルニアによる痛みの緩和や筋肉の緊張を和らげる効果があります。

また、血行促進作用があり免疫力も高まるため、自然治癒力が上がり、症状の回復へとつながります。

緩やかな改善となる為、長期的な治療となり、定期的な通院が必要となります。

椎間板ヘルニアは、治療が遅ければ遅いほど、わんちゃんの今後に大きな影響を与えてしまします。

早期発見、早期治療が大変重要になってきます。

また、椎間板ヘルニアにならない為の予防も大切です。

首や腰に負担のかかる激しい運動や段差の上り下りをさせすぎない、フローリングでの滑り防止(防止材を敷く、定期的な爪切りや足裏の毛をカットするなど)、肥満にならない食餌管理、縦抱きや2足歩行も注意が必要です。

4.治療後のリハビリで今後愛犬の人生が大きく変わる

不全麻痺や完全麻痺の場合でも、治療後のリハビリによって脊髄神経の回復、筋肉の萎縮防止につながり、自力歩行が可能になることが期待できます。

4.1.リハビリ期間には個体差がある

症状の進行や発症後の治療開始時期によって、脊髄神経の損傷度合が変わってくるため、リハビリ期間にも大きく差が出てきます。

早期治療、早期のリハビリが早い回復へと繋がります。

但し、グレード5の場合、術後も後肢や下半身の麻痺が残ることがあり、リハビリでも回復が難しい状態のわんちゃんもいます。

4.2.リハビリに効果的な『マッサージ法』

自宅で飼い主さんができるリハビリの1つです。

マッサージでツボを刺激することで、運動神経に刺激を与えることができます。

効果的なツボの部分を優しくさすってあげることからはじめ、徐々に力を加えていきましょう。

力加減によっては強い痛みを感じてしまいますので、わんちゃんの様子をみながら行います。

爪の付け根、肉球、くるぶし、かかと、尾の付け根などをマッサージしますが、ツボに詳しい専門の先生から説明を受けるとより効果が得られます。

4.3.リハビリに効果的な『タオル歩行の仕方』

自宅でのリハビリにタオルを使った歩行訓練があります。

下腹部からタオルを通し、体を支えてあげながら歩行の練習をします。

立たせてあげることや肢を動かしてあげることで、筋肉の萎縮を防ぎ、運動神経の回復が見込ます。

タオルを嫌がる場合は体に当たる幅や生地を変えてあげたり、タオルに肢や尾の穴をあけてあげるなどの工夫をお勧めします。

4.4.リハビリ施設などでの『水泳』

治療後に衰えた筋肉や運動神経を回復させるのには適度な運動が必要になります。

陸上での運動にくらべ、水の中は負荷が軽くなり、犬の体に優しいリハビリ療法です。

時間は30分を目安に行います。術後の傷口はワセリンなどを塗って保護しておきましょう。

水泳は体が冷えるため、リハビリ後は必ず温めてあげる必要があります。温浴をすると血行促進にもなり、お勧めです。

4.5.『リハビリ治療』はお金がかかるが効果的

病院のリハビリ治療には

  • 半導体レーザー
  • 超音波療法
  • 低周波療法
  • 電気刺激

が挙げられます。

これらは物理療法といい、光線、電気、超音波などのエネルギーを利用して症状を緩和させる目的があります。

半導体レーザー

半導体レーザーは患部にレーザーを照射し、椎間板内部の減圧を行います。

2週間ほど続けると効果が目にみえて現れます。

術後のヘルニア再発防止効果があり、ハンセン2型の場合にも改善の効果が期待できます。

超音波療法

超音波療法は、超音波を患部に当てることでより深い部位を温めることができる温熱療法です。

疼痛の緩和、炎症の抑制、創傷治癒の促進効果が期待されます。また、筋肉や靭帯が硬化した関節や関節周囲の組織をほぐすことができます。

超音波を患部に当てる際、超音波ジェルを塗布する必要がある為、患部の毛を剃る必要があります。

低周波療法

低周波療法は、100mW以下の周波数のレーザーを用いて疼痛緩和、創傷治癒の促進、抗炎症効果が得られます。

電気刺激

電気刺激は、長時間の安静や麻痺などが原因で動かさなかったことにより萎縮した筋肉に刺激を与え、筋力を強化したり、痛みを緩和することができます。

また、循環改善や炎症の緩和も期待できます。

5.犬のヘルニア完治までの費用は最大50万円

5.1.会陰ヘルニアの治療費と保険

会陰ヘルニアの手術費用としては、6~7万円前後で行われています。

他に、レントゲン検査や血液検査、入院費や薬代などが別途かかってきます。

犬の場合、体重や犬種によって費用が大きく異なってきます。

チワワとゴールデンレトリバーでは薬の量や点滴の量、1泊の入院代にも違いが出てきます。

会陰ヘルニアの手術代を含め、平均すると10万~20万円前後となります。

ペット保険は保険適用対象の病気ですので、通院から手術、入院費まで保険により減額されます。減額の割合は、保険の内容や会社によって異なります。

5.2.食道裂孔ヘルニアの治療費と保険

薬物療法の場合、症状や犬の大きさなどによってかなりのばらつきが出てきます。

初診で検査費と薬代となった場合、1万円前後がかかります。

さらに、通院で長期的に薬代がかかってきます。

食道裂孔ヘルニアの手術となった場合は、外科手術となり、手術も難しいと言われていますので、10万~20万円前後のところが多いようです。

ペット保険は保険適用対象の病気ですので、通院から手術、入院費まで保険により減税されます。減税の場合は、保険の内容や会社によって異なります。

5.3.鼠径ヘルニアの治療費と保険

子犬の頃から先天的に鼠径ヘルニアを持っており、成長とともに自然に治ったり無症状であることが多いため、ペット保険の保険適用外となります。

予防の一環で手術を行った場合も、全額自費の支払いとなります。

後天的理由が認められ、手術を行った場合は、保険会社によっては保険が適用される場合もあるようです。

手術の費用は、5万円前後のところが多いようです。

5.4.臍ヘルニアの治療費と保険

鼠径ヘルニア同様、子犬の頃から先天的に臍ヘルニアを発症している確率が高く、ペット保険の保険適用は対象外なっています。

予防や美容などの一環で外科手術を行った場合、全額自費の支払いとなります。

手術の費用は3~5万円ほどのところが多いようです。

5.5.椎間板ヘルニア治療費と保険

椎間板ヘルニアで内科療法を行った場合、初診の診察でレントゲン検査や薬代を含めると1万前後かかります。

その後、投薬やステロイドの注射を数か月行うので、毎月5000円前後がかかります。

内科療法が3カ月ほど経っても改善の見込みがない場合は外科療法へ移行します。

その場合は、ヘルニアの手術が10万円~15万円で、CTやMRI検査なども含めると20~30万円ほどになり、症状が重い場合などは50万円近くかかることもあります。

鍼治療は1回4000円前後かかり、レーザー治療も1回2000円前後かかってきます。

6.東京、大阪、名古屋のヘルニアに強い動物病院

東京

練馬動物医療センターホンド動物病院

専門の科が設けてあり、高度な医療を提供しています。また、リハビリテーションも設けてある病院です。

エルムス動物医療センター

椎間板ヘルニアに強い病院です。CTやMRIなどの検査も行うことができ、手術件数も多くこなしている病院です。

光が丘動物病院

最新の医療を提供しており、ヘルニアの手術件数もトップクラスの実績を持っている病院です。患者さんからの評価も高い病院です。

大阪

北千里動物病院

椎間板へルニアに力を入れている病院です。内科療法、光線療法、外科療法を積極的に取り入れており、手術の正確性を高めるための顕微鏡外科を行っています。

大阪動物医療センター

CTやMRIの検査機器など最新の医療機器と技術を提供しており、内科治療ではレーザー治療も行っている病院です。セカンドオピニオンとしても選ばれている病院です。

名古屋

名古屋動物医療センター

院長先生は犬の名医として知られる方です。リハビリテーションの施設を併設しており、整形外科と脳神経外科の専門病院です。

重度の後肢麻痺でも70%の症例を歩行可能にしている実績のある病院です。

松浪動物病院メディカルセンター

高度な医療サービスを提供してくれる病院です。外科手術では、胸腰椎ヘルニアはもちろん難しい手術といわれる頚椎ヘルニアも行っています。

7.まとめ

犬のヘルニアは、先天的なものも多く、犬を飼う際に、かかりやすい犬種であるかを事前に知っておくことが大切です。

ヘルニアになりやすい好発部位は特に注意し、日々のコミュニケーションをしっかりとり、早期発見、早期治療を心掛ける必要があります。

椎間板ヘルニアや会陰ヘルニアは飼い主さんが予防できる部分も多く、発症しにくい環境を整えてあげましょう。

万が一病気になった場合、ヘルニア治療は高額になることも考えられるので、ペット保険の加入を検討し、信頼できる獣医さんを知っておことをお勧めします。

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