犬のフィラリアには予防が一番!詳しい予防方法と治療方法

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犬を飼っていらっしゃる方ならもはや知らない人はいないほど有名かつ怖い病気であるフィラリア。

蚊に刺されることで感染し、放っておくと重症化し、治療も長期にわたる上、最悪命を落とすこともあるフィラリア症について、是非とも理解を深めておくべきでしょう。

今回は、フィラリア感染から愛犬を守るために、フィラリアについての知識や感染源、予防法などを詳しくご説明していきます。

目次

1.犬フィラリアとは
2.犬フィラリアの『感染経路は蚊』
2.1.犬フィラリアはほぼすべての蚊が持っている
2.2.犬フィラリアに『感染した犬から正常な犬へ』

3.犬フィラリアには『急性と慢性』の2タイプある
3.1.慢性フィラリアは徐々に進行する
3.2.『5%の確率で発症する急性』フィラリア

4.フィラリアの治療法は手術か投薬治療
4.1.『手術』が出来るのは成犬のみ
4.2.『成虫を殺す治療薬』イミトサイドとミルベマイシン
4.3.フィラリアの治療費は状態によって異なる

5.感染しないことが一番!フィラリア予防法
5.1.獣医さんから処方される『イベルメック』
5.2.『ダニ、ノミ、フィラリアを予防』するレボリューション
5.3.『年一回』の予防接種
5.4.フィラリア予防にかかる『費用』

6.まとめ

1.犬フィラリアとは

犬フィラリアとは、蚊を媒介にして犬の心臓、肺動脈にフィラリア原虫と呼ばれる寄生虫が棲み付き、咳や食欲不振、血流の悪化、腹水など様々な健康障害を引き起こし、重篤症状となると肝臓や腎臓の機能不全に陥り、最悪命を落としてしまう犬にとって恐ろしい病気です。

感染しやすい時期としては、蚊が発生し始める4月頃から真冬で蚊がいなくなる12月までで、特に7~8月の蚊の発生がピークになる時期はフィラリアの感染リスクが非常に高まります。

そのため、あらかじめチュアブル錠やレボリューションなどのスポットタイプの薬による投薬や予防接種などでフィラリア感染の予防をする必要があります。
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2.犬フィラリアの『感染経路は蚊』

前項でもご説明した通り、フィラリアの主な感染源は蚊です。

特に外飼いの犬は感染リスクが高く、また室内飼いであっても外で散歩をする際に蚊に刺されて感染するということも少なくありません。

また、私たち人間もいくら蚊に注意していたとしてもいつの間にか刺されていた、ということがあるように、犬も完全に蚊に刺されないようにするのは困難です。

そのため、蚊に刺されてもフィラリア症が発症しない状態を作ることが大切なのです。

2.1.犬フィラリアはほぼすべての蚊が持っている

犬フィラリアの感染源である蚊は、日本では16種類ほど確認されています。

現在、日本にいるフィラリアを媒介する蚊は以下の通りです。

日本に生息するフィラリア原虫を媒介する蚊(16種)
アカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、カラツイエカ、ネッタイイエカ、ヨツボシイエカ、トウゴウヤブカ、ヒトスジシマカ、キンイロヤブカ、ネッタイシマカ、ホッコクヤブカ、アカンヤブカ、チシマヤブカ、カラフトヤブカ、シナハマダラカ、アシマダラヌマカ

これら16種の蚊は、北海道から沖縄まで、ほぼ日本全国に生息しており、根絶も難しいため、できるだけ蚊のいる環境に犬を立ち寄らせないようにしましょう。

蚊は主に水たまりで発生し、草むらを休憩地としています。

そのため、散歩の際はなるべく水辺やドブなど水のある場所や草むら、藪など雑草が生い茂っている場所は避け、外で飼っている場合は蚊が発生しにくいようこまめに水が溜まりやすい場所は水を抜き、定期的に草むしりをするようにしましょう。

因みに、これら16種の蚊は人間も刺すことがありますが、フィラリアを発症することはまずありません。

しかし、ごくまれに人にもフィラリアの症状が出ることがあります。

所謂『リンパ系フィラリア』と呼ばれる病気で、主に熱帯・亜熱帯地方の国々でおよそ1億2千万人以上が感染しているとされています。

日本では感染例はあまり見られませんが、肺にフィラリアが寄生して肺結節を作るケースもごくまれにあります。

2.2.犬フィラリアに『感染した犬から正常な犬へ』

皆さんはフィラリアの感染サイクルについてはご存知でしょうか?

蚊がフィラリアを運んでくるということはご存知かと思いますが、感染経路についてはあまりよくわからない方も少なくないかと思います。

中には「うちは室内飼いだし、外には散歩以外出さないし、虫よけアイテムも使っているから大丈夫」とお考えの方も少なくないかと思います。

ですが、蚊は室内にも侵入しますし、私たち人間が蚊に刺されるのを防ぎきれないように、室内にいたとしてもいつの間にか愛犬が蚊に刺され、いつの間にかフィラリアが愛犬の体内に侵入している可能性も決して低くはないのです。

そこで、犬フィラリアの感染経路及びサイクルについて詳しくご説明させていただきます。

犬フィラリアの主な感染源は蚊ですが、その蚊がフィラリアを持ってくる元はどこでしょうか?

実は、すでにフィラリアに感染した犬がフィラリアの元なのです。

フィラリアに感染した犬の体内で、成虫のメスがミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)を産み、ミクロフィラリアは血液中に流れ込みます。

そこに、蚊が犬の血を吸血することで、体内にミクロフィラリアをとりこんでしまうのです。

その後、蚊の体内に侵入したミクロフィラリアは、第一期幼虫から第三期幼虫(感染幼虫)まで成長すると、蚊の口吻(蚊の口元にある針状の器官)に移動して棲みつき、次の獲物である別個体の犬を宿主の蚊が吸血する機会をうかがいます。

その後、非感染犬にミクロフィラリアが棲みついた蚊の口吻によって吸血されることで新たな宿主として体内に侵入し、皮下組織や筋肉、脂肪組織などに棲みつき、およそ2~3カ月かけて発育していきます。

この時期の間にフィラリア予防・駆除薬を投与してフィラリアを駆除することで、フィラリア症の発症を防ぐことができます。

ところが、フィラリア駆除・予防薬などで駆除せず放置した場合、充分発育したフィラリアは心臓(右心房)や肺動脈へと血流を通じて侵入、寄生します。その後、6~7カ月ほどでミクロフィラリアを産めるまで成熟してしまいます。

こうなると、フィラリアの駆除や治療はかなり困難になります。

このように、フィラリア感染犬から蚊が吸血し、非感染犬に吸血、媒介することで新たな宿主に寄生…というサイクルを繰り返し、フィラリアはどんどん宿主を増やしていきます。

この感染サイクルを断ち切り、愛犬がフィラリアに感染させないようにするために、蚊の発生時期が終わるまで毎月一回フィラリア予防のための投薬を行う必要があるのです。

3.犬フィラリアには『急性と慢性』の2タイプある

犬フィラリアの症状は大きく『慢性フィラリア』と『急性フィラリア』の2つに分けられ、うちおよそ95%の犬フィラリアが慢性フィラリア、残り5%が急性フィラリアとされています。

特に急性フィラリアは慢性フィラリアと比べて致死率が高いため、症状をある程度理解しておくとよいでしょう。

この項目ではそれぞれの症状について詳しくご説明したいと思います。

3.1.慢性フィラリアは徐々に進行する

犬フィラリアの約95%を占める慢性フィラリアは、初期症状も見られず、咳などの症状が徐々に進行していきます。

そのため、軽度のうちに動物病院に行けば服薬などによる内科的療法によって改善されますが、重症の場合は外科的療法による開胸手術を行わなければならず、犬の体に大きな負担がかかってしまいます。

慢性フィラリアの主な症状は次の通りです。

  • 乾いた咳(「コホコホ」「ケホケホ」と下を向いてする)
  • 息切れ
  • 散歩に行こうとすると嫌がる(運動不耐性)
  • 水を異常に飲みたがる
  • 食欲不振
  • 肝臓や腎臓の機能不全
  • 四肢のむくみ
  • 体重減少
  • お腹に水が溜まる(重篤状態)
  • 失神

フィラリア原虫が寄生し、気管支静脈の血流が悪化することで、まるで喉に詰まったものを吐き出すように下を向いた姿勢で咳をコホコホと乾いたような咳をするようになります。

よくこの咳が出る段階を初期症状ととらえる飼い主も少なくないと思いますが、実は咳が出る時点ですでにフィラリアの症状が進行しているのです。

咳は症状が進むにつれ、どんどん酷くなっていき、咳をする時間も長くなっていきます。

その際、咳による刺激によって吐き気や嘔吐、喀血などをすることがあります。

更に症状が進むと、咳がさらに悪化し、咳をしている時間もさらに長くなっていきます。

それに伴って体もだるく疲れやすくなり、肺機能も低下しているため息切れや時には失神などを起こし、今まで大好きだった散歩も嫌がるようになります。

また、更に症状が進むと体重減少や四肢のむくみが起こり、末期になるとお腹に水が溜まるようになり、肝臓や腎臓も重篤な機能障害に陥り、最終的に命を落とすことになります。

3.2.『5%の確率で発症する急性』フィラリア

慢性フィラリアと異なり、約5%と低い発症率の急性フィラリアですが、慢性フィラリアを患っている経過療養中の犬や、フィラリアの症状が見られなかった犬が突然激しい症状を起こすこともあり、最悪の場合突然死に至る恐ろしい病気でもあります。急性フィラリアの症状は次の通りです。

  • 赤ワインのような深い赤色の血色素尿
  • 体全体から力が抜け切ったようにぐったりしている(虚脱)
  • 急激な食欲不振
  • 気力が感じられず、元気消沈している

急性フィラリア症の場合、これらの症状が急激に起こり、症状も慢性型と比べてかなり重いのが特徴です。

そのため、犬の死亡リスクも急性のほうが段違いに高く、症状を起こしたら一刻も早く動物病院で緊急手術を受けなければなりません。

発症率は慢性フィラリアと比べてかなり低いものの、突然死につながるため決して油断してはいけません。

慢性フィラリアと急性フィラリアはいずれも放置しておけば愛犬の命にかかわる病気です。

もし咳や血尿、運動不耐性などの疑わしい症状があれば、手遅れにならないうちに必ず動物病院で検査・診察をしてもらい、獣医師の判断に従うようにしましょう。
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4.フィラリアの治療法は手術か投薬治療

万が一、愛犬がフィラリアに感染し、症状が現れた場合は一刻も早く獣医師に処置してもらう必要があります。処置の方法としては、

  • 外科的療法(手術)
  • 内科的療法(投薬)
  • 対処療法

の3つがあり、そのうち対処療法は、フィラリア駆除をせずに咳止めや腹水の除去など症状の軽減や栄養補給などといった処置を行います。

この対処療法には制限があり、手術や長期にわたる投薬治療に耐える体力がないシニア犬やフィラリア症末期の犬といった理由がある場合のみ行われる処置で、獣医師による診断によって決められます。

そのため、基本的にフィラリアの治療は手術によってフィラリアを取り除くか、薬を投薬して長期的にフィラリアを駆除していくかどちらかになります。

ただし、どちらの治療方法も愛犬の体にかなりの負担がかかることをご留意ください。

4.1.『手術』が出来るのは成犬のみ

外科的療法は、急性フィラリア症の犬に対して処置されることが多く、主な手術法は犬の心臓や肺動脈に寄生したフィラリアを開胸手術や頸静脈摘出法によって取り除く2つの方法で、日本では頸静脈摘出法が主流となっています。

頸静脈摘出法とは、犬の首の血管(頸静脈)を切開、または小さな穴をあけて特殊な器具によってフィラリアを患部から直接取り除く手術法で、別名『一本釣り』と呼ばれています。

非常に難易度の高い手術であるため、ベテランの獣医師であっても成功率は30%ほどと、人間に例えれば脳腫瘍摘出手術並みに卓越した技術が必要となってきます。

頸静脈摘出法による手術は基本的に全身麻酔で行われ、しかもかなりの体力を要します。

そのため、生まれたばかりの子犬やシニア犬、他に持病を患っている犬などは体力がもたないため、基本的には成犬のみ外科的療法が行われることになります。

4.2.『成虫を殺す治療薬』イミトサイドとミルベマイシン

内科的療法とは、犬の体内に巣食うフィラリアを投薬によって駆除する方法で、

  • イミトサイド
  • ミルベマイシン

などといった薬品を用いて駆除を行います。

フィラリアの数が少ないうちは危険性は少ないのですが、放置してあまりにも膨大な数になってしまうと、駆除を行った際にフィラリアの死骸が肺動脈などに詰まり、命を落としてしまう危険性があるため、必ず獣医師の指示を受け、薬の量や投与する回数を調節して投薬するようにしましょう。

また、一度に投薬して駆除するのは先ほど述べましたように命にかかわるため、治療には数カ月から数年と長期間に及びます。

4.2.1.『イミトサイド』とは

イミトサイドとは、メラルソミン二塩酸塩(ヒ素)を含有する薬品で、強力なフィラリア駆除剤として用いられてきました。

使用方法として、あらかじめ自宅にて循環器の負担を減らす薬を犬に投与してから、獣医師の指示の元、1日2回に分けて投与することで、フィラリア成虫を駆除します。

あまりにも強力かつヒ素を含むため危険性も高く、要指示医薬品及び指定医薬品であるため、獣医師による処方がなければ投与できないのと、レントゲン検査や血液検査など精密検査を行う必要があり、また、長期にわたって治療を行わなければならないため、犬の肉体と精神にかなりの負担がかかります。

更に、現在日本では国内販売が中止されているため、動物病院によってはすでに扱っていないところもあります。

そのため、イミサイドによるフィラリア治療は獣医師の診断および指示がない限り行えないことにご留意ください。

4.2.2『ミルベマイシン』とは

ミルベマイシンとは、フィラリア予防・駆除薬の一種で、ミクロフィラリアの駆除及び犬回虫や犬鉤虫、犬鞭虫などの寄生中にも効果がある薬です。

うさパラ

投与の仕方としては、まず犬の体重を予め測定し、フィラリア症の陽性反応がないか血液検査などで調べてから投与します。

というのも、このミルベマイシンはすでにフィラリアに罹っている場合元気消沈や食欲不振、嘔吐、呼吸速迫、場合によっては大動脈症候群などの症状を引き起こし、命を落とす可能性もあるからです。

また、このミルベマイシンはあくまでミクロフィラリア駆除のための薬なので、成虫にはあまり効果がないため、基本的にミクロフィラリアを駆除して成虫は寿命(4~5年)まで待つという治療法になります。

また、犬種(コリー種など)によっては安全域(薬の安全性を表す指標)が狭く、少量でも命にかかわる危険性があります。

ネットでも扱いがありますが、基本的にこのミルベマイシンは要指示医薬品且つ指定医薬品ですので、投与する際は必ず獣医師の診察及びフィラリア陽性検査をしてから処方してもらうようにしましょう。

4.3.フィラリアの治療費は状態によって異なる

フィラリアの治療費ですが、病院によって違いがあるため決まった金額はありませんが、薬代や手術代だけでなく、治療を行う前にフィラリア症陽性かどうか調べる検査をする費用や初診費などトータルで考えると1回だけでも莫大な費用がかかります。

また、検査にも血液検査と抗原検査の二つがあり、前者は血液中にミクロフィラリアがいる場合は陽性であると判断できますが、成虫は採取できないため、抗原反応を示すかどうかの検査を行うこともあります。

血液検査はフィラリアのみ検査するのであれば、1回1,000~2,000円ほどで、抗原検査は1回2,000~3,000円ほどです。

病院によって検査方法が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

また、初診費用やそのほか経費も加算されるため、初診は1万円程度かかります。

また、投薬治療の場合、ミクロフィラリアを根気強く駆除し、成虫は寿命を待つという治療法になるため、完全治癒に4~5年くらいかかります。

そのため、トータルで万単位の費用がかかる上、治療の間愛犬の肉体や精神に大きな負担がかかってしまいます。

投薬による内科的療法は犬だけでなく飼い主も腰を据えて行わなければなりません。

手術によるフィラリア除去の場合、その費用は7~8万円ほどかかりますが、レントゲン検査やフィラリア陽性検査、その他術後のケアをするための治療費なども加えると10万円程度かかります。

また、手術は犬に多大な負荷をかけるため、基本的に体力のある成犬しか行えません。

いずれにしても、獣医師による診断結果と指示に従って治療を行うようにしましょう。

5.感染しないことが一番!フィラリア予防法

愛犬がフィラリアで苦しまないようにするには、やはり先手を打って予防することが大切です。

フィラリア症には初期症状がなく、咳などの症状が出るころにはかなり病状が進行していて、気が付いた時にはすでに末期状態になっていることも少なくありません。

また、先ほど述べましたように、フィラリア治療は費用や時間のみならず、愛犬の寿命も確実に削っていきます。

そのため、飼い主がすべきことは、愛犬がフィラリア症にならないよう、徹底的にフィラリア予防を行うことです。

フィラリア予防の手段としては、

  • 予防薬(錠剤、チュアブル、スポットタイプなど)
  • 予防接種(効果が半年~1年間続く)

の2つがあり、いずれもメリットとデメリットがあります。

そこでこの項目では、フィラリア予防薬でメジャーな『イベルメック』、『レボリューション』について詳しくご紹介しつつ、フィラリア予防接種のメリットとデメリット、フィラリア予防にかかる費用についてご説明していきたいと思います。

5.1.獣医さんから処方される『イベルメック』

イベルメックとは、チュアブルタイプのフィラリア予防薬で、米国の『カルドメックチュアブル』のジェネリック医薬品として、日本の医薬品メーカー『フジタ製薬』が製造、販売しています。

オダガワ動物病院

主にフィラリア予防薬として用いられ、骨型に成形されているのが特徴です。

原料として日本国産のお肉を使ったチュアブル錠なので安全性も高く、犬も美味しく味わいながらフィラリア予防できるため、ストレスなく投与できるところから、現在ではメジャーになりつつあるフィラリア予防薬です。

デメリットとしては、コリー種や牛肉を用いて作られているため、牛肉アレルギーを持つ犬には副作用の危険性があるため投与できないこと、またフィラリア陽性の犬に与えると重篤な健康障害がでてしまうため、あらかじめ血液検査をしておく必要があります。

ネット通販でも購入は可能ですが、体重やフィラリア陽性の有無、犬種やアレルギーなどを考慮して正しく投与しないと効果は期待できません。

必ず動物病院で獣医師に相談し、指導してもらってから投与するようにしましょう。

5.2.『ダニ、ノミ、フィラリアを予防』するレボリューション

フィラリア予防で最もメジャーなのが『レボリューション』などのスポットタイプの予防薬です。

うさパラ

特にレボリューションはノミやダニ、通常のスポットタイプのお薬では駆除しきれない耳ダニなどにも効果があるのが特徴です。

投与の仕方は簡単で、犬の首から背中あたりに薬を垂らすことで皮膚から吸収され、全身に薬の成分が広がります。

効果も1カ月ほど続き、毎月行うことでフィラリア予防を万全のものにすることが可能です。

メリットとしては、やはり投与のしやすさでしょう。

背中や首元に薬を垂らして終わりなので、素人でも簡単に行うことができ、動物病院が苦手な犬でも家で行えば安心できるため、ストレスもかなり軽減されます。

また、錠剤などの経口タイプのお薬を嫌う犬も薬を吐き出したりせず確実に投与することができます。

デメリットとしては、アレルギーがあるなど皮膚が弱い犬やフィラリア陽性の犬、生後6週間未満の犬には用いることができない点です。

特にフィラリア陽性の場合は、投与することでミクロフィラリアの死骸が血管などに詰まり、大静脈症候群などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。

また、ボーダーコリーやビアデットコリー、シェットランドシープドッグなどのコリー種は嘔吐や食欲不振、じんましん、発熱、発作などの過剰な副作用が出る心配があるので、投与は避けるべきです。

レボリューションを与える際には、犬の年齢や犬種、体重などのほか、フィラリアが陽性であるかどうかもあらかじめ検査しておく必要があります。

そのため、初めてレボリューションを投与する際はまず動物病院に行き、適切な検査を受けてから処方してもらうようにしましょう。

また、効果は1カ月持続しますが、逆に言えば毎月欠かさず投与しなければいけません。

用法、用量を正しく守り、5月~12月にかけて蚊の出没する時期には毎月1回行うようにしましょう。

5.3.『年一回』の予防接種

経口薬やスポットタイプのお薬と比べ、効果持続期間が半年~1年と長期にわたって続くのが予防接種の最大のメリットです。

しかも、接種する回数も年に1,2回程度で済み、毎月薬を投与したり、薬が苦手な犬になんとしてもフィラリア予防薬を飲ませようとする苦労や薬の飲み忘れなどといった心配もありません。

また、季節問わず行えるため、春など狂犬病ワクチンや混合ワクチンの時期と被らず予防接種してもらえます。

また、トータルの費用も毎月投与が必要な経口薬やスポットタイプと比べて比較的安いのもメリットといえます。

フィラリア予防接種の最大のデメリットは、やはり犬に多大な負担がかかるという点です。

私たち人間が注射を好き好んで行いたいと思わないのと同様、いえそれ以上に犬は痛みを伴う行為を本能的に嫌がります。

毎年の狂犬病ワクチンや混合ワクチンなどを受ける際に、愛犬が大変嫌がって抵抗しませんか?

それと同様に、いつ受けに行っても安心とはいえ、何の前触れもなく予防接種を受ける=痛い思いをするのは犬にとって大きなストレスになりがちです。

また副作用の心配のほかフィラリア陽性反応の犬に接種することはできないので、薬を飲もうとしない、皮膚にトラブルがあるためスポットタイプのお薬を用いることができないなどといった理由がない限りはできるだけ経口薬やスポットタイプの予防薬を用いるようにしましょう。

犬によって個体差や性格もあるため、まずは獣医師に相談するのがベストです。

5.3.1.予防接種前にシャンプーしてあげても大丈夫?

予防接種した後は、2~3日間は様子をみるため、激しい運動は避け、安静状態にしなければならないため、その間シャンプーすることができないから事前にシャンプーをするという飼い主の方は少なくないと思われますが、実は予防接種前のシャンプーはなるべく行わないほうがよいとされています。

というのも、個体差によりますがシャンプーはかなり体力を使うため、翌日まで完全に体力が回復していない状態で予防接種を受けるのは、犬の体に大きな負担がかかってしまいます。

そのため、予防接種前日にシャンプーするのはなるべく控えるようにし、シャンプーは予防接種後、犬の体力が回復し、副作用などの健康的な影響が見られなければ行うようにしましょう。

5.4.フィラリア予防にかかる『費用』

フィラリア予防の際に気になるのがその費用。フィラリア予防にかかる費用は病院によって異なるため、もし費用が気になるようであれば、事前に動物病院に電話をかけて確認するとよいでしょう。

以下は、一例としてそれぞれ『イベルメック』、『レボリューション』、『予防接種』の価格表をご紹介します。

【イベルメック(チュアブルタイプ)の場合】

体重  1回分  7回分
イベルメックS34 ~5.6kg 900円 6,300円
イベルメックM68 5.7kg~11.3kg 1,300円 9,100円
イベルメックL136 11.4kg~22.6kg 1,700円 11,900円
イベルメックLL272 22.7kg~45.3kg 2,200円 15,700円

※参考:みやむら動物病院

http://www.m-petclinic.com/price/

【レボリューション(スポットタイプ)の場合】

体重  1回分 7回分
~2.5kg 1,100円 7,700円
~5kg 1,500円 10,500円
~10kg 1,700円 11,900円
~20kg 1,900円 13,300円
~40kg 2,200円 15,400円

※参考:エルザ動物病院

http://www.elsa-hp.com/medicalcare/preventive/dog/filaria.html

【予防接種(プロハート12)の場合】

効果半年 効果1年
体重 1回 体重 1回
~5.6kg 4,400円 ~5.6kg 4,500円
~11.3kg 5,400円 ~11.3kg 5,700円
~22.6kg 6,500円 ~22.6kg 7,000円
~30kg 8,700円 ~30kg 9,200円
30kg~ 8,700円+150円/kg 30kg~ 9,200円+200/kg

※参考:エルザ動物病院
http://www.elsa-hp.com/medicalcare/preventive/dog/filaria.html

それぞれの価格表をご覧になるとわかりますが、イベルメックとレボリューションの価格にはそれほど差がなく、予防接種の場合は1年分のものを打ってもらったほうが費用も比較的安くすることが可能です。

予防接種の場合は1kgごとに追加費用がかかるなど病院ごとにシステムが異なる場合もあるため、実際にフィラリア予防接種を行う場合は事前に料金システムを確認するとよいでしょう。

とはいえ、犬種や個体差、性質などによって向いている薬と向いていない薬があり、予防注射も苦手な犬に取っては苦痛になりがちです。

そのため、費用だけ見るのではなく、まずは愛犬の体質や性格、体格などをしっかり把握したうえで、より負担の少ない方法でフィラリア予防をするのがベターといえます。
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6.まとめ

今回は、犬のフィラリアについてその症状や感染源となる蚊の種類、感染サイクルや治療法、予防法とかかる費用についてご紹介していきましたがいかがでしたでしょうか?

室内で犬を飼うご家庭が増え、フィラリアによる死亡率も低くなったとはいえ、やはり徹底的な予防は大切です。

というのも、たとえ室内で犬を飼っていても蚊は外から侵入してきますし、散歩の時など防虫犬服を着ていたとしても、蚊の接触を完全に防ぐことは難しいです。

そのため、いつの間にか蚊に刺され、気づかないうちにフィラリアに感染、重症化するということはどの犬にも起こりかねません。

何より、フィラリアから愛犬を守ることは、近隣の犬たちもフィラリアから守るのと同じです。

犬たちが安心して外で楽しく散歩をし、野原を走り回って遊べるよう日々を楽しく健やかに過ごせるためにもフィラリアの予防は飼い主の責務ともいえます。

愛犬のことを本当に思うのであれば、是非フィラリアの予防をしっかり行うようにしましょう。
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