犬を電車に乗せて旅行するなら知っておきたい料金や乗車中マナー

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旅行やお買い物など、遠方にお出かけする際に、愛犬と一緒にお出かけしたい方や、わけあって家に愛犬一匹だけおいていけないなど、やむにやまれず電車を利用しなければならないなど、様々な事情で愛犬と一緒に電車に乗る方も少なくないかと思います。

そこで今回は、愛犬と一緒に電車に乗る際に注意しておきたいことや犬を乗せる際の運賃、乗車時のマナーなど犬と一緒に電車に乗って出かける前に知っておきたいことをいくつかご紹介していきたいと思います。

目次

1.犬を電車に乗せる前に準備しておきたい6つのこと
1.1.犬を乗せる際に知っておくべき電車や新幹線のルール
1.2.犬を運ぶためのキャリーグッズを用意する
1.3.事前に愛犬がキャリーグッズに慣れておくようにしよう
1.4. 事前に愛犬が電車に乗っても大丈夫か獣医師に相談しよう
1.5.電車に乗る前に必ず愛犬の排泄は済ませておくこと
1.6.駅での手続き方法と駅ホームでの注意点をしっかり理解しよう

2.犬の乗車料金を知ろう
2.1.JR全社の犬の乗車料金規定
2.2.関東の鉄道電車での犬の乗車料金規定
2.3.関西・東海の鉄道会社での犬の乗車料金規定

3.気を付けたい!4つの乗車中のマナーや注意点
3.1.電車内での犬の立ち位置とは
3.2.犬の存在は知らせない
3.3.動物が苦手な方への配慮も忘れない
3.4.電車内で犬が鳴いたり吠え始めた時の対処方法

4.まとめ

1.犬を電車に乗せる前に準備しておきたい6つのこと

まず、疑問に思うのが「犬を電車に乗せてもいいのか?」ということだと思いますが、JRや私鉄といった各鉄道会社のルールに従えば犬を電車に乗せることは可能です。

特に注意しておきたいのは、

  • 電車や新幹線に乗せられるサイズ
  • 犬を運ぶためのキャリーグッズの使用
  • キャリーグッズに事前に慣れさせておく
  • 電車に乗っても大丈夫か獣医師と相談しておく
  • 乗車前に愛犬の排泄を済ませておく
  • 駅での手続きとホーム内での注意点

の6つです。

特に、サイズと使用できるキャリーグッズは各鉄道会社によって異なりますので、事前に調べておく必要があります。

また、いきなりキャリーバッグなどに犬を押し込んだり、事前に排泄をさせずに電車に乗るのは愛犬のパニックを引き起こしたり、粗相によって周囲の乗客に多大な迷惑がかかってしまいます。

また、多種多様な人々が毎日乗車する電車では、必ずしも犬に対して好印象を持つ人ばかりではありません。

そのため、犬を連れて胃乗客する際は、電車内やホームでの振る舞いはいつも以上に慎重にならなければなりません。

そこでこの項目では、愛犬と電車に乗る前に準備しておくべき5つのことについてご説明していきたいと思います。

1.1.犬を乗せる際に知っておくべき電車や新幹線のルール

基本的に、電車と新幹線に乗車する際、犬は小鳥やうさぎなどと同じ“小動物”のカテゴリーに入り、“手回り品”として扱われます。

ただし、すべての犬が電車に乗ることが可能というわけではなく、JRや東京メトロ、阪急電車や名古屋鉄道といったほとんどの鉄道会社は、

  • 使用するケージなどのキャリーグッズのサイズが長さ70cm以内、縦、横、高さの合計が90cm以内であること
  • 犬とキャリーグッズの合計が10kg以内であること

を基準としています。例外は、都営地下鉄やりんかい線、大阪市営地下鉄バスニュートラムで、それぞれ

【都営地下鉄】

  • ケージなどのキャリーグッズの縦、横、高さの合計が250cm以内
  • キャリーグッズと犬の合計が30kg以内

【りんかい線】

  • ケージなどのキャリーグッズの長さ規制なし、縦、横、高さの合計が90cmから120cm以内
  • キャリーグッズと犬の合計が20kg以内

【大阪市営地下鉄バスニュートラム】

  • 規定なし

と、JRなどの鉄道会社と比べると、小型犬以上も電車に乗せることが可能なようです。

このように、鉄道会社によって乗車できる犬のサイズが異なるため、あらかじめ各鉄道会社に問い合わせしておくとよいでしょう。

また、ほとんどの鉄道会社が基本的に乗車できるのは小型犬までと定めていますが、例外的に盲導犬や介助犬、聴導犬といった身体障がい者補助犬法が定める基準を満たした大型犬は同伴を許可されています。

1.2.犬を運ぶためのキャリーグッズを用意する

犬と一緒に電車に乗る際に必要不可欠なのが、ケージやドッグスリング、ドッグカート(バギー―)といったキャリーグッズです。

前項にて、各鉄道会社ではカートを含めたサイズや重さなどが定められていますが、もちろんキャリーグッズにも基準が定められています。

例えば、ドッグカートの場合、JRでは基準のサイズ以上になってしまうことがあるため、犬を入れる部分とカート部分が分離できるタイプのもの以外は利用不可能です。

また、ほとんどの鉄道会社では原則的に電車内で犬を出すことを禁止していますので、犬が容易に飛び出さない、逃げ出さないように屋根があり、しっかり蓋が閉じるタイプのケージやキャリーバッグの利用を推奨しています。

そのため、犬の頭などがはみ出てしまうドッグスリングは、使用できないこともあるため注意が必要です。

ただし、鉄道会社によっては事前に駅員さんにドッグスリングに犬を入れた状態をチェックしてもらい、安全性を確認してもらえれば乗車可能のケースもあるため、あらかじめ利用する予定の鉄道会社に確認をとるとよいでしょう。

1.3.事前に愛犬がキャリーグッズに慣れておくようにしよう

「鉄道会社の基準を満たすキャリーグッズを用意で来たので、さあ愛犬と一緒に電車に乗ろう!」といきなり愛犬と一緒に電車に乗ろうとするのは少し待ってください。

あなたの愛犬は、ケージなどに入れられることや、長時間拘束されて乗り物に乗って移動することに慣れていますか?もしそうでない場合は、しっかりトレーニングを行う必要があります。

というのも、慣れないうちにケージに入れて乗りなれない電車で長時間、見知らぬ人や音、臭いにさらされるのは、犬にとって大変なストレスになってしまいます。

そのため、電車内で吠えたてたり、場合によっては粗相をするなどして他の乗客に迷惑をかけてしまいます。それでは、楽しいはずの愛犬とのお出かけも、ちっとも楽しくありませんよね。

そのため、まずは愛犬と一緒にキャリーバッグやケージなどに入るところからトレーニングをはじめ、自動車などを活用して、徐々に距離や時間を延ばしていきながら、乗り物内でキャリーバックに入れられて大人しく過ごせるトレーニングをしていきましょう。

キャリーバッグやケージの中に入れられて、乗り物の揺れや音、臭いといった環境の変化や、長時間同じ場所でじっと大人しくしていることに慣れてから、まずは1駅数分程度の距離から電車に乗るトレーニングを行うようにしましょう。

1.3.1.ケージに入るトレーニング

犬がケージやキャリーバッグなどになれていない場合は、事前にケージトレーニングを行いましょう。

トレーニングの方針としては、『オペラント条件付け』の『正の強化』をメインに、ほめて伸ばす形で行います。

まず、愛犬にしてほしい行動を脳内に明確にイメージ(ここでは、ケージに入って大人しくしていること)し、電車に乗る際に用いるケージを用意し、ご褒美(お気に入りのおやつやおもちゃ)とトレーニングに集中できる環境を準備できたら、早速トレーニングに入ります。

まずは、お気に入りのおやつやおもちゃでケージにおびき寄せ、無事ケージ内に犬が入ったら「おりこうさんだね!」と声かけして褒め、ご褒美を与えます。

これで犬が「ケージに入ると、いいことがある」と学習し、「ケージに入る=ご褒美(快)」と関連付けをします。

このとき、ケージ内にいつも使っている毛布などを入れて快適な環境にしておくと成功率が上がります。

慣れてきたら、今度は指示語を用いたトレーニングを行います。やり方は先ほどと同じくおやつやおもちゃなどで犬をおびき寄せ、ケージに入る瞬間に「ケージ!」と指示語を出します。

このとき、必ず指示語の後に犬がケージに入るようにタイミングを見計らいましょう。

無事に指示語の後にケージに入ったら、「おりこうさんだね!」と声かけをして褒め、ご褒美を与えて「飼い主の言葉の後にケージに入ったらいいことがあった!」と関連付け学習されます。

これを繰り返すことで、犬の中で「“ケージ!”=ケージの中に入る」と指示語と行動の関連付けが強化されていきます。

「指示語=行動」の関連付けが十分に強化されたら、次のステップに入りましょう。

今度はおやつやおもちゃなどのケージにおびき寄せる餌を用いず、指示語だけでケージに入るトレーニングを行います。「ケージ!」と指示語を出して、自発的に犬がケージに入ったら、即座に「おりこうさんだね!」と声かけして褒め、ご褒美を与えます。

もし、指示語を出してもケージに入るそぶりを見せなかったら、ワンステップ戻って「指示語=行動」の関連付けを強化しましょう。

1.3.2.ケージに入りながら乗り物で移動するトレーニング

愛犬がケージにスムーズに入れるようになったら、今度はケージの中に入って乗り物で移動するトレーニングを行います。

こちらも、『オペラント条件付け』の『正の強化』をメインに、「ケージの中で大人しく乗り物に乗っていると楽しいことが待っている!」と犬に学習させましょう。

まずは、エンジンを切った状態で犬をケージに入れたまま乗せ、「車が安全なものである」ことを理解させます。

もし、じっと大人しくしていたら「おりこうさんだね!」と声かけして褒め、ご褒美を与え、「車に乗ったらいいことがある!」と学習させます。

エンジンを切った状態の車に乗るのに慣れてきたら、今度はエンジンをかけて振動やエンジン音、排気ガスの臭いに慣れさせます。

あくまでエンジンのかかった状態の車に慣れさせるトレーニングですので、まだ車を走らせないようにしましょう。

この場合も、ケージ内で大人しくしていたら「おりこうさんだね!」と声かけをして褒め、ご褒美を与え、「ケージに入ったままで、エンジンのかかった車に乗っていたらいいことがあった!」と関連付け学習を強化していきます。

もし、エンジンをかけて落ち着きがなくなったら、ワンステップ戻って「車は安全である」ことを再度学習させましょう。

エンジンのかかった停車した車に慣れてきたら、実際に車を走らせてみましょう。

といっても、いきなり長距離は犬も疲れてしまうため、まずは5m程度の距離から始め、徐々に走る距離を延ばしていきましょう。

無事、ケージ内で大人しくしていたら、「おりこうさんだね!」と声をかけて褒め、ご褒美を与えて「ケージに入ったままで、動いている車に乗ったらいいことがあった!」と関連付け学習を強化していきましょう。

もし、途中で落ち着きがなくなったら、一旦車を止め、気分が落ち着くまで様子を見て、ワンステップ戻って「エンジンのかかった車は安全である」ことを同日の夕方か、もしくは翌日に改めて学習しなおしましょう。

1.3.3.トレーニングを行う際に注意しておきたいこと

トレーニングする際に注意したいのは、犬が1回のトレーニングに集中できる時間は10~15分程度という点です。

犬の集中時間を過ぎてもトレーニングを続けると、徐々に集中が切れ、学習能力も低下し、効率よくトレーニングを行うことができません。

そのため、時間を過ぎたら一旦切り上げて同日の夕方かもしくは翌日に再開するようにしましょう。

また、ご褒美におやつを与えている場合、後々ご褒美に飽きてしまったり、肥満の原因になるため、徐々におやつを与える回数や量を減らしていき、最終的には「おりこうさんだね!」と声掛けだけで犬が満足するようにしましょう。

トレーニングを行う際に特に飼い主が気を付けるべきなのは、中々覚えないからと体罰を行うことです。

きつく叱りつけたり叩くなどの苦痛を与えるのは、犬と飼い主の信頼関係を損ない、反抗心を植え付けてしまいかねません。

また、犬自身が「何故叩かれたんだろう?」と行動と結果に対する理由づけができないため、体罰はしつけとしての効果はあまり期待できないとされています。

あくまで、「ケージに入って乗り物に乗って飼い主とお出かけするのは楽しいことだ!」と犬が学習することを目的に、「ほめて伸ばす」方向でトレーニングを行うようにしましょう。

その際、必ず家族そろってルールを決めて徹底的に守り、毅然とした態度を貫き、根気強く臨みましょう。

1.4. 事前に愛犬が電車に乗っても大丈夫か獣医師に相談しよう

乗り物酔いをしやすい犬や、環境の変化に弱く、ストレスからパニックに陥りやすい犬、てんかんや心臓病といった持病をもつ犬、7歳以上のシニア犬などは、急激な環境変化から容体が急変することもあり、特に持病を持つ犬やシニア犬は注意が必要です。

そのため、まずはかかりつけの動物病院へ足を運び、獣医師さんに愛犬が電車に乗っても大丈夫か事前に相談しましょう。

1.5.電車に乗る前に必ず愛犬の排泄は済ませておくこと

電車は公共交通機関であり、自分たち以外のたくさんの人々が毎日利用する乗り物です。

そのため、愛犬が電車内で粗相をすることで、悪臭や不快感をほかの乗客に抱かせ、迷惑をかけるのは絶対に避けるべきです。

電車に乗る前は、かかる時間や距離にかかわらず愛犬の排泄を済ませておくことがベストです。

また、乗り物酔いをしやすい犬は食事は電車に乗る2時間前に済ませておくようにしましょう。

また、もしもの場合に、消臭タイプの犬用トイレシートをケージに敷いておき、乗車中に粗相をしたら一度電車から降りて処置を行いましょう。

くれぐれも、ホーム内では行わないよう注意してください。

また、熱中症の時期に電車に乗るのはなるべく避けたほうが良いですが、どうしても愛犬と一緒に電車に乗らなければならない事情がある場合は、外付けのノズル式給水器を必ずケージにつけて、犬が水分補給で切るようにしておく必要があります。

どうしてもおしっこの心配をしてしまいますが、熱中症は重症化すれば最悪命を落としてしまう病気です。必ず愛犬の水分補給対策をしておきましょう。

もし、乗車中に犬がおしっこをしてしまった場合は、電車から降りたあとホームから出て、おもらししたトイレシートを交換しましょう。

1.6.駅での手続き方法と駅ホームでの注意点をしっかり理解しよう

利用する鉄道会社の規約に沿ったサイズのケージの準備や犬がケージに入って乗り物に乗るトレーニングを十分行い、犬が乗車中に水分補給できるようにケージにノズル式の給水器をとりつけて、事前に排泄を済ませ、万が一乗り物酔いをして吐いたり、粗相をした場合の対処法など、準備が整ったら、早速電車に乗りたいところですが、その前に手続き方法や駅ホーム内での振る舞いといったこともよく熟知しておかなければなりません。

まず、乗車前の手続きですが、友人改札に行き、「犬と同伴して電車に乗りたいので、普通手回り品切符をいただけますか?」と伝え、切符を購入します。

普通手回り品切符はJRの場合、一匹につき280円ですが、他の鉄道会社では無料の場合もありますので、必ず駅員さんに手回り品切符について尋ねましょう。

また、この手回り品切符は自動切符販売機では購入できませんので、必ず有人改札で入手するようにしましょう。

犬用の手回り品切符を入手し、飼い主用の乗車券を購入したら、ホームに入って電車が来るのを待ちます。

このとき、盲導犬や介助犬、聴導犬といった補助犬以外は決してケージから外に出してはいけません。

また、駅の利用者は必ずしも犬に対して好意的な感情を持っているわけではありません。

そのため、犬の顔が見えないよう、カバーをかけたり外から中が見えないタイプのケージを用いるなどといった配慮をしましょう。

気温が高くなる時期ですと、犬の熱中症が気になる方も多いと思われますが、犬に水を与えるときも決して外に出してはいけません。

犬がケージの中でも水分補給できるように、外付けのノズルタイプの給水器をとりつけておきましょう。

電車はあくまで不特定多数が利用することを前提とした公共機関です。その中には犬が嫌いな人やマナーに厳しい方なども少なくありません。

ちょっとした配慮が欠けることで退陣トラブルに巻き込まれる可能性がありますので、電車内だけでなく、駅ホームでのふるまい方にも気を付けましょう。
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2.犬の乗車料金を知ろう

犬と一緒に乗る際に注意したいのが乗車料金です。前項でもご説明しましたように、鉄道会社では犬を“手回り品”としてカテゴライズしているため、人間用の切符を使うことは不可能です。

「大切な愛犬を荷物扱いにはできないから、せめて人間用の座席に置いてやりたい」とお考えの方も多いかと思いますが、JRなどの鉄道会社では、旅客一人につき1枚までしか利用できない規則があるため、愛犬用に座席を用意することは禁止されているのです。

また、犬の乗車料金も、鉄道会社によって有料もしくは無料であるため、事前に利用する鉄道会社の犬の乗車料金を知っておく必要があります。

そこでこの項目では、JRをはじめ、関東と関西の犬の乗車料金についてご説明したいと思います。

2.1.JR全社の犬の乗車料金規定

JRは全国問わず、犬は手回り品として扱われ、1個につき280円に設定されています。これは電車や新幹線共通で、電車に乗る距離にかかわらず一律280円かかります。

例えば、東京から大阪まで犬と一緒に新幹線に乗るとしても、犬の乗車料金は280円です。逆に、一駅しか距離がない場合でも280円支払うことになります。

JR全社の犬の乗車料金
電車 1個につき280円(電車の走行距離にかかわらず)
新幹線

2.2.関東の鉄道電車での犬の乗車料金規定

関東の鉄道会社における犬の乗車料金規定
東京メトロ 無料
都営地下鉄
りんかい線
東急電鉄
小田急電鉄
東武鉄道
西武鉄道
京王電鉄
京成電鉄
新京成電鉄
京急電鉄

関東の主要鉄道会社の場合、犬及び手回り品はすべて無料です。

例えば、東京メトロは規定サイズ内のものであれば2個まで手回り品として持ち込むことが可能です。

持ち込める数は鉄道会社で異なりますので、不明な場合はご利用予定の鉄道会社に確認することをお勧めします。

2.3.関西・東海の鉄道会社での犬の乗車料金規定

関西の鉄道会社における犬の乗車料金規定
大阪市営地下鉄バスニュートラム 無料
近畿日本鉄道 1個につき280円(電車の走行距離にかかわらず)
南海電鉄
京阪電車
阪急電車
阪神電車
名古屋鉄道

関西及び東海地方の主要な鉄道会社では、大阪市営地下鉄バスニュートラムを除き、犬の乗車料金は1個につき280円と定められています。

関西・東海地方の場合も、JR全社での犬の乗車料金規定と同じく、電車の走行距離にかかわらず、金額は280円に固定されています。

ただし、JR全社、関東・関西及び東海地方の鉄道会社にかかわらず、あくまで手回り品としての規定サイズに当てはまる場合のみ、乗車料金設定が適応されることに注意してください。

また、鉄道会社によっては犬の持ちこみ個数の制限がある場合もあるため、やはり事前に利用する予定の鉄道会社に連絡して、複数の持ち込みは可能であるか確認するようにしましょう。

3.気を付けたい!4つの乗車中のマナーや注意点

愛犬と電車に乗っている最中は、自分と愛犬だけでなく、ほかの乗客に配慮して普段以上に乗車中のマナーに気を付けなくてはなりません。特に、

  • 乗車中の犬の置き場所
  • 犬の存在をほかの乗客に知らせない
  • 動物が苦手な人への配慮を怠らない
  • 電車内で犬が吠えたときの対処

についてはしっかり考慮に入れなくてはなりません。

「犬の入ったケージを置くのはどこが的確なのか?」「犬好きだけでなく犬嫌いな人や動物嫌いな人など様々な人が電車を利用していることを想定しなければ」「もし、犬が電車内でうるさく吠えてしまったら…、その他万が一のアクシデントがおきたらどうすればいいのか」といったことは飼い主が責任を負って対処しなければなりません。

そこでこの項目では、これら乗車中に気を付けておきたい4つのマナーについてご説明していきたいと思います。

3.1.電車内での犬の立ち位置とは

愛犬と一緒に電車に乗る際にまず気を付けたいのが、愛犬が入ったケージの置き場所です。

基本的に、犬の入ったケージは飼い主の足元や膝の上に置き、できれば車両の隅に位置する、優先席以外の座席や直射日光や電車内の空調機から出る冷風や温風が犬に当たらない場所に置くのがベストです。

飼い主の足元などに置くことで、犬が乗り物酔いをしたり、パニックを起こすといった異変にすぐ対処することができます。

ただし、犬を置いてはいけない場所もあります。まず、座席の上に手荷物棚は安定しないのと、飼い主が即座に愛犬の異変に気付けないためNGです。

また、基本的に犬は手回り品扱いであるため、新幹線など犬用の指定席の切符をとってその座席にケージを置くのは禁止されています。

特にJRでは、1人で2枚以上の乗車券を用いることは許可されていないため、たとえ自由席でも愛犬のために座席を用意するのは認められていません。

「愛犬を荷物扱いするなんて」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、あくまで電車や新幹線の座席は人間のためのものであって、自分たちだけでなくほかの乗客にも利用する権利があることを考慮すべきです。

3.2.犬の存在は知らせない

犬と一緒に電車に乗る上で特に気を付けたいのが、「ほかの乗客に犬の存在を気づかれないようにすること」です。

不特定多数の人々が毎日利用する電車では、犬好きの人だけでなく、犬や動物全般が苦手な人や犬にトラウマを持つ人、更にマナーに厳しく「動物を電車に乗せるなんて…」とお考えの方もいるかもしれません。

そのため、無用なトラブルを招かないためにも犬が電車に乗っていることを他の乗客に知られるのはなるべく避けましょう。

特に気を付けたいのが、犬を触りたがる小さな子供です。犬好きでも大人の場合だと触ると迷惑がかかることを理解している人が大半ですが、子供の場合だとそういった道理が理解できずただただ「触りたい!」と手を出してくることが少なくありません。

そのため、決してケージから犬を出さず、もし気づかれて「触りたい!」と催促されても「電車の中で犬を出すのはマナー違反だから駄目だよ」と理由をしっかり説明して、丁寧に断りましょう。

また、通勤・通学時間の電車が込み合う時間帯を避けて、他の利用者が少ないときに電車を利用するようにしたり、キャリーグッズにカバーなどをかけて外から犬が見えないようにするのも手です。

電車はあくまで公共機関であり、飼い主と愛犬自分たちだけが利用しているという意識を捨てて、ほかの乗客への思いやりと配慮を持って利用するように心掛けましょう。

3.3.動物が苦手な方への配慮も忘れない

先ほどの項目でも述べましたように、犬だけでなく動物全般が苦手な人にとって、犬が同じ電車、同じ車両に乗り込んでいるというのは多大なストレスに繋がり、場合によっては退陣トラブルに巻き込まれることも少なくありません。

そのため、他の乗客と少し離れた、優先席以外の車両の隅にある座席や、新幹線ならば指定席・自由席問わず通路側ではなく窓際の座席を利用するようにしましょう。

また、犬を置く位置も、できるだけほかの乗客の迷惑にならないように足元に置くようにしましょう。

ひざ上にケージを置くのもいいですが、電車が込み合っていて座っている前にほかの乗客が立っている場合、もし動物が苦手な人だとしたら非常にストレスになることでしょう。

そのため、目立たず、かつ愛犬の異常に即対応できる位置にケージを置くようにしましょう。

3.4.電車内で犬が鳴いたり吠え始めた時の対処方法

電車に不慣れな犬の場合、振動や音、嗅ぎなれない臭いでストレスが溜まり、急に吠えたてることも少なくありません。

この場合、事前に無駄吠えしないトレーニングをすることで電車内での無駄吠えを予防することが可能です。

また、愛犬のお気に入りのおもちゃで気を紛らわせたり、飼い主のにおいが染みついた毛布といったセキュリティブランケットなどを活用して愛犬の心をリラックスさせることで、慣れない電車の環境からくるストレスを和らげることができます。

それでも、もし愛犬が電車内で吠えてしまったら、次の停車駅で下車し、駅ホーム内で愛犬が落ち着くまで様子を見ましょう。

このとき、愛犬が外に出たがっても決してケージから出してはいけません。場合によっては駅から出て、少し気晴らしに駅周辺を散歩するなど、気分を紛らわしてあげるようにしましょう。

もし、犬が電車内で嘔吐したり、異常の量のよだれを垂らしているようであれば、電車が駅に停車次第下車し、駅ホーム内で犬の状態が落ち着くまで様子を見ましょう。

もしいつまでも症状が改善しない場合は、至急駅最寄りの動物病院へ行き、獣医師に診てもらい、適切な処置を受けるようにしましょう。

万が一の時もあるため、利用する電車の通過駅周辺の動物病院の情報を事前に調べておくことをお勧めします。
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4.まとめ

今回は、犬と一緒に電車に乗る際に気を付けておきたいマナーや乗車前に準備するべきこと、各鉄道会社ごとの犬の乗車料金について詳しくご説明していきましたがいかがでしたでしょうか?

「ただケージに閉じ込めておけば、ぶっつけ本番で電車に乗せても大丈夫!」というわけにはいかないということをご理解いただけたかと思います。

犬にもそれぞれ個性があり、中には乗り物に乗ること自体が多大なストレスとなり、結果的に心身ともにひどく消耗してしまうこともありますし、なにより電車は自家用車と異なり、年齢や性別、人種や国籍を問わず不特定多数の人々が利用する公共交通機関です。

そのため、「自分の隣にいる人が果たして犬に好意的な感情を抱いているか?もしかしたら、犬が苦手な人かもしれないから、犬がいることに気付かれないようにしよう」という配慮が必要です。

愛犬と電車に乗って出かけるのは確かに楽しいことです。家に帰るまで、旅行やお出かけした楽しい思い出を愛犬と共有できるよう、犬が安心して電車に乗るための知識やマナーを熟知するようにしましょう。
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