犬の体温の測り方や、平均温度、体温が高い、低いときの対処法と平熱

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私たち人間が健康に気を使って体温測定をして自分の平熱を把握しておくのと同じように、愛犬の平熱も把握しておく必要があります。

愛犬の平熱を知っておくことで、感染病や熱中症、低体温症といった命に関わる病気に罹ったときもすぐに対応することができるからです。

そこで今回は、犬の平熱と低体温症の原因、熱中症やその対策のほか、犬の体温の測り方などを詳しくご説明していきたいと思います。

目次

1.犬の平熱は38.5度付近
1.1.愛犬の平熱を把握しておくメリット

2.犬の体温が低くなる原因は3つある
2.1.低体温症による体の冷え
2.2.老化による体温調節機能の衰え
2.3.ケガや内臓疾患による体温の低下
2.4.体温が高いのは熱中症が原因かも?
2.5.犬が熱中症にならないために、体温を下げる効果的な方法とは

3.犬の体温はどのようにして測るの?
3.1.どのようなタイプの体温計があるの?
3.2.犬に体温計を使う時にラップは必要?
3.3.犬が水銀体温計を食べてしまった時の対処方法

4.犬は気化熱を利用して体温調節をしている!
4.1.犬は汗をかくの?
4.2.犬のハーハーという呼吸『パンディング』の効果としくみ
4.3.どうして犬に服を着せるの?
4.4.寒い時や暑い時に犬はどういった場所に移動するの?
4.5.犬体温が高い時は扇風機をうまく活用!

5.まとめ

1.犬の平熱は38.5度付近

犬の平熱は平均しておよそ38.5℃程度と、私たち人間と比べると少し高めです。実際に愛犬に触れてみると、「ちょっと熱いかな?」と感じます。

また、サイズによって平熱も変化し、小型犬の場合は38.6~39.2℃、大型犬の場合は37.5~38.6℃と、体が大きくなるにつれ平熱も低くなっていきます。

特に注意したいのが、犬も私たち人間と同じように個体差によって平熱が変化することです。

先ほどご説明した平熱はあくまで目安ですので、できれば実際に愛犬の体温を測り、平熱を把握しておくと万が一感染症などに罹った場合にすぐに対応することができます。できれば毎日体温測定を行い、ノートなどに記録しておきましょう。

1.1.愛犬の平熱を把握しておくメリット

平熱を把握しておく一番のメリットは、愛犬の健康管理です。特に生後間もない子犬やシニア犬は常に体温測定を行い、平熱より上かそれとも下か確認することで、何らかの感染症や病気、若しくは低体温症に罹った場合、すばやく動物病院に受診し、適切な処置をしてもらえます。

また、妊娠予定のあるメスの場合、平熱を把握しておくことは非常に重要といえます。というのも、出産する直前、メスの体温が平熱からおよそ1℃下がってから24時間以内に子犬が産まれる可能性が高くなるからです。

そのため、なるべくオスとの交配前に飼っているメスの平熱を把握しておくと出産時に慌てず、適切な行動をとることができます。

2.犬の体温が低くなる原因は3つある

愛犬の体を触ってみると、いつもより冷たく、なんだか元気がないといったことはありませんか?

実は、何らかの理由で犬の体温が低下し、場合によっては命を落とす危険性もあるのです。犬の体温が低くなる原因としては、

  • 低体温症
  • 老化による体温調節機能の衰え
  • ケガ、若しくは内臓疾患を患っている

といった3つの原因のほか、様々な理由によって犬の体温が平熱よりも低くなることがあります。一時的な体の冷えであれば問題はありませんが、元気がなかったり、食欲不振といった症状も見られる場合は、かかりつけの動物病院へ行き、獣医師による適切な処置を施してもらう必要があります。

そこで、この項目では、犬の体温が低下する主な原因ごとに、詳しく説明していきたいと思います。

2.1.低体温症による体の冷え

『低体温症』とは、文字通り犬の体温が平熱よりも極端に低下する症状のことで、気温が低く、寒い環境下に置かれることで体全体が冷え切り、異常に体温が低下し、場合によっては命を落とすこともあります。

特に冬場は低体温症になるリスクが高いため、室内飼い屋外飼い問わず犬の防寒対策をしっかり行うようにしましょう。

水に濡れるなど、一時的な体の冷えであれば特に問題はありませんが、これらの症状が併発して起こった場合は低体温症の可能性があるため、適切な処置を行い、早急に動物病院へ行きましょう。

低体温症と思われる主な症状

  • 体温が平熱よりも異常に下がっている
  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 体をぶるぶると震わせている
  • ぐったりしている
  • 動作が鈍い
  • 呼吸が浅い

もし愛犬が低体温症になった場合、体温が下がり続けないように40℃のお湯を入れた湯たんぽやペットボトルをタオルで包んだものや毛布などで犬の体を温めましょう。意識がある場合は、温かいお湯を飲ませて体の内側からも温めてあげましょう。

その後、10分ごとに体温を測り、36℃以下で中々平熱に戻らない場合は、速やかにかかりつけの動物病院へ行きましょう。動物病院へ行く途中も、体温が下がり続けないよう湯たんぽや毛布などで犬の体を温めましょう。

動物病院では、毛布や湯たんぽなどで犬の体の外側を温めつつ、暖かい溶液を犬に飲ませたり、暖かい空気を肺に送って体の内側からも温める処置を行います。

低体温症の予防としては、犬を長時間寒いところにいさせないことです。室内飼いであれば、エアコンや毛布、湯たんぽなどといった防寒対策をとることが容易にできるため、よほどのことがない限りは低体温症になることはあまりありませんが、屋外飼いで特に気温が0℃以下になることの多い真冬の季節では、防寒対策を行わない限り室内で飼うよりもずっと低体温症に罹るリスクが高いのです。

できれば、冬の間は屋外から室内に切り替えたほうが良いですが、それが難しい場合は、できるだけ冷気が小屋の中に入らないように入り口部分に冷気を遮断するものをとりつけ、小屋の中には毛布などの防寒アイテムを入れるなどの対策をしっかり行うようにしましょう。

2.2.老化による体温調節機能の衰え

犬は、寒い時には立毛筋と呼ばれる筋肉を収縮させて体全身の被毛を立たせることで、体温が外に逃げるのを防いだり、体をぶるぶると震わせる『シバリング』を行うことで体温をあげるのですが、年をとり、老化によって筋力が低下し、体力も衰えるとそうした体温調節機能も衰えてしまい、体温が低下しやすくなってしまいます。

そのため、シニア犬の防寒対策としては、室内飼いの場合は犬の大綱を考えて、常に暖かい空気に触れるようハウスやケージ、ベッドなどを高い位置に置くようにしましょう。ただし、エアコンなどの風が直接当たると乾燥し、気管支などを痛める可能性もあるため、なるべく風が当たらない位置に配置するようにしましょう。

また、できるだけ室内の温度も高めにしましょう。また、定期的にブラッシングを行うことで、被毛の防寒性や保温性を高めることができるので、室内飼い・屋外飼い問わずシニア犬になったらなるべくこまめにブラッシングを行うようにしましょう。

その他、防寒対策としては、犬用の服を着せたり、湯たんぽなどの防寒アイテムを用いるのも効果的です。防寒アイテムを用いる場合、人間用のものを用いると低温やけどになる可能性もあるため、必ずペット用のものを用いましょう。

エアコンのほか、石油ストーブなどを用いる場合、窓を長時間閉めっぱなしにすると一酸化炭素中毒になる危険があるため、換期はこまめに行いましょう。

屋外飼いの場合、防寒対策のことを考えるとなるべく室内飼いに切り替えたほうが良いのですが、中々上手くいかないご家庭も少なくないと思われます。その場合は、冷たい風や冷気が犬小屋に入りこまないよう入り口を遮断し、毛布などの防寒アイテムを用いるようにしましょう。

2.3.ケガや内臓疾患による体温の低下

犬の体温低下の原因は、低体温症や老化による体温調節機能の低下だけでなく、外傷や尿毒症といった内臓疾患によるものもあります。長期間低体温が続き、なんらかの症状を併発しているようであれば、早急にかかりつけの動物病院に受診しましょう。

内臓疾患や外傷などの異常を早期発見するためには、日ごろから愛犬の健康管理が必要です。食欲不振ではないか、尿や便の状態はおかしくないか、平熱であるか、体温が36℃を下回っていないかどうか常に愛犬を観察するようにしましょう。特に、シニア犬や持病を持つ犬に対しては、健康チェックは欠かさないようにしましょう。

2.4.体温が高いのは熱中症が原因かも?

毎年6月から8月にかけて起こりやすい熱中症。私たち人間も毎年夏になると熱中症に苦しめられますが、犬は全身が毛に覆われているため、人間以上に暑さに弱く、熱中症にかかりやすいのです。

犬の熱中症は人間とおなじように、普段より体温が高く、パンディング(あえぐような呼吸)をしても中々さガラ図熱がこもり続けることで、内臓機能が低下し、脱水症状や下痢、嘔吐といった様々な症状を引き起こし、最悪の場合命を落とすこともある恐ろしい病気です。特に、体が夏の気候になれていない初夏の頃にかかりやすいため、充分な対策が必要となってきます。

犬の熱中症は主に、体温が40~41℃に上昇し、呼吸数・脈拍数が多く、パンディングが中々収まらず、ぼーっとしていたり、呼吸がいつもより荒くなるなどといった症状が現れます。もしこのような症状が見られたらすぐに体を冷やして動物病院に行きましょう。

熱中症は、重症化すると下痢や嘔吐、体の震えやけいれんといった発作が起こり、尿が出ない、あるいは血尿が出る、失神するなどの意識障害を起こします。特に、尿が出なかったり、出ても血尿として排泄される場合は腎臓に重篤な障害が出ている可能性があり、他の臓器も機能低下している可能性があるため、命を落とす危険があります。

いずれかの症状が一つでも当てはまる場合は、早急に犬の体を冷やし、一刻も早く動物病院へ行って適切な治療を受けるようにしましょう。

人間の場合と同じように、犬の熱中症の治療も時間との勝負になります。時間が経過するにつれどんどん悪化し治療も困難になるため、なるべく熱中症の予兆が見られたらかかりつけの動物病院に事前連絡をし、動物病院側でも受け入れ態勢が取れるようにしましょう。

その際、飼い主が取れる処置は、とにかく“犬の体を冷やす”ことです。涼しい場所に移動させ、人肌程度の温度の水で犬の体を濡らし、扇風機などで風を当てて体を冷やしてやります。

アイスパックや冷水などを用いる方もいると思いますが、この方法だと犬の体の表面しか冷えないため、あまりお勧めできません。犬の体を冷やしながら、動物病院へ行きましょう。

動物病院に着いたら、点滴などの処置をしてもらい、急変が起こった場合、すぐに対処できるように2、3日ほど入院させます。熱中症は症状が治まり、「治った」と思ったら、後になって症状が悪化する可能性もあるからです。

場合によっては命を落とす危険性もある熱中症は、その治療費もかなりの額になります。動物病院によって異なりますが、1回の受診でおよそ3~6万円ほどの費用が必要になります。費用の面でもそうですが、なにより愛犬の健康を考えれば、熱中症にならないように予防することが大切です。

熱中症の予防としては、とにかく犬の体に熱がこもり続けないようにすることです。室内飼い・屋外飼い問わず、水分補給はこまめに行い、風通しがよく、直射日光が当たらないような場所で日中は過ごさせるようにしましょう。室内飼いの場合は、遮光・遮熱カーテンを用い、エアコンなどで熱中症にならない適切な室温に設定しましょう。

屋外で飼っている場合は、エアコンが使えませんので、よりこまめに水を取り替え、小屋の周りを打ち水してあげたり、すのこなどを小屋に設置、すだれやよしずなどを用いて日陰になる場所を作るなど、直射日光の当たらない涼しい環境を作ってあげましょう。

散歩の時間も、気温が高くなる日中は避けましょう。特に真夏の日中は気温が高くなるだけでなく、アスファルトも高温になり、反射熱によって熱中症にかかるリスクが高くなります。また、高温に熱されたアスファルトによって、犬の肉球などがやけどを負うこともあります。そのため、夏の間の散歩は、早朝あるいは日が落ちた時刻に行うようにしましょう。

また、車に犬を乗せて移動する際も、車内は気温が上がりやすいため、エンジンを切って窓を閉め切るのは厳禁です。犬を社内で待たせなくてはならない場合は、カーエアコンを付けたままにし、水分補給ができるように給水器などを用い、なるべく長時間犬を置きっぱなしにしないよう用事をすぐに済ませましょう。

2.5.犬が熱中症にならないために、体温を下げる効果的な方法とは

犬が快適に過ごせる気温と湿度は、大体22~25℃、湿度50%程度とされていますが、犬種や体のサイズによって異なるため注意が必要です。例えば、トイプードルやチワワ、ヨークシャーテリア、ミニチュアピンシャーなどの超小型犬および小型犬、イタリアングレーハウンドなどの短毛犬種は寒さが苦手なので、もう少し気温を高めにする必要があります。

また、犬は人間と比べて汗腺が肉球や鼻の頭の一部しかなく、汗をかいて体温を下げることは基本的に不可能です。そのため、パンディングを行って体温を下げるのですが、このパンディングも肋間筋や横隔膜の収縮を用いて行うため、結果的に体が温まってしまいます。

そのため、犬は自分で体温を下げることが苦手であるとされているため、特に夏の間は、犬の体に熱がこもらないように飼い主が手伝ってあげなければなりません。

犬の体温低下は、パンディングと床などの冷たい部分に腹ばいになることで体を冷やすことが主なやり方なので、効率よく体を冷やせるように手助けしてあげましょう。

室内飼いの場合は、エアコンで室温を下げるだけでなく、湿度も下げるようにします。湿度が高いとパンディングによる体温低下がうまくいかないためです。

また、床に新聞紙を敷き詰めたり、凍らせたペットボトルを置くことでも除湿はできますが、エアコンと比べると効果は今一つです。あくまで節約法として、エアコンと併用して行うようにしましょう。

また、遮光・遮熱カーテンを用いると室内をより効率的に下げることができるため、犬のいる部屋などで用いるようにしましょう。また、エアコンを付けているからといって水分補給を怠ってはいけません。常に新鮮な、冷えたお水が飲めるようにこまめに給水器や水やり皿のお水を取り替えましょう。

屋外で飼っている場合は、先ほどの項目でもご説明した通り、日陰になる場所やすのこを設置して通気性を良くし、打ち水を小屋周辺に行うなど犬が涼しくなる環境を作ってあげましょう。水分補給は室内飼い以上にこまめに行う必要があります。常に水やり皿を見て水が少なくなってないか、汚れていないか確認して常に冷たく清潔なお水を与えるようにしましょう。

このほか、ペット用冷却マットなどのグッズやサマーカットを施すといったやり方もありますが、犬種や個体差、性格や生活環境といった様々な要因が絡んできます。愛犬の体温調節を行う際はその性質をしっかり理解してから行うようにしましょう。

3.犬の体温はどのようにして測るの?

犬の体温は、人間用の体温計でも測れますが、できれば犬用の体温計を用いるようにしましょう。犬の体温の測り方で一番正確に体温を測れるのは、犬の肛門に体温計を挿入して体温を測る『直腸検温』です。

やり方は、体温計の先端が汚れるのを防ぐため、予めラップを巻いて保護し、オリーブオイルやサラダオイルなどを塗って犬の肛門や直腸を傷つけないよう、挿入しやすいようにします。

片方の手で犬の体を支え、もう片方の手で体温計を持ち、犬の尻尾をあげて肛門を広げたら、体温計をゆっくり3~5cmほど入れ、そのまま1分ほど姿勢をキープして測ります。慣れないうちは、犬の体を支え、尻尾をあげる補助役と、実際に肛門に体温計を入れて体温測定をする役の二人で行いましょう。

直腸検温のほかに、犬の後ろ脚の内股で測定する方法があります。やり方は直腸検温よりも簡単で、後ろ脚に体温権を挟み、犬の体と体温計がしっかり密着するようおさえつけ、4~5分ほど姿勢をキープして体温を測ります。

この方法だと、直腸検温よりも楽で、犬の体にかかる負荷も少なくなりますが、時間がかかること、そして測定した体温が直腸検温よりも1℃程度低く測定されることに注意しましょう。

犬の体温を測る前に、必ず緊張をときほぐし、リラックスさせてから体温測定を行いましょう。緊張すると、体温が上がり、正確な体温を測定できないからです。また、人間用の体温計を用いる場合、人間と犬とで共用せず、必ず“人間用”と“犬用”に分け、それぞれ別の体温計を用いるようにしましょう。

3.1.どのようなタイプの体温計があるの?

犬の体温計は、スタンダードなタイプのものから、耳で測るもの、非接触タイプと様々です。耳で体温測定できるタイプの体温計は、耳の中から出る赤外線で体温を測る仕組みで、耳の奥深くまで挿入する必要がないため、犬の耳を傷めずに安全に体温を測ることができます。

また、直腸検温と同じように正確に体温を測ることができ、しかも測定に1秒程度しかかからず、犬の体への負担やストレスがかなり軽減されます。

非接触タイプの体温計は、犬の体表から出る赤外線から体温を測る体温計で、犬の体に接触しないため非常に衛生的でお手入れしやすく、落ち着きのない犬に対しても簡単に体温測定しやすいのが特徴です。

また、犬の体温測定だけでなく熱を持った物体なら測定することができるため、水やミルク、ドッグフードだけでなく、アスファルトの温度も測れるので、子犬やシニア犬、持病を持った犬の食事管理も容易にでき、また、散歩の時に犬がやけどをしたり、反射熱で熱中症になるのを事前に防げます。

3.2.犬に体温計を使う時にラップは必要?

犬の体温を測る際、特に直腸検温を行う際は、衛生面やお手入れのしやすさなどを考えると先端部分はラップで包み、オイルを塗って測定したほうがよいとされています。

最近のペット用体温計は犬の体に負担がかかりすぎないように先端のセンサー部分も細く、アタッチメントとしてより肛門に挿入しやすいものもありますが、それでも慣れないうちは犬の肛門や直腸を傷つけてしまう恐れがあります。そのため、衛生面やお手入れのしやすさだけでなく、犬の体を傷つけず、ストレスが溜まらないようスムーズに体温測定を行えるよう、ラップやオイルを用いたほうがよいでしょう。

また、ラップではなく使い捨てのペット用体温計カバーが販売されているため、より衛生面などを考えるのであれば、そちらも使ってみることをお勧めします。

3.3.犬が水銀体温計を食べてしまった時の対処方法

犬の体温を測る際に、水銀体温計を用いていたときに、急に犬が暴れて体温計をかみ砕いてしまった、そういうときはどのような対処法をとればよいのでしょうか。

現在、水銀体温計に用いられている水銀は、金属水銀(無機水銀)であり、水俣病の原因である有機水銀と異なり無害で、体内に吸収されないので2,3日ほどで便と一緒に犬の体から排出されます。ですが、水銀が床にこぼれたままにしておくと、気化して肺を通じ、体内に水銀が入りこんで神経や腎臓に多大なダメージを与えるため、すぐに片づけましょう。

水銀体温計の水銀よりも、もっと危険なのが、体温計本体がガラスであった場合です。かみ砕いた際にガラス片が犬の体内に入りこみ、食道や胃腸などの内臓を傷つけ、大出血する恐れがあるためです。その場合はすぐに動物病院へ行き、適切な治療をしてもらいましょう。

4.犬は気化熱を利用して体温調節をしている!

犬の体温が上がった際、私たち人間のように汗によって体温調節をするのではなく、主にパンディング(あえぎ呼吸)をすることで上がりすぎた体温を下げています。このパンディングによる体温調節は、主に『気化熱』の原理を利用して行われています。

『気化熱』とは、熱を持った物体の表面に、冷えた水などの液体が触れ、物体から液体へと熱が移動することで物体の温度が下がるという仕組みです。人間が汗によって体温を下げることができるのは、体に付着した汗に熱が移り、汗の中の熱を持った水分子が空気中に放散されることで、余分な体温を気化熱として体外に放出しているわけです。

犬の場合、汗腺が少ないため人間のように汗をかくことで体温を下げることはほとんどできませんが、舌から気道にかけての部分を唾液で塗らしてパンディングを行うことで、唾液に熱が移動し、熱を持った唾液中の水分子が放散されることで体温を下げるのです。

4.1.犬は汗をかくの?

皆さんは犬が汗を描いている様子を見かけたことはありますか?もちろん、私たち人間のように犬が滝のように汗をかく様子を見たことは一度もないと思われます。とはいえ犬に感染が全くないのかといえば、そうでもないのです。

汗を分泌し、産出する『エックリン汗腺』は犬も同じように備わって入るのですが、前項でもご説明しましたように肉球や鼻の頭付近にしかなく、汗による気化熱を利用した体温調節はほぼ不可能です。

因みに、犬の体の全身には白く、脂状の汗を分泌・産出する『アポクリン汗腺』が発達していて、この汗腺から分泌される汗は、犬同士のコミュニケーションを図るための働きが主であるので、気化熱による体温低下の機能はあまり期待できません。

4.2.犬のハーハーという呼吸『パンディング』の効果としくみ

暑い日は犬がよく舌を出して「ハーハー」とあえぐように呼吸する姿が見られますが、あの仕草が『パンディング』と呼ばれる行為で、主に舌から気道にかけて濡らした唾液を蒸散させて、余分な体温を空気中に発散することで、熱くなりすぎた体温を下げているのです。

このパンディングは、乾燥し、涼しい風が吹いているときは犬の体に当たる風の流れを受けて、犬の体から余分な熱が移動した唾液の水分子を効率よく空気中に放散でき、上手く体温が下がるのですが、湿度が高く、風が全く吹かない状態では余剰分の熱を受け取った唾液中の水分子の空気中への放散がうまくいかず、熱がとどまってしまいます。

そのため、特に室内飼いの場合は気温だけでなく、室内の湿度が高くなりすぎないよう調節しましょう。

4.3.どうして犬に服を着せるの?

犬に服を着せるのは、ただのオシャレのためではありません。私たち人間も寒いときは厚着して体温が外気に逃げたり、冷たい空気に体が触れないように傍観するのと同じように、犬も服を着ることで、より防寒性を高めることができます。

特に、体が小さくすぐに冷え切ってしまう超小型犬や小型犬、子犬や、体温調節機能が低下しているシニア犬などは、低体温症にならないためにもなるべく服を着せて体温調節の手助けをしてあげましょう。

また、服を予め水に濡らしておくことで、気化熱を利用して体温を下げることもできます。

服を着るメリットは、防寒など体温調節の補助のほかにも、ダニやノミの被害から犬を守り、被毛が抜け落ちて飛散することで、ドッグカフェなど人や犬が集まる場所で周囲に迷惑をかけてしまうのを防いだり、雨の日の散歩にレインコートなどを着せることで、家に入れる際に犬の体を拭く箇所が減り、手間も少なくなります。

このように、犬に服を着せるメリットはたくさんありますが、デメリットもいくつか存在します。

基本的に犬は全身を毛で覆われているため、本来なら服を着る必要がなく、服を着慣れていなかったり、触られるのが嫌な犬にとってストレスになることも少なくありません。

また、特に冬場は静電気が起きやすく、服を脱いだりするときに起こる静電気の刺激によって犬が苦痛を感じてしまうことも。更に、毛玉ができやすくぶらっしんっぐやシャンプーの手間がかかりやすくなったり、最近ではビーズやレースなどの装飾が付いた犬用の洋服があるため、誤って装飾部分をかじって飲み込んでしまうなどといったデメリットもあります。

どうしても犬に服を着せなければならない状況が起きたときのために、普段から服を着ることに対する抵抗感を薄れさせるトレーニングを行うようにして、犬のストレスを軽減しましょう。

4.4.寒い時や暑い時に犬はどういった場所に移動するの?

寒いときは、室内飼いの犬は体が冷えないようにフローリングなどの底冷えする場所ではなく、カーペットや毛布の上に移動して体を温めます。

屋外で飼われている場合は、日当たりの良い場所や小屋の中、毛布などが入っていればそこに丸まってじっとしています。逆に暑いときはより冷たい場所を探し、腹ばいになって体を冷やします。

こういった犬の行動は、「寒い」もしくは「暑い」というサインでもあります。そのため、このような行動が見られたら、犬が快適に過ごせるように環境を整えましょう。室内外の場合はエアコンなどで温度や湿度を調節し、ベッドの位置などを変えます。屋外飼いの場合は、夏はすのこなどを敷いたり、よしずやすだれなどで日陰を作ってあげましょう。

冬の場合はなるべく冷たい風が小屋の中に入ってこないよう設置場所を工夫したり、毛布などの防寒具を小屋の中に設置してあげましょう。できれば、冬の時だけは屋外飼いから室内飼いに変えたほうがいいでしょう。

4.5.犬体温が高い時は扇風機をうまく活用!

前項でご説明したように、犬は主にパンディングによって体温を下げます。このパンディングによる体温調節をより効率よく行うために、扇風機を有効活用しましょう。

ただし、扇風機単体ではあまり効果がないため、エアコンで室内の温度を下げて冷たい風を犬に送るようにしましょう。こうすると、冷たい風の流れを受け、熱を持った唾液中の水分子がうまく空気中に放散されます。

また、遮光・遮熱カーテンを用いるとより冷房効率が高まり、エアコン代も節約できます。このほか、水を入れて凍らせたペットボトルなどをタオルで包んだものを扇風機の前に置くことで涼しい風を作ることもできます。時と場合によってうまく使いこなしましょう。

5.まとめ

今回は、犬の体温について詳しくご説明していきましたが、いかがでしたでしょうか?愛犬の平熱を把握しておくことは、もしものときのために適切な対応と処置を行うために必要であること、低体温症や熱中症は重症化しない初期段階のうちに対処すること、そして予防が何よりも必要であることがご理解いただけたかと思います。

特に子犬やシニア犬、持病を持った犬などは体温変化が体調と直結することが多いため、こまめな体温チェックは必要となってきます。ご家庭の愛犬が健やかな日々を暮らせるよう、犬の体温管理にも気を配るようにしましょう。

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